【解説】請求書送付の催促メールの文例とポイントについて
企業間取引に欠かせない請求書。期日が迫っているのに請求書が届かない場合、催促してよいのか、催促する場合はどのようにすればよいのか、対応に悩むこともあるでしょう。本記事では、その悩み解消に向け、請求書送付の催促メールの文例、作成ポイントについて詳しく解説します。
目次
請求書が届かないときの対応
請求書は、発行側にとっては売り上げを管理するために必要な書類であり、受領側にとっては、取引が行われたことを証明し、自社の会計を適切に処理するために必要な書類です。
双方にとって経営上の重要な役割があるため、取り決めた期日までに発行と受領をすませることが基本となっています。しかし、期日が迫っているのに請求書が届かないこともよくあるケースです。
請求書が届かないと、支払い側は処理ができません。しかし「下請法」では、請求書が届かない場合でも、期日までに支払う義務があると定められているのです。そのため、請求書なしでも処理をするというイレギュラーな業務が発生し、経理担当者にとっては負担がかかります。
そのような事態を回避するためにも、請求書が届かないときは早めに発行を催促しましょう。その際、次の2つのポイントを押さえ、失礼のない対応をすることが大切です。
自社にミスがないか確認
請求書が届いていないときは、まず、自社にミスや不備がないか確認しましょう。
郵送の場合、別の部署や担当者に届いていることがあるかもしれません。最近ではPDFで作成した請求書をメールで送るケースも増えているので、メールを見落とした可能性もあります。誤って請求書を破棄したり紛失したりということも、ないとは言いきれないでしょう。
自社にミスがあるのに催促したのでは、先方に不快な思いをさせることになるため、注意が必要です。
請求書が届いていない旨を伝える
自社にミスのないことが確認できたら、請求書がまだ届いていない旨を取引先に伝えたうえで、請求書の発行を催促します。
連絡方法にはメールと電話がありますが、取引先が悪気なく忘れていることもあることも想定し、最初の連絡はメールにすると催促する側もされる側も心理的な負担がありません。メールは、確かに連絡したという証拠になり、言った言わないのトラブルが防げる点もメリットです。
▷請求書に関する基本ルールとは?知っておくべき注意点やマナーを解説
請求書送付の催促メールを作成するポイント
催促の文面は、書き方によっては、相手の心証を悪くしかねません。快く対処してもらうためにも、メールを作成するときは以下のポイントを押さえましょう。
件名は簡潔に
催促メールに限らずビジネスメールは、件名で用件の把握ができることが基本です。
「〇月分請求書の件」「〇月分請求書送付のお願い」など、簡潔にまとめましょう。
不快感を与えない表現にする
用件は請求書を催促して送ってもらうことですが、「請求書をの送付を忘れていませんか?」「請求書が届いていません」など、ストレートすぎる表現は、相手に不快感を与えます。文字で伝えるからこそ、気遣いのある文面を心がけましょう。
配慮の言葉を添える
請求書が届いていないことは事実としても、その理由や事情はわかりません。そのような背景をふまえ、相手への配慮を忘れないことも大切です。
「お手数をおかけしますが」「お忙しいところ恐れ入りますが」などのクッション言葉を入れると、受け取る側も不快感なく受け止めることができます。
支払い遅延について伝える
請求書は、双方の経理処理に関わることです。メールを作成する際は、請求書の到着が遅れた場合、支払い(入金)遅延の可能性があることも、忘れずに伝えましょう。
この場合も「期日までに支払えません」ではなく「入金が遅れる可能性がございますので、その点はご承知おきください」など、相手との関係を考慮した言い回しにすることがポイントです。
行き違いを考慮する
まだこちらの手元に請求書は届いていないものの、既に請求書を発送していたり、郵便トラブルで遅れたりという場合、催促メールと行き違いになる可能性があります。
そのような状況を考慮し、メールの末尾には「行き違いになった場合は何卒ご容赦ください」「行き違いとなりましたら誠に申し訳ございません」などの文言を添えることも、お互いの信頼関係を保つうえで大切です。
送信する曜日や時間帯を考慮する
メール連絡は、送信する曜日や時間帯も考慮する必要があります。休日や勤務時間外にメールを送ってもすぐには対応できず、そもそも一般的なビジネスマナーに反することです。
請求書の作成にかかる時間なども考慮して、始業直後や終業直前を避けて送信するのがよいでしょう。
▷請求書の相殺処理とは?仕組みや仕訳方法・領収書の書き方や注意点を解説
請求書送付の催促メールの文例
催促メールも、ビジネスメールのマナーに則ることが基本です。
- 件名
- 宛名(会社名・担当者の所属部署・担当者氏名)
- 挨拶文
- 本文(請求書の催促)
- 行き違いを考慮した言葉
- 結び
上記の流れで作成しましょう。
具体的な文例を、2つのケースで紹介します。
期日までに多少の余裕があるとき
期限までには多少の余裕はあるものの、早めに請求書を送ってほしいときの文例です。
<件名> 〇月分請求書送付のお願い |
<本文> 株式会社〇〇 経理部〇〇様 いつもお世話になっております。 株式会社〇〇の〇〇です。 〇月分の請求書につきまして、メールにてご連絡失礼いたします。 通常ですと毎月〇日までに請求書をいただくことになっておりますが、本日時点で、まだ届いておりません。 期限までに多少の余裕はございますが、ご確認いただき、早めのご送付をお願いできますでしょうか。 お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご対応いただけますようよろしくお願い申し上げます。 もし請求書が期日までに届かなかった場合、お支払いが〇月になってしまいますこともご承知おきいただけますと幸いです。 なお、本メールと行き違いで請求書を送付いただいております場合は、ご容赦ください。 ご不明な点などがございましたら、メールか電話にてご連絡いただければと存じます。
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早急に請求書が必要なとき
自社の事務処理の都合上、早急に請求書が必要ということもあります。
そのようなときは、PDF化した請求書をメールで送ってもらうことも方法です。最近は、PDFだけですむケースも増えていますが、原本が必要な場合は、後日、郵送してもらえるように依頼しましょう。
<件名> 〇月分請求書の送付に関するお願い |
<本文> 株式会社〇〇 経理担当〇〇様 いつもお世話になっております。 株式会社〇〇の〇〇です。 〇月分の請求書についてご連絡がありメールいたしました。通常ですと毎月〇日までに請求書をいただくことになっておりますが、本日時点で届いていない状況となっております。 お忙しいところ恐れ入りますが、至急ご確認をいただき、請求書の送付をお願いできますでしょうか。 なお、弊社都合で恐縮ですが、事務処理の期限が迫っております。期限を過ぎると支払いが〇月になってしまうこともあり、PDF化した請求書をメールでお送りいただき、後日、原本を郵送いただくという流れで進めさせていただけますと幸いです。 ご不明な点がございましたら、電話かメールにて、〇〇までご連絡をいただければと存じます。 なお、本メールと行き違いで請求書を送付いただいております場合は、ご容赦ください。
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マナーに則した催促メールで円滑な取引を継続しよう
請求書は、自社にとっても取引先にとっても重要な書類です。
支払いをする立場にある場合、期日までに請求書が届かないと、催促の連絡をする必要があります。しかし、相手への配慮に欠けた対応をすると、自社に対する印象が悪くなり、信頼関係が揺らぎかねません。
請求書が届かないときの対処法を理解し、ポイントを押さえた催促メールで、円滑な取引を継続しましょう。
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