テレワークで生産性は低下する?生産性を向上させる秘訣や成功事例
昨今多くの企業で取り入れられているテレワーク。導入を検討している方の中には、テレワークを実施することで生産性は向上するのか疑問を抱えている人も多いと思います。本記事では、テレワークと生産性の関係性について解説するとともに、生産性を向上させる秘訣や成功事例を紹介します。
目次
調査データからわかるテレワークと生産性の関係
テレワークとは、デジタルツールを利用してオフィス以外の場所で業務を行うことを意味します。
テレワークを導入すると業務の生産性にどう影響するのか、実際にテレワークを実施している企業で働く人の声を見ていきましょう。
テレワークで働いている人の約4割が生産性の低下を実感
日経BP総合研究所イノベーションICTラボが2024年4月に行った「ワークスタイルに関する動向・意識調査」によると、週1~2日テレワークをする人のうち、生産性が下がったと感じている人は42.1%となりました。
また、テレワークをする頻度が月1~2日程度の人では51.5%、月1日未満の人では68.0%の人が生産性が下がったと答えています。
一方、週3日以上テレワークをする人では21%となっていることから、テレワークをする頻度が少ない人ほど生産性が下がったと感じていることがわかります。
テレワークで生産性が低下してしまう原因
ではなぜ、テレワークでは生産性が低下してしまうのでしょうか。ここでは、代表的な原因5つについて解説していきます。
テレワークのための環境が整っていない
テレワークで生産性が低下する原因として、作業環境が整えられていないことが挙げられます。オフィスのような環境を自宅に整備する場合、イスや机、照明なども作業環境に適したものを用意する必要があるでしょう。
しかし、これらすべてを揃えるとなるとそれなりの費用やスペースが必要です。そのため、集中できない環境のまま作業してしまうこととなり、結果的に生産性が下がってしまうことが考えられます。
▷テレワークにおすすめの場所は?自宅以外にも便利なスポットを紹介
仕事とプライベートのメリハリをつけられない
仕事とプライベートのメリハリをつけられないことも、生産性が低下する原因の一つです。自宅で作業をしていると、仕事とプライベートとの境界が曖昧になってしまい、仕事に集中して取り組めなくなってしまうことがあります。
反対に、プライベートの時間に仕事のことを考えてしまうこともあるでしょう。このような状況が続いてしまうと、生産性が低下するだけでなく、体や心の不調にもつながってしまいます。
▷テレワークでやる気がでない原因|やる気を出すための対処法を解説!
労働時間が長時間化してしまう
自宅で仕事を行っていると、労働時間が長時間化しやすいのも問題です。この原因としては、集中力が低下しているためにダラダラと働いてしまったり、勤務時間外にメールの確認・返信をしたりすることなどが挙げられます。
労働時間が長時間化すれば、決められた就業時間のなかで成果を出そうという意識が薄れてしまい、結果として時間あたりの生産性が下がってしまうことになります。
仕事へのモチベーションを維持できない
テレワークを行っている人の中には、仕事へのモチベーションを維持できないと感じている人も多くいるようです。周りからの目がないために緊張感がなくなったり、スマートフォンに気を取られてしまったりすることが原因として挙げられます。
このように、テレワークはモチベーションを維持するのが難しく、生産性の低下につながると考えられます。
コミュニケーションの機会が少ない
コミュニケーションの機会が少ないことも、生産性を低下させる理由の一つです。テレワークでは基本的にオンラインでやり取りすることになるため、相手の状況が見えづらく、気軽にコミュニケーションをとることが難しくなります。
チャットやメールで連絡をしようとしても、文章を考えるのに時間を要したり、返信を待つための時間が発生したりすることもあるでしょう。コミュニケーションにおけるさまざまな問題によって、社員間の連携がうまくいかなくなり、結果として生産性の低下を招くことにつながります。
▷テレワークでコミュニケーション不足になる原因とは?解決するための対処法
テレワークの生産性を向上させる方法
ここでは、テレワークの生産性を向上させる方法を紹介します。
コミュニケーションの機会を増やす
テレワークの生産性を向上させるには、コミュニケーションの機会を増やすことが欠かせません。業務に関連する報告や連絡はもちろん、社員同士が気軽に話せるような場を設ける必要があります。
コミュニケーションを活性化させるには、チャットツールを活用するのもおすすめです。チャットツールはメールよりも気軽にやり取りできるため、社員間のコミュニケーションがスピーディーに行えるようになり、生産性向上が実現しやすくなるでしょう。
評価制度を見直す
テレワークでは社員の働きぶりを直接確認できないため、評価が困難になります。これにより出社している社員とテレワークをしている社員で、評価の品質に差が生まれてしまうこともあるのです。
こうした課題に対応するには、成果を重視した評価制度にすると良いでしょう。客観的な評価が行えるような仕組みに変えることで、モチベーションの低下を防げるだけでなく、生産性の向上にもつながります。
労務管理を見直す
労務管理を見直すことも重要なポイントです。テレワークでは労働時間や進捗状況の管理が難しいため、勤怠管理システムなどを導入して勤務時間を厳格に管理することをおすすめします。
クラウド型の勤怠管理システムを導入すれば、社員がどこにいてもリアルタイムで勤怠状況を把握することが可能です。これにより、サボりなどの不正を抑制できるほか、社員のコンディションを把握することもできます。
▷【2024年最新】おすすめ勤怠管理システム15選を比較!失敗しない選び方も解説!
従業員の作業環境整備にかかる費用を負担する
作業環境の整備にかかる費用は、業務の遂行に必要な費用であると考えられるため、企業が負担するのが原則です。パソコンなどのデバイス、デスクや文房具などの物品にかかる費用はもちろん、電気代やインターネット代の一部についても企業が負担する必要があります。
何をどれだけ負担するのかについては、事前に社員と話し合い明確にしておきましょう。
業務を見える化する
従業員がいつ・どこで・どのように業務を行っているのかを可視化しましょう。業務を見える化することで、業務における無駄やブラックボックス化を防ぐことができます。
テレワーク中の業務を見える化することで、サポートや連携がしやすくなり、結果的に生産性の向上が期待できます。
サテライトオフィスを導入する
テレワークにおける生産性低下の要因のひとつに、業務に適した環境が整備されていないことが挙げられます。リモートワークに適した作業環境がない社員に対してサテライトオフィスを提供することで、快適な空間で業務に集中できるようになるでしょう。
健康管理を実施する
テレワークでは座ったままの姿勢で仕事を行うことが多いため、腰痛などを訴える人が多くいます。また、長時間パソコンを使用することで、眼精疲労や腱鞘炎を訴えるケースも見られます。
さらに、テレワークではコミュニケーションが不足しがちになるため、精神面の不調が出やすいのも問題です。産業医や保健師への相談機会を設けたり、社員同士のコミュニケーションを促進したりするなど、社員の健康管理が行える仕組みを作ることが大切です。
ITツールを導入する
テレワークの生産性を向上させるには、ITツールを導入するのも有効です。具体的には、以下のようなツールが挙げられます。
- ビジネスチャット
- プロジェクト管理システム
- タスク管理システム
- 業務可視化ツール
これらのツールを導入することで、テレワークにおけるさまざまな問題や課題を解決できるでしょう。
生産性向上につながるおすすめのツール
ここでは、テレワークの生産性向上につながるおすすめのツールを2つ紹介します。
リモシア
リモシアは、従業員一人ひとりの業務状況を簡単に把握できるクラウドサービスです。各従業員が業務状況を自ら発信する仕組みになっているため、マネージャーは手間と時間をかけずに部下の管理が行えます。
テレワークにおける業務管理や報告にかかる工数を削減したい企業にぴったりのサービスと言えるでしょう。
提供元 | 株式会社リモシア |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■月間契約
■年間契約
|
機能・特徴 | ワンクリックで出退勤/休憩/中抜け実施、勤務状況のリアルタイム自動発信、メンバー業務状況のリアルタイム把握、業務日報の検収、連絡依頼など |
URL | 公式サイト |
\資料請求は完全無料!/
リモシアの資料請求はこちら>>remopia
remopiaは、テレワーク向けの業務可視化ツールです。業務時間や作業内容を視覚的に表示し、働きすぎている従業員や長時間の離席を発見・防止できます。
作業内容を可視化することでマネージャーの不安を解消できるほか、テレワークにおける従業員の生産性を向上させ、管理コストの削減にもつながります。
提供元 | レバレジーズ株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■月間払い
■年間払い
|
機能・特徴 | リアルタイムレポート、リスクアラート、作業ログ、画面キャプチャ、Google SSO、働き過ぎ検知、長時間離席検知、アプリ利用状況など |
URL | 公式サイト |
テレワークを最大限に活用している企業の事例
最後に、テレワークを活用している企業の事例を紹介します。テレワークの導入を検討している方や、すでに導入しているもののうまくいっていないと感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社Phone Appli
株式会社Phone Appliは、アプリケーション企画・開発・販売などを手がける企業です。ワークスタイル変革のサービスを提供している同社は、新たな価値として働き方改革を顧客に提案するため、2015年にテレワークを本格導入しました。
同社のテレワーク申請書の裏面には遵守事項を詳細に記載し、テレワークの目的を明確に記述することで、企業と従業員の意識の統一が図られているそうです。
出典:厚生労働省「テレワーク活用の好事例集」
カルビー株式会社
お菓子などの食品を製造・販売するカルビー株式会社は、働き方に対する意識改革を目的として、全国の事務間接部門の従業員を対象にテレワークを導入しました。同社は2015年の夏に「テレワーク推奨期間」を設け、管理者を巻き込んだ周知を行ったことで、テレワークが普及していったと言います。
現在は週2回までとなっており、作業場所は自宅のみに限定されているため、今後は実施頻度や作業場所の拡大などについて検討していくそうです。
出典:厚生労働省「テレワーク活用の好事例集」
NTTアイティ株式会社
NTTアイティ株式会社は、情報通信分野におけるマルチメディア関連機器、応用システムの開発・販売を行っていた企業です。同社は通勤時間をなくすことにより、ワークライフバランスの向上を図る目的でテレワークを導入しました。
社内でワークライフバランス向上の重要性を繰り返しアピールすることで、テレワークの普及につながったと考えられています。
出典:厚生労働省「テレワーク活用の好事例集」
積水ハウス株式会社
日本の大手住宅メーカーである積水ハウスは、育児や介護などのライフイベントを経験した従業員が活躍できる仕組みを整えるため、2015年8月からテレワークを導入しました。
事業所での短時間勤務とスポット在宅勤務を組み合わせることでフルタイム勤務としたり、短時間勤務でも終日在宅勤務の際はフルタイム勤務とすることで、育児期の従業員が能力を発揮しやすくなり、働く意欲が向上したと言います。
出典:厚生労働省「テレワーク活用の好事例集」
株式会社ローソン
株式会社ローソンは、コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズを展開する企業です。同社は、従業員の子育てを支援する目的でテレワークを導入しました。
制度の改善を図るため、テレワーク利用者に対して年に1回程度アンケートを実施し、利用状況の把握や意見の収集を行っています。テレワークを利用することで、育児休暇を取らなくとも育児と仕事を両立できるのではという声があり、今後は男性管理職の利用拡大が期待されています。
出典:厚生労働省「テレワーク活用の好事例集」
テレワークで生産性を向上させるには工夫が必要
テレワークを導入することで、通勤時間などの無駄が削減されるため、生産性向上が期待できます。しかし、ただ導入しただけでは期待する効果は得られません。本記事で紹介した対策方法や事例を参考に、オフィス以外でも従業員が快適に働ける環境を作っていきましょう。
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