SDGsとESGの違いとは?関係性や取り組むメリット・導入方法をわかりやすく解説

2022/08/24 2023/07/28

SDGs

SDGsとESGの違い

近年ますます耳にする機会が増えているSDGsやESG。この言葉はビジネスシーンでもよく使われますが、両者の違いとは一体何なのでしょうか。本記事では、SDGsとESGの違いについて、両者の定義や関係性などを詳しく解説していきます。また、中小企業と大企業が取り組む際の具体例なども紹介します。

SDGsとESGの違い

ESGは企業が取り組むべき課題であるのに対して、SDGsは企業だけではなく社会全体で取り組むべき目標という視点でそれぞれに違いがあります。

違いはあるものの、ESG・SDGsは事業を通して課題を解決する目的としては重なる部分も多く、個々の企業がESGを取り入れた事業展開を継続することで、その先にある国や国連の掲げるSDGsにおける目標達成の実現につながると考えられています。

また国連は、2006年に掲げた「責任投資原則(PRI)」において、投資家がESGにおける3つの観点を重視して投資先を選択する、通称「ESG投資」の考え方を示しました。この「ESG投資」に取り組むことで、個々の投資家はSDGsの目標達成に間接的に貢献できると考えられています。

SDGsの定義

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な社会の構築を目指す国際的な開発目標」のことを指します。

SDGsでは、2030年を期限に目標の達成を掲げており、国連加盟国である193の国々が目標達成を目指して現在も活動を続けています。SDGsは17のゴールと169のターゲットで構成され、発展途上国・先進国を問わず、地球上の「誰一人取り残さない」ことを理念に据えています。

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ESGの定義

ESGとは、企業の成長にはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の3つの観点が欠かせないという考え方のことを指します。

ESGの観点を重視した経営をすることで、消費者や取引先などに対する企業イメージの向上につながるだけでなく、各方面への投資や資金調達にも有効とされています。

近年は、このようなESGの観点に重きを置く企業が増加傾向にあるだけでなく、投資家においてもESGの視点を投資に取り入れるなど、多方面での広がりを見せています。

SDGs・ESGと類似した用語

SDGs・ESGと類似した用語として、CRI・SRIの2つの用語について紹介していきます。

CSRの定義

CSR(Corporate Social Responsibility)とは、企業が行う組織活動の社会的責任のことを指します。

企業が事業を継続する上では、自社の利益だけではなく、ステークスホルダーをはじめ様々な人々・環境に配慮する必要があるのです。

SRIの定義

SRI(Socially Responsible Investment)とは、社会的責任投資を意味する用語であり、投資家が投資先を決める際、「社会的な責任を果たしているか」を加味する重要な指標となります。

財務情報や成長性を見越して投資先を決める従来の投資手法とは異なる、新たなスタイルの投資手法と言えるでしょう。

SDGsやESGの取り組みのメリット

企業におけるSDGsやESGの取り組みには、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、主なメリットを3つ解説していきます。

企業ブランドの向上

企業がSDGsやESGに取り組むメリットとしてまず挙げられるのが、企業ブランドの向上です。

SDGsやESGへの取り組みを世間に公表することで、対外的な企業のイメージ向上につながるだけでなく、企業の信頼性を印象付けるためのブランディングも可能になるでしょう。

資金調達におけるアドバンテージの上昇

SDGsやESGへ取り組むことで、企業は市場での資金調達がしやすくなるでしょう。これまでは、金融機関や投資家などが企業に資金提供する際の評価基準として、配当の高さや企業の成長性に焦点が当てられていました。

しかし近年では「ESG経営」が金融機関や投資家などの資金提供における判断基準となっているため、SDGsやESGに取り組んでいる企業ほど資金調達におけるアドバンテージが高まると期待されます。

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社員のモチベーションアップ

企業がSDGsやESGに取り組んだ成果が徐々に各方面で表面化することによって、社員の働きがいも生まれ仕事へのモチベーションアップにもつながります。

世間的に企業の評価が高まり社員のやる気が向上すれば、会社全体として業務の効率化や新規事業といった自社における新たな展開も期待できるでしょう。

SDGsやESGに取り組む際のポイント

企業がSDGsやESGに取り組む際には、ポイントを押さえた上で取り組むことが重要です。ここでは、特に重要となる3つのポイントを解説します。

入念な情報収集を行う

SDGsやESGに取り組む際には入念な情報収集を行い、あらかじめ必要な知識を習得しておくことが大切です。

情報収集の際には、すでにSDGsやESGに取り組んでいる企業の成功事例などを参考にして、自社に適した取り組みについて考えてみましょう。

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社員への定期的な研修を実施する

定期的に研修を開催し、SDGsやESGに対する社員の理解や協力を深めることも、SDGsやESGに取り組むにあたって欠かせないポイントの一つです。

研修では、自社がSDGsやESGに取り組む理由や、具体的な取り組み内容などを丁寧に伝えていきます。実際に、具体的な数字を用いた成果も盛り込みながら社員にフィードバックし、SDGsやESGに対する取り組みの有益性を実感してもらいましょう。

実態の伴った取り組みを実施する

SDGsやESGを推進する際には、うわべだけでなく中身が伴った取り組みを意識しましょう。

企業がSDGsやESGに取り組む目的は、あくまでも社会に貢献する活動の実施にあります。消費者や投資家に対する宣言効果を期待するような取り組みは、活動自体が表面的になり自社の評価を落とすことにもなりかねません。

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SDGsに取り組む企業の経営戦略の事例

次に、SDGsに取り組む企業における経営戦略の事例について、中小企業と大企業に分けて紹介します。

SDGsでは17の目標を掲げていますが、ここでは中小企業においては「目標3:すべての人に健康と福祉を」、大企業は「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に焦点を当てて解説していきます。

中小企業におけるSDGs

中小企業においては、SDGsの目標の一つである「すべての人に健康と福祉を」を実現するために、「健康経営」を推進する取り組みが考えられます。

「健康経営」とは、社員の健康管理を経営に取り入れた手法のことで、企業は社員の健康を確保することに努め、社員のパフォーマンス向上を目指すというものです。

健康経営の取り組みとして、定期的なカウンセリング面談、労働環境の見直し、セルフケアに対する支援や情報発信などが挙げられます。

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大企業におけるSDGs

一方の大企業では、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に対して「再生可能エネルギー」を生み出す取り組みに注力することで、SDGs経営の推進が可能になるでしょう。

具体的な取り組みとして、社用車におけるハイブリッド車の採用や、再生エネルギー創出を目的とした新規事業の展開などが挙げられます。

ESGに取り組む企業の参考事例

ここでは、ESGに取り組む企業の参考事例を「環境」「社会」「ガバナンス」に分けてそれぞれ紹介していきます。

環境に対する取り組み

不動産の総合開発事業などを展開している「株式会社日本エスコン」では、ESGの「環境」に対する取り組みとして以下を掲げています。

  • 地域環境の見直し
  • 環境に配慮した不動産開発
  • 大学と連携し環境に配慮した共同住宅の開発

同社では、地域の環境を見直し、限られたスペースを活用して太陽光発電を設置するなどの取り組みを進めています。

不動産事業においては、省エネ・省資源機器の採用や断熱性能の向上に努め、保有する地域密着型の商業施設では「DBJ Green Building認証」も取得し環境や社会に大きく貢献しています。さらには、東京理科大学と連携して環境に配慮した共同住宅も開発しています。

社会に対する取り組み

DX(デジタルトランスフォーメーション)やIoTなどのIT事業を展開している「日鉄ソリューションズ株式会社」では、ESGの「環境」に対する取り組みとして以下を掲げています。

  • 仮想デスクトップ環境の提供によるテレワークへの貢献
  • 女性社員における活躍の後押し
  • 出張によるプログラミング授業
  • 優秀なIT人材の育成

IT人材育成の取り組みとして、具体的には、大学における奨学金の提供や非常勤講師の派遣、さらに中学・高校ではSEなどIT業界の体験会などを主催しています。

また2019年には、次世代教育支援やスポーツ、芸術などの分野に対しおよそ6,000万円を寄付するなど、積極的にESGに取り組んでいます。

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ガバナンスに対する取り組み

日本郵便やゆうちょ銀行、さらにかんぽ生命を子会社に持つ持株会社である「日本郵政株式会社」では、ESGの「ガバナンス」に対する取り組みとして以下を掲げています。

  • グループガバナンス
  • グループコンプライアンス委員会の設置
  • グループオペレーショナルリスク管理連絡会の設置
  • 顧客満足度向上の推進
  • 内部監査

このように日本郵政株式会社における傘下の子会社が、それぞれコーポレートガバナンス体制の構築を行うことで最適なグループ経営がなされています。

また、2021年度より新たに設置した「グループコンプライアンス委員会」では適切ではない料金収納や不祥事の抑制に努め、「グループオペレーショナルリスク管理連絡会」ではグループ会社同士が連携し、グループのリスク管理を強化しています。

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SDGsやESGは今後ますます企業にとって重要になる考え方

今回は、SDGsとESGの違いを理解すべく、両者の定義や関係性、取り組む際のポイントなどについて解説しました。SDGsとESGは多くの共通点を持っており、企業においてはESGの観点を取り入れた事業展開を継続することで、その先にあるSDGsにおける目標の達成につながると考えられています。

企業がSDGsやESGへの取り組みを検討する際には、他社の成功事例を参考にまずは情報収集を入念に行うことから始めましょう。

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ビズクロ編集部
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