【解説】SaaS営業の仕事内容とは?必要なスキルや今後のキャリアについて

記事更新日:2022/10/24

SaaS

SaaSの文字とビジネスパーソン

年々、SaaS業界は市場規模が大きくなっています。活気が溢れているSaaS業界で需要が高まっているSaaS営業とは、どのような職業なのでしょうか。本記事では、SaaS営業の仕事内容から必要なスキルや今後のキャリアについて解説します。

SaaS営業とは?

SaaS営業とは、SaaS業界における営業活動のことです。そもそもSaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアをクラウドサービスとして提供することを指します。

SaaSの代表的なサービスとしては、名刺管理ツールや会計ソフト、CRM、SFA、ビジネスチャット、オンライン会議ツールなどが一例です。インターネットに繋げる環境であれば場所を問わず利用できるため、テレワークの浸透にともない、SaaSを活用する企業が増えています。

SaaS営業の仕事内容

SaaS営業の仕事内容は企業によって異なりますが、次のような職種に分かれているケースが一般的です。

  • インサイドセールス
  • フィールドセールス
  • カスタマーサクセス

それぞれどのような仕事内容なのか紹介していきます。

インサイドセールス

インサイドセールスは、電話や電子メールなど非対面のコミュニケーション手段(デジタルツール)を使って営業活動する業種です。

具体的には、マーケティング部門から引き継いだリード(見込み客)に対してアプローチをかけ、見込み度合いの向上を図ります。その後、見込みの高いリードを抽出し、フィールドセールスに送客することが一般的なインサイドセールスの役割です。

最近では対面ではなく、非対面で営業活動することも珍しくありません。そのため、後述するフィールドセールスとの違いは、従来よりも曖昧となってきています。

フィールドセールス

フィールドセールスとは、インサイドセールスから送客された見込み客と商談し、成約(クロージング)を目指す営業職です。

インサイドセールスでは電話やメールなど非対面のコミュニケーションがメインでしたが、フィールドセールスの場合は、提案資料を作成・持参したうえで実際に見込み客と会って商談するケースが多く見受けられます。

営業職といえば、フィールドセールスのことをイメージする人も多いのではないでしょうか。あえてインサイドセールスとフィールドセールスを区別し、分業している理由として、従来の営業担当者が1人で担ってきた営業活動を分業することで、営業活動の効率化を図るという理由が挙げられます。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、自社の顧客に対してサービスの導入や活用を能動的にサポートする職種です。カスタマーサクセスという言葉のとおり、顧客の成功体験を目指し、自社サービスの価値を最大限に引き出せるよう支援します。

SaaS事業は一般的にサービス利用料を低額に設定しており、顧客から継続してサービスを利用してもらうことで安定した収益を得るビジネスモデルです。このような仕組みであるからこそ、カスタマーサクセスはSaaS事業において重要な役割を担う職種といえます。

SIer営業との違いについて

SIer(エスアイヤー)とは、システム・インテグレーターの略称です。SIer営業では、ITシステムの開発や導入支援を目的とした営業活動がメインの業務内容です。

Slerは、大きく「アカウント営業」と「ソリューション営業」の2つに分けられます。アカウント営業は、顧客(=アカウント)ごとに個別のコンサルティングやITシステムの設計・開発・運用を請け負う業種です。

一方、ソリューション営業は、特定のソリューション(=製品やサービス)を商材として、多数の顧客へ営業活動していく業種です。

SaaS営業とSler営業(アカウント営業)の違いは、製品やサービスがすでに用意されているかどうかにあります。SaaS営業は、自社で開発したクラウドサービスを売り込む業種です。一方、Sler営業(アカウント営業)は、顧客の課題や要望を分析したうえで、1からシステムを開発し、販売することの多い業種です。

また、SIer営業(ソリューション営業)については、特定のサービスをもとに営業活動を展開する点において、SaaS営業と違いはありません。あえて違いを挙げるとすれば、SaaS営業のほうがサービス利用後の継続性に重きを置いています。

SaaS営業に関係する言葉

SaaS営業に興味がある人は、以下の関連用語の意味を把握しておきましょう。

  • ARR
  • LTV
  • CAC
  • Churn Rate(チャーンレート)
  • Break-even Point

それぞれ詳しく解説していきます。

ARR

ARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)とは、毎年得られる年間収益または年間売上のことです。経常収益であるため、導入費用や初期費用、その他の一時的な売上は計算対象とはなりません。

ARRは安定した収益がどれくらいあるのかを測る指標で、SaaSにおける重要なKPIのひとつです。事業の成長性評価や企業価値評価にも利用できます。

LTV

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、顧客が生涯(契約期間)にわたって自社にもたらす収益額のことです。継続利用によって収益を出すSaaSビジネスにおいては、ARRだけでなくLTVにも目を向ける必要があります。

CAC

CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト)とは、1人のユーザーを獲得するために要するコストのことです。CACには、広告費や人件費などが含まれます。

SaaSにおいては、CAC(顧客獲得コスト)に対するLTV(顧客生涯価値)の比率から経済性を判断することがあり、この指標をユニットエコノミクスと呼びます。

[参考:ビズクロ「ユニットエコノミクスとは?SaaS事業に欠かせない重要指標KPIを解説」]

Churn Rate(チャーンレート)

Churn Rate(チャーンレート)は、解約率を示す指標です。具体的な算出方法には、顧客数をもとにする「カスタマーチャーンレート」や、収益の増減をもとにする「レベニューチャーンレート」などがあります。

ユーザーの継続利用が事業成功のカギを握るSaaSビジネスにおいて、チャーンレートは欠かすことのできないKPIのひとつです。

Break-even Point

Break-even Pointは、損益分岐点のことです。SaaSにおいてはCAC(顧客獲得コスト)を回収するために必要な売上高や契約期間のことを指します。

SaaSでは、Break-even Pointよりどれほど多くの売上高(契約期間)を得られるかが利益に直結するため、常にBreak-even Pointを意識しておくことが重要です。

SaaS営業の現状と今後について

SaaS営業に就くことを検討しているのであれば、SaaS業界の現状と今後について理解を深めておくとよいでしょう。

業界動向サーチによれば、SaaS業界の業界規模は2015年から2020年の過去6年間において拡大傾向にあります。2020年に新型コロナウイルス流行の影響によって多くの業界が苦戦するなか、SaaS業界はリモートワーク推進の動きが追い風となりました。

今後もリモートワークや場所にとらわれない働き方は拡大していく可能性が高いため、SaaS業界の成長にも期待できます。そして、業界全体の成長にともない、SaaS営業の需要も高まることでしょう。

[出典:業界動向サーチ「SaaS業界」]

SaaS営業で感じるやりがい

SaaS営業の仕事では、どのような「やりがい」を感じられるのでしょうか。あくまでも一例ですが、SaaS営業のそれぞれの職種で感じられるやりがいは、次のとおりです。

  • インサイドセールス:成約に繋がる見込み客を、より多くフィールドセールスにパスできたこと
  • フィールドセールス:さまざまな工夫を実践しながら商談で成約を得られたこと
  • カスタマーサクセス:顧客の課題を解決して感謝されたり、自社サービスのファンを増やしたりできたこと

SaaS営業に必要なスキル

SaaS営業に必要なスキルには、主に次の4つが挙げられます。

  • 専門知識
  • 論理的思考力
  • ヒアリング能力
  • チームワーク力

具体的にどのようなスキルなのか理解したうえで、スキルの習得に努めましょう。

専門知識

SaaS営業では、自社が提供するサービスに関連する専門知識を有していることが望まれます。たとえば、自社のSaaSが顧客にどのような価値を提供するのかといった訴求ポイントや、機能・使い方などの把握が不可欠です。

論理的思考力

SaaS営業では、論理的な思考力も求められます。論理的な思考力が求められるのはSaaS営業だけではありませんが、やみくもに営業活動を進めるのではなく、KPIを意識して論理的に営業活動を進める力が必要です。

ヒアリング能力

SaaS営業だけでなく、営業職に共通して求められるスキルがヒアリング能力です。見込み客に自社のSaaSを売り込む際には、その見込み客の取り巻く環境や課題、考え方などをヒアリングしたうえでソリューションを提案する必要があります。

見込み客のことを理解し、寄り添いながらアプローチすることで、成約率はもちろん、成約後の継続率の向上にも繋がるでしょう。

チームワーク力

SaaS営業は、インサイドセールスやフィールドセールス、カスタマーサクセスといったように分業化しているケースも珍しくありません。そのような場合は特に、関係部署間において綿密なコミュニケーションを通じた連携が重要です。

SaaS営業に向いている人

一般的にSaaS営業に向いている人の特徴としては、次の3点が挙げられます。

  • 聞き上手
  • 集中力が高い
  • 短期間で結果を出そうとしない

聞き上手は、見込み客の課題や状況、考え方などをヒアリングする際に強みとなる部分です。

また、インサイドセールスやフィールドセールス、カスタマーサクセスといった分業体制で働くSaaS営業においては、限定的な役割に対するコミットメント力が求められます。

加えて、SaaSビジネスは長期的にコストを回収するモデルが多いことから、短期間で結果を出そうとせず、中長期的に顧客と関係構築できる人がSaaS営業に向いている人材といえるでしょう。

SaaS営業の今後のキャリア

SaaS営業を通じて目指せる将来的なキャリアは、大きく分けて次のとおりです。

  • 昇格する
  • 転職する
  • 独立する

同じ企業内でマネジメント職として昇格するキャリアパスや、SaaS営業を通じて獲得したスキルや経験をもとに、より活躍できる企業や待遇の良い企業に転職するキャリアパスが考えられるでしょう。ほかにも、場合によっては独立や開業する選択肢もあります。

SaaS営業として働く場合は、自分が求めるキャリアをあらかじめ明確にしておくと迷いなく業務に集中できるでしょう。

SaaS営業はますます価値の高いキャリアに

SaaS営業とは、SaaS業界における営業職のことです。比較的新しい営業形態であり、インサイドセールスやフィールドセールス、カスタマーサクセスなど分業体制を採用している企業も珍しくありません。

今後も成長が期待できるSaaS業界で働こうと考えている人は、ぜひSaaS営業を検討してみてください。

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