キックオフミーティングとは?開催する目的や進め方・注意点を解説

最終更新日時:2023/09/01

プロジェクト管理ツール

キックオフミーティング

ビジネスシーンで用いられるキックオフミーティング。プロジェクト成功に欠かせないミーティングの1つですが、キックオフミーティングの具体的な役割とは何でしょうか。本記事では、キックオフミーティングとは何か?目的や開催の注意点・資料作成のコツ等とあわせて解説します。

キックオフミーティングとは?

キックオフミーティングとは、プロジェクト開始時におこなうミーティングのことです。メンバー間の認識を揃え、同じ方向性でプロジェクトを進めるといった目的があります。

具体的には、プロジェクトに関わるメンバー全体で集まり、プロジェクトの概要や目標、体制、スケジュール、予算などを共有します。その際は、質疑応答の時間も設け、メンバーの疑問や懸念点も解消することも大切です。

なお、社内のメンバーのみで実施する場合や社外のクライアントが参加する場合など、プロジェクトの内容によって規模に違いがあります。

キックオフの語源

キックオフとは、英語の「kickoff」が語源です。サッカーやラグビーなどで試合開始を表す言葉であり、そこから転じて、プロジェクトや事業開始時などのビジネスの場でも、「プロジェクトを始めること」という意味で用いられるようになりました。

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キックオフミーティングの目的

キックオフミーティングの目的について解説します。プロジェクト開始時におこなうキックオフミーティングには、どのような目的があるのかをしっかりと把握しておきましょう。

プロジェクト概要・方向性のすり合わせ

キックオフミーティングとは、プロジェクトの概要を説明し、方向性のすり合わせのためにおこないます。具体的には、プロジェクトの内容、メンバー、スケジュールなどの共有が必要です。

このように、プロジェクト開始前に参加する全員の認識を揃えることで、同じ目標・目的に向かってプロジェクトを進められるでしょう。

プロジェクトメンバーのコミュニケーション

プロジェクトを進めるうえで、メンバー間のコミュニケーションは重要です。しかし、顔も名前も知らないメンバーどうしだと、誰に声をかけて良いか分からなかったり、遠慮してしまったりするなど、円滑なやりとりができなくなってしまいます。

したがって、最初に顔合わせをおこない、他のメンバーの顔と名前を認識することが大切です。また、社外メンバーとの共同プロジェクトの場合だけではなく、社内メンバーのみの場合でもお互いを認識していないことがあるため、キックオフミーティングは重要な顔合わせの場となるでしょう。

モチベーションの向上

キックオフミーティングによってメンバー間のコミュニケーションが活性化し、相互理解を深めることによってメンバーのモチベーションを向上させられます。全体の士気を高め、一丸となって取り組む空気作りができれば、プロジェクトの成功にもつながりやすいでしょう。

また、コミュニケーションが不足している環境だと不要な不安を抱えてしまい、業務にも支障がでるリスクがありますがキックオフミーティングによって解消につながります。

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キックオフミーティングの開催方法

キックオフミーティングの開催方法には、さまざまなものがあります。複数ある開催方法からプロジェクトごとに適した方法を選択することが大切なので、しっかりと確認しておきましょう。

対面式での実施

対面式は社内の会議室などに集まって開催するキックオフミーティングの方法です。直接顔を合わせてコミュニケーションが取れるため、メンバーの一体感を生み出しやすく、信頼関係の醸成もできます。

ただし、遠隔地から参加するメンバーがいる場合やメンバーが複数拠点から集められている場合は、1つの場所への召集が厳しいでしょう。そのため、集まれるメンバーは直接集まりつつ、オンライン会議システムで別な拠点と繋ぐといった工夫が必要です。

オンライン会議システムの活用

オンライン会議システムを活用し、キックオフミーティングをおこなう方法もあります。ビデオ通話が可能なので、メンバー同士で顔を合わせながらコミュニケーションが取れるうえ、遠隔地や複数拠点からの参加も容易にできます。

ただし、同時に接続できる人数に制限があり、参加メンバーの多い大規模なプロジェクトには適していないため、少人数のプロジェクトの場合に活用してみましょう。

チャットツールの活用

チャットツールを活用し、テキストベースでキックオフミーティングを開催します。参加人数の多い大規模なプロジェクトでも情報共有でき、遠隔地や複数拠点からも参加しやすいといったメリットがあります。また、資料の送付もしやすく、プロジェクトの内容やスケジュールなどの共有も簡単にできる点もポイントです。

一方で、メンバーどうしで直接顔を合わせられないため、全体の一体感の醸成や空気作りは難しくなるでしょう。

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キックオフミーティングの進め方

キックオフミーティングを開催するにあたって、進行方向について知っておく必要があります。ここでは、キックオフミーティングの進め方について解説します。

1.プロジェクトの目的・体制の共有

まず、目的や体制といったプロジェクトの概要を共有しましょう。説明する際は、ポイントを押さえたシンプルで分かりやすい内容にすることが大切です。目指すべき方向性を明確にすることで、全体で一体感を持ってプロジェクトを進められます。

2.プロジェクトメンバーの紹介

次に、プロジェクトメンバーの紹介をおこないましょう。特に、複数の部署をまたいだプロジェクトや、社外メンバーのいるプロジェクトで、お互いをよく知らない場合は自己紹介を取り入れるのも効果的です。

メンバー紹介によって、顔と名前、担当領域をお互いに認識できるので、コミュニケーションを円滑に進められるようになります。

3.Q&Aの時間を設ける

最後に、Q&Aの時間を設けましょう。プロジェクト開始前に疑問点や懸念点を払拭しておくことで、全員で足並みを揃えられます。また、Q&Aは貴重な意見交換の場でもあるので、気になる点を積極的に伝えられる空気作りも大切です。

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キックオフミーティング開催の注意点

キックオフミーティング開催の注意点について解説します。注意点を事前に知ることで、より良いキックオフミーティングの開催につながるでしょう。

最適な開催方法・タイミングを選定する

キックオフミーティングを開催するにあたって、最適な開催方法を選定しましょう。メンバー全員で直接顔を合わせられる対面式が理想ですが、状況によってはオンライン会議システムやチャットツールを活用して開催します。

また、キックオフミーティングを開催するタイミングも重要なポイントです。プロジェクト開始の1週間前頃を目安におこなうようにしましょう。その際は、早めにメンバーのスケジュール調整をして、なるべく多くのメンバーが参加できる日程を確保することも大切です。

使用する用語を統一する

プロジェクト内で使用する用語は統一しましょう。用語の認識がずれたままプロジェクトを開始してしまうと、メンバー間でのやりとりを理解できなかったり、完成した成果物が依頼しているものと異なってしまったりということになりかねません。

したがって、メンバー間で認識がずれそうな難しい用語はなるべく避け、もしそれを使用する場合は認識をしっかり揃えることが大切です。特に、社外のメンバーがいる場合は社内のみで使用している特別な用語がないか確認しましょう。

事前準備を徹底する

キックオフミーティングを開催する前に、事前準備を十分におこなうことが重要です。

必要な資料を作成・配布したり、メンバーへのアナウンスをしたりなど、事前に情報共有をしておくとスムーズに進められます。また、アジェンダも事前に共有しておくことで、目的意識を持ってキックオフミーティングに参加できるでしょう。

キックオフミーティング中は議事録を取る

キックオフミーティング中は議事録を取っておきましょう。議事録を作成することによって、後からキックオフミーティングの内容を振り返ることができ、出席できなかったメンバーにも内容を周知できます。

なお、議事録には会議の流れや発言内容、決定事項などの内容を盛り込みましょう。

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キックオフミーティングに必要な資料

ここからは、キックオフミーティングで必要な資料について解説していきます。合わせて作成する際のコツにも触れていくので参考にしてみてください。

アジェンダ

キックオフミーティングの概要をまとめたアジェンダを作成しましょう。アジェンダを作成することで、キックオフミーティングの全体像や議題が明確になり、メンバーが安心して参加できます。

アジェンダには、当日議題として扱う内容を箇条書きで羅列します。さらに、それぞれの議題の優先順位も整理し、所要時間も合わせて記載しましょう。

プロジェクト体制図

プロジェクト体制図は、参加メンバーとそれぞれの担当領域を明確にするために作成します。また、各部門の責任者が誰なのかメンバー間で認識を揃えることも重要な目的です。

プロジェクト体制図を作成する際は、矢印や線が重ならないようにし、1つの箱に向かう矢印は基本的に1本にしましょう。役割を明確にし、部門ごとに誰が責任者なのか分かるように記載することで、作業の効率化が図れます。

スケジュール表

スケジュール表は、プロジェクトにおける各工程の流れをまとめた資料です。プロジェクトの段階ごとに、どのような作業をおこなうのか明確にするために作成します。

工程表を作成する際は、まず、プロジェクトを進めるうえで必要な作業を洗い出します。次に、各工程にかかる時間を算出し、全体のスケジュールを組んでいきます。また、納期が決まっている場合は納期から逆算して各工程の作業時間を割り出しましょう。

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効果的なミーティングを実施しプロジェクト成功につなげよう

キックオフミーティングはプロジェクトを成功させるために欠かせません。プロジェクト開始前にメンバー間の認識を揃えられ、モチベーションを向上させられるといったメリットが得られます。

また、キックオフミーティングの開催にあたっては、資料作成やスケジュール調整などの事前準備が大切です。今回の記事を参考に、効果的なキックオフミーティングを開催しましょう。

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