組織開発とは?人材開発との違いや具体的な手法・進め方のポイントを解説

2023/11/28 2023/11/28

組織・マネジメント

組織開発とは

1950年代にアメリカで生まれ欧米を中心に普及した概念、「組織開発」。昨今変化の激しい日本においても必要性が叫ばれ、組織開発に取り組む企業が増加しています。本記事では、組織開発の概要や人材開発との違い、具体的な手法や進め方のポイントを、企業事例とあわせて解説します。

この記事の要約

・組織開発は、社員同士の人間関係や会社への信頼を深めることによって、活性化・業務効率の向上を測ること
・組織開発と人材開発では、課題解決の対象・目的・アプローチ方法が異なる
・人材不足や働き方の多様化によって組織開発に注目が集まっている

組織開発とは?

組織開発とは、会社などの組織で働く人同士の関係性や所属する企業への信頼を深めることで、組織の活性化や業務の質向上を図る一連の活動のことです。

組織開発を行うには、組織の課題を可視化し、従業員一人ひとりが当事者として課題解決に向けて行動する必要があります。したがって、組織開発は自社の実態に合った手法で行うことが重要です。

組織開発の歴史

組織開発は1950年代にアメリカで生まれ、発展しました。英語では「Organization Development」と表記され「OD」と略されることもあります。行動科学の考え方をもとに、組織に所属する一人ひとりが当事者として組織の改善に取り組む手法です。

日本では、1960年代に職場内の小集団で自主的に製品・サービスの質の管理・改善に取り組むQCサークルが取り入れられたことで広まりました。その後、1970年代前半〜1980年ごろに組織開発ブームが訪れましたが、バブルの崩壊とともに衰退したのです。

その後、2000年代に突入して人材開発ブームが到来しました。しかし、2010年代には多くの人事担当者が「企業の成長には個人の能力開発だけでは不十分であり、組織全体への働きかけが必要である」という点に気づきます。その結果、組織開発の重要性に再び注目が集まったのです。

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組織開発と人材開発の違いとは?

人材開発とは、組織で働く個人を成長させるための取り組みのことです。具体的には、社内研修やOJT、外部講師によるセミナー、自己学習などの手法があげられるでしょう。

では、組織開発と人材開発の違いはどこにあるのでしょうか。たとえば、企業に「新卒入社社員の3年以内の離職率が高い」という課題があったとします。このとき、新入社員やその上司などの個人に問題があると捉え、個別に教育を行うのが人材開発の考え方です。

一方、組織開発では「人やチーム内の関係性」に問題があると捉え、課題解決に取り組みます。具体的には、ミーティングやセミナーなどを通じて、チームやメンバー間の認識を揃えます。そして、組織全体の課題として従業員一人ひとりが当事者意識を持ち、改善に向かって行動するのです。

このように、組織開発と人材開発では、課題解決の対象・目的・アプローチ方法が異なります。ここでは、組織開発と人材開発の違いを、これら3つの観点から解説します。

課題解決の対象の違い

まず、組織開発と人材開発では課題解決の対象が異なります。課題解決の対象を従業員などの「人」に置く人材開発に対し、組織開発は組織内や人同士の「関係性」に注目するのが基本です。

単に個人の能力・スキルを向上させるだけでは、組織全体のレベルアップにはつながりません。したがって、メンバー同士・チーム内の関係性や部署同士の連携を高める組織開発の考え方が重要です。

目的の違い

組織開発の目的は、組織全体の視点から組織構造や業務プロセス、企業文化などを改善し、組織全体のパフォーマンスを向上させて、より効率的な組織目標の達成を目指すことにあります。

一方、人材開発は、個々の従業員の能力を向上させる活動であり、個人のポテンシャルを最大限に引き出すことを目的に行うものです。

つまり、組織開発は「組織全体の改善」を、人材開発は「個々の従業員の成長」を目的とする違いがあるのです。

アプローチ方法の違い

課題解決のためのアプローチ方法も組織開発と人材開発とでは異なります。人材開発は従業員個人に向けた、教育やトレーニング、キャリア開発などのアプローチが基本です。

一方、組織開発では組織内の関係性に着目し、チーム内のコミュニケーションの円滑化や協力体制の構築を実現できるようなアプローチを行います。具体的には、ミーティングやワークショップといった手法があげられます。

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組織開発が注目されている背景

なぜ今、組織開発は注目されているのでしょうか。ここでは、組織開発が注目されている背景についても見ていきましょう。

価値観や働き方が多様化しているため

テレワーク、フレックスタイム制、副業・兼業など、多様なワークスタイルが社会的に認められるようになり、現代の企業にはさまざまな価値観・バックグラウンドを持つ人材が集まるようになりました。

しかし、それぞれの個性を生かした企業経営が求められる一方で、企業のビジョンや組織目標への深い理解など、「組織」としての足並みをそろえる重要性もより高まっているのです。価値観や働き方の多様化に対応するためには、従業員同士の関係性を深め、強固な「チーム」を構築しなければなりません。よって、組織開発が注目されているのです。

慢性的な人材不足に陥っているため

少子高齢化による労働人口の減少により、企業は慢性的な人材不足に陥っています。特に、終身雇用ではなく転職が当たり前となった現代において、定職率の向上は、各企業が抱える課題の一つとなっているでしょう。

組織開発は、企業や業務へのエンゲージメントを高め、人材の流出を防ぐ目的においても有効です。自社への信頼や貢献意識を醸成することで、優秀な人材が流出しにくい企業にできるのです。

組織開発の具体的な流れ

組織開発を行うにはどのような手順を踏めばよいのでしょうか。ここでは、組織開発の具体的な流れを解説します。

1.組織開発の目的を明らかにする

まず、組織開発に取り組む前に目的を明らかにしましょう。企業によって目的は異なるため、現状を踏まえてどこを目指すのか定めることが大切です。具体的には「チーム内で意見を積極的に出し合えるようにしたい」「部署間の連携を高めたい」といった目的があげられます。

また、組織開発はいきなり全社で進めるのではなく、特定の部署やチームから始めるのがおすすめです。そのため、組織開発を行う組織の範囲も決めておきましょう。

組織開発では、メンバー一人ひとりが当事者意識を持って活動する必要があるため、目的は、メンバーにも共有するようにしましょう。

2.組織の現状・課題を把握する

次に、組織の現状・課題を把握し、適切な解決策の思索へとつなげます。

まず、従業員へのヒアリングやアンケート調査などで情報収集を行いましょう。その後、情報を整理して課題を洗い出します。

メンバー間やチームの関係性は目に見えるものではないため、漠然とした印象ではなく具体的な事実に基づいて判断することが重要です。

3.解決すべき課題を明らかにする

現状・課題の把握ができたら、組織として解決すべき課題を明らかにしましょう。ここでは、表出した課題を組織のシステムや関係性の課題として捉えることが重要です。

組織の課題には、複数の原因が絡み合っている場合も多く、課題解決は、複数のチームや部署を巻き込みながら行うことも少なくありません。そのため、あらかじめマネジメント層の理解・了承を得ておくとその後のステップをスムーズに進められるでしょう。

4.試験プランを策定・実行する

解決すべき課題の設定ができたら、試験プランを策定・実行します。いきなり長期的なプランを実行するのではなく、まずはスモールスタートで試験的に実行することが大切です。

スモールスタートにすることで、施策の成果を早期に判定しやすく、施策の中止・改善といった次のアクションを取りやすくなります。まずは短期的なプランを立てて、特定のチームや部署で試験的に課題解決のためのアクションを行いましょう。

5.効果の検証・評価をする

次に、試験プランで得られた効果の検証・評価をします。効果検証を行うことで、本格的に全社に取り入れる前に施策の改善ができます。さらに、効果が出ている場合は、全社での導入に向けた経営層への説明材料にもなるでしょう。

効果検証の際は、良かった点・改善すべき点の両方を洗い出し、チームや部署内で共有しましょう。積極的に情報発信を行うことで、従業員1人ひとりが当事者意識を持って課題解決に向けて取り組めるようになります。

6.成功したプランを全社へ共有する

成功したプランはプロセスや成果が出た要因を分析し、「成功事例」として、全社へ共有します。

また、成功事例は、マニュアル化しておくことも大切です。お手本となる事例は、成功ポイントのノウハウとしてだけでなく、気をつけるべき注意点としてのナレッジの蓄積としても役立ちます。さらに、マニュアル化することで施策の共有が容易になり、誰が担当しても一定の成果を上げられる体制が構築されるでしょう。

さらに、検証・評価および成果に関する情報共有を続けることで、従業員のモチベーション維持もしやすくなります。

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組織開発に活用できるフレームワーク・手法

組織開発にはフレームワークを活用するのがおすすめです。ここからは、組織開発に活用できるフレームワークや手法を紹介します。

ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション・ビジョン・バリューは、組織の根幹にある指針のことです。ミッションは「組織の存在意義」、ビジョンは「組織が目指すべき理想の姿」、バリューは「組織の価値観や行動指針」を表します。よって、ミッション・ビジョン・バリューの順に定めるのが基本です。

ミッション・ビジョン・バリューは、抽象度が高く、企業理念にも用いられるフレームワークのため、方向性や判断などに迷った際に立ち返る羅針盤のような役割を果たします。経営層から現場社員まで、組織全体の一体感を醸成する際などにも役立ちます。

OKR

OKRは「Objective(目標) & Key Results(主となる成果)」の略称で、目標管理手法の一つです。まず、目指す姿を定性目標として定め、その定性目標を達成するために必要な定量目標を細分化して定めます。

また、OKRを活用する際は、組織目標→チーム目標→個人目標の順で細分化することも重要です。組織の目標を個人の目標へと落とし込むことで、組織全体の方向性を一致させ、目標達成のために従業員一人ひとりが取り組むべきことが明確になります。

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7S

7Sとは、企業運営における重要な7つの経営資源を元に経営戦略を立てるフレームワークです。7つの経営資源には、ハード面の要素とソフト面の要素が含まれます。

ハード面の要素は、以下の3つです。

  • 戦略(Strategy)
  • 組織構造(Structure)
  • 制度(System)

また、ソフト面の要素としては以下の4つがあげられます。

  • 共通の価値観や理念(Shared Value)
  • 経営スタイルや社風(Style)
  • 人材(Staff)
  • スキルや能力(Skill)

7Sを用いることで、自社の経営資源の相互関係が明らかになり、どの部分に課題があるのかが見えてくるため、自社の状況に合った組織開発の実行が可能です。

コーチング

コーチングとは、従業員本人が気づきを得られるように、対話を通じてサポートする手法です。新しい視点や選択肢に自分自身で辿り着くことで、メンバー一人ひとりの自主性や当事者意識を高められます。また、上司と部下のコミュニケーションを通じて行われることから、メンバーの信頼関係の醸成にもつながるでしょう。

コージングでは、上司が答えを教えたり、与えたりするのではなく、あくまで従業員本人が自分で気づきを得られるように導くことが重要です。

AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)

AIとは、アプリシエイティブ・インクワイアリーの略で、組織の「強み」に着目するフレームワークです。強みから成功要因を見つけ出し、互いに認め合いながら課題解決に向けて行動します。

AIは、課題の原因を特定し、ボトルネックを解消することで解決を図るのではなく、良さを高め合う取り組みのため、ポジティブな気持ちで課題解決に取り組める特徴を持ちます。その結果、従業員のモチベーションアップにつながり、夢や目標、理想像の共有によるメンバー間の信頼関係の醸成も期待できるのです。

ワールドカフェ

ワールドカフェとは、カフェのようにリラックスできる空間で、課題についてメンバー同士が気軽に会話するフレームワークです。立場に関係なくフラットな状態でコミュニケーションが取れるため、会議などのかしこまった場では、遠慮しがちな意見も出しやすくなります。

ワールドカフェを行う際は、1つのテーブルあたり5人前後の少人数に設定し、途中でメンバーの入れ替えを行うことで、さまざまなメンバーの意見を聞けるようになります。部署の垣根を超えて開催すれば、横のつながりを含めた連携の強化も期待できるでしょう。

フューチャーサーチ

フューチャーサーチは解決すべき課題に関わる多様なメンバーが話し合い、過去と現状への認識を共有したうえで未来に向けた共通の価値観を明確にするフレームワークです。複雑で解決の難しい課題に対して効果的な手法で、3日間程度の日数をかけて行うのが一般的です。

フューチャーサーチを行う際は、課題に関するすべてのステークホルダーを集めるホールシステム・イン・ザ・ルームの原理が重要です。一部のリーダー層だけではなくさまざまな立場の意見を取り入れることで、幅広い視点から解決策を見つけられるでしょう。

タックマンモデル

タックマンモデルとは、組織の変遷を以下の「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」「散会期」の5つの段階に分け、それぞれの段階に応じた組織運営を行う手法のことです。

  • 形成期:チーム結成初期。メンバー間の相互理解ができていない時期
  • 混乱期:働き方や考え方の違いが表出し、意見の衝突が生まれる時期
  • 統一期:意見の衝突を解消し、メンバー間で共通認識が取れている状態
  • 機能期:チームとして機能し、成果を上げられている状態
  • 散会期:目標達成、あるいは、チーム活動期限に到達した時期

タックマンモデルを用いることで、チームの成長段階に応じた適切な組織開発が行えるでしょう。

サーベイフィードバック

サーベイフィードバックとは、従業員調査の結果を従業員本人やチームに伝え、組織改善を行う手法です。客観的な評価を現場に伝えることで、現場の状況を正しく把握しながら組織の課題を解決できます。

サーベイには、組織サーベイ・パルスサーベイ・エンゲージメントサーベイ・モラールサーベイなどがあげられます。サーベイは組織の課題や調査したい内容に応じて使い分けましょう。

アクション・リサーチ

アクション・リサーチとは、組織のさまざまな課題に対して従業員が自身に該当する課題の解決策を考えて実施し、効果検証を行うことで全体の課題解決につなげる手法です。

アクション・リサーチを取り入れることで、組織の課題に対して従業員一人ひとりが当事者意識を持って取り組めます。また、個々のスキル・能力の向上にもつなげられるでしょう。

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組織開発の進め方のポイント

組織開発を進めるためにはいくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、組織開発の進め方のポイントを解説します。

全社で取り組む

組織開発は現場だけではなく経営層を巻き込んで全社で行うことが大切です。組織開発はすぐに成果を得られるものではないため、中長期的な視点で取り組む必要があります。また、部署間を横断して取り組む場合もあるでしょう。

経営層などの上位役職者を巻き込むことで、経営視点を絡めた中長期的なプランの策定・実行が可能になります。また、部署間の連携もスムーズになるため、施策を推進しやすくなるでしょう。

組織開発の目的を見失わない

組織開発を行ううえで起こりがちな失敗は、手段に囚われるあまり目的を見失ってしまうことです。自社における組織開発の目的が不明瞭なまま解決手段を考えても成果は出ません。

組織開発における課題は、さまざまな要因が複雑に絡み合っている場合があります。したがって、特定の施策を単発で行うのではなく、課題の要因一つひとつに対応するさまざまな施策を体系的に行うことが重要です。

また、他社で成功したフレームワーク・手法がそのまま自社でも通用するとは限りません。自社における目的を適切に把握したうえで、最適な手段で解決に向かうことが大切です。目先の成功事例に囚われず、自社の目的を踏まえたうえで手段を見極めるようにしましょう。

ハード面・ソフト面双方にアプローチする

組織開発を行う際はハード面・ソフト面双方にアプローチすることが大切です。具体的に、ハード面は組織構造・就業規則・社内制度・業務オペレーションといった、社内の制度や構造を構成する要素を指します。

一方、ソフト面はメンバー間の関係性・従業員のスキルや能力・社内文化といった、組織風土を構成する目に見えない要素のことです。

解決すべき課題ごとに、ハード面・ソフト面のどちらにアプローチすべきかは異なります。課題ごとの要因を見極め、ハード面・ソフト面の双方へのアプローチが必要です。

組織開発の企業事例

実際に組織開発を行うとどのような成果が見込めるのでしょうか。組織開発を行った企業の事例から、その成果を見ていきましょう。

株式会社グッドパッチ

株式会社グッドパッチでは、急速な組織の拡大により、効率的かつ十分な情報共有ができなくなっていたことが課題となっていました。

そこで、ナレッジプロジェクトと称して全社に点在するナレッジ(情報)を一元的に集約し、効率的に共有する仕組みを整えています。また、集まったナレッジは、2週間ごとに選別・編集などのキュレーションをして記事化。メンバーの見逃しがないよう工夫したといいます。

さらに、日々の業務から得た気づきや学びを10分ほどのピッチで話す社内イベント「Pitchpatch」も開催。社内のナレッジ共有を促進する仕組みを提供することで、個人のスキルアップを促すとともに、部署を超えた従業員同士の関係性の構築を可能にしています。

[出典:株式会社グッドパッチ「入社特典!?グッドパッチのナレッジシェアカルチャーとは」]

株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」というミッションの達成に向けて、下記の3つのバリューを軸に組織開発を行っています。

「Go Bold(大胆にやろう)」

「All for One(全ては成功のために)」

「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」

採用時には3つのバリューに共感しているか確認し、入社後もバリューを最大限発揮できる人事の仕組みを取り入れています。また、同社の「Trust&Openness」のカルチャーから、信頼を前提に社内ルールは最小限にしつつ情報共有を大切にしているのも特徴です。

このような組織開発の結果、40ヵ国から多種多様な人材が集まる企業でありながら、従業員のミッションへの共感度は90%を超えています。共通の価値観を持つことで、従業員同士の結び付きを強めているのです。

[出典:株式会社メルカリ「ミッション」]

株式会社オージス総研

株式会社オージス総研では、行動・結果・関係・思考の4つの要素からなる「成功の循環モデル」の考え方をもとに組織開発を行っています。

特に、目に見えない「関係」と「思考」の質を高めることが持続的に成果を出す近道と捉えており、思考の質を高めるために改善塾という制度を設けました。

改善塾では、トヨタ自動車といった日本を代表する製造業の思想を良い考え方の参考とし、現場のマネジメント層の勉強会を実施しています。また、口頭で良い考え方を伝えるだけではなく、ワークショップなどの実践を交えることで、成功の循環モデルにのっとった教育プログラムになっているのもポイントです。

このような組織開発を行うことで、業務の属人化を防ぎ、生産性と品質の向上につなげています。

[出典:株式会社オージス総研「ソフトウェア維持管理の現場改善」]

組織開発に役立つ資格

組織開発を進める上で、取得しておくと便利な資格もあります。最後に、組織開発に役立つ資格を3つ紹介します。

組織キャリア開発士

組織キャリア開発士とは、組織にまつわるさまざまな改善案の提案を行うプロフェッショナル人材を認定する資格です。一般社団法人地域連携プラットフォームが提供する資格で、組織キャリア開発士養成講座を受講することで取得できます。

組織キャリア開発士の資格を取得すると、グループアプローチや組織開発の手法・理論、自立・独立へ向けたノウハウなどが学べます。また、キャリアコンサルタントを行ううえでの実践的な知識も身に付けられるでしょう。

ビジネスマネジャー検定

ビジネスマネジャー検定は、マネージャーのミッション達成に必要な3つのカテゴリーについて体系的に学べる資格です。3つのカテゴリーには、「人と組織のマネジメント」「業務のマネジメント」「リスクのマネジメント」があげられています。

ビジネスマネージャー検定は東京商工会議所が行っており、毎年5月末〜7月上旬、10月末〜11月上旬の2回開催されています。2023年に行われた第17回試験では受験者の26.2%が合格しました。

ビジネスキャリア検定「人事・人材開発」

ビジネスキャリア検定「人事・人材開発」分野は、人事企画・雇用管理・賃金管理といった人事業務と、OJT計画・Off-JT計画・自己啓発支援計画などの人材開発業務について学べる資格です。中央職業能力開発協会が行っている検定で、2級と3級があります。

試験は例年10月と2月の2回行われており、どの等級からでも受験可能です。2023年2月に行われた試験では、2級の合格率が32%、3級の合格率が69%となっています。

組織開発が学べるおすすめの本8選|業務に活かすためのコツも解説

手法・進め方のポイントをおさえ組織開発を成功させよう

組織開発に取り組むことで、組織の活性化や業務の質向上が期待できます。また、従業員一人ひとりが当事者意識を持って取り組むことで、組織への信頼や帰属意識の醸成も期待できるでしょう。

組織開発を行う際は目的を明確にし、自社に合ったフレームワーク・手法を採用することが重要です。今回紹介したフレームワークや手法、進め方のポイントを参考に、適切な組織開発を行いましょう。

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