予実管理表をエクセルで作成する方法!手順や重要なポイントを解説

最終更新日時:2023/02/02

予算管理システム

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予実管理を行いたいが、システム導入は予算や体制的に厳しいという企業もあると思います。そんな企業担当の方のために、予実管理表をExcelで作成する方法を解説します。その他、予実管理表の概要や作成メリット、作成時のポイントも説明していきましょう。

予実管理表とは

まず、予実管理と予実管理表について解説します。

(1)予実管理とは

予実管理とは企業の経営目標を達成するために、予算と実績を比較分析することです。予算に対して実績がどのように推移しているか確認することで、予算の達成度合いや課題が分かり、適切な経営戦略を立てられます。

また、予算と実績が大きく乖離している場合、そもそもの予算に問題があると考えられます。このように、予実管理は適切な企業経営を行ううえで大切な手法の一つです。

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(2)予実管理表とは

予実管理をする際に必要な数値を表にまとめたものを予実管理表といいます。

目標となる予算に対する達成率を算出することで、進捗率を把握し、経営目標の精度を測ることが可能です。予実管理表の作成は経営戦略を立てるうえで欠かせません。

予実管理表を作るメリット

適切な企業経営を行うためには予実管理表が役立ちますが、作成することで具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。

ここでは、予実管理表を作成するメリットについて解説します。

(1)自社の経営上の問題点を可視化できる

予実管理表を作ることで自社の経営上の問題が明らかになります。一般的に、予実管理は毎月行うものなので、実績が伴っていない場合はすぐに把握できるでしょう。また、部門ごとの進捗率も確認できるため、細かく経営管理ができます。

定期的に経営の問題点を洗い出せれば、問題が深刻化する前に軌道修正を行えるでしょう。その結果、適切な企業経営を可能にするのです。

(2)経営判断が効率化できる

予実管理表を作成すれば、自社の経営状況がタイムリーに把握できます。

また、問題点にもすぐに気付けるでしょう。よって、効率的に経営判断ができるようになります。また、実際の数字に基づいた合理的な判断ができるのもメリットです。

(3)従業員がすべきことを明確にできる

予実管理表で具体的な数値を示すことで、従業員の目標が明確になります。また、部署ごとの進捗率も明らかになるため、従業員のやる気を引き出すこともできるでしょう。

パフォーマンス向上のためにも、予実管理表は従業員にも共有し、目標に対する意識を高めることが大切です。

予実管理表をExcelで作成する手順

予実管理表はExcelで作成できます。新たにシステムを導入せずとも予実管理ができるので、コストをかけずに予実管理表を活用できるでしょう。

ここでは、予実管理表をExcelで作成する手順について解説します。

(1)必要な項目を入力

Excelでシートを新規作成し、表の左上に該当月を記載したら必要な項目を入力します。具体的な項目例は以下の通りです。

【縦軸】(上から順番に記載)

  • 売上高
  • 売上原価
  • 売上総利益
  • 管理項目(以下、具体例)
    • 給与手当
    • 福利厚生費
    • 接待交際費
    • 旅費交通費
    • 通信費
    • 水道光熱費
    • 消耗品費
    • 租税公課
    • 支払い手数料
    • 減価償却費
    • その他
  • 販売費計(管理項目の合計)
  • 営業利益
  • 営業外収益
  • 営業外費用
  • 経常利益

【横軸】(左から順番に記載)

  • 当月発生
  • 当月予算
  • 差額
  • 予算比

前年度・競合他社・業界内での比較をしたい場合は、上記の項目のほかに必要に応じて項目を追加します。

(2)それぞれの項目に数値を入力

次に、それぞれの項目に数値を入力していきましょう。計算の必要な項目は次のステップで入力するので、まずは実績として出た数値を項目ごとに入力していきます。

(3)利益の算定式を追加

最後に、利益の算定式を追加します。

まず、横軸の差額と予算費の計算式です。差額は「当月発生-予算」で算出でき、予算比は「当月発生÷予算×100」で算出できます。

次に、縦軸の売上総利益・営業利益・経常利益の計算式について説明します。

売上総利益は「売上-売上原価」で計算可能です。また、営業利益は「売上総利益-販売費計」で算出できます。経常利益の計算式は「営業利益+営業外利益-営業外費用」です。

以上の計算式を追加すれば、月次の予実管理表が完成します。

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予実管理表を作成するポイント

予実管理表を作成しただけでは業務改善になりません。適切なデータを元に、経営判断をすることが大切です。

ここでは、予実管理表を作成する際のポイントについて解説します。

(1)年間予算を設定する

予実管理表を作成するうえで年間予算が必要になります。また、予実管理を適切に行うためには部門単位・商品単位で予算を立てることが大切です。

年間予算を設定する際は前年度の実績を参考にするといいでしょう。ただし、過去実績からそのまま予算を設定するのではなく、企業の成長目標に合わせた数値にすることが重要です。

(2)月次で予実管理をする

実績は月末か月初に入力し、予実管理は月次で行いましょう。

作成した年間予算を元に毎月進捗を確認することで、予算と実績の乖離をすぐに発見できます。その結果、即座に軌道修正できるので、適切な企業経営が可能になるのです。

(3)予算と実績を比較し乖離している点を見つける

予実管理表を作成したら予算と実績を比較し、乖離している点がないか確認しましょう。

企業経営における問題点は、予算と実績の乖離しているポイントに潜んでいます。数値の違和感を見逃さないようにしましょう。

比較する際は売上額だけではなく、営業利益にも注目する必要があります。売上が高くても経費が多くかかっていれば利益は出ないので注意しましょう。

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(4)乖離した原因の究明と改善をする

予算と実績の乖離している部分を見つけたら原因を探ります。問題が起きている原因について仮説を立て、改善施策を打ち出し、実行に移すことが大切です。

また、悪い数値が出ている場合は軌道修正を加えますが、良い数値が出ている場合はさらに成果が出るように次のアクションを起こしましょう。

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予実管理を簡単に行えるおすすめシステム

最後に、予実管理を簡単に行えるおすすめのシステムを紹介します。

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(1)Loglass

Loglassは予実管理ができる経営管理クラウドシステムです。

表計算ソフトで管理している予算データや、会計ソフトで管理している実績データの取り込みがワンクリックでできるので、集計作業の手間を軽減します。

予実分析も簡単にでき、条件設定が自由に行えるのもメリットです。また、重要指標はダッシュボードを通じてすぐに把握できるので、経営の軌道修正も柔軟に対応できます。

提供元株式会社ログラス
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴
  • 取り込む実績データはワンクリックで統合・反映
  • 経営状態を簡単に反映できるマスタ管理
  • 表計算ソフトとの連携
  • ダッシュボード機能で重要指標を可視化
URL公式サイト

(2)Manageboard

Manageboardは予実管理が適切にできる予算管理プラットフォームです。

PL(損益計画書)・BS(貸借対照表)・CF(キャッシュフロー計算書)が連動しているので、複雑な操作も安心してできます。

部門・取引先・商品・プロジェクトなどの集計軸をタグに設定し、多軸での業績分析が可能です。必要な情報をカスタムしたレポートを作成することもできます。

提供元株式会社ナレッジラボ
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴
  • タグによる多軸分析
  • カスタムレポート
  • 権限のカスタマイズ
  • PL・BS・CF連動
  • 会計ソフトとの連携
URL公式サイト

(3)Workday Adaptive Planning

Workday Adaptive Planningは経営計画業務に必要な機能が揃った予算管理ソリューションです。

マウス操作のみでレポーティングが完結するなど、直感的に利用できます。

1つの帳票で複数の数値パターンを保持するバージョン管理機能が備わっているので、さまざまな予算パターンの検証が可能です。拡張機能も豊富にあるので、スモールスタートから必要に応じて機能を付け足すこともできます。

提供元ワークデイ株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴
  • 直感的に利用できるUI
  • バージョン管理
  • 予算編成と収益予測
  • 人財プランニング
  • ビジネスをモデル化・分析
URL公式サイト

(4)Jedox

Jedoxはデータ統合・入力管理・可視化までを一元管理できる業務データ管理プラットフォームです。

インターフェースはスプレッドシートなので、使い慣れている方であればすぐに利用開始できます。

管理するデータに合わせてシステムを自由にカスタマイズできるため、自社の業務形態に合わせたプラットフォームの構築が可能です。

提供元株式会社KSKアナリティクス
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴
  • 自由度の高い業務データ管理プラットフォーム
  • データ統合・入力管理・可視化までを一元管理
  • インターフェースは見慣れたスプレッドシート
  • 自動配賦機能
URL公式サイト

(5)DIGGLE

DIGGLEは予実管理にかかる工数を大幅に削減できるシステムです。

取り込むだけでデータを自動集計し、差異分析機能により予算と実績の乖離要因を分析します。

各種レポート作成をする際も工数がかからず、レポート共有機能で担当者とコメントのやりとりも可能です。経営報告がクラウドで完結するため、スムーズな経営判断ができます。

提供元DIGGLE株式会社
初期費用ビジネスプラン:要問い合わせ

エンタープライズプラン:要問い合わせ

料金プランビジネスプラン:要問い合わせ

エンタープライズプラン:要問い合わせ

機能・特徴
  • 予実突合
  • 見込み値の自動集計
  • 差異分析機能
  • レポート共有機能
URL公式サイト

予実管理を行って自社の弱点を見つけましょう!

予実管理は経営目標の進捗度合いを確認し、適切な経営戦略を立てるために欠かせません。

予実管理表を作成すれば具体的な数値を根拠に経営判断ができます。

予実管理表を作成する際は自社の事業内容や比較したい事項に合わせて必要項目を設定しましょう。ぜひ今回紹介したシステムも活用してみてください。

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ビズクロ編集部
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