マニュアルを電子化するメリット・デメリットは?方法や注意点も解説

2022/8/31 2022/08/31

マニュアル作成ツール

タブレットでマニュアルを見るビジネスパーソン

ペーパーレス化やテレワークの導入などにより、マニュアルの電子化を進める企業が増えています。そこで本記事では、マニュアルを電子化するメリットやデメリットを紹介します。電子化の方法や注意点もお伝えしますので電子化を検討される方は、ぜひ参考にしてください。

電子マニュアルとは?

電子マニュアルとは、従来は紙で運用されることの多かった業務マニュアルや手順書などを電子化して、オンライン上で編集作業や閲覧をできるようにしたものです。

ペーパーレス化やテレワークにも対応可能な運用であることから、近年では、この電子マニュアルを活用する企業が増えています。

電子マニュアルの種類

電子マニュアルの主な種類としては、WebマニュアルなどのHTML形式のほか、PDF形式、動画形式などが挙げられるでしょう。

そのため、電子マニュアルを運用する際は、マニュアルの内容、閲覧時の状況、公開する範囲、マニュアルの更新頻度など様々な要件を考慮した上で、フォーマットを選ぶ必要があります。

紙マニュアルとの違い

電子マニュアルと紙のマニュアルとの大きな違いは、電子マニュアルの作成・運用の利便性にあります。

紙のマニュアルの場合、マニュアルの作成・更新に関連して、印刷・製本、関係部署への配布といった作業が発生します。これらの作業は、マニュアルを更新する度に繰り返し行われるため、相応の手間が生じるだけでなく、社員が手元に残していた旧マニュアルを使用することによる作業ミスなどにもつながるでしょう。

一方の電子マニュアルは、オンライン上で、常に最新の内容を公開・共有することができます。スマホやタブレットといったモバイル端末からの閲覧も可能なため、移動を伴う業務でマニュアルを使用する際も、大量の書類を持ち歩く必要はありません。

また、重要なマニュアルや更新頻度の高いマニュアルに関しては、印刷や個人の端末へのダウンロードを禁止し、オンライン上での閲覧をルール化することで、バージョンの違いによる作業ミスやトラブルを回避することもできます。

マニュアルの電子化によるメリット

マニュアルの電子化によるメリットは、その多くが生産性に直結しています。

これらのメリットは、マニュアルの運用方法を変える手間を考慮した上でも、得られる効果の大きいものと言えるでしょう。

管理がラクになる

電子マニュアルは、共有の仕組みや環境さえ整備しておけば、ファイルを更新するだけで、最新版の公開・関連部署への共有をワンストップで完了させることも可能です。また、データのため、紙のマニュアルのように保管場所を確保する必要もありません。

そのほか、マニュアル運用におけるバージョン管理は、マニュアルが増えれば増えるほど、「効率化の妨げ」や「ミスのリスク」などにつながるボトルネックとなることの多い業務です。これら課題の解消が期待できる点は、電子化の大きなメリットと言えます。

共有がしやすい

電子マニュアルは、オンライン上で共有が可能となるため、社員は場所を問わずに閲覧できるようになります。そのため、テレワークだけでなく、本社支社、営業所や店舗間のマニュアル共有もスムーズに行えます。

「共有の手間を軽減する」ことは、社内のナレッジ共有において重要な要素の一つとなるため、電子マニュアルの共有性の高さは、社内のマニュアル運用の習慣化にも役立つでしょう。

検索性に優れている

検索性の高さもデータ化ならではのメリットです。特にHTML形式やPDF形式であれば、ファイル名による検索だけでなく、ファイル内のキーワード検索も可能となります。

「欲しい情報にすぐリーチできる」環境は、マニュアルを使用する側にとっての利便性が向上するだけでなく、管理する側の手間の軽減にもつながります。

マニュアルの電子化によるデメリット

メリットの多い電子化マニュアルですが、いくつかのデメリットもあるため確認しておきましょう。

サービス利用時にはコストがかかる

マニュアル作成・管理ツールや社内Wikiツールなどのサービスを利用する際にはコストが発生します。

もちろんPDFファイルと社内ネットワークの利用による運用など、コストをかけずに行うことも可能ですが、これらのツールやサービスには、作成の手間を軽減する各種機能や情報を安全に管理するためのセキュリティ機能など、効率的に適切なマニュアル運用をするための機能が搭載されています。

一概にコスト=無駄・デメリットではなく、費用対効果を見極める必要があると認識しておきましょう。

システムの不具合に影響を受けてしまう

可能性としては、あまり高いものではありませんが、クラウド型サービスを利用してマニュアル管理をする場合、システムの不具合やサイバー攻撃などによる事故やトラブルのリスクを完全に排除することはできません。

また、通信環境が必須となるため、自社の通信環境のトラブルなどによってもサービスへのアクセスができなくなってしまいます。

信頼できるセキュリティレベルのサービスを選ぶことはもちろん、万が一に備えて、定期的なバックアップを取っておくなどの対策が求められます。

端末によっては見えにくい可能性がある

電子マニュアルは、パソコンやスマホなど、様々な閲覧環境で使われるため、使用される端末によっては、見えづらくなることもあります。

想定される使用環境を考慮した上での提供方法の選択やレイアウトが求められる点は、電子化ならではのデメリットとも言えるでしょう。

マニュアルを電子化する方法

マニュアルの電子化についてのメリットとデメリットを確認したところで、ここからは実際に電子化マニュアルを作成する方法を5つのステップに分けて説明します。

1.目的を明確にする

電子化マニュアルに限らず、マニュアル作成時の共通のプロセスとして「何を目的とするのか」を、明確にする必要があります。

例えば、業務の手順書なのか、あるいは、業務品質を向上させるためのナレッジ共有なのかによって、最適なフォーマットや共有手段は異なってきます。また、最適な手段の選定には、必ず実際にマニュアルを使用する社員の声を反映することが大切です。

2.電子化するマニュアルを選定する

全てのマニュアルの電子化が、業務の効率化につながるとは限りません。そのため、電子化することで本当に業務効率があがるのかどうかの検討も忘れずに行いましょう。

例えば、通信環境や端末がなくても見れる点や複数のページを同時に見る閲覧性は、紙媒体のメリットでありデータでの運用よりも優れている点です。そのため、電子化するマニュアルを選ぶ際は、実際に使用される業務の特性や環境を考慮した上で選ぶ必要があります。

3.必要なツールと環境を準備する

電子マニュアルを運用する際には、円滑に管理・共有できる環境を整えることも重要です。

電子化マニュアルの運用は、PDFファイルを、オンラインストレージなどで共有する方法でも可能ですが、マニュアルの中には、社外秘となる情報が含まれることもあるでしょう。そのため、アクセス制限や操作履歴などが残る管理方法であるとより安心です。

また、組織内で数多くのマニュアルが必要となるケースや、頻繁に更新作業が発生するような場合は、マニュアル関連業務の工数を大幅に削減できるマニュアル作成ツールを活用が便利です。

4.全体の構成を見直す

フォントや構成などのデザインに統一感があると見やすさと可読性が高まります。特に、一連の業務など関連性の高い業務で使用するマニュアルは、レイアウトやデザインを統一するようにしましょう。

また、内容に関しても、マニュアルとして重要な業務手順が過不足なく記載されているかのほか、業務の時系列にそった流れになっているかも見やすいマニュアルとして重要です。

あくまで使用者にとって、分かりやすく使いやすいかどうかの視点で内容を工夫してください。

5.マニュアルを電子化する

電子化の方法としては、紙のマニュアルをデータ化する方法でもできます。ただし、マニュアルは業務の内容の変更などによって、必ず更新作業が発生するはずです。

マニュアルの「電子化」が目的ではなく、ナレッジ共有を効率的かつ容易に行うことを目的とするのであれば、少々導入時の手間がかかったとしてもデータとして管理しておくことをおすすめします。

マニュアルを電子化する際の注意点

電子マニュアルは、作成と運用の際の注意点に留意することで、より活用されやすくなります。ここからは、電子化マニュアルを運用する際のいくつかの注意点を紹介します。

使用者を意識する

新人の人材育成に使用するマニュアルなどでは、作成者によっては日常的に使う用語であっても、読み手によっては理解できないこともあるでしょう。マニュアルの内容が理解できなければ、結局、ほかの社員に聞くことになり、業務の効率化は実現できなくなってしまいます。

さらには、難しい用語ばかりが並んだ長文のマニュアルでは、読む意欲さえ薄れてしまうでしょう。マニュアルは、業務の記録ではなく、ナレッジの共有であり、使用者の理解を促す目的であることを意識しながら作る必要があります。

対応端末を確認する

マニュアルの運用は、適切に活用され、かつマニュアル文化が定着するまでがゴールです。

マニュアル作成・管理サービスを検討する際には、使用する環境に適しているかを確認するほか、フォーマットの種類も、実際に使用する場面を想定した上で決定するようにしましょう。

閲覧時の使用端末を考慮しながら、文字の大きさや色、写真や図表の見え方などを工夫することも大切です。

業務によっては紙版も合わせて作成する

マニュアル管理の観点からは運用方法は統一しておくことが望ましいですが、業務内容によっては、どうしても紙のマニュアルの方が効率的なケースもあります。

このようなケースでは、「生産性」とのバランスを考慮しつつ、できる限り現場の状況に適した柔軟な対応をするようにしましょう。

また、BCP関連のマニュアルなどは、万が一に備えて紙のマニュアルを準備しておく、通信環境に不具合が起きても閲覧できる状態にしておく、などの取り組みが必要です。

マニュアルの電子化におすすめのツール3選

ここからは、電子化マニュアルの作成や管理に役立つ機能を備えた、おすすめのツールを3つ紹介します。

1.tebiki

Tebikiは、動画マニュアルの作成と配信に特化したクラウド型の動画教育システムです。動画マニュアルは、文字や図表では伝えにくい機械の操作手順や実践的なスキルや知識を共有する際の理解度を高めることができるほか、外国人労働者に対する育成時にも役立つでしょう。

作成は、スマホで撮影した動画に字幕や図表などの編集作業をして公開など、スマホだけで一連の作業を完了させることも可能なため、マニュアル作成に大きな手間を取られる心配もありません。さらに、100ヶ国以上の言語に対応した字幕の自動翻訳機能も搭載しています。

提供元 Tebiki株式会社
初期費用 要問い合わせ
料金 要問い合わせ(利用規模によって異なる)
主な機能
  • 字幕の自動付与
  • 画面録画
  • 映像編集
  • 図形挿入
  • レポート
  • 自動翻訳 等
URL 公式サイト

2.ココミテ

ココミテは、操作画面に従って必要な情報を入力するだけで、マニュアルが作成できるサービスです。

最大5階層までのフォルダ構造と、それぞれにアクセス権限を細かく設定できる機能のほか、最新版の公開と同時に自動でバージョンが記録される機能など、安全かつ適切にマニュアル管理を実行できる機能が充実しています。

そのほか、文書内の単語も対象としたキーワード検索や、タグによる絞り込みを組み合わせた検索機能など、非常に高い閲覧性を持つ点も特徴です。

提供元 コニカミノルタ株式会社
初期費用 登録料 71,500円(税込)
料金 【エントリープラン】

月額24,200円(税込)/月
年額242,000円(税込)/年
編集者数3人、閲覧者数0人、データ利用料25GB
操作サポート あり

【スタンダードプラン】

月額66,000円(税込)/月
年額660,000円(税込)/年
編集者数20人、閲覧者数100人、データ利用料100GB
操作サポート あり

【エンタープライズプラン】

月額242,000円(税込)/月
年額2,420,000円(税込)/年
編集者数100人、閲覧者数500人、データ利用料500GB
操作サポート あり

※編集者数、閲覧者数、データ利用料については追加オプションあり
※大規模以上に対応するプランについては要問い合わせ

主な機能 【マニュアル編集・閲覧】

  • 画像及び動画を含む各種ファイル添付
  • 箇条書き設定、章節項目次自動作成
  • ストリーミング再生
  • 表作成(Excelからの貼り付け可能)
  • 様々な公開設定
  • QRコード生成
  • PDF出力
  • 多言語UI設定(日英)
  • 閲覧ログ管理、コメント機能、承認フロー等

【ワークスペース管理】

  • ユーザー・グループ管理
  • バージョン管理
  • 5階層フォルダによるドキュメント管理
  • お知らせ機能
  • アクセス管理(IPアドレスによる制限も可能)
  • CSVユーザー一括登録
URL 公式サイト

▷「問い合わせ対応を軽減!」を実現するオンラインマニュアル作成・運用サービス「COCOMITE」

3.Teachme Biz

Teachme Bizは動画や画像によるマニュアルの作成、共有、実際の運用までを支援するサービスです。

作成方法は、テンプレートに沿って画像動画、文字を入れていくだけと簡単。作成されたマニュアルは、各手順がステップ構造で表示されるため、見やすいだけでなく、工程の変更があった際にも、該当部分のみを修正することができます。

公開したマニュアルの閲覧・確認を、システム上で社員のタスクとして割り振ることもでき、また、閲覧履歴も確認できるなど、情報共有を徹底するための機能も搭載している点は、本社支社、店舗間といった物理的な距離が生じる環境でのマニュアル管理にも役立ちます。

提供元 株式会社スタディスト
初期費用 要問い合わせ
料金 【スタータープラン】

  • 55,000円(税込)/月
  • 編集アカウント数 10
  • 閲覧アカウント数 50
  • アップロード動画 1,000本
  • 外部公開による閲覧回数上限 10,000回/月

【ベーシックプラン】

  • 110,000円(税込)/月
  • 編集アカウント数 30
  • 閲覧アカウント数 150
  • アップロード動画 1,000本
  • 外部公開による閲覧回数上限 10,000回/月

【エンタープライズプラン】

  • 330,000円(税込)/月
  • 編集アカウント数 100
  • 閲覧アカウント数 500
  • アップロード動画 1,000本
  • 外部公開による閲覧回数上限 10,000回/月

※他、オプションあり
※エンタープライズプラン以上の規模は要問い合わせ

主な機能
  • ステップ構造によるマニュアル作成
  • 画像、動画の取り込みおよび編集
  • スナップショット機能
  • スライドショー表示
  • 共同編集
  • 各種ファイルのインポートおよびPDFエクスポート
  • マニュアルリンクによる共有
  • クリップボード
  • マニュアル検索
  • QRコード出力機能
  • タスク管理
  • アクセスログ管理 等
URL 公式サイト

データの強みを生かした電子マニュアル運用を実現

マニュアルの電子化は、管理の手間軽減、高い閲覧性と検索性、共有性など、生産性に直結した多くのメリットが得られる業務改革の一つです。

また、マニュアルを単なる「手順書」として位置付けるのではなく、パフォーマンスの高い社員のスキルの伝承、ベテラン社員の知識の共有といったナレッジ蓄積の場とすることで、組織全体の生産性や業務品質を底上げすることも可能です。

ここでご紹介した注意点やポイントなどを意識して、電子化マニュアルの運用を実行し、ぜひ全社的な生産性向上を実現してください。

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