日程調整におけるビジネスマナーとは?基本知識や見直したい注意点を解説
仕事において社内外を問わず日程調整をする機会は非常に多く訪れます。難なくこなしていると思えていても「正しいビジネスマナー」を問われると不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。そこでここでは、日程調整における基本的なビジネスマナーの知識から見直すべき注意点や効率化のためのおすすめ日程調整ツールをご紹介します。
目次
スムーズな日程調整できていますか?
ビジネスにおいて「調整力」は、コミュニケーションをスムーズに行ううえでも重要な能力のひとつとされています。
中でも「日程調整」は、さまざまなビジネスシーンにおいて発生する調整業務であり、一見簡単そうに見えても、やり方によっては、業務の停滞を招いてしまうことのある作業といえるでしょう。
さらに日程調整は、実のところコミュニケーション能力や判断能力に加え、効率化を求めるうえでは、デジタルツールを使いこなすスキルも求められる作業であり、必ず「相手」がいることから、適切なビジネスマナーも身につけておかなければならない業務なのです。
日程調整が必要なシーン
日程調整が必要なシーンは、社内外を問わず発生します。具体例とともに確認していきましょう。
社内会議
「毎週月曜の13時」など日時が決まっている定例会議以外は、その都度、参加者との日程調整が必要となります。参加者が大人数であればあるほど、口頭などでのスケジュール確認では、都合のすり合わせが困難となります。
面接
採用過程における面接も、必ず日程調整が発生するビジネスシーンです。面接では、役員の日程調整をする機会もあるでしょう。多忙な役員の日程調整は、特にミスが許されないことなどから非常に神経を使う業務となります。
営業での訪問
さまざまな職種の中でも、営業職は日程調整が頻繁に発生する職種といえます。また、複数の調整を同時に進めることも多いことから、マルチタスク能力が求められます。
来客対応
お客様や取引先の訪問対応をする際にも、初動として日程調整が必要となります。この際の日程調整では、自社の会議室の調整や関係部署への情報共有といった作業も発生します。
セミナーの開催
セミナーや説明会の開催においては、参加者との日程調整のほか、開催の形態や規模によっては、司会者や登壇者、使用する会場などとの調整も必要となります。
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日程調整の基本的な手順とコツ
ここでは、日程調整を上手に行う基本的な手順とコツをご紹介します。
手順1.日程調整の目的を確認
まずは日程調整を何のために行うのか、その目的を確認しましょう。日程調整は商談や会議などを行うための準備であり、調整自体が目的ではありません。スムーズに進めるためにも、目的を明確にしておきましょう。
手順2.参加人数を把握
次に参加者が何人いるか把握します。人数が多い際は、全員の日程がどうしても合わないこともあります。その場合は、上司などの会議に関する責任者の判断を仰いだうえで、特に重要度の高い参加者を優先することもあるでしょう。
また、打ち合わせや商談などでは緊急の業務で参加できない人や、当日になって取引先の参加者が増えることも考えられます。そのため、参加者の人数に関しては、増減することを想定したうえで、スペースや資料を準備しておくと安心です。
手順3.候補の日程を決定して共有
参加候補者が決まったら、候補日をピックアップします。内容にもよりますが、一般的にはアポイントまで一週間以上の余裕を持ったうえで、3〜5日ほどの日程を用意して提案すると良いでしょう
手順4.参会者に連絡をして日時を決める
連絡はメールや電話、チャットツールなどで行いますが、参加者が多い場合などは、ミスを防ぐため履歴の残るメールもしくはチャットでの連絡をおすすめします。連絡する際には、必ず返信・返答の期限を設定することも忘れないようにしてください。
手順5.参加者にリマインドをする
日程が決定したらすぐさま参加者に連絡します。ただし、予定までに1ヶ月以上先など、連絡から長期間が経過するような場合は、数日前など、頃合いをみてリマイドメールを送るといった対応をすると良いでしょう。
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日程調整におけるビジネスマナーを解説
日程調整は社内だけでなく、取引先や関連会社など、社外とのやり取りも多く発生するため、ビジネスマナーを守ることが重要です。また、調整する際は、社内外を問わず「相手の貴重な時間をいただくこと」であるといった意識が必要です。
ここからは、日程調整におけるビジネスマナーについて解説していきます。
1.具体的な日程候補を複数提示する
日程の候補は必ず具体的な日時を、3〜5つ程度提示しましょう。もちろん相手との関係性にもよりますが、一般的に「いつでも問題ありません」「日時はお任せします」といった対応は、一見、最大限相手を尊重しているように思えても、相手側に「丸投げ」している印象になるなど、適切な日程調整マナーとはいえないため、注意するようにしましょう。
2.移動時間や所要時間を考慮する
日程調整をする際、会議や商談、セミナーなどそれぞれの所要時間を考慮することを忘れないようにしましょう。日程調整は「相手の時間を空けていただくこと」です。
打ち合わせや商談に必要な時間を適切に設定すること、また予定を連続して入れる際や移動が伴う予定などは、余裕を持たせた時間と間隔にて日程調整を行ってください。
3.日程候補の時間帯は常識の範囲内に
日程の候補は、原則として会社の営業日・営業時間内にて設定します。具体的な時間帯は、営業日の10〜18時が、一般的な常識の範囲内といえます。
営業時間内であっても、始業開始直後や終業間際などの時間帯は、避けるようにしましょう。
4.日程が合わない場合の対処法を記載する
日程調整をする際は、相手の負担を軽減するためにも、無駄なラリーが発生しないような気遣いも必要です。そのため、候補日を提示するとともに、候補日での都合がつかない場合の方法についても、あらかじめ記載しておきます。具体的には、以下のような一文を添えておくと良いでしょう。
<例文>
- こちらの日程以外も調整可能でございます。ご都合が合わない場合は遠慮なくお申し付け下さい。
- こちらの日程にてご都合がつかない場合は、◯◯様のご都合の良い日時をいくつかご教示いただけますと幸いです。
不躾なお願いにならないように、丁寧に伝えるようにしましょう。
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5.返事はできる限り素早く行う
候補日に対して、相手からの返信があった際には、迅速に日時を決定し、相手にお知らせするようにしましょう。日程が確定しなければ、相手がスケジュールを組めなくなってしまいます。できれば当日、遅くても翌営業日中には必ず返信するようにしてください。
また、日程調整をお願いされた側の場合、いただいた候補日での調整に時間がかかる場合は、取り急ぎ「◯日の午前中までにお返事させていただきます」などの返信をしておくことも大切なビジネスマナーです。
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日程調整で注意すべきマナー違反について
日程調整におけるビジネスマナーについてお伝えしてきました。次に、どのようなことがマナー違反になるのかについても確認していきましょう。
1つの日程候補をピンポイントで指定
ピンポイントに日時を指定するのは、相手が誰であっても失礼にあたります。相手にも業務や予定があることに配慮し、まずは候補をいくつか出して確認するのがビジネスマナーといえるでしょう。
また、ピンポイントでの指定は、予定が合わないケースが多く、無駄なやり取りが増えてしまうといった点でも相手に多くの迷惑がかかってしまいます。
曖昧な文言で時間指定
時間指定を曖昧な文言で行うのもマナー違反です。「午前中」「お昼頃」「夕方過ぎ」など、つい使ってしまう文言ではありますが、日程調整においては適切ではありません。
正確に日時を合わせるために、「13時」「17時」など明確に時間を指定しましょう。どれくらいの時間を確保してほしいのかも伝えます。
また、「16時10分から」など中途半端な時間指定も、特別な事情がない限り避けてください。時間指定は基本的に30分単位で調整するのが一般的です。
あまりに近すぎる日程を指定
日程調整で候補日を挙げる際は、緊急の案件でない限り、最低でも一週間程度先の日程にて候補日を設定しましょう。「本日の17時」「明日の10時」など、あまりに近い日程での指定は調整や準備で相手に迷惑をかける可能性があります。
また、「◯月◯日の午前もしくは午後のいずれかにて1時間」など、近しい日時での候補日の提示もバッドマナーとなり得ますので気をつけましょう。
あまりに先の日程候補を指定
あまりにも先の日程候補を指定してしまうと、失念されてしまう懸念や再調整が必要となるリスクが高まってしまいます。
もちろん内容にもよりますが、1ヶ月以内を目安にしておくと良いでしょう。
最初から電話による日程調整
初めての取引先などにおいては、最初から相手に電話で予定を確認するのは、マナー違反とされています。予定が確認しにくいだけでなく、相手が急かされていると感じる可能性もあります。
相手が落ち着いた状態でスケジュールを確認できるように、まずはメールやチャットで連絡を入れましょう。やり取りが文面で残るので日時の間違いなども防げます。
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日程調整をスムーズに実施する方法
日程調整をスムーズに実施するには、どのような方法を選べば良いのでしょうか。具体的な方法を3つご紹介します。
1.メールと電話を駆使した基本的な方法
もっとも基本的なのが、メールと電話を利用する方法です。まずは、メールで参加予定者に向けて候補の日時をいくつか送ります。このとき、期日までに返答がない人がいれば、電話で状況を確認すると素早い対応が可能です。
また、一人だけ希望日時が異なる場合は、電話で調整をお願いしてみましょう。メールと電話を状況に合わせて使い分けることで、スムーズな日程調整が可能です。
2.日程調整ツールを利用する
日程調整ツールの利用もスムーズに日程を調整する方法の1つです。複数人の日程調整を行うには、手間と時間がかかります。ツールを活用すれば、一度に関係者に連絡でき、日程調整がスムーズに進みます。
ダブルブッキングを防ぐ機能、リマインダー機能などを備えたツールも多いので、トラブル防止にも効果的です。
3.ビジネスチャットを利用する
ビジネスチャットツールを日程調整に利用することも可能です。チャットツールは、メールよりも複数人とコミュニケーションがとりやすく、情報の共有もスムーズに行えます。
また、メールよりもリアルタイム性に優れた特徴があるため、素早く候補日を出し合って日程の調整が行えるのもメリットです。ただし、社外の相手との調整に利用するには、相手側も同じツールを使っている必要があります。
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日程調整に便利なツール4選
最後に日程調整に便利なツールを4つご紹介します。無料で利用できるツールもあるので、ぜひ実際に試してみると良いでしょう。
1.TimeRex
TimeRexは、日程調整に特化したツールです。GoogleカレンダーやMicrosoft365など、さまざまな外部ツールとの連携が可能なうえ、連携したカレンダーの空きから、候補日をピックアップしてくれるので日程調整が自動化できます。完全無料のフリープランもあるので、試しに使ってみたい方にもおすすめです。
提供元 | ミクステンド株式会社 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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累計登録者数 | 70,000人以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
2.調整アポ
調整アポは、日程のピックアップから参加候補者へのメール作成までを自動で行ってくれるツールです。参加者は希望の日程をワンクリックで選択するだけで返答できるため、手間がかかりません。14日間の無料トライアルがあり、導入ハードルが低いのも魅力のひとつです。
提供元 | 株式会社RECEPTIONIST |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入企業数 | 5,000社以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
3.eeasy
eeasyは、Googleワークスペースなどのグループウェアと連携することで日程調整をスムーズに行えます。候補日程を自動で抽出し、URLを作成。参加者は候補日から希望の日を選ぶだけで、調整が完了します。わかりやすいデザインで直感的な操作ができるため、ツールに慣れていない人でも安心です。
提供元 | 株式会社E4 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン | 月額:935円(税込)(月6回以上利用する場合) <グループ用オプション>
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導入企業数 | 20,000社 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
4.Chatwork
Chatworkは、国内利用者数No.1を誇るビジネスチャットツールです。チャット形式のリアルタイム性に優れたコミュニケーションにより、スムーズな日程調整が実現します。
期限が設定できるタスク機能も搭載されているため「日程調整」をタスク化することで、「返信もれ」を防ぐことが可能です。
提供元 | 株式会社Kubell |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入企業数 | 343,000社以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
気持ちよく日程調整を行うために
会議や商談など、ビジネスにおいて日程調整が必要になる場面は多くあります。日程調整をスムーズに行うには、コミュニケーション能力や判断力が必要です。さらには、相手の状況に配慮できるビジネスマナーも求められます。
ここでお伝えした日程調整の手順やコツ、マナーを参考に、日程調整を効率的に進め、ビジネスのスピードアップを図ってみてはいかがでしょうか。
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