相対評価とは?絶対評価との違いやメリット・デメリット、時代遅れと言われる理由

2024/04/04 2024/04/05

人事評価システム

人事評価の相対評価

教育やビジネスの場で活用されている「相対評価」。従来の日本社会でよく取り入れられていた評価方法ですが、課題もあるのが事実です。そこで本記事では、相対評価のメリット・デメリットや絶対評価との違い、時代遅れと言われている理由などについて解説します。

この記事の要約

・相対評価とは、社員のスキルやパフォーマンスを他の社員と比較して評価する手法のこと
・評価の偏りやばらつきを抑えられる一方で、公平性を保つのが難しく、個人の成長に焦点を当てた評価ができないなどのデメリットがある

相対評価とは?

相対評価とは、評価対象である社員のパフォーマンスやスキルを他の社員と比較して評価する手法です。

具体的には、全社員を成績に基づいてランク付けし、上位から下位までの順序を決めます。そうすることで、個々の社員のパフォーマンスを明確に把握し、公平な評価を目指すことができるのです。

また、相対評価はランキング形式のため競争を促進し、高いモチベーションを維持できる環境づくりに役立ちます。一方で社員間の競争を過度に促してしまう可能性もあるため、適切な運用が必要です。

相対評価のメリット

相対評価を利用した人事評価は透明性が高く、社員のモチベーション向上につながります。ここでは相対評価のメリットを詳しく見ていきましょう。

人事評価がしやすい

相対評価の特筆すべき点は、人事評価のしやすさです。相対評価では特定のチームや部署に所属する社員同士を比較して評価を行うため、誰が優れた成績を収めているかが一目でわかります。

また、社員一人ひとりに対して異なる評価の基準や項目を設定する必要がないため、人事評価を行ううえでの手間を大幅に削減できます。相対評価では全体のランキングに基づいて評価をするため、よりシンプルかつ直接的に社員の成果を評価することができるのです。

評価プロセスが明確なため、評価者にとってもわかりやすいでしょう。

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評価の偏りやばらつきを抑えられる

評価の偏りやばらつきを抑えられるのもメリットです。

相対評価では、S評価やA評価などの高評価を受ける社員の割合が事前に定められているため、評価者による主観や偏見が評価結果に影響を及ぼす可能性を避けられるでしょう。なぜなら、全員を高く評価することも、全員を低く評価することもできないためです。

このような特徴があるために、結果として評価における一貫性が保たれ、社員間の公平性が確保されます。評価の偏りやばらつきが抑えられれば、より公正な人事評価であるとして、社員の納得感も増すでしょう。

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相対評価のデメリット

相対評価にはメリットがある一方で、デメリットも複数存在します。次はデメリットについて、詳しく理解していきましょう。

評価の公平性を保つのが難しい

相対評価には、評価の公平性を保つのが難しいというデメリットがあります。

相対評価を用いる評価は、周囲のレベルとの比較によって決定されます。そのため、前の期で高評価を得ていた同僚と同じ成果を上げても、今期の周りのパフォーマンスが高まれば、期待に反して低評価になる可能性があります。

また、このような他者との比較に基づく評価は、具体的な評価理由を示すのが難しく、評価の公平性を保つことが困難です。結果として社員は不公平感を抱き、モチベーションの低下につながってしまう恐れがあります。

個人の成長に目を向けた評価ができない

相対評価は他者との比較のため、個人の成長に目を向けた評価は行えません。つまり、他人よりも少しでも優れていれば高評価を得られる反面、これは必ずしも個人の努力や実際の成長を反映しているわけではないのです。

このような特質から、個々の社員が示す改善や成長の程度は評価には十分に取り入れられず、努力が見過ごされる可能性があります。これは社員が自分の努力が正当に評価されていないと感じる原因となるでしょう。

チームや部署の一体感がなくなる可能性がある

相対評価制度においては、社員は互いに競争相手であるため、チームや部署の一体感が失われる可能性があります。

各評価区分に対して割り振られる人数が決まっているため、誰かの評価が上がるということは誰かの評価が下がることにつながります。つまり、この評価方法の下では、一人が成功するためには他の誰かが失敗しなければならないという状況が生まれてしまうのです。

結果として、チーム内や部署内における協力や助け合いの精神が損なわれ、一体感が失われてしまう恐れがあります。共同の目標や成果を目指すべき状況下でも個々の利益を優先する傾向が強まれば、チームワークの低下や組織内での対立の原因となるかもしれません。

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絶対評価とは?相対評価との違いについて

社員同士を比較する相対評価に対し、絶対評価は個々の成果や能力をあらかじめ設定された基準に照らし合わせて評価する方法です。ここからは、相対評価との違いやメリット・デメリットを解説していきます。

「相対評価」が時代遅れといわれる理由

相対評価が時代遅れといわれる理由は、現代社会が個人の努力や成長をより重視するように変化していることにあります。

同僚と比較されることによって生じる評価の不公平感や、自身の成長が評価に反映されにくいという相対評価のデメリットは、現代の働き方や価値観においては許容が難しいといえるでしょう。

現代は個々の貢献や成長をきちんと評価し、それに基づいて個人の能力開発を行う傾向にあるため、相対評価の考え方を活用しづらくなっているのです。

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絶対評価のメリット

それでは絶対評価にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは具体的に2つを紹介します。

評価に対する不公平感を払拭しやすい

絶対評価には、評価に対する不公平感を払拭しやすいメリットがあります。

事前に決められた明確な基準に基づき、各従業員の成績や成長を直接評価するのが絶対評価です。誰に対しても共通の評価基準が適用されるため、評価理由を明確に示せるという側面もあります。つまり、従業員は自分の評価がどのように決定されたのかを理解しやすく、評価に対してより納得感を得ることできるのです。

絶対評価を導入することで、評価への不公平感を払拭し、より公平で透明性の高い職場環境を実現できるでしょう。

従業員の成長を促せる

絶対評価には、従業員の成長を促すことができるというメリットもあります。

絶対評価では、各従業員が達成すべき明確な基準や目標を示します。このため、従業員一人ひとりが自らの課題や不足している部分を把握し、自分自身の成長に向けた道筋を描けるようになります。たとえば、評価基準に沿って自己評価を行えば具体的な取り組みに落とし込みやすいでしょう。

このように、絶対評価は従業員に成長の機会を与えることで、結果的に組織全体の能力向上にも役立つのです。

絶対評価のデメリット

とはいえ、絶対評価も完璧ではありません。絶対評価のデメリットについても詳しく見ていきましょう。

評価の偏りやばらつきが発生しやすい

絶対評価は、評価の偏りやばらつきが発生しやすい方法でもあります。

評価項目に基づいて従業員の成果や能力を評価する方法ですが、すべての項目を数値化することはできず評価者の主観が大きく影響する項目も存在します。

たとえば、コミュニケーション能力やチームワークなどの対人スキルを評価する場合、判断基準が評価者によって異なることがあります。このような状況は、絶対評価の適用における重要な課題だといえるでしょう。

評価基準の設定が難しい

絶対評価では公正な評価基準を定める必要がありますが、これは容易なことではありません。

目標や業務内容は従業員によって異なるため、全社員に適用可能な一般的な基準を設定するには大きな労力が必要です。さらに、従業員の能力や成果を正確に把握し、それを反映した評価基準を作るには、多角的な視点からの分析が欠かせません。

評価基準は一度作れば終わりではなく、更新し続ける必要があるため、組織にとって大きな負担となり得ます。

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相対評価と絶対評価を上手に活用し人事評価制度を構築しよう

相対評価と絶対評価には、それぞれメリットとデメリットが存在します。効果的な人事評価制度を構築するためには、これらの評価方法の良い点を活かし、悪い点を補う形で組み合わせることが重要です。バランスの取れた評価制度を用いて従業員一人ひとりの能力と成果を正しく評価し、組織全体の成長を促しましょう。

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