テレワークによるストレスの原因とは?ストレスを解消する方法も紹介!
近年、在宅ワークやテレワークといった働き方は、ニューノーマルな様式として定着しつつあります。テレワークは、私生活と仕事のバランスが取りやすくなるなど、多くのメリットがある一方で、環境の変化や孤独感などから、ストレスを抱えている人も少なくありません。本記事では、そんなテレワークによるストレスについて、原因や解消法など詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
テレワークによりストレスが発生する原因
テレワークには、多くのメリットがある反面、ストレスを感じているという人が、一定数いることも事実です。いったいどのようなことが原因でストレスに結びついてしまうのでしょうか。
ここでは、テレワークでのストレスにつながりやすい原因を解説していきます。
コミュニケーション不足による孤独感
オフィス勤務であれば、ちょっとした疑問や不安を感じた際などは、すぐに上司や同僚に相談できる環境です。意見が欲しい時だけでなく、何事にも共感できる、してもらえるメンバーが周囲にいること自体が、心強く感じることもあるでしょう。
しかし、テレワークでは、手軽なコミュニケーションの取りづらさから、疑問や不安、感情をなどを一人で抱え込んでしまいがちです。
この時に感じる孤独は、一種のストレス症状であり、孤独を感じている時には、他人の表情や言葉に対して過敏になり、かつ、脳が態度や感情を読み違えることも増えるといった研究結果もでています。
オフィス勤務であれば、作業の合間に同僚とちょっとした世間話をすることもありますが、テレワークでは、そのようなリラックスしたコミュニケーションを取る機会もあまりありません。
「寂しい」「辛い」と感じても、周囲に感情を吐露することができないため、ストレスが募ってしまうのです。
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オンとオフの切り替えが上手くできない
テレワークの中でも、特に在宅ワークの場合は、普段の生活空間で仕事をするため、仕事とプライベートの切り替えが上手くできずに、ストレスを感じてしまうこともあります。
また、就業時間とプライベートのオンオフだけでなく、休憩時間と業務時間の区別がつきにくくなってしまい、気がつくと、いつも仕事をしながら昼食を取っている、あるいは、休憩時間が短くなっているといったケースも少なくありません。
このような状況が常態化してしまうと、疲労が充分に回復されないまま仕事を続けることになり、集中力や気力の低下を招いてしまいます。
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自らの裁量で業務を進める必要がある
テレワークによって一人で仕事をする時間が長くなると、自らの裁量で仕事を進める必要があります。そのため、自分一人ではどうすべきかわからない業務や判断しかねる場面にも遭遇しやすくなります。
このような状況は人によってはプレッシャーになってしまい、ストレスにつながってしまうケースもあるのです。また、上司やメンバーとのコミュニケーションが取りにくいと気軽に相談できずにストレスにつながってしまうのも、裁量が大きくなるテレワークの原因として挙げられるでしょう。
労働がながくなり残業時間が多くなる
オンオフの切り替えがしにくいことに起因して、ダラダラと働き続けてしまい、長時間労働が慢性化しやすいことも、ストレスの原因になり得ます。
長時間労働が心身の健康にもたらす影響は、今や誰もが知るところではないでしょうか。テレワークでは、周囲が過重労働に気づけず、適切な改善策が講じられないこともあります。
労働環境が改善されない状態が続けば、疲労が回復しないだけでなく、深刻な健康問題やメンタルヘルスの不調にもつながってしまうでしょう。
運動不足による不調
テレワークによって通勤がなくなったことで、途端に運動不足に陥ってしまうことも珍しくはありません。
運動不足は、肥満や生活習慣病のリスクが高まるだけでなく、血行不良などから、体が凝りやすくなったり、老廃物を溜め込んでしまうことで疲労を感じやすくなったりします。
このような状況では、体調がすぐれないことからストレスも感じやすくなり、緩和や解消も難しくなってしまうでしょう。
気分転換ができない
オフィス勤務であれば、通勤時間を音楽鑑賞や読書などの趣味の時間として活用することも可能です。また、ランチタイムの外出が、いい気分転換になっていた方もいることもあります。
テレワークでは、オフィス勤務時に自然とできていた「物理的なリフレッシュ」をすることが難しい場合もあります。メリハリのある仕事ができないことが、ストレスになってしまうのです。
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正当な評価がされているのか不安
勤務状況を直接確認することのできないテレワークでは、リラックスした環境で仕事に集中できるメリットの一方で、評価基準が不透明になってしまい、従業員が評価への不満を募らせやすいといったデメリットもあります。
プロセスへの評価がなく、定量的な評価基準でしかなかったり、評価の結果が適切に処遇などに反映されないようでは、仕事へのモチベーションを保つことは困難です。働く意義が見いだせない、このような状況がストレスに結びつくこともあるのです。
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テレワーク環境やストレスが引き起こす心身への影響
メリットを享受し快適に働ける人もいれば、大きなストレスになってしまうこともあるテレワークですが、ストレスを解消できずに蓄積してしまった場合、心身にはどのような影響があるのでしょうか。
ここでは、テレワークの環境やストレスなどを原因とする健康問題について、詳しく解説していきます。
精神的な不調
テレワークによって溜まる慢性的なストレスによって、気力や意欲の低下、精神的な落ち込みや憂鬱感といった心の不調を引き起こします。
これらの症状を見過ごしてしまい、早期の適切な対応がなければ、うつ病などの深刻な精神疾患へとつながってしまう場合もあります。
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体の凝り
通勤がなくなったことによる運動不足、チェアやデスクなど仕事に適していない環境での労働により、体が硬くなってしまったり、首や肩の凝り、腰痛を発症することもあります。
仕事に適さない環境で長時間のパソコン作業をおこなえば、当然、首や肩の筋肉など、全身に負担がかかります。このような首や肩の凝りは、放っておくと頭痛を繰り返す「緊張型頭痛」を引き起こすこともあります。
眼精疲労
テレワークでは、今まで対面でおこなってきた打ち合わせや会議も、すべてオンラインで実施されるようになるため、それこそ一日中、パソコンやスマートフォンの画面を見続けることになります。
眼精疲労は、全身の倦怠感や頭痛といった症状を誘発することもあるため、定期的に週十秒程度、画面から目を離す時間を作るなどの習慣を取り入れることが必要となります。
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睡眠不足
コアタイムなしのフレックスタイム制でテレワークをされている方の中には、始業時間がどんどん遅くなってしまったり、昼夜が逆転してしまったりなど、生活習慣が乱れてしまう方も珍しくはありません。
睡眠は、脳や身体の疲労を回復するために、必要不可欠な要素です。良質な睡眠が確保できていないと、免疫機能が低下してしまうだけでなく、慢性的な疲労感から集中力も持続できなくなってしまいます。
冷え・むくみ
運動不足や、仕事に適さない環境での長時間のパソコン作業による血行不良などから、冷えやむくみを発症することもあります。
冷えやむくみは、悪化させてしまうと全身の倦怠感につながることもあるため、足元を冷やさない、合間に適度なストレッチを取り入れるといった工夫が必要です。
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テレワークにより発生するストレスへの対策・解消法9選
テレワークによるストレスは、些細なことと目を逸らさずに、早期に工夫をしてみたり、内容によっては上司や先輩に改善の手段がないかを相談することが大切です。
ここでは、具体的なストレス対策・解消法をご紹介します。
1.ツールを使って密にコミュニケーションをとる
テレワークでの孤独感や孤立感は、コミュニケーションの頻度や手段を見直すことで改善されるケースも多くあります。
特に、メールを主なコミュニケーションの手段として使用しているのであれば、チャットツールを取り入れてみましょう。
チャットでは、複数人のグループでのやり取りが簡単におこなえるだけでなく、メールよりもコミュニケーションのリアルタイム性に優れている特徴を持っています。
これまで「わざわざメールで聞くほどでも……」や、「今電話したら作業の邪魔になるかも?」と躊躇していたやり取りもチャットであれば、相手の作業を邪魔することなく、気軽に「声かけ」ができ、密なコミュニケーションが取れるようになります。
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2.就業時間を徹底管理する
テレワークでは、オフィス勤務時以上の作業時間や作業効率の自己管理が重要となります。
曖昧になりがちなお昼時間や休憩の時間を徹底管理し、生産性や集中力を上げるタイムマネジメントを実践するなど、効率的な仕事ができるように自ら工夫することが大切です。
業務や作業時間の管理は、タスク管理やToDo機能のあるスケジュール管理のアプリなどの使用がおすすめです。
3.良質な睡眠を心がける
睡眠の質は、「睡眠時間」「タイミング」「睡眠の質」の3条件によって決まります。
テレワークだからといって、ダラダラと働き続け、短時間の睡眠になりがちだったり、就寝時間にバラツキが生じていたりしては、良質な睡眠とはいえません。
また、就寝前のスマホの使用なども、良質な睡眠を阻害する原因になることがあります。良質な睡眠は、ストレス軽減はもちろん、生産性にも大きく影響することを理解し、適切な生活習慣を身につけてください。
4.集中できる作業環境を保つ
在宅ワークであれば、可能な限りワークスペースと生活空間を区別するようにしましょう。十分なワークスペースが確保できるのであれば、チェアやデスクに気を配ることも重要です。
作業空間と生活空間の明確な線引きは、生産性の向上が望めるだけでなく、オンオフの切り替えができない、集中力が続かないといったストレスの緩和にも効果的でしょう。
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5.社外コミュニティに参加する
テレワークには、通勤時間がなくなることで時間を有効に使えるメリットがあります。そのような時間を趣味やスキルアップに充てて、リフレッシュを図るのも一つの方法です。
例えば、コミュニティ内で、テレワークにおける同じような悩みの共感や、有用な解決策などの情報交換をすることができるかもしれません。社内外を問わず、このようなコミュニケーションを取ることで、孤立感や孤独感の解消が期待できます。
6.ゴールを意識したスケジュールを立てる
テレワークでは、リラックスした仕事環境が好影響を及ぼすこともあれば、「気の緩み」といった悪影響につながる場合もあります。
その場合は、1日、1週間、1ヶ月、四半期などに分けて目標とスケジュールを設定し、ゴールや数値を意識しながら仕事を進めるようにしましょう。目標設定後は、必ず効果測定などのフィードバックにより軌道修正を図ることも重要です。
7.定期的にストレスチェックを行う
現在、「常時 50 人以上の労働者を使用する事業場」においては、定期的なストレスチェックの実施が、法令により義務化されています。
このストレスチェック制度は、従業員自身のストレスへの気付きを促進すること、また、労働環境の改善を図ることの、主に2つの目的をもって制定された制度です。
法令上は、「50人以上」とされていますが、50人未満の企業においても、自主的に実施することで、ストレスによる生産性の低下や、深刻な健康問題への発展などを防ぐことができるでしょう。
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8.仕事可視化ツールを導入する
テレワークにおけるストレスは、「仕事環境の改善」や「タイムマネジメントの徹底」といった、従業員自身における工夫によって改善される点も多いでしょう。
しかし、組織においても生産性や業務効率改善につながる取り組みは必要です。先にお伝えしたように、コミュニケーション不足を解消したいのであれば、チャットツール導入してみるのも良いでしょう。
また、勤務態度などの成果の数値だけでなくプロセスも、できる限り正確に評価へ反映したいと考えるのであれば、従業員に貸与したPCのアプリ操作状況などを企業側が把握できる仕事可視化ツールがおすすめです。
このような可視化ツールの導入は、テレワークに適度な緊張感を与え、仕事の生産性が向上するメリットを得られることがあります。
ただし、過度な「監視」になってしまい、新たなストレスの種となってしまったり、信頼関係を悪化させたりすることのないよう、従業員の理解を得た上で利用するようにしてください。
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テレワークのストレスが限界になった時の対処法
テレワークによって抱え込んでいるストレスが限界に達した際には、深刻な問題に発展してしまうケースもあるので、早急に改善する必要があります。
ここからはストレスが限界まで達してしまった際の対処法について紹介していきます。
会社へ相談する
テレワークをおこなうことでストレスが限界に達した際には、早急に上司や労務担当へ相談するようにしましょう。
会社に相談することで、より良い制度の整備や新しいルール策定のきっかけともなり得ます。なお、相談する際にはどのような点がストレスになっているのか明確に伝えるようにしましょう。
企業によっては産業医が専属でついている場合もあるので、上司や労務担当へ気軽に相談しにくいと感じている場合は、産業医へ相談してみましょう。
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テレワークによって家族にストレスがかかっていることも
家族がいる環境でテレワークをしている場合、自分だけではなく周りの家族にもストレスが溜まっているリスクがあります。
例えば、リモートワーク中に物音を立てないように気をつかってしまう・朝食や昼食を作らなければならないなどです。普段は自宅にいない夫がテレワークで自宅にいることで、主婦へ間接的に負担がかかってしまうのです。
そのため、家族がいる方は自分だけがストレスを抱えているわけではなく、家族にも気を使う必要があるでしょう。
ストレスと上手く向き合いながらテレワークを実施しよう
ストレスは、その程度によっては、緊張感による「生産性の向上」や「ミスの低減」といったポジティブな効果を生み出します。
その一方で、ストレスの緩和や解消ができずに、ストレスを溜め込んでしまった場合には、仕事の生産性が低下するだけでなく、心身に不調をきたしてしまうこともあるので、注意しなければなりません。ストレスを感じた場合は、自分でできる工夫や会社への相談を実行し、見過ごしたり放置しないようにしましょう。
ぜひストレスと上手に向き合い、テレワークによる理想的なワークライフバランスを実現してください。
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