サステナビリティ経営とは?SDGs・CSRとの関係や取り組み事例について

最終更新日時:2023/02/17

SDGs

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環境への意識変化や重要性の認知により、SDGs達成に向けた取り組みを行う企業が増えました。取り組みと合わせて話題に挙がる経営手法が、サステナビリティ経営です。本記事では、サステナビリティ経営についてSDGsやCSRとの関係、取り組み事例について解説します。

サステナビリティの意味

サステナビリティ経営とは、企業が目先の利益だけでなく環境問題や社会問題に配慮しつつ、ステークホルダーと共存しながら長期的に良好な経済活動を行う経営を指します。

「サステナビリティ」の意味は持続可能性ですが、サステナビリティ経営では、この持続可能性を自社に加えて自然環境や社会にも当てはめる経営が必要です。

サステナビリティが抱えている課題

サステナビリティの考えでは、環境や人口、多様性といった世界が抱える多くの課題解決を目指します。

例えば、地球温暖化に代表される環境問題もその一つです。産業革命以降の世界的な経済発展により、二酸化炭素の排出量が増大しています。空気中の二酸化炭素の濃度が上昇していることで世界的に気温が上昇し、生態系の破壊や自然災害など地球環境の混乱も危ぶまれています。

他にも、世界人口の急激な増加による食料などの資源不足や廃棄物の増加も問題視されています。性差別やLGBTQ+といった多様性に関するもの、児童労働など、世界が持続的に発展していくためには、多くの課題を解決しなければなりません。

サステナビリティ経営が持つ3種類の観点

サステナビリティ経営は、「社会」「環境」「経済」の3つの観点を持ちます。

「社会」は雇用・ダイバーシティ・機会均等・教育といった項目に取り組まなければなりません。学生が就職先を選ぶ際にも、企業の社会貢献度を重視すると答える方が多くなっているように、社会からの要請としてもサステナビリティ経営は求められています。

環境は、エネルギー問題・生物多様性・廃棄物の削減などへの対応が必要です。対策としては、地球保全活動やリサイクル取り組み強化などが挙げられます。

経済については、サステナビリティ経営による経済への貢献によって、格差是正や貧困問題の解決につながっていきます。

【解説】企業がSDGsに取り組むメリット・デメリットとは?

サステナビリティ経営を行う必要性

サステナビリティ経営を行う必要性は主に2点です。

  • 企業価値向上につながる
  • ステークホルダーからの評価を得られる

サステナビリティ経営の実現には、事業活動の見直しが必要でコストや労力がかかります。それでも多くの企業がサステナビリティ経営に取り組むのには理由があるのです。ここでは、サステナビリティ経営を行う必要性を解説します。

企業価値向上につながる

サステナビリティ経営を行えば、自社の事業継続リスクに備えることができ、利益の最大化による企業価値向上が期待できます。原材料の使用料や製造時のエネルギー消費量を削減できれば、将来起こり得る資源不足に備えることが可能です。ランニングコストの大幅な削減を実現できれば、会社の利益が大幅に上がります。

また、市場規模が数千兆円の社会課題解決に関する事業に取り組めば、新たな事業やサービスが誕生するかもしれません。結果として企業価値が大幅に向上し、競争優位性を確立でき、競合に大きな差を付けられる可能性があります。

ステークホルダーからの評価を得られる

サステナビリティ経営への取り組みは、顧客や取引先、従業員といったステークホルダーからの評価にもつながります。

社会課題の解決に貢献できる商品やサービスを購入したい消費者は多くいます。

サステナビリティ経営を行えば、企業のイメージアップだけでなく顧客のニーズに合った商品やサービスの提供が可能です。取引先がサステナビリティ経営に取り組んでいれば、自社への信用アップや良好な関係性を構築できる可能性もあります。同じ志を持つ企業同士が連携することで、新たな商品やサービスが生まれるきっかけになるでしょう。

社会課題の解決に向けた事業は、従業員が持つ仕事に対する自信やモチベーションアップにもつながります。社会貢献したい求職者は多く、サステナビリティ経営への取り組みを外部へ発信すれば優秀な人材の確保にもつながるでしょう。

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サステナビリティ経営と混同される言葉

サステナビリティ経営とは、環境問題や社会問題に配慮しつつ長期的に経済活動を行うことです。環境問題や社会問題への対応というと、SDGsやCSRを思い浮かべる方も多いでしょう。

これらはお互い無関係というわけではありませんがよく混同してしまうので、違いを理解してよりサステナビリティ経営の理解を深めましょう。

サステナビリティ経営とSDGsとの違い

SDGsは(Sustainable Development Goals)の略で、「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年9月に、国連に加盟している193ヶ国の合意によって採択された目標です。

目標の中身は、2030年の世界があるべき姿を描いた17の目標と、その目標を実現するための169個のターゲットがあります。

サステナビリティ経営は「経営」で、SDGsは「目標」という違いがあります。

またサステナビリティ経営は期限が無く長期的なものと捉えられますが、SDGsは2030年が期限です。

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サステナビリティ経営とCSRとの違い

CSRは(Corporate Social Responsibility)の略で、「企業の社会的責任」と訳されます。

地球保全活動や寄付といった社会貢献活動から従業員や投資家、消費者といったステークホルダーに対して責任を持ち、期待に答えていくべきという考えです。

サステナビリティ経営とCSRは目指す方向性は同じです。しかしサステナビリティ経営は企業だけではなく国や個人など社会全体が対象ですが、CSRはあくまでも企業の事業活動に限られます。

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サステナビリティ経営の推進方法

サステナビリティ経営を推進するには、計画的に対応する必要があります。

サステナビリティ経営を進める手順としては、下記のとおりです。

  1. 経営層による企業の見直し
  2. 現状を具体的に数値化する
  3. 長期的な目的を設定する
  4. 目標達成に向けた工程を策定する
  5. 取り組みを実践する
  6. 内容を発信する

ここでは、サステナビリティ経営の推進方法についてみていきましょう。

1.経営層による企業の見直し

最初に必要なのは、経営層による企業の見直しです。

サステナビリティを推進するには、企業の経営理念や経営方針がサステナビリティ経営に沿っているかを見極めなければなりません。そして、方向性が違うのであれば、修正する必要があります。

経営理念や経営方針は、従業員からのボトムアップというよりはトップダウンが重要です。

経営層による「これからはサステナビリティ経営をする」という強い意志の下、企業の組織や考え方、従業員の意識改革が必要となるでしょう。

【SDGs】サステナブルとは?正しい意味や関連語を具体例で解説

2.現状を具体的に数値化する

続いて、理想の姿と現状とのギャップを数値化します。具体的には、二酸化炭素や廃棄物の排気量などが挙げられます。

数値化する場合には経営に配慮しつつも、ステークホルダーとともに持続可能性を重視した対応が求められるでしょう。

3.長期的な目的を設定する

数値化により現状把握ができたら長期的な目的や目標を設定し、自社は何を目的として活動していくべきか、どこまで目指すのかを決めます。

長期的な目的や目標は、一度決めたらそのままというわけではありません。環境や社会の状況によって調整が必要となるので、あまり目標設定に時間をかけすぎない方がよいでしょう。

例えば環境でいうと、日本では2050年までに温室効果ガス実質ゼロを目標としています。自社でも、2050年を目標にしてもよいでしょう。

4.目標達成に向けた工程を策定する

長期的な目標が決まったら、工程を策定します。基本的にはゴールから逆算して、どのタイミングで何をすべきかといったプロセスを決めていきます。

工程の中では中間目標も定め、ある程度の期間ごとに進捗をチェックする仕組み作りも大切です。

5.取り組みを実践する

工程ができたら、あとは実践するのみです。従業員に伝えて活動を促します。

活動していく中で、従業員の反応や効果を確かめながら必要に応じて工程を見直すなどの対応を柔軟に見極めましょう。

6.内容を発信する

サステナビリティ経営は、社内外へ活動内容を発信することが重要です。成功案件だけでなく失敗案件も共有することで、従業員が協力的になったり、協力企業が増えたりといった効果が期待できます。

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サステナビリティ経営に取り組む意義

サステナビリティ経営に取り組むことには、企業としてもさまざまなメリットがあります。

  • ステークホルダーからの評価が上がる
  • さまざまなリスクを避けられる
  • 社員の意識向上につながる
  • 優秀な人材の確保できる

ステークホルダーからの評価が上がる

サステナビリティ経営に取り組むと、ステークホルダーからの評価が上がります。近年は投資家も企業の利益だけではなく、環境への配慮やコーポレートガバナンスなどを重視するようになってきました。

企業イメージも向上し、顧客獲得につながったり従業員のやりがいが向上したりする可能性もあり多くの取引先にとっても、サステナビリティ経営をしていることは魅力的です。

ステークホルダーからの評価が上がると、結果的に業績の向上にもつながるでしょう。

さまざまなリスクを避けられる

サステナビリティ経営の取り組みは、リスク回避につながります。

環境や社会を気にしない経営を続けてしまうと、コンプライアンス違反などのリスクがあります。またステークホルダーも、以前のように利益追求のみを評価してくれません。サステナビリティを無視した活動をすると、ステークホルダーが離れる可能性もあるでしょう。

社員の意識向上につながる

サステナビリティ経営の取り組みにより、社員の仕事に対する意識が向上します。

自社の大きな社会貢献を実感すると、自分の仕事に対するやりがいや誇りが生まれて以前よりも意識が向上します。その結果、より高い成果の創出も期待できるでしょう。

優秀な人材の確保できる

現在は多くの企業で人手不足が問題視されているので、サステナビリティ経営への取り組みは優秀な人材の確保につながります。

なぜなら、社会貢献が実感できる企業で働きたいと考えている人が増えているためです。サステナビリティ経営をする企業は魅力的でステークホルダーからの評価も高く、将来性もあると判断されるでしょう。

サステナビリティ経営に取り組む際の注意点

サステナビリティの基準があいまいな状態で進行すると、意味のない取り組みになってしまいます。もしも企業が実行しているサステナビリティと、社会的なサステナビリティの認識が異なると、評価を下げてしまうかもしれません。

ギャップを生じさせないためには、「GRIスタンダード」の活用がおすすめです。GRIスタンダードは、持続可能な発展への貢献を説明するためのフレームワークを提供しているので参考にしてください。

サステナビリティ経営の取り組み事例

サステナビリティ経営を実践している企業も数多くあります。

ここでは、ユニクロ・楽天株式会社・ベネッセホールディングスの事例を紹介します。

ユニクロの取り組み事例

ユニクロではリサイクル事業に力を入れています。店頭に衣類回収ボックスを設置し、回収した衣類を難民キャンプや被災地といった人々へ届けています。

衣類はそのままではなく、再生ダウンや再生フェザーとして再利用されたり、衣類としても素材としても使えない部分は燃料としてリサイクルされたりしています。

楽天株式会社の取り組み事例

楽天では、「従業員と共に成長」「持続可能なプラットフォームとサービスの提供」「グローバルな課題への取り組み」を重点分野に掲げています。

具体的な活動として、英語の社内公用語化やダイバーシティ、気候変動対策などを行ってグループ全体での社会貢献を目指しています。

ベネッセホールディングスの取り組み事例

ベネッセホールディングスでは、こどもに焦点を当てた活動を行っています。「ベネッセこども基金」を設立し、子どもたちが安心して学習できる環境を整える活動をしています。

また、経済的困難や病気・障がいを抱えて学びに課題がある子どもたちの支援に取り組みつつ、課題解決に向けた活動も継続中です。

サステナビリティ経営とは事業の持続可能性を高める経営

本記事では、サステナビリティ経営の意味や取り組む必要性、推進方法について解説しました。サステナビリティ経営を行うことは、社会や企業にとって非常に重要です。将来起こり得る資源不足に備えて、コストの大幅な削減は企業存続にも影響があります。

コスト削減により利益の最大化が実現できれば、さらに企業の価値が向上するでしょう。また、顧客や取引先、従業員からの評価も上がるのがサステナビリティ経営です。

長期的に持続的な安定経営をしていくためにも、サステナビリティ経営を検討してみてはいかがでしょうか。

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