プロジェクト管理における見える化とは?メリットや失敗する要因・おすすめのツールを紹介

最終更新日時:2023/09/05

プロジェクト管理ツール

プロジェクト管理の見える化

プロジェクトを管理する際は、全体の進捗状況を把握する必要があります。管理が疎かになると、納期遅延や品質低下などにつながり、プロジェクトを円滑に進めることはできません。プロジェクト管理では、業務を見える化して情報共有するのがおすすめです。当記事では、プロジェクト管理で重要な見える化について、進め方やコツを解説します。

プロジェクト管理で重要な見える化とは

プロジェクト管理における見える化とは、プロジェクトの進捗状況や業務の状況を可視化することです。その情報をもとに、プロジェクト全体の状況を把握し、問題点の解決を図ることを目的としています。

なお、プロジェクトを円滑に進めるためには、参加メンバー全員が目的を共有することや、常に変化する状況を把握することが重要です。そのため、状況を目に見える形で表現することが求められます。プロジェクトの状況を見える化することにより、進捗の遅れや課題に対して迅速な対応が可能になるでしょう。

見える化と可視化の違い

似た意味を持つ見える化と可視化ですが、実は微妙な違いがあります。見える化とは、目には見えない情報を数値などで表して状況を理解できるようにすることです。具体的には、ガントチャートなどを利用して、メンバーの作業状況などをチーム全体で共有することを指します。

一方可視化は、本来目には見えない要素を言語や数値で表現し、確認したいときにいつでも見られる状態にしておくことです。いずれも、業務における見えない情報を見えるようにする点では共通していますが、見える化は必要性に関係なく見える状態にしなくてはなりません。対して可視化は、情報を知ろうとする意思のあるときだけ、見られる状態にするという違いがあります。

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プロジェクト管理における見える化のメリット

ここからは、プロジェクト管理における見える化のメリットについて解説します。

所要時間が明確になる

プロジェクトを見える化することで、各タスクや作業の所要時間を明確に把握できる点がメリットといえるでしょう。

タスクの開始から完了までの経過時間や予定とのズレをグラフやチャートで視覚化することで、進捗状況やタイムラインを一目で把握できます。これにより、遅延や時間的な調整が必要なタスクを素早く特定し、スケジュールの見直しやリソースの再配置を行えるようになります。

コストを把握できる

見える化によって、プロジェクトにかかるコストの把握が可能です。予算やリソースの使用状況をグラフや表で可視化することで、予算超過や無駄なコストの発生を早期に察知できます。また、各タスクや作業にかかる費用を明確に表示することで、予算の配分やコスト削減策の検討が容易になるでしょう。

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タスクの割り振りがしやすい

プロジェクト全体のタスクや作業を見える化することで、担当者ごとのタスクの割り振りがスムーズに行えます。

各タスクに担当者を関連付けて表示することで、メンバーの負担や作業量の可視化も可能です。これにより、リソースの適切な配分や、タスクの優先順位の調整が効率的に行えます。

素早く問題へ対応できる

見える化により、プロジェクトの進捗状況や課題が明確になり、問題や遅延が発生した際に素早い対応を行えます。

タスクの遅れや予定のズレを即座に把握することで、トラブルを最小限に抑えることにもつながるでしょう。

プロジェクト管理において見える化すべき要素

プロジェクト管理において、見える化すべき要素としては下記が挙げられます。

  • プロジェクトで発生するタスク
  • 作業予定や進捗状況がわかるスケジュール
  • 作業行程やプロジェクト全体に関するコスト
  • プロジェクトに関わるメンバーの詳細
  • 成果物のクオリティライン

プロジェクトを進める上で上記の様な要素を見える化しておくことにより、進捗状況や現状などを共通して認識することができます。

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プロジェクト管理の見える化を実現する方法

プロジェクト管理で見える化を行う方法は、以下の3つが挙げられます。ここでは、見える化を実現するために広く用いられている方法をみていきましょう。

ホワイトボードを利用する

ホワイトボードは、シンプルで直感的な見える化手法です。プロジェクトの進捗状況や、タスクの割り当てなどをボード上に書き出し、参加メンバー全員で共有できます。カラフルなマーカーや、マグネットを使って情報を可視化することで、一目でプロジェクト全体の状況を把握できるでしょう。

ただし、ホワイトボードを使用する場合は、書けるスペースが限られていたり、必要な情報が消えてしまうリスクがある点に注意が必要です。

Excelを利用する

Excelは、データの整理や集計に便利なツールで、プロジェクト管理の見える化にも役立ちます。プロジェクトのスケジュールやタスクリスト、担当者などの情報をExcelの表にまとめることで、見える化を実現することが可能です。

また、グラフやチャートを活用し、進捗状況やリソースの使用状況を視覚的に表示することもできます。さらに、Excelの利点である柔軟性を活かし、自分に合ったカスタマイズやデータの統合も容易に行えるでしょう。

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専用ツールを利用する

専用のプロジェクト管理ツールを活用することも、見える化を実現するための効果的な方法です。これらのツールはタスク管理、スケジュール管理、コミュニケーション、ドキュメント共有などの機能を提供し、プロジェクト全体の見える化をサポートします。

たとえば、タスクの進捗状況をボードやガントチャートで可視化したり、リアルタイムの情報共有やコメント機能の活用が可能です。ツールによってはデータの自動集計やレポート作成の機能も備えているため、効率的なプロジェクト管理を実現できます。

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プロジェクト管理を見える化する際のポイント

プロジェクト管理の見える化を実現するために、知っておきたいポイントを解説していきます。

各業務の現状を把握する

プロジェクト管理において、まずは各業務の現状を把握することが大切です。各業務の担当者から進捗状況や課題点などを聞き出して、全体像を把握しましょう。進捗管理のチェックはこまめに行い、最新の状況を共有することも重要なポイントです。

フォーマットを統一する

見える化において、フォーマットを統一することは非常に重要です。各業務の進捗状況や課題点を一つのフォーマットで統一することで、見やすさや比較のしやすさが向上します。また、フォーマットが統一されていれば、各メンバーが状況を共有しやすく、スムーズにプロジェクトを進められるでしょう。

定期的に情報共有を行う

プロジェクト管理における見える化では、最新の状況を把握できるようにする必要があります。定期的に情報共有を行うことで、リアルタイムの進捗状況を把握し、早期に対策を打つことが可能です。適切な進捗管理を行うためにも、常に最新の状況を反映できるようにしておきましょう。

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プロジェクト管理を見える化する5つの手順

ここからは、プロジェクト管理を見える化するための5つの手順について解説します。

1.現状の把握を行う

まずは、プロジェクトの現状を把握することから始めましょう。そのためにも、プロジェクトの目標やスケジュール、リソースなどについて詳細に洗い出し、全体像を把握することが重要です。これにより、プロジェクトの進行状況や、課題点を把握するための基礎情報を得られます。

2.タスクを洗い出す

次に、プロジェクトに必要なタスクを洗い出しましょう。プロジェクトの目標を達成するために実施するべき作業やステップを具体的にリストアップします。タスクが確定したら、それぞれのタスクを明確にしていく作業も行いましょう。

3.担当者を決める

タスクが洗い出されたら、それぞれに担当者を割り当てます。その際、各タスクに対して必要な経験や知識を有しているかなどを考慮することも重要です。

また、できれば担当者は一人ではなく、サブ担当者も確保しておくと不測の事態にも対応できるでしょう。

4.工数を見積もる

プロジェクトの成功には、各タスクに必要な工数の見積もりが欠かせません。タスクごとにかかる時間やリソースの見積もりを行い、実際の進捗との比較やスケジュール調整に活用します。

また、プロジェクトが始動した後も、進捗状況に合わせて柔軟に修正していくことが必要です。

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5.進捗状況を確認する

プロジェクトの見える化において、進捗状況の確認は重要なステップです。定期的なミーティングや報告書などを通じて、各タスクの進行状況や達成度を共有します。進捗状況の可視化には、グラフやチャートなどを活用し、直観的に理解できるようにしましょう。

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プロジェクトを見える化した上で管理に失敗してしまう理由

プロジェクトを見える化をしているにもかかわらず、思う様に管理できずに失敗してしまうケースも考えれらます。ここでは、見える化による成果が出ない場合に考えられる原因を紹介します。

進捗状況を更新していない

失敗する原因のひとつは、進捗状況の更新を怠ってしまうことです。適切なタイミングで進捗状況を報告しないメンバーがいると、プロジェクト全体の把握が難しくなります。こうした事態を防ぐためにも、メンバーに進捗管理の重要性を伝えるなどして、最新の情報を共有できるようにしておきましょう。

情報が不統一で読み取りにくい

プロジェクトの見える化において、情報の統一性と読みやすさは重要です。失敗する原因の一つは、情報が不統一であることが挙げられます。統一したフォーマットやツールを使用し、一貫性のある情報を提供することで、メンバーが迷うことなく状況を把握できるようになるでしょう。

優先順位を把握していない

失敗する原因として、優先順位が明確にされていないことが挙げられます。作業の優先順位が把握できていないと、手を付けるべき作業がわからなくなり、結果的にプロジェクト全体の進捗が遅延してしまうことになりかねません。各タスクや課題の優先度を整理し、リソースを適切に割り当てることで、重要な項目に集中できるでしょう。

見える化した数値に固執してしまう

プロジェクト管理において見える化をおこなうと、具体的な数値に関する情報が多くなり、他の情報を軽視して数値のみに固執してしまうリスクが考えられます。

数値はもちろん重要な情報ではあるものの、メンバーの意識や顧客との関係性なども重要な情報です。

そのため、見える化できている様々な情報を踏まえた上で視野を広げておくことが大切といえます。

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プロジェクト管理の見える化にはツールがおすすめ

ここからは、プロジェクト管理の見える化におすすめのツールを紹介します。ツールの特徴や費用に関する比較表は、以下のとおりです。

それぞれの特徴を紹介するので、ツール選びの参考にしてください。

Stock

Stockは、シンプルな機能で使いやすい情報共有ツールです。進捗管理やタスク管理などのプロジェクト管理機能があり、ユーザーインターフェースも使いやすく直感的な操作が行えます。

また、最大の特長は、チャットボット機能を搭載している点です。チャットボットを通じて、業務プロセスの自動化や情報共有、運用状況の把握などが簡単にできます。プロジェクト管理だけでなく、業務全般の効率化にも貢献するでしょう。

提供元株式会社Stock
初期費用無料
料金プラン

【ビジネスプラン】

■フリープラン:無料

■ビジネス5

  • 年間一括払い:2,178円(税込)/月
  • 月々払い:3,278円(税込)/月

■ビジネス10

  • 年間一括払い:3,828円(税込)/月
  • 月々払い:4,928円(税込)/月

■ビジネス20

  • 年間一括払い:7,128円(税込)/月
  • 月々払い:8,228円(税込)/月

■ビジネス30~

  • 年間一括払い:12,540円(税込)~/月
  • 月々払い:13,640円(税込)~/月

【エンタープライズプラン】

■フリープラン:無料

■エンタープライズ5

  • 年間一括払い:5,280円(税込)/月
  • 月々払い:6,380円(税込)/月

■エンタープライズ10

  • 年間一括払い:10,780円(税込)/月
  • 月々払い:12,980円(税込)/月

■エンタープライズ20

  • 年間一括払い:21,780円(税込)/月
  • 月々払い:25,080円(税込)/月

■エンタープライズ30~

  • 年間一括払い:32,780円(税込)~/月
  • 月々払い:37,180円(税込)~/月
導入企業数要問い合わせ
機能・特徴
  • シンプルで使いやすい
  • 他のツールとの連携可能
URL公式サイト

Trello

Trelloは、ボード上にカードを追加してタスクを管理することができ、見た目が直感的で使いやすく、カスタマイズ性に優れているのが特徴です。また、ユーザー同士のコラボレーションにも適していて、コメント機能やファイルの添付などが行えます。Trelloは、タスク管理を単純にしたい方に向いているツールといえるでしょう。

提供元Atlassian Pty Ltd
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • FREE:$0USD
  • STANDARD:$5USD
  • PREMIUM:$10USD
  • ENTERPRISE(50ユーザー~):$17.50USD~
導入企業数200万社以上

機能・特徴

  • 3つの方式によるシンプルなタスク管理
  • カードで簡単にタスクを管理
URL公式サイト

Smartsheet

Smartsheetは、プロジェクト管理や作業の進捗管理に優れたツールです。Ganttチャートやカレンダー表示などさまざまな機能が搭載されています。

また、表示方法は4種類のなかから自由に切り替え可能で、各チームメンバーのスケジュールを把握しやすい点が特徴です。カスタマイズ性が高く、複雑な業務プロセスにも対応できるため、大規模プロジェクトでも利用できます。

提供元Smartsheet Inc.
初期費用要問い合わせ
料金プラン

■無料プラン:無料

■プロ

  • 毎月請求:984円/月
  • 年1回請求:3,543円/月

■ビジネス

  • 毎月請求:784円/月
  • 年1回請求:2,768円/月

■エンタープライズ:要問い合わせ

導入企業数要問い合わせ
機能・特徴
  • スプレッドシート形式でタスクやプロジェクトを管理
  • グラフで進捗状況を可視化
URL公式サイト

Jira Software

JiraSoftwareは、Atlassian社が提供するプロジェクト管理ツールです。タスク管理機能に加え、ワークフロー管理機能があり、カスタマイズも簡単に行えます。また、多数のプラグインが用意されており、機能拡張も可能です。大規模プロジェクトでの利用が多く、開発チームに向いたツールといえるでしょう。

提供元Atlassian Pty Ltd
初期費用要問い合わせ
料金プラン

【クラウド版】

■Free:無料

■Standard

  • 月額:920円/月/1ユーザー
  • 年額:93,800円/月/1ユーザー

■Premium

  • 月額:1,810円/月/1ユーザー
  • 年額:18万1000円/年/1ユーザー

■Enterprise

  • 年額:要問い合わせ
導入企業数10万社以上
機能・特徴
  • スクラムに基づいたタスク管理やバグトラッキング
  • 豊富なプラグイン
URL公式サイト

monday.com

monday.comは、タスク管理やプロジェクト管理などの機能を持つクラウドベースのツールです。ガントチャートやマイルストーンを使用してプロジェクトの健全性を把握しておくことで、問題が発生する前にリスクを特定することも可能になります。また、直感的なユーザーインターフェースと、自由自在なカスタマイズが行える点も魅力です。

提供元monday.com Ltd.
初期費用要問い合わせ
料金プラン

■無料プラン:無料

■ベーシック

  • 月額:1,300円/月/ユーザー
  • 年額:1,100円/月/ユーザー

■スタンダード

  • 月額:1,700円/月/ユーザー
  • 年額:1,400円/月/ユーザー

■プロ

  • 月額:3,300円/月/ユーザー
  • 年額:2,700円/月/ユーザー

■エンタープライズ:要問い合わせ

導入企業数15.2万社以上
機能・特徴
  • 直感的なインターフェース
  • カスタマイズ性が高い
  • ビジュアルワークフローの作成が容易
URL公式サイト

プロジェクト管理の見える化はさまざまな効果をもたらす

この記事では、プロジェクト管理の見える化について解説してきました。プロジェクト管理を見える化することで、進捗状況やタスクの管理を効率的に行えて、プロジェクトを円滑に進めることができます。

見える化を実現したいと考えている方は、まずは現状を把握してタスクを洗い出すことからはじめてみましょう。そのうえで、今回紹介したツールを活用してみるのもおすすめです。

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