予算管理に役立つエクセルテンプレート集!【無料ダウンロードあり】
予算管理をまずはエクセルで始めたいという方もいるでしょう。しかし満足いく管理表を作るには手間がかかります。そんな時は無料の予算管理のエクセルテンプレートがおすすめです。この記事では、予算管理に役立つテンプレートを無料のものも含めて5つご紹介します。
目次
予算管理とは
企業における予算とは、売上や利益の目標値を指し、売上予算・原価予算・経費予算・利益予算の4つの予算が組まれていることが一般的です。
これらの予算は、企業における経営管理の重要な指標であり、定めた目標値を達成することを目指して経営戦略を策定していきます。
予算は、短期・中期・長期の3つの視点から、月・四半期・年間の3段階で設定されることが一般的です。そして、それぞれの予算に沿って営業戦略を策定し、目標達成に向けて実行していく取り組み全体を指して「予算管理」と呼ばれています。
利益を出すことは企業活動の要であるため、予算が未達で利益が出ていない場合は原因を究明し、達成に向けて改善しなければなりません。
そのため、予算と実績を常に比較し、「予算は適正か」「予算と大きく乖離した実績となっているのはなぜか」といった分析・検証を行う必要があります。このように予算管理においては、予算の策定だけでなく、実績との比較検証・修正のPDCAを回しながら、目標達成までの最適ルートを適宜コントロールすることが重要です。
▷予算管理とは?目的や基本の手順から効率化するコツ・分析方法を解説
予算管理をエクセルで行うメリット
予算と実績の管理にあたっては、予実管理表という表を用いて管理することが一般的です。
予実管理表の作成・運用方法には、エクセルや専用ツールなどの方法があります。なかでもエクセルは広く利用されているツールであるため、初めて予算管理を行う場合でも導入しやすいと言えるでしょう。
ここでは、エクセルで予算管理を行うことで考えられる代表的な2つのメリットについて解説していきます。
(1)導入コストがかからない
エクセルは、様々なビジネスシーンで用いられる汎用性の高いツールで、多くの人に慣れ親しまれているツールです。
業務において既に活用されているツールを予算管理に用いることで、専用システム導入の手間がかからず、スピーディーに予算管理を始めることが可能となります。加えてエクセルは、ほとんどのパソコンに標準搭載されているツールであるため、導入コストがかからないという点もメリットです。
(2)テンプレートをダウンロードして簡単に予実管理表を作成できる
豊富なテンプレートから自社に合ったものを選べるのも、エクセルのメリットです。エクセルには標準でさまざまなテンプレートが用意されています。また、無料でテンプレートをダウンロードできるサイトも多数あり、さらにバリエーション豊かなテンプレートを手に入れることが可能です。
テンプレートを活用することで、初めて予実管理表を作成する場合でも、自分で一から作成する手間が省け、簡単に準備を整えることができます。
▷予算管理はエクセルでは厳しい?問題点やシステムを導入すべき理由
無料ダウンロード可能!予算管理に役立つおすすめエクセルテンプレートを紹介
エクセルの予実管理表テンプレートを使用する際には、まず無料ダウンロードが可能なテンプレートを活用するところから始めると良いでしょう。自社の運用に合わせて適宜カスタマイズしていくと、効率よく円滑に予算管理に取りかかることができます。
ここでは、予算管理に活用できるエクセルテンプレートが無料で手に入る、5つのサイトを紹介します。
(1)smartsheet
多様なフォーマットの予算管理用テンプレートを提供するsmartsheetでは、ビジネス用や個人用など、シチュエーションに応じてカスタマイズ可能な予算管理用テンプレートを無料でダウンロードすることが可能です。
一口にビジネス用といっても、ビジネス全体から部門別、プロジェクトごとなど、それぞれのビジネスシーンに適した予実管理表のテンプレートが取り揃えられています。
(2)Hubspot
CRMプラットフォームを提供するHubspotでは、様々なビジネスシーンに活用できる便利なテンプレートの無料ダウンロードが可能です。中でも、予算と実績の管理を綿密に行い、施策ごとの費用対効果を高める管理体制が必要とされるマーケティング部門用の無料テンプレートは、予算管理に大変有効なフォーマットとなっています。
広告予算・PR予算・ウェブサイト予算・イベント予算など、細分化したマーケティング活動の予算管理を行うことで、マーケティング施策全体のROI向上にも有効な仕様となっています。
8種類のマーケティング活動用に分けられた無料テンプレートは、計算式も既に設定されているうえ、入力された数値を自動的にグラフ化する機能も搭載されており、業務効率向上にも大きく貢献するでしょう。
(3)Microsoft
エクセルの開発元であるMicrosoft社では、エクセルの機能を最大限に活用でき予算管理に関するテンプレートが豊富に用意されています。
ベーシックなスプレッドシート機能だけではなく、棒グラフや円グラフなどを用いたわかりやすいビジュアル効果を盛り込んだテンプレートも取り揃えられています。各スプレッドシートはカスタマイズできるように設計されているため、対象の事業内容や業務フロー、財務状況などを確認しながら、自社に合ったフォーマットへ簡単に作り変えることが可能です。
(4)テンプレートBANK
テンプレートBANKは、 契約書や見積書、社員研修用の教育資料など、様々なビジネスシーンで活用できる豊富な無料テンプレートを取り揃えているサイトです。
同社が提供する予実管理表テンプレートは、月別予算と年間予算に分けて達成状況を可視化するテンプレートが基本仕様となっています。また、月別に予算の達成状況を確認できるテンプレートや、月ごとの実績を入力することで自動的に予算と実績を比較したグラフが表示されるテンプレートも用意されています。
(5)CELF
CELFの提供する業務アプリ化サービスは、自社に合ったエクセルテンプレートだけをまとめて業務アプリ化することで、データの一元管理を実現できる点が大きな魅力のサービスです。
100種類以上あるエクセルテンプレートは、日次・月次・年次の定例業務ごとに必要な管理帳票が仕分けられており、カテゴリごとにまとめて無料ダウンロードすることが可能です。ただし、テンプレートをまとめたアプリ化サービスは有料となるため、複数拠点での予算管理が発生する場合は、無料トライアルを試してみるのも良いでしょう。
▷予算管理の精度を向上させる方法とは?シミュレーションの考え方
▷予算管理の業務フローを細かく解説!注意すべきチェックポイントも紹介
エクセルでの予算管理に限界を感じたらシステム導入がおすすめ
低コストで手軽に予算管理を始められることから人気のツールであるエクセルですが、近年は様々な便利機能が搭載された予算管理システムが数多くリリースされています。
その理由の一つとして、予算管理システムを活用することで、エクセルによる予算管理で想定される様々な課題を解決できることが考えられます。
そのため、エクセルでの予算管理に限界を感じた場合は、システムの導入も前向きに検討することをおすすめします。ここからは、予算管理システムを導入することで得られるメリットについて解説していきます。
(1)データ入力を自動化してミスなく管理ができる
企業の予算編成には、まず部門ごとに損益計算書を作成する必要があり、全部門からの計画を統合して予算編成を行います。
各部門での予算編成や、それらを統合した総合予算の編成をエクセルで行う場合、手作業での入力作業が発生するため、入力ミスや作成データの確認ミスなどの問題が起こりかねません。
予算管理システムでは、部門を横断した予算管理が可能となり、各部門からのデータが自動的に集計・統合され企業全体の予算が編成されます。予算管理システムを活用することで、手入力でのデータ統合の際に発生していた入力ミスや確認ミスのリスクを最小化し、予算編成にかかる人的コストや時間的コストの削減が可能となります。
▷無料トライアルありのおすすめ予算管理システムを紹介!
(2)予算編成を効率化できる
予算編成の作業をエクセルで行う場合の課題は、入力する情報や工程が多いことから、担当者に過大な負荷がかかる点です。
しかし、予算管理システムでは既存の会計ソフトや原価計算ソフトなどと連携することで、予算編成に必要な数値データが統一のシステムに集約されます。そして集約されたデータをもとに、各部門の予算や総合予算を編成することで、予算編成作業をスピーディーかつ効率的に行えます。
(3)適切なKPIの設定とモニタリングができる
予算管理は、予算計画を立てて終わりではありません。
計画予算に対して具体的にどのような営業活動を展開していくのかを落とし込み、適宜その遂行状況のチェックと修正、再度実行の PDCAサイクルを回すことが重要です。
多くの企業で目標達成のための数値設定として、KPI を用いたパフォーマンス管理が採用されていますが、具体的な経営目標や売上予算を反映したKPIを設定できていないケースも少なくありません。
予算管理システムを活用すれば、財務指標やユーザー数、購入単価などの重要な経営視点を用いたKPI 設定ができます。そして、PDCAを回す際に必要となる具体的な施策の策定においても、正確なKPI設定によりモニタリングすべき基準を明確に定めることが可能となります。
予算管理システムの多くには、このようなKPI設定機能とモニタリング機能が搭載されているため、現実的な着地点や軌道修正に役立てられます。
(4)分析・評価作業を効率化できる
予算管理システムの導入は、予算と実績の間にどれぐらいの乖離があるかを確認する「予算差異分析」においても高い効果を発揮します。企業全体から部門別、商品別など、細分化した指標を用いて多角的に分析することにより、予算と実績の間にどのような課題が存在しているのかを可視化できます。
予算管理システムには、予算差異分析のための様々なレポート機能が搭載されており、期間や対象を指定するだけで自動的に分析結果をグラフ化・レポート化してくれます。
高い分析機能や評価機能により、常に予算と実績の状況確認ができ、正確な評価を下すことができるため、PDCAサイクルの精度向上にも大きく貢献できるでしょう。
▷予算管理でよくある問題点とは?システム導入で改善できる5つの課題
(5)月次試算表で部署ごとに達成状況が表示できる
予算管理システムの活用によって、部門ごとに当初設定した予算目標を達成できているかどうかをモニタリングすることが可能となります。エクセルによる管理では、部門ごとに予算管理が切り離されるため、達成状況の正確な評価が難しいという課題があります。
しかし、予算管理システムの月次試算機能を活用することで、部門ごとの計画予算達成状況が明確になり、予算管理体制の正しい評価にも貢献します。
部門ごとの評価が明確になることで、部門責任者の人事評価指標に用いることもでき、目標達成のために部門全体のコミットメントを強化することにもつながるでしょう。
(6)セキュリティが高く安心である
近年はクラウド型の予算管理システムが主流となっており、ユーザー企業の様々なデータはクラウド上に保管され、システムアップデートにより最新のセキュリティ体制を維持することが可能となっています。
クラウド型システムのセキュリティは、システムベンダーが管理するため、常に強固なセキュリティでデータを守ることができます。社内に情報セキュリティに精通した人材がいないユーザー企業でも、サイバー攻撃や情報漏洩によるリスクを最小化することができる点も、クラウド型予算管理システムの大きなメリットです。
▷【2023年最新】おすすめ予算管理システム16選!機能や費用を徹底比較
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便利な予算管理システム5選
予算管理システムを導入することにより、業務の効率化や事業活動の精度向上、セキュリティ体制の強化など、企業にとって数々のメリットがもたらされます。
予算管理システムの導入・運用を成功させるためには、自社にあった製品・サービスを選定することが重要です。ここからは、おすすめの予算管理システムを5つ紹介します。各システムの強みや特徴をふまえて紹介していくので、システム選びの参考にしてください。
(1)BizForecast
BizForecastは、プライマル株式会社が提供するクラウド型経営管理システムで、2019年から2021年間における予実管理ソフト市場シェア第1位の導入実績があります。
同シリーズの中で、予算管理に特化したBizForecastBCは、情報の正確な集約・加工・分析・報告までの一連の予算管理プロセスを可視化した部門横断型の活用に適したシステムです。
提供元 | プライマル株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(2)iFUSION
iFUSIONは、株式会社インプレスが提供するExcel運用サポートシステムで、煩雑なエクセル作業を改善し、業務の効率化を促進します。
iFUSIONは、エクセル作業によって発生する様々な工数とコストを、自動化によって最小化し、業務効率の向上と管理体制の強化に貢献します。既存のエクセル資産をそのまま使用することができるため、導入に際する手間や時間を大幅に削減できる点も大きな強みです。
提供元 | 株式会社インプレス |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(3)Workday Adaptive Planning
Workday Adaptive Planningは、ワークデイ株式会社が提供する、事業計画業務で必要な機能を取り揃えたクラウドベースの予算管理ソリューションです。
利用頻度の高い機能がわかりやすく一つのページにまとまっていたり、マウス操作のみで必要なデータ抽出や分析レポートを行えたりと、直感的なUIが強みとなっています。一つの組織での導入から部門間の横断、全社共通システムとしての拡大に至るまで、各フェーズ・スケールの目的に応じて機能を拡張できる柔軟性も特筆すべき点です。
提供元 | ワークデイ株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(4)bixid
bixidは、株式会社YKプランニングが提供するクラウド型経営支援システムです。会計データや月次決算、キャッシュフローなどのお金の動きを多角的にビジュアライズできるのが特徴です。
外部の会計システムとの連携により、月次会計データをアップロードするだけで各ダッシュボードや管理帳票に実績データを反映するため、統一のデータをもとに経営管理業務の標準化が実現します。
経営に関わる重要な財務データがわかりやすいビジュアルで表現されることで、複雑な予実管理や経営課題の抽出に対して、経営層と従業員が同じ視点で取り組むことができる設計となっています。
提供元 | 株式会社YKプランニング |
初期費用 | bixid導入支援パック
※すべて税込価格 |
料金プラン | 【bixid ×勘定奉行クラウドによるモデル料金】 ・会計データチェックパック ・プランニングプラン ・プランニングプラン + 会計データチェックパック ※すべて年間契約の価格(税込) |
導入実績 | 導入事業者数14,000社以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(5)Board
Boardは、Board Internationalが提供するクラウド型の経営管理サービスです。企業における様々な計画業務をプラットフォーム化し、部門横断型での目標達成に貢献します。
経営企画や財務・経理部門に向けたもの以外にも、サプライチェーンや人事、営業部門などに向けたBI(ビジネスインテリジェンス)ソリューションを展開しています。
経営企画・財務・経理部門向けソリューションでは、一つのプラットフォームで計画策定から分析、予測、決算処理や各種報告作業まで完結することが可能です。
提供元 | Board International |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 国内外の大手企業2,000社以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
まずは無料のエクセルテンプレートで予算管理を始めよう
経営管理と直結する予算管理は、部門単体から企業全体まで段階的にスケールを拡大したり縮小したりしながら、適宜必要なデータを用いて計画値と実績の乖離を埋めていくことが重要視される業務です。
しかし、初めから慣れない財務指標や会計データと連携させた予算管理を行うと、部門ごとの活動計画との紐付けが困難となり、必要以上に複雑な管理帳票を作成してしまうことにつながります。
そのようなリスクを回避するためにも、まずは慣れ親しんだ操作感と汎用性の高い機能性を持つエクセルを部門やプロジェクト単体の小規模な予算管理に活用するところから始めることをおすすめします。
今回紹介した無料のエクセルテンプレートを活用しながら、適宜フォーマットや管理プロセスを見直し、カスタマイズすることで、予算管理業務の効率化を達成することができるでしょう。
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