テレワーク推進による働き方改革!重要な理由や導入メリットを徹底解説

2022/6/16 2022/06/16

テレワーク

テレワークによる働き方改革

世界的なパンデミックの影響により「テレワーク」は、社会に浸透しつつあります。しかし、このような柔軟な働き方の導入は、コロナ禍以前より政府が推奨していたものでした。なぜ、現代社会においてテレワークが推進されているのか、本記事では、その背景や導入後のメリットなどについて詳しく解説していきます。

テレワークと働き方改革の関係

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として多くの企業が導入したテレワークは、人との接触を避けて感染リスクを低減させつつ、働くことができるという理由から、企業の事業継続においても重要な取り組みとされ注目を集めました。

一方で、2019年よりスタートした働き方改革において、テレワークは、かねてより導入が推奨されながらも、なかなか進まなかったという背景があり、奇しくも新型コロナウイルスという存在によって、働き方改革も大きく前進することとなったのです。

当初、働き方改革とは、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、働き方の多様化へのニーズの高まりといった課題を解決することを目的に始められた施策でした。

個々の事情に応じた多様な選択肢のある働き方や従業員の生産性や満足度が向上する環境を整備することによって、家庭の事情やライフステージの変化に伴う離職を防止し、より多くの人が輝ける社会、「一億総活躍社会」を目指していこうというものです。

その中でもテレワークは、働き方改革を進める上で重要な役割を担うとされています。

テレワークは、育児・介護等と仕事の両立などワーク・ライフ・バランスの向上に資するほか、生産性の向上や事業継続の確保、さらに、雇用の創出や地域の活性化につながるなどのメリットがある働き方

[引用:厚生労働省「テレワークではじめる働き方改革」より]

また、政府のIT総合戦略「世界最先端デジタル国家創造宣言」においても、テレワークは、ポストコロナ社会で「働き方改革を推進するに当たっての強力なツールの一つ」であるとされており、その重要性は今後もさらに高まることが予想されます。

[出典:「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(令和2年7月17日閣議決定)」P139より]

テレワークと3つの働き方について

テレワークとは「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のこと。

[引用:厚生労働省「テレワークの定義」より]

上記の厚生労働省によるテレワークの定義にもある通り、ICTツールを活用することがテレワークの大前提であるため、PCやスマホを使用しない、手作業の内職などはテレワークには含まれません。

ICTを活用し、本拠地であるオフィスから離れて(Tele)仕事(Work)することを意味するテレワークですが、その働き方は、「働く場所」で分けて大きく3つの形態があり、それぞれで働き方も変わってきます。

1.在宅勤務

オフィスなどの決められた勤務先に出勤せず、自宅で就業するスタイルを指します。

テレワークの就業形態の中でも、最も多いとされている在宅勤務ですが、オフィス外からアクセスできないシステムが残っている、あるいは、ペーパーワークがあるといった理由から週1〜2回程度の出社日を設けているケースは少なくありません。

2.モバイルワーク

働く場所や時間などの制約を受けない働き方を指します。

主に営業職などの外出の多い職種で多く導入されており、外出中にも就業できる点が在宅勤務やサテライトオフィス勤務との大きな違いといえるでしょう。移動時間や待機時間を有効活用し、効率的に業務を進められることがメリットです。

3.サテライトオフィス勤務

本拠地のオフィスから離れた場所に設置された、小規模なオフィスにて就業するスタイルを指します。

サテライトオフィスには、大きく2つの形態があり、一社のみで利用する専用型と、複数社と共同で利用する共同型に分けられます。

専用型は、複数社でスペースをシェアする共同型に比べて、コストが割高になるというデメリットがあるものの、情報漏洩対策といったセキュリティ面の安全性が高いというメリットから、専用サテライトオフィスを設置するケースは少なくありません。

[出典:厚生労働省「テレワークの定義」]

テレワークが働き方改革に重要な理由と目的

働き方改革を進めていくにあたり、テレワークが重要視される理由には、「労働力の確保」があります。

2021年12月時点で、15〜64歳までの生産年齢人口は、7,441万人と、対総人口の59.3%となり、統計を取り始めた1950年代以降、過去最低記録を更新しています。今後も、生産年齢人口は、2030年には6,773万人、2060年には4,418万人となり、対総人口比率と共に減少傾向が続くと予測されています。

この生産年齢人口の中には、個々の事情により働いていない非労働人口が含まれています。そして、この非労働人口のうち、労働能力も労働の意志もありながら、何かしらの理由で働いていない人たちに焦点を当てたのが、働き方改革です。

労働能力と意志をもった人全てが活躍できる環境を整備することで、個々の豊かな人生設計を支援するとともに、労働力の減少に抗いながら、企業活動を継続するという両輪を回していくことが政府の目指す社会です。

では、そのような目標の達成に対し、テレワークはどのような形で貢献していくのでしょうか。

[出典:総務省統計局「人口推計(令和3年(2021年)12月確定値、令和4年(2022年)5月概算値) (2022年5月20日公表)」]
[出典:総務省「平成28年版 情報通信白書|人口減少社会の到来」]

1.ワークライフバランスの実現

働き方改革の基本方針を表す重要なキーワードのひとつが「ワークライフバランス」です。

政府は、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)促進のための行動指針の中で、ワークライフバランスが実現する社会のあり方を以下のように定めています。

  1. 個々の事情やライフステージに適した働き方で就労でき、
  2. 労働時間と自己啓発や能力開発、または趣味や健康促進のための時間の両方が適切に確保され、
  3. 経済的に自立した生活を送ることができること

このような社会の実現のためには、冒頭のテレワークと働き方改革の関係性の中でも述べたように、テレワークの導入が、大きく貢献することが期待されています。

それぞれに適した時間内で、より生産性の高い働き方ができるようになることで、プライベートの時間も確保でき、心身ともに豊かな生活ルーティンが構築しやすくなるという点が、テレワークが生み出すメリットといえるでしょう。

[出典:内閣府「仕事と生活の調和推進のための行動指針」]

2.多様な働き方の実現

内閣府の調査によると、家庭の事情やライフステージの変化により、離職を余儀なくされる、または、ライフスタイルに合った雇用条件を満たす働き口がなく、仕方なく非正規雇用で働いているなどの、労働機会が失われているケースが全国で確認されています。

そのような機会ロスを防ぐための手段として、テレワークの柔軟性の高さが注目されています。

オフィスへの出社が不要であれば、住んでいる場所にかかわらず就業することが可能ですし、さらにフレックスタイム制であれば、時間の融通が利くため、育児や介護などの理由により定時での就業が困難な場合においても働くことができます。

一方企業にとっても、従業員のライフステージの変化による離職を防げるというメリットが生まれるでしょう。

[出典:内閣府男女共同参画局「令和2年版男女共同参画白書(概要)」]

3.多様な人材の確保

オフィス通勤を前提としないテレワークであれば、従業員の離職が防げるだけでなく、求職者の居住地にこだわることのない、広範囲の採用活動が行えることも大きな理由です。

生産年齢人口の減少により、年々深刻化する人手不足は、今後も劇的に解消されることはないことが予想されます。そのようなビジネス環境の中で、少しでも採用活動の幅を広げる取り組みは、企業にとっての最重要課題であるともいえます。

物理的な制約の少ないテレワークは、それぞれの事情を考慮した上での働き方を可能にするため、より多くの人材に対して門戸を開くことができます。

また、多様な人材の確保は、単なる「労働力」としての課題を解消するだけでなく、多種多様な人生経験やライフステージを背景に持つ人が集まり、様々な価値観が企業内で交流することによる、創造的なアイデアの生成にもつながるはずです。

テレワークによる働き方改革の実現事例

働き方改革を進める重要な鍵とされるテレワークですが、日本国内においては、欧米諸国に比べてまだまだ実施率が低いのが現状です。

ここからは、ケーススタディとして、テレワークを軸とする働き方改革がそれぞれの企業においてどのような効果を生み出すのかを紹介していきます。

アフラック生命保険株式会社

がん保険や医療保険などを中心に販売する生命保険会社、アフラックでは、「アフラック Work Smart」という働き方改革への取り組みを行っており、「時間と場所にとらわれない働き方」の実現をひとつのゴールに定め、社内で様々な施策を講じています。

2016年からは、全社員が個々の選択によってテレワークで勤務することが可能となり、それと連動するかたちで、勤務時間も1日8パターンから選べるシフト制度や、フレックスタイム制度など、柔軟で多様な勤務制度構築を進めました。

そのような勤務制度を支えたのが、サテライトオフィスやワーキングスペース、また、場所を問わず、安全・快適に仕事ができるITインフラなど、多方面からの環境整備です。

このような取り組みの結果、様々なライフイベント(出産・育児・介護等)とフルタイム勤務を両立しながら、従業員のキャリア形成支援も進められ、全社員対象の意識調査では、約8割の社員が、会社の取り組みと自身のワークライフバランス、また仕事に対する満足度ややりがいに対して、肯定的な印象を抱いていることが示され、従業員が長期的に貢献したいと思える企業風土づくりができていると言えます。

[出典: 厚生労働省「輝くテレワーク賞受賞企業|アフラック生命保険株式会社」]

住友商事株式会社

総合商社である住友商事は、人事戦略コンセプト「Diversity&Inclusion」の実現のための施策として、「多様な個々人が最大限力を発揮するための環境整備」を実施し、テレワーク制度やスーパーフレックス制度を導入することで、成果重視、アウトプット志向の働き方を促進しています。

住友商事の取り組みの大きな特徴は、パフォーマンスの最大化を最重要課題として、テレワークを活用している点です。

テレワークやフレックス制度といった、従業員それぞれの裁量と自律性を尊重する一方、各々が自身のアウトプットに対し強い責任をもって取り組まなければならないというメッセージが示されています。

また、ITリテラシー研修や業務効率向上に必要な機器を貸与する体制づくりなど、快適なテレワーク環境の実現を企業側が徹底的に整備することで、従業員が自身のパフォーマンス向上に専念できる仕組みを構築しました。

[出典: 厚生労働省「輝くテレワーク賞受賞企業|住友商事株式会社」]

日本マイクロソフト株式会社

IT大手企業の日本マイクロソフトは、従業員のワークライフバランスの実現のため、働き方の多様性推進を重要な経営テーマのひとつとしており、「フレキシブルワーク」の実践を促進しています。

この「フレキシブルワーク」では、「効率性・利便性」と、リスク管理の面での「安心・安全」という2つの視点を、組織体制構築や、業務遂行の基本指針としています。導入に際して、特に従業員への理念浸透、社内風土の醸成といった「意識改革」に重きを置いた取り組みを行った点が、他社との大きな違いといえるでしょう。

全社一斉にスタートしたテレワーク推進の取り組みは、各部門で業務フローやルールの改善を繰り返し、やがて標準化されるに至っています。

さらには、その趣旨に賛同する企業も巻き込み、オフィス交換や地方滞在でのテレワーク実施など、その活動は拡大を続けており、社員一丸となって主体的に働き方改革を実行する同社の取り組みは、「ワークスタイル変革のリーディングカンパニー」として、ベンチマークされるまでになっています。

[出典: 厚生労働省「輝くテレワーク賞受賞企業|日本マイクロソフト株式会社」]

働き方改革におけるテレワーク導入で直面する課題

コロナ禍以降、全国のテレワーク実施率は30%程度で推移していますが、実際の普及度合いは業種や地域、企業規模によってかなりのばらつきがあります。

中小企業の導入がまだまだ困難

現在、少しずつ社会に浸透しつつあるテレワークですが、従業員規模によりテレワーク実施率に差がある現実も徐々に明らかになっています。

従業員規模別・テレワーク実施率
[引用:公益財団法人日本生産性本部「第8回働く人の意識に関する調査」より]

従業員数1001名以上の企業は、2020年の感染拡大初期からテレワークを導入し、2021年1月までほぼ同水準の約30%の実施率で停滞しています。

一方、100名以下の企業では、10%程度の実施率のまま、感染拡大初期と約2年後も変化がみられないことがわかります。

日本国内における中小企業の割合は全体の99.7%とされており、日本全体の従業員数の過半数が中小企業で雇用されています。そのため、中小企業のテレワークの実施率が10〜20%程度で留まっている限り、国内全体の実施率を上げることは不可能であり、中小企業でのテレワーク導入の支援がひとつの課題として見えてきているのです。

[出典: 東京商工会議所「新型コロナウイルス感染症への対応について」]
[出典: 独立行政法人中小企業基盤整備機構「日本を支える中小企業」]

業種による導入の壁

次に業種別のテレワーク実施率に目を向けてみると、情報通信業の実施率が圧倒的に高く、約70%の企業がすでにテレワークを実施しているという結果が出ています。

一方で物理的にモノを扱ったり、対面で接触することが業務の大半を占める、保育、医療・福祉、運輸業での実施率は低く、実施している企業は10%以下となっています。

業種別テレワーク実施率の推移
[引用:男女共同参画局「業種別テレワーク実施率の推移(就業者)」より]

運輸、医療・福祉、また保育などは、実際に従業員が現場で対応することで成り立つ仕事であるため、確かにテレワーク化のハードルが高いといえます。

ただし、上記のような業種においても、テレワーク化が可能なバックオフィス業務と呼ばれる事務作業は必ず発生するはずです。しかしながら、テレワーク導入に必要なインフラの整備や社内制度の策定に対する手間やコストの負担を懸念し、テレワーク化が推進されないのが現状です。

[出典: 東京商工会議所「新型コロナウイルス感染症への対応について」]

地域による実施状況の偏り

最後に地域別のテレワーク実施率について、首都圏では30%前後の水準をキープしているのに対し、それ以外の地域では、約12〜14%程度に止まっています。

首都圏とそれ以外のテレワーク実施率
[引用:公益財団法人日本生産性本部「第8回働く人の意識に関する調査」P15より]

地方でテレワークが進まない背景には、一つ、中小企業の多さが挙げられるでしょう。

また、テレワーク実施率の低い運輸業、医療・福祉、保育業は、首都圏よりも地方に拠点を構えている場合も多く、その多くが中小規模の事業者に該当するため、結果、地方ではなかなかテレワークが進まないという現状につながっていると考えられます。

テレワークの導入は働き方改革の大きな鍵となる

国内企業におけるテレワークの位置付けは、今後さらに深刻化するであろう人手不足への対策や、ライフスタイルの多様化に対応するための取り組みではなく、感染対策としての一時的な措置とされている現状があります。

しかし、テレワークは本来、従業員のワークライフバランス向上を含む、「働き方改革」として推奨される働き方です。また、デジタル技術の進化によって、オフィス勤務に限らず、オフィス勤務時と同等、あるいは、それ以上に高い生産性を維持し続けることは十分に可能であることも忘れてはなりません。

テレワークを、一時的な措置や致し方のない手段と捉えるのではなく、個々が活躍し輝ける人生を送るためのツールであるととらえれば、きっとテレワークの導入も、働き方改革の推進も、さらに加速していくのではないでしょうか。

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