プロジェクト管理の体制図とは?役職ごとの役割や作成方法

最終更新日時:2023/11/15

プロジェクト管理ツール

プロジェクトの体制図

プロジェクトを順調に進めるために重要なプロジェクト体制。プロジェクト体制はプロジェクト管理の体制図を作成することで、全体像が掴みやすくなります。本記事では、プロジェクト管理の体制図の必要性や作成方法、プロジェクト管理における役職と役割を詳しく解説します。

プロジェクト管理の体制図の必要性

プロジェクト管理の体制図は、プロジェクトの成功に不可欠なツールです。体制図はプロジェクトメンバーの役割や責任、関係性を示すもので、各メンバーの職務範囲が明確化され、タスクの重複や漏れを防ぐことが可能です。

体制図の導入によって、スムーズなコミュニケーションや適切な意思決定が行えるようになり、プロジェクトの進行を効果的に管理できます。

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プロジェクト管理における役職とその役割

プロジェクトにはさまざまな役職のメンバーが関わり、それぞれ特有の役割と責任を持っています。ここからは、各役職の特徴や役割について解説します。

プロジェクトオーナー

プロジェクトオーナーは、プロジェクトの発注者です。プロジェクトのビジョンや目的を明確にし、それを達成するための方針や優先順位を定めるキーパーソンです。

ステークホルダーからの要求やフィードバックを収集し、プロジェクトの範囲や要件を明定します。また、タスクの優先順位を定めたり、障害が発生した際の判断を下すなど、プロジェクトの進行において中心的な役割を果たします。

プロジェクトオーナーの責任は、プロジェクトが予定通りかつビジネス価値を最大化して進行できるように保証することです。

プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトの全体的な進行を監督し、コントロールする役職です。

主にタイムラインの管理、リソースの配分、ステークホルダーとのコミュニケーション、リスクの評価と対応など、プロジェクトの多方面にわたる業務を統括します。また、チーム内のタスクの進捗状況を把握し、必要に応じて方向性の修正や調整を行う役割も担います。

PMは、プロジェクトの目標達成を目指し、期限内に品質を確保した成果物を納品するためのキープレーヤーとして、高いリーダーシップと協調性が求められるポジションです。

プロジェクトリーダー(PL)

プロジェクトリーダー(PL)は、プロジェクトチームの具体的なタスクや業務の実行を主導する立場です。プロジェクトマネージャーの方針やビジョンの下で、チームメンバーとの日常的なコミュニケーションや業務の進行を確認し、指示やフィードバックを行います。

PLはチームの動向を常に監視し、進捗の遅れや問題点を早期にキャッチして解決策を提案・実行する責任があります。また、メンバー間の調整や協力を促進し、タスクの効率的な進行も求められるため、高度な技術・知識とともに人間関係のスキルが不可欠な役職です。

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プロジェクトメンバー

プロジェクトメンバーは、実際の作業を担当する主要な担い手です。特定のスキルや知識を持ち、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーの指示のもとで、具体的なタスクや活動を実行します。

プロジェクトメンバーの主な役割は、分析、設計、コーディング、テストなど、プロジェクトの各フェーズにおける作業を行うことです。チーム内での協力を重視し、情報の共有や意見の交換を通じてプロジェクトの品質を高める貢献をします。

そのため、専門的な技術能力だけではなく、チームワークの精神とコミュニケーション能力も非常に重要な役職といえるでしょう。

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プロジェクト管理の体制図の書き方・作成方法

プロジェクト管理の体制図は、以下のように作成します。

上記の体制図はあくまで例ですが、「指揮系統をはっきりさせる」「チームの役割を明確にする」「必要な情報は省略しすぎない」といった作成におけるポイントを満たしています。

実際に活用する際は、チーム構成やプロジェクト内容に応じて書き換えてみてください。

なお、プロジェクト管理の体制図の一般的な作成フローは以下の通りです。

  1. プロジェクトの目的やゴールを明確にする
  2. 目的やゴールをもとに業務範囲を決定する
  3. チームのメンバーを集める
  4. チームの役割を決める
  5. チームの指示系統を1つにまとめる
  6. プロジェクト管理の体制図を作成・調整する

スムーズな業務進行やコミュニケーションが行えるように、ポイントを抑えながら体制図を作成しましょう。

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プロジェクト管理の体制図における悪い書き方・問題点

プロジェクト管理の体制図は、適切に作成されないと誤解や混乱を招くリスクが存在します。ここでは、典型的な問題点や悪い書き方について解説します。

プロジェクトの責任者が複数人いる

プロジェクトの責任者が複数人存在する場合、明確な意思決定が難しくなるリスクが高まります。

複数の責任者がいると、各責任者の意見や方針が異なる場合に方向性の不一致や意思疎通の誤解が生じる可能性があるのです。このような状況は、プロジェクトの進行を遅延させたり、効率の低下を招きます。

また、メンバーはどの責任者の指示を優先すべきか迷い、結果として動きが鈍くなることもあるでしょう。重複した指示や、それに伴う業務の無駄が発生することも予想され、プロジェクトの成果物の質や納期にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

責任や役割が不明瞭なチームがある

責任や役割が不明瞭なチームが存在する場合、プロジェクトの進行に多大な支障を及ぼすことが一般的です。

まず、チームメンバーが自身のタスクや役割を正確に把握できないため、作業の優先順位や進行状況が曖昧となります。その結果、業務の重複や過度なタスクの抜け漏れが発生し、全体の効率が著しく低下する恐れがあるのです。

また、役割や責任が明確でないことは、チーム内でのコミュニケーションのハードルを上げ、意思疎通の誤解や情報の非対称を生む原因となります。このような状況下では、モチベーションの低下やチーム内の摩擦が発生しやすくなり、結果的にプロジェクトの品質や納期に悪影響を与える可能性が高まるでしょう。

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プロジェクト管理の体制図を書く際のポイント

ここからは、プロジェクト管理の体制図を作成する際のポイントを解説します。

指揮系統をはっきりさせる

プロジェクト管理の体制図を作成する際、最も重要なのは指揮系統を明確にすることです。プロジェクトの進行中における意思決定の迅速性や、情報伝達のスムーズさを保証するための基盤となります。

万が一指揮系統が不明確な場合、メンバーに対して複数のリーダーから別々の指示が同時に出される恐れがあり、作業の進捗や工数を管理できなくなってしまうのです。

体制図における指揮系統の明示は、各役職の責任範囲や相互の関係性を視覚的に理解しやすくします。また、チームメンバー全員が一致した目的に向かって効果的に行動できる土壌を作り出す要素となるのです。

チームの役割を明確にする

役割の明確化は、各メンバーが担当する業務の範囲や責任を明確にし、作業の重複や欠落を防ぐための基本的なステップです。また、チーム内での役割の理解が深まることで、互いの協力や情報共有がスムーズに行われるようになります。

役割が不明確な状態では、意思決定の遅れや誤解、チーム間のコミュニケーションの障壁が生じ、プロジェクトの遅延や品質低下のリスクが増大するでしょう。

そのため、体制図を通じて役割の明確化を図ることは、プロジェクト成功に近づくための一歩といえます。

必要な情報は省略しすぎない

プロジェクト管理の体制図を作成する際は、必要な情報を適切に盛り込むことが極めて重要です。

体制図の目的は、プロジェクトの構成や関係性を明確に示し、メンバー全員が共通の理解を持つことです。そのため、必要な情報を過度に省略してしまうと、目的を損なってしまう可能性があります。

特に、役職の名称、関連するチームや部門、関係性などは明示的に記載することが望ましいです。一方で、過度に細かい情報や、その時点での具体的な業務内容を盛り込みすぎると、体制図が複雑化して理解しにくくなる恐れもあります。

適切な情報の選別を行い、バランスよく記載するようにしましょう。

常に最新の状態にアップデートする

プロジェクトの進行中には、参加メンバーや役割、責任範囲が変わることも少なくありません。変更が生じた際には、体制図を迅速に更新する必要があります。

古い情報に基づいた体制図は、誤解や混乱が生じて情報の伝達が遅延するリスクが増加します。最新の情報に基づいて体制図を常にアップデートすることで、プロジェクト参加者全員が同じ認識をもとに活動することができ、効率的な進行が実現可能です。

また、定期的なレビューを行い、体制図の変更が必要かどうかを確認することも推奨されます。体制図の更新は、プロジェクトの健全な進行をサポートする基本的な活動といえるでしょう。

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プロジェクト管理の体制図の書き方や重要性を押さえておこう

プロジェクト管理の体制図は、プロジェクトの参加者全員が共通の理解を持ち、役割や責任を明確にする手段です。特に、各役職の明確な役割や指揮系統の整理、必要な情報の適切な選別と更新が求められます。

不適切な体制図は混乱や誤解を生むリスクがあるため、わかりやすい書き方で作成しなければなりません。また、定期的な確認と更新を行うことで、変化するプロジェクト状況に柔軟に対応することが可能です。

体制図の正確な作成と維持は、プロジェクトの成功への第一歩ともいえるでしょう。

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