テレワークを廃止する企業が増えたのはなぜ?企業の動向やデメリット・継続のコツ

最終更新日時:2024/01/19

テレワーク

テレワークを廃止する企業

柔軟な働き方の一つとして広がったテレワークですが、近年は、廃止する企業も増えているといいます。今回は、テレワーク廃止を決めた企業の背景や廃止により生じるデメリット、その一方で、テレワークを継続するメリットなどを解説します。

この記事の要約

・テレワークの実施率は年々減少しており、廃止している企業が増加している傾向
・テレワークは感染症対策の暫定措置であるためや生産性の低下、帰属意識の低下を防ぐ目的で廃止している企業が多い

テレワークの実施率は年々減少している傾向

自宅やサテライトオフィスなど、場所を問わずに働けるテレワークは、新型コロナウイルス禍で一気に導入する企業が増えました。現在、パンデミックは終わってはいないものの、日常生活への影響は弱まりつつあります。

(公財)日本生産性本部の調査によると、1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月の約1か月後に行ったアンケートでは、31.5%の会社が「テレワークを実施している」と回答しています。しかし、4回目の緊急事態宣言が解除された後の2021年10月の調査では22.7%まで減少しており、以降も減少傾向が続き、2023年7月の調査では15.5%という結果となっています。

さまざまな理由からテレワークを廃止する企業が増えている一方、「テレワークを続けたい」という従業員の声も多いようです。同調査によれば、テレワーク実施者の86.4%が、「今後もテレワークを行いたい」と回答しており、企業側の動きと従業員の意識との間にギャップがあることがわかります。

テレワークの実施率(%)
2023年7月15.5
2023年1月16.8
2022年10月17.2
2022年7月16.2
2022年4月20.0
2022年1月18.5
2021年10月22.7
2021年7月20.4
2021年4月19.2
2021年1月22.0
2020年10月18.9
2020年7月20.2
2020年5月31.5

[出典:公益財団法人日本生産性本部「第13回働く人の意識調査」]

テレワークとはどんな働き方?日本の現状や導入メリットをわかりやすく解説

テレワークを廃止する企業が増加した理由

なぜテレワークを廃止する企業が増えているのか、その理由をいくつかみていきましょう。

テレワークは感染症対策の暫定措置だったため

総務省が民間企業を対象に実施した調査結果を見ると、テレワークの実施率は、1回目の緊急事態宣言時に、56.4%まで跳ね上がっています。その後、緊急事態宣言の解除に伴い30.7%まで下がったものの、2回目の緊急事態宣言時には38.4%に再上昇しています。

テレワークの実施率は、緊急事態宣言の影響を受けたものであることから、一部の企業にとってテレワークは、あくまで感染症対策としての措置であることがうかがえます。そのため、「ウィズ・コロナ」の生活が浸透しつつある今、従来のオフィス出社への勤務形態へと戻す企業が増えていると考えられます。

[出典:総務省「令和3年情報通信白書」]

帰属意識の低下を防ぐため

テレワークの実施によって対面のコミュニケーションが減り、帰属意識の低下が懸念されたことも理由の一つとされています。

帰属意識の低下は、業務への積極性が失われ、さらには離職率が上がるといったリスクにもつながります。このような状況は、会社にとって決していい状態ではありません。コミュニケーションを促進し、帰属意識を高めるためにもオフィス出社へと回帰す企業が増えてきているのです。

生産性の低下を防ぐため

テレワークよりもオフィス勤務の方が生産性が高いと考える企業も多いようです。

特に在宅によるテレワークの場合、誰しも仕事に集中できる環境を確保できるとは限りません。住環境によって、デスクやチェアなど、仕事専用のスペースが用意できないこともあるでしょう。必ずしも仕事に最適な環境ではないことが生産性を下げているとして、テレワークを廃止する理由になっているのです。

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平等な人事評価を行うため

テレワークでは、公平で効果的な人事評価が難しいという問題もあります。人事評価においては、成果だけでなく、その過程や業務への姿勢、取り組みなどが加味されることもあります。

しかしながら、テレワークでは、従業員の働きぶりを直接観察する機会が減ってしまうため、成果のみに偏った評価になりがちです。勤務態度を含めた行動の実態が見えにくいことから、公平で最適な評価がしにくいという点もテレアークが徐々に減ってきた理由として挙げられるでしょう。

コミュニケーション不足を解消するため

テレワーク環境下では、コミュニケーションが取りにくい点は、テレワークを廃止する最も大きな理由といえます。

コミュニケーション不足は、生産性や帰属意識の低下、人間関係の悪化、共有不足によるミスやトラブルの頻発など、さまざまなリスクを招く恐れがあります。特に、新しいプロジェクトや緊急の問題解決を必要とする状況では支障がでやすいといえるでしょう。

テレワークを廃止するデメリット

テレワークの廃止は、いずれも組織におけるメリットやリスクの回避といった点を考慮して判断されるものですが、テレワークを廃止することによるデメリットもあります。

ワークライフバランスが崩れる

テレワークが浸透し、通勤時間がなくなったことが、ライフスタイルを見直すきっかけになった人も多いのではないでしょうか。プライベートに費やせる時間が増え、十分な休息が取れるようになったなど、テレワークを前提としたライフスタイルは、働く側にとって多くのメリットをもたらすものでした。

その結果、転職者の多くが「働き方が選べる会社」を希望するなど、働き方への価値観にも変化がみられます。従業員の働き方や生活の質に、大きな影響を及ぼすことから、テレワークの廃止が、従業員満足度の低下や退職を招くこともあるのです。

テレワークによって発生する12の弊害とは?企業が取るべき対策法も紹介!

仕事によるストレスを抱えやすい

オフィスの雑音や周囲の会話などが気になる人にとっては、テレワークの方が、集中して作業しやすい、最高の環境である場合もあります。

通勤ラッシュや職場環境のストレスにより、心身の負担が増大することもあるでしょう。テレワークによって避けられていたストレスが廃止することで再度発生するのは、結果的に企業の生産性を下げたり、従業員の離職につながったりする可能性もあります。

テレワークによるストレスの原因とは?ストレスを解消する方法も紹介!

職場環境の見直しが必要になる

テレワークの導入を機に、オフィスの縮小などを実行した企業は、再度、職場環境の見直しが必要になってしまいます。

デスクやチェアをはじめとしたオフィス什器、複合機などのオフィス機器を再購入するとなれば、相応のコストもかかるため、大きな負担となってしまう可能性もあります。

テレワークを継続するメリット

次に、テレワークを継続することで得られるメリットについてもみていきましょう。

人材確保につながる

テレワークを継続する大きなメリットの一つは、幅広い人材の確保が可能になることです。通勤の制約がなくなるため、地理的な制限を超えて、専門スキルを持つ人材や、地方や海外に住む優秀な人材を採用することができます。

また、柔軟な働き方を求める人々や、家族や個人の事情でオフィス勤務が難しい人々の目には、テレワークが可能な職場は魅力的に映るでしょう。

人材確保を成功させるには|取り組みの事例や参考にしたいアイデア・定着させる秘訣

事業コストを削減できる

オフィスの家賃や維持費、通勤手当などのコスト削減は、大きな経済的メリットをもたらします。また、テレワークによって従業員のワークライフバランスが向上することで、離職率の低下と、同時に採用コストや教育コストの低下も期待できるでしょう。

テレワークを廃止する前に検討しておきたいポイント

テレワークの廃止を選ぶ場合、検討しておくべきことがあります。ここではテレワークを廃止する前に検討しておきたい3つのポイントについて解説します。

社員の意見を取り入れる

テレワークを廃止するか否かを決定する際には、必ず従業員の意見を聞いておきましょう。

従業員が「テレワークの継続を望んでいるのか」「テレワークを廃止することで困ることがあるのか」などといった点をヒアリングし、希望や状況を確認します。ニーズを理解した上での判断は、会社の決定に対する従業員の理解を得る上でも重要です。

ハイブリッドな働き方を導入する

「テレワークを続けたい」という声が多数あるのであれば、まずは、全面廃止ではなく、テレワークとオフィス出社を組み合わせた「ハイブリットワーク」を検討する余地がないかを探ってみるのも良いでしょう。

重要なのは、働き方の変更は、従業員のライフスタイルに大きな影響力を持つこと、働き方への価値観が変化している点などを理解した上で、検討することが大切です。

ハイブリットワークとは?課題やメリット・デメリット、テレワークとの違い

テレワークを円滑にするコミュニケーションツール

最後に、テレワークでの課題になりがちなコミュニケーションを円滑にしてくれる、おすすめのツールを紹介します。

Chatwork

Chatworkは、テレワークはもちろん、業務における情報共有をサポートしてくれる便利なコミュニケーションツールです。個人間やグループでのチャット機能だけでなく、タスク管理、ファイル共有、ビデオ通話も可能。初見でも直感的に使い方がわかるインターフェースで、導入時にもストレスなく誰でも簡単に使えるのが魅力です。

提供元Chatwork株式会社
料金プラン
  • フリー:無料
  • ビジネス:770円(税込)/月
  • エンタープライズ:1,320円(税込)/月
導入実績421,000社以上(※2023年12月時点)
機能・特徴チャット、タスク管理、ファイル送受信、ビデオ/音声通話、コンタクト管理、通知、モバイルアプリ、多言語対応、高水準セキュリティ、API連携ほか
URL公式サイト

Asana

Asanaは、コミュニケーション機能が強化されたプロジェクト管理ツールとして国内外から高い評価を得ています。プロジェクトやタスクの一限間ちろ可視化は、報連相に費やす時間の大幅カットにもつながるでしょう。年中無休24時間のサポート対応が受けられるほか、外部アプリとの連携機能も充実しています。

提供元Asana, Inc.
初期費用要問い合わせ
料金プラン年間払い
  • Personal:無料
  • Starter:1,200円/月
  • Advanced:2,700円/月
  • Enterprise:要問い合わせ
  • Enterprise+:要問い合わせ

月間払い

  • Personal:無料
  • Starter:1,475円/月
  • Advanced:3,300円/月
  • Enterprise:要問い合わせ
  • Enterprise+:要問い合わせ
導入実績世界で10万以上の組織(※2023年12月時点)
機能・特徴申請フォーム、ガントチャート、かんばんボード、メッセージ、承認申請ほか
URL公式サイト

現状を把握してテレワークの廃止を判断しよう

テレワークの廃止を決定するにあたっては、まず従業員ニーズやオフィス環境などを中心に、現状を正確に把握することが重要です。

特にオフィス環境の再構築が必要となる場合は、相応のコストも発生します。現状の生産性、コミュニケーションの課題、従業員エンゲージメント、仕事への満足感はもちろん、将来的な人材確保へのインパクトなど、メリットとデメリットは、さまざまな角度からの分析が求められます。その上で、最適な判断を実行しましょう。

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