効果的なアポメールの書き方とは?営業マン必見のコツを文例付きで解説
取引先との打ち合わせや商談などの日程調整を行う「アポメール」は、ビジネスマナーをわきまえたうえで、相手に好印象を与えられるような内容でなければなりません。本記事では、ビジネスパーソン必見のアポメールの書き方や、アポを獲得できるメールの書き方などをご紹介します。
目次
アポメールとは
アポメールとは、顧客との打ち合わせや商談などの日程を調整するためのメールです。「アポ」とは「アポイント」の略称で、顧客とのミーティングや商談の実施を約束することを指します。
アポメールは打ち合わせや商談を実施するための最初の行動であり、アポメールの内容によっては相手からの印象にも影響を与えてしまいます。そのため、アポメールの内容はビジネスにおいて非常に重要なポイントとなるのです。
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アポメールの必要性について
多くの営業手段がある中で、アポメールは営業効率を高められるという観点から近年主流となっています。
アポメールのほかにも電話でアポを取る「テレアポ」などもありますが、架電の手間がかかるほか担当者が不在の場合はアポが取れないため、効率的な方法ではありません。また、近年ではリモートワークが主流になっている影響から、テレアポの実施が難しい場合もあります。
しかし、アポメールはメールの送信だけでよく、相手のタイミングで開封して確認してもらえるため、双方に負担が少なく内容の確認も容易に行える点がメリットです。
このような理由から、アポメールは営業に欠かせない手法の一つであるといえます。
アポメールの構成
アポメールの基本的な構成は、以下のとおりです。
- 件名
- 挨拶
- 本文
- 結びの言葉
ここからは、それぞれの内容を詳しく解説します。
件名
まず、件名ではアポメールの主題となる内容を記載します。
例えば、打ち合わせの日程調整依頼を行う場合は、「打ち合わせのお願い」だけでは概要を把握できません。そのため、「〇〇(商品・プロジェクト名)の打ち合わせのお願い」など、何の打ち合わせであるかを簡単に盛り込みましょう。
このような工夫を行うことで、開封率を高められます。また、件名は長くなりすぎると端末によっては表示できない場合があるため、長くても30文字以内程度に収めましょう。
挨拶
次に、宛名のあとに挨拶文を記載します。挨拶文は、初めてアポを取る相手と過去に取引がある相手で使い分けるようにしましょう。
初めてのアポメールの場合は、「貴社のホームページを拝見してご連絡させていただきました」などのメールを送る経緯を伝えることが大切です。また、不信感を与えないためにも自身が何者であるかを記載するようにしましょう。
過去に取引がある相手の場合は、自身の社名と名前、過去の取引内容などを記載してから本文に移りましょう。
本文
挨拶文のあとは、主題となる本文を記載します。本文では、以下のような内容を記載しましょう。
- アポメールを送った理由
- アポイント内容の詳細
- 商談・打ち合わせの候補日
商品やサービスの紹介ではなく、まずはアポメールを送った理由や連絡先を知った経緯や理由などを伝えることが大切です。長文にならないよう、簡潔にまとめることを心がけましょう。
また、商談・打ち合わせの候補日は、複数提示しておくと日程調整がスムーズに行えます。
結びの言葉
最後に、返信締切日とお礼文、署名を記載します。
署名部分には、以下の内容を記載しましょう。
- 会社名
- 担当者名(フルネーム)
- 電話番号
- メールアドレス
- 会社住所
- 会社の公式サイトのURL
また、返信締切日を記載することで、スピーディな対応が期待できます。
アポメールの文例【営業シーン別に紹介】
ここからは、実際のアポメールの文例を営業シーン別に紹介します。面談につながる可能性を高めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
新規顧客へのアポメール
新規顧客、特に面識のない相手へのアポメールは、特に丁寧に作成する必要があります。自分が何者なのか、どのような目的があるのか、どのようなメリットが提供できるのかを端的かつ丁寧に記載します。
また、信頼関係が築けていない相手へのメールは、文面や言葉遣いに失礼がないよう、以下の例文を参考に作成してみましょう。
件名:【サービス名】ご紹介について面談のお願い<株式会社○○> |
株式会社△△△ 営業部 □□様 突然のメールでのご連絡にて、大変失礼いたします。 株式会社○○・営業部の○○と申します。 ご多忙中ご迷惑とは存じますが、 御社事業の〇〇につきまして、弊社サービスの〇〇をご紹介させていただきたく、 ご連絡をさせていただきました。 当社の【サービス名】は貴社の△△においてご利用いただくことにより、 〇〇〇〇〇〇〇〇のメリットが得られるなど、●●を最大XX%効率化する効果が期待できます。 つきましては、ご挨拶も兼ねまして、貴社にご訪問させていただき、 内容を詳しくご説明するお時間を頂戴できればと存じます。 下記の日程にて、ご都合のよろしいお日にちはございますでしょうか? <候補日時> ・○月○日(○) XX:XX 〜 XX:XX ・○月○日(○) XX:XX 〜 XX:XX ・○月○日(○) XX:XX 〜 XX:XX 上記日程のご都合がつかない場合は、恐れ入りますが□□様のご都合のよろしい日時をご教示いただけますと幸いに存じます。 ご多用のところ誠に恐縮ですが、 ご検討の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 ====メール署名==== |
既存顧客へのアポメール
既存顧客へのアポメールは、相手の負担を考慮し、メールのやり取りを最小限にするための工夫が求められます。そのため、新規顧客に対するメールよりも、より端的な内容を意識する必要があるでしょう。
また、顧客の繁忙期を把握している場合は、時間に余裕がある日程を予測して候補日程を提示することも重要です。
件名:【サービス名】ご紹介について面談のお願い<株式会社○○・○○> |
株式会社△△△ 営業部 □□様 平素より大変お世話になっております。株式会社○○の○○です。 今回、弊社の新サービス◯◯について、貴社の◯◯事業における、 ****や****といったメリットをご提供できると考え、 ご連絡をさせていただきました。 ご多用中恐縮ではございますが、ぜひ□□様のご意見をお聞かせいただきたく、 1時間ほど、ご説明のお時間をいただけますと幸いです。 よろしければ、下記の日程にてご都合のよろしいお日にちはございますでしょうか? <候補日時> ・○月○日(○) XX:XX 〜 XX:XX ・○月○日(○) XX:XX 〜 XX:XX ・○月○日(○) XX:XX 〜 XX:XX □□様のご都合をお聞かせいただけますと幸いです。 お忙しいところ誠に恐縮ですが、 ご検討の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 ====メール署名==== |
アポ獲得時のお礼の返信メール
アポ獲得時のお礼の返信メールでは、日程を調整していただいたお礼とともに、決定した日時をお伝えします。
必ず返信をいただいた当日、もしくは翌営業日中に返信をするようにしましょう。
件名:○月○日(○)のご面談についてのご連絡 |
株式会社△△△ 営業部 □□様 お世話になっております。株式会社○○の○○です。 この度は、お忙しい中ご面談の機会をいただき誠にありがとうございます。 それでは、ご連絡いただきました下記の日程にて貴社へお伺いさせていただきます。 ○月○日(○)XX:XX 〜 XX:XX 当日は何卒よろしくお願い申し上げます。 ===メール署名==== |
アポ前日のリマインドメール
アポ確定後、数週間以上経ってからの訪問の場合は、アポ前日にリマインドメールを送信するとよいでしょう。
ただし、アポ確定から数日以内の訪問であれば、何度もお送りすることが相手の負担ともなり得るため、リマインドメールの送付は状況に応じた判断が必要です。
件名:明日のお約束についてのご確認 |
株式会社△△△ 営業部 □□様 お世話になっております。株式会社○○の○○です。 改めまして、今回はご面談の機会をいただき誠にありがとうございます。 お約束通り、明日のXX時に貴社へお伺いさせていただきます。 それでは、明日お会いできることを楽しみにしております。 何卒よろしくお願い申し上げます。 ====メール署名==== |
再度日程調整を行うメール
アポ予定日に外せない予定が入ってしまった場合、再度日程調整をする必要があります。
再度日程調整を行うメールを送信する際は、まずは日程が合わなくなったことを謝罪しましょう。ただし、こちらの都合による再調整は、相手の印象を大きく悪化させてしまうこともあります。
場合によっては、折角獲得できたアポを失う結果にもなる点を認識し、なぜ変更が必要になったのかの理由を必ず記載するようにしましょう。
件名:ご面談日程の再調整について |
株式会社△△△ 営業部 □□様 いつも大変お世話になっております。株式会社○○の○○です。 本日は、ご面談の日程変更をお願いしたくご連絡をさせていただきました。 お約束いただいておりました○月○日のお打ち合わせですが、 急な出張によりお伺いが難しくなってしまいました。 お忙しいところ、勝手を申しまして大変申し訳ございませんが、 下記のいずれかの日程にて、再度お時間を頂戴することは可能でしょうか。 <候補日時> ・○月○日(○) XX:XX 〜 XX:XX ・○月○日(○) XX:XX 〜 XX:XX ・○月○日(○) XX:XX 〜 XX:XX 上記候補日でのご対応が難しい場合は、□□様のご都合のよろしい日時をご教示いただけますと幸いに存じます。 再度調整のお手数をおかけしてしまい、大変恐縮ではございますが、 ご検討の程、何卒よろしくお願い申し上げます。 ====メール署名==== |
面談後のお礼メール
面談後は、できる限り早くお礼メールを送信します。また、お礼とともに、面談で使用した資料や議事録を添付することで、顧客が面談の内容を振り返りやすくなります。
滞りなく案件獲得に向かうために、お礼と同時に次のアクションもメール中で触れておくことが重要です。
件名:本日はお忙しい中ありがとうございました。 |
株式会社△△△ 営業部 □□様 お世話になっております。株式会社○○の○○です。 本日は大変お忙しい中、ご面談のお時間をいただき、ありがとうございました。 念のため、本日ご提示させていただいた資料と議事録をお送りさせていただきます。 お手隙の際に、ご確認いただけますと幸いです。 また、今回ご紹介させていただいたサービスに限らず、 今後も継続して貴社のお役に立てるようなご提案をさせていただければと存じます。 ご不明な点やお困りごとなどがございましたら、ご遠慮なく私、 ○○までご連絡くださいませ。 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 ====メール署名==== |
アポメールの基本的な書き方
アポメールを作成する際は、まずは開封してもらい、マナーと節度を保ったうえで、目的が的確に伝わるような書き方をマスターするのが大切です。
ここからは、アポメールの基本的な書き方を詳しく解説します。
件名は適切な文字数で大切なことを盛り込む
アポメールの件名は、適切な文字数で大切なキーワードを盛り込むことが重要です。アポメールは、送信すれば必ず開封されるわけではありません。当然ながら、単なる「売り込み」として興味を示さない人もいます。
そのような状況で開封率を上げるには、一目で内容やメールを見る価値があると認識してもらえるように、文字数とキーワードを考慮する必要があるのです。例えば、件名が「面談のお願い」のみである場合は、誰が何について送ってきたメールなのか、件名からはわからないため開封率は下がるでしょう。
一方で、「〇〇(商品名)のご紹介面談のお願い<〇〇株式会社>」であれば、面談の内容が一目でわかるため、開封率が上がる可能性が高くなります。
このように、アポメールの開封率を上げるためにも、件名は適切な文字数で大切なキーワードを盛り込むことが重要です。
▷日程調整で都合が悪い時の対処法!メール文例やビジネスマナーを解説
本文は簡潔に大切な要件から書き始める
アポメールの本文は、メールの前半に要件を簡潔にまとめるようにしましょう。結論を最初に明確にすることで、相手もその面談にどのような価値があるのかを判断しやすくなります。また、先に伝えた結論により興味を示してくれた相手には、面談の理由や詳細がより伝わりやすくなるというメリットもあります。
このように、アポメールの本文は最初に簡潔に大切な要件から書き始め、その後に詳細を記載することで、お客様にとって読みやすいメールとなります。
宛名と挨拶文は省略せずに記載する
メールの最初に「結論」とお伝えしましたが、もちろんビジネスマナーとして、以下のような宛名と挨拶文は必ず記載しなければなりません。
〇〇〇〇〇株式会社 〇〇様 平素より大変お世話になっております。 △△株式会社の△△でございます。 |
面識のある相手であれば、上記の通り「平素より大変お世話になっております」といった挨拶文が妥当です。
初めて連絡をする相手に対しては、「突然のメールでのご連絡失礼いたします」や「初めてご連絡させていただきます」といった挨拶文に置き換えて送信するようにしましょう。
▷日程調整におけるビジネスマナーとは?基本知識や見直したい注意点を解説
アポ獲得できるメールの書き方
アポメールは自社商品を見込み顧客に売り込む行為でもあるため、最初の印象が重要です。
そのため、商品やサービスのメリットがデータを用いて簡潔に示されていたり、送付先の事業を理解したうえでの価値が明記されていたりすれば、相手に良い印象を持ってもらえるだけでなく、アポ獲得の可能性も高まります。
そこでここからは、アポイントを獲得できるメールの書き方を紹介します。
顧客のメリットを記載する
どのような内容の面談依頼であれ、相手に貴重な時間を割いてもらうことに変わりはありません。
アポをお願いする意識の根底として、面談は「相手にとって」有意義な時間になることを目的としているという認識を持ちましょう。
このような意識があれば、相手先の事業内容をある程度理解したうえで、紹介する商品・サービスにより、どのようなメリットがあるのかを的確に伝えるアポメールの内容となるはずです。
複数の日程を提示する
アポメールで面談の日程調整をする際は、相手の都合にも配慮し、必ず3〜4つ程度の複数の日程を提示するようにしてください。
また、日程の提案は、1週間後〜を目安としましょう。あまりにも直近のスケジュールでの候補や、◯月◯日の午前もしくは午後といった連続した候補日は、相手への負担となってしまうため注意しましょう。
敬語を正しく利用する
正しい敬語や言葉遣いは、アポメールの文章に限らず、ビジネスパーソンとしての基本ともいえるでしょう。
正しく丁寧な言葉遣いは相手に好印象を与えるだけでなく、ビジネスを円滑に進めるためのコミュニケーションの基礎です。
また、相手に好印象を抱いてもらうことができれば、たとえその商談が成立しなかったとしても別の取引先を紹介してもらえるなど、新たなチャンスにつなげることもできるでしょう。
返信の期限を設定する
メールの返信の期限を設定することは、アポイントを獲得できる確率を高めます。「急かしているようで、失礼なのでは?」と懸念する方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、返信の期限が設定されていない場合、いつまでに返事をする必要があるのかわからないため、スケジュール調整が行いづらくなる場合があります。
相手がスムーズにスケジュール調整をするためにも、返信の期限を設定しておくことが大切です。また、返信をもらえる期限が明確になるため、自身のスケジュールも調整しやすくなります。
▷【日程調整】リスケ依頼のメールの書き方!文例や注意ポイントまとめ
正しいアポメールを活用して効率的に商談を獲得しよう
アポメールは、新規顧客の獲得や売上の拡大を目指すための重要な営業手段の一つであり、ちょっとした言葉遣いや書き方の違いで、目的が達成できるか否かが大きく変わってしまう営業手法でもあります。
本記事でご紹介した書き方事例を参考にしていただくのはもちろんのこと、大前提として「相手への心遣い」が重要であることを忘れてはいけません。
ビジネスパーソンとして配慮の行き届いたアポメールにより、効率的なアポ獲得、また高い商談成約率を目指しましょう。
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