プロジェクト管理に必要な項目|業務フローや管理のポイント
プロジェクト成功を目的に行われるプロジェクト管理。立ち上げから計画策定・実行、終結といくつかの段階にわかれますが、それぞれの段階で必要な管理項目とは何でしょうか。本記事では、プロジェクト管理に必要な業務フローごとの項目について、管理成功ポイントとあわせて解説します。
目次
プロジェクト管理とは?
プロジェクト管理とは、人員・時間・予算などのリソースを有効活用し、プロジェクトを管理することです。1つのプロジェクトを複数に分割して作業を行いやすくするツール「WBS」や、各プロジェクトの進捗状況を棒グラフで管理する「ガントチャート」などを使うと、効率よくプロジェクト管理を進められます。
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プロジェクト管理における項目の重要性とは?
プロジェクト管理では、項目を決めることが重要とされています。各項目を明確にしておくことで、プロジェクトの現状を把握できるからです。
PMBOKによる定義
PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、プロジェクト管理の重要点をまとめた世界標準のノウハウのことです。
アメリカの非営利団体(PMI)がガイドブックとして発表していらい現在では、プロジェクトマネジメントの世界基準として全世界に浸透しています。
プロジェクト管理における項目が定義されており、スコープ管理・要員管理・コミュニケーション管理・リスク管理・調達管理・ステークホルダー管理と、全体を管理する統合管理からなる7つのプロセスに加えて、品質管理・原価管理・スケジュール管理といった3つの目標によって構成されています。
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プロジェクト管理に必要な項目
ここからはプロジェクト管理に必要な各項目の詳細について紹介していきます。
スコープ管理
スコープ管理ではプロジェクトの目標を設定し、目標を達成するために必要なタスクや業務内容などの作業計画を作成していきます。
プロジェクト管理をする上でタスク内容を明確化する上で重要な項目であり、終了後の検証にも役立ちます。
品質管理
品質管理とは、プロジェクトで取り扱うサービスや商品の品質を管理することです。成果物に対し、クライアントや顧客が望んでいる品質や要件を実現できているのかをチェックします。
品質のマネジメント、マネジメント計画などが品質管理の具体例としてあげられます。
スケジュール管理
プロジェクトに関わる作業時間や納期などの時間に関する項目がスケジュール管理です。
プロジェクトを進める上で発生するタスクや作業を細分化し、それぞれのメンバーが計画通りにタスクをこなしているかc・作業が進められているかなどを管理していきます。
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コスト管理
プロジェクトを管理する上では多額の予算を管理するコスト管理も重要な項目の一つです。各コストを洗い出し、見積もり計算を行なって、予算内に収めるためにコントロールをしていきます。
なお、当初予定していた予算内に収まらないことも予測し、予算を調整したり、予備費を確保したりなどの対応も重要です。
プロジェクト管理でのコスト管理とは?把握しておきたい課題や解決策リスク管理
プロジェクトを進める上では想定外のリスクが発生するため、トラブルが発生した場合に備えて対応策を計画・実行するリスク管理が重要となります。
リスクマネジメント計画の計画・実行・監視など、リスクにおける様々な対応が求められます。なお、プロジェクトの立ち上げ段階で全てのリスクを排除することは困難であるため、継続的なコントロールが重要となるので理解しておきましょう。
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コミュニケーション管理
プロジェクトを進める上ではメンバー間や関係各所との円滑なコミュニケーションが求められるため、業務進捗やプロジェクトの方向性を共有するコミュニケーション管理が重要です。
なお、コミュニケーションの手法についても定める必要があり、どの様に連絡するのか・MTGをどの頻度で実施するのかなどをあらかじめ定めておきましょう。
ステークホルダー管理
ステークスホルダーはプロジェクトに関わる利害関係者のことを指し、適切な関係性の維持・拡大などを目指します。
役職や所属先、年齢などはステークスホルダーによって異なるため、各関係者に合わせてコミュニケーションをとることが重要です。
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プロジェクト管理の業務フロー・流れ
プロジェクト管理に必要な項目と、実際に業務へ落とし込む際の業務フローを解説していきます。
プロジェクトの目標設定
プロジェクトを管理するには、まず目標設定が必要です。1つの指針を決めることで、チームメンバー全体のモチベーションも高まります。なるべく具体的な数字を出して目標を決めると効果的です。なお、最終目標のほかに、中間目標であるマイルストーンを複数設定しておくと、進捗管理が楽になります。
明確で具体的な目標を設定しておくことにより、ゴールからの逆算ができて期日までにプロジェクトを達成させるというチームとしての一体感が生まれて円滑にプロジェクトが進みます。
統合管理
目標設定を行って全体的な指針を決めることは、限内にプロジェクトを完了させるために必要な項目「統合管理」にあたります。統合管理は目標設定以外にも、計画の策定・実行、進捗状況の把握・管理、プロジェクトの検証といったすべての業務フローにおいて必要です。
管理する際には計画書やロードマップを策定しておくと、いつまでに何をしている必要があるのか一つの基準ができて、メンバーがが迷うことなくプロジェクトをすすめられます。
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計画の策定・実行
次は、計画の策定・実行に移ります。リスクの少ない計画を策定するにも、下記で紹介する管理項目を設定しておくのがおすすめです。
プロジェクトが進むにつれて発生するアクシデントにも冷静に対処し、プロジェクトそのものをコントロールしていくことが重要です。
進捗状況の把握・管理
続いて、プロジェクトの進捗状況を把握・管理します。もし進捗に遅れが発生した場合は、タスクの修正を行いましょう。チームメンバーが問題なく業務を進められるように、全体のバランスを見ながら業務量や人員量をコントロールしていきます。
プロジェクト進捗の管理が徹底されていないと、遅延につながることはもちろん、プロジェクトメンバーの不満にもつながり全体しての士気低下につながるリスクもあります。不満やヘイトを出さないためにも進捗の把握・管理は徹底するようにしましょう。
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プロジェクトの検証
プロジェクトが完了したら、内容や結果について検証します。想定していたスケジュールから遅延してしまった場合や、人員不足が発生した場合は、その内容を記録しておきましょう。次回以降のプロジェクトでノウハウを活かせるように、改善策を立案することが大切です。
立案した改善策は口頭だけで済ませるのではなく、必ず議事録やメモとして保管しておくようにしましょう。できるだけ明確に記載しておきナレッジとして今後社内で活用できるクオリティにしておくのがベストです。
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プロジェクト管理を成功させるポイント
プロジェクト管理を成功させるためには、さまざまなポイントがあります。重要な5つのポイントを解説します。
(1)タスクの分類・管理
チームメンバーのタスクを細かく分類して管理しましょう。タスクを細分化することで、「誰が、いつまでに、どんな業務を終わらせるのか」が可視化されるため、全体的な目標を納期通りに達成しやすくなります。メンバーがそれぞれ抱えているタスクを常時把握し、コントロールすることが必要です。
タスクの管理・把握ができていないと責任の所在が不透明になり、仕事のパフォーマンス低下や抜け漏れにつながるリスクも十分に考えられるので注意しておきましょう。
(2)円滑な情報共有
チーム内の情報共有をスムーズに行うことも重要です。日頃から積極的にコミュニケーションをとり、問題が発生した際は迅速に対応できる状態を作っておきましょう。複数人で編集可能なドキュメントなどを利用し、情報を更新しやすい環境を形成してください。
なお、情報共有については社内チャットやプロジェクト管理ツールなどを活用すればスムーズに漏れのない情報共有ができるようになります。
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(3)徹底した予算管理
プロジェクトを成功させるには、予算管理を徹底的に行話なければなりません。プロジェクト全体の予算はもちろんのこと、項目ごとにも明確に予算を振り分けてください。金額がオーバーしていないかチェックするため、定期的に予算と実際に掛かった費用のギャップを確認しましょう。
何をどの程度予算をかけるべきなのかを把握できていないと思わぬトラブルにつながる可能性があるので十分に注意が必要です。
(4)プロジェクトの全体把握
プロジェクトの全体像を常時把握できるようにしてください。タスクの抜けや漏れがないか常に確認し、問題なくプロジェクトが遂行できるように配慮しましょう。
プロジェクトを横断して指揮をとるPMの掌握力によって、プロジェクトの成功・失敗を左右するケースもあるので担当者はしっかりと全体を把握するべきです。そのためにも、日常的なコミュニケーションやタスク等の確認は必須と言えます。
(5)プロジェクト管理ツールの活用
プロジェクトを確実に成功させるためには、プロジェクト管理ツールの利用もおすすめします。管理ツールの種類は、スケジュール管理、タスク管理、コミュニケーションサポートなどさまざまです。予算も考えながら、自社に適した管理ツールを選びましょう。
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マイルストーンの設定・ボトルネックの抽出も重要
スムーズなプロジェクト管理のためには、マイルストーンの設定やボトルネックの抽出も求められます。マイルストーンとは、プロジェクトを細分化する節目のことです。
チェック日やリリース日などを設定することで、工程が問題なく進んでいるか明確になります。また、ボトルネックとは、プロジェクトの中で業務の停滞を招き、もっとも目標が達成しづらいポイントのことです。プロジェクトの弱点を抽出・把握することで、素早く改善に取り組めます。
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必要項目を明確にして適切なプロジェクト管理を心がけよう
プロジェクトを成功させるためには、必要項目を明確化し、それらを満たしたうえで業務フローを進めることが大切です。「タスクの分類・管理」や「プロジェクト管理ツールの活用」などのポイントも意識しながら、効率よく業務を行いましょう。不明点があった場合は、今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。
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