テレワーク中のWi-Fiが遅い!必要な通信速度の目安や遅い原因を解説
テレワーク社員が抱える問題の1つである通信速度の遅さは、ストレスや生産性低下の原因にもなり得る問題です。本記事では、Wi-Fiが遅い原因やテレワークに必要な通信速度の目安について詳しく解説します。
目次
テレワーク中のWi-Fi通信速度は遅くなりがち
普段は気にならないのに、テレワークをしているとWi-Fiの通信速度の遅さに不便を感じているという人もいるのではないでしょうか。
テレワークでは、ビデオ会議など通信量の多いツールを使用する機会が増えるため、通信速度が遅いと映像や音声が途切れるなどのトラブルが発生してしまいます。また、データ容量の大きいページやデータの読み込みに時間がかかるといった勝手の悪さが生産性低下の原因にもなり得るのです。
通信速度の確認が必要
通信速度の遅さを感じているのであれば、まずは自宅Wi-Fiの通信速度を測定してみましょう。Wi-Fi通信速度は以下のWebサイトで測定できます。
これらのWebサイトでは、アクセスして「測定開始」ボタンを押すだけで無料で通信速度が測定できます。また、Googleで「スピードテスト」と検索し、表示される「インターネット速度テスト」でも、アップロードとダウンロード両方の通信速度が測定可能です。
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テレワークに必要なWi-Fi通信速度の目安は?
次に、テレワークに必要なWi-Fi通信速度の目安を紹介します。必要な通信速度はアップロードとダウンロードで異なります。基本的にダウンロード時の方が速い通信速度が必要になることが多いと考えておきましょう。
なお以下で使用する「Mbps(メガ・ビーピーエス)」とは通信速度の単位であり、1秒間に送受信可能なデータ量を示しています。
ビデオ通話|1Mbps以上
ビデオ通話を快適に行うには、最低でも1Mbps以上の通信速度が必要です。Skypeを提供するMicrosoftは、ビデオ通話時は以下の通信速度が必要と公表しています。
通話の種類 最低ダウンロード / アップロード速度 推奨ダウンロード / アップロード速度 通話 30kbps / 30kbps 100kbps / 100kbps ビデオ通話/画面共有 128kbps / 128kbps 300kbps / 300kbps ビデオ通話(高品質) 400kbps / 400kbps 500kbps / 500kbps ビデオ通話(HD) 1.2Mbps / 1.2Mbps 1.5Mbps / 1.5Mbps グループ ビデオ通話(3人) 512kbps / 128kbps 2Mbps / 512kbps グループ ビデオ通話(5人) 2Mbps / 128kbps 4Mbps / 512kbps グループ ビデオ通話(7人) 4Mbps / 128kbps 8Mbps / 512kbps
[引用:Microsoft「Skype で必要となる帯域幅を教えてください。」より]
表にある通り、HD以上の画質や複数人でビデオ通話をする場合は、さらに高速の通信速度が求められるため、2〜5Mbps以上の通信速度がないと、トラブルが起きやすくなってしまうでしょう。
資料を画面で共有する際には、可読性確保のため、できれば高品質以上の画質である方が安心です。できれば5Mbps以上の通信速度が確保できるWi-Fi環境を整えましょう。
メールの送受信|1~2Mbps以上
メールの送受信時は高速の通信速度は必要としないため、最低でも128Kbp程度あればメールの送受信自体は行えます。
128Kbpsは、多くの携帯会社が設定している、通信速度に制限がかかったときの速度のため、非常に少ないデータ量であることがお分かりいただけるかと思います。
とはいえ、仕事環境としては、1~2Mbps以上の通信速度が出せるWi-Fi環境を整えた方が快適と言えるでしょう。
写真・動画アップロード|5~20Mbps以上
写真であれば5Mbps以上ですが、動画はデータ容量が大きいため、スムーズなアップロードのためには最低でも10Mbps以上の通信速度が必要です。
ただし、こちらもデータ容量によって、必要な通信速度は異なるため、ストレスなくアップロードするためには、30Mbps以上の通信速度がおすすめです。
ファイルダウンロード|10~30Mbps
ファイルのダウンロードはアップロードに比べて、さらに高速の通信速度が必要になります。Webサイト・SNSの閲覧、標準画質での動画視聴であれば10〜30Mbps程度の速度で問題なく利用可能です。
Web会議やオンライン授業などの大人数でビデオ会議するときも、10〜30Mbpsほどの通信速度であれば不便なく使えるでしょう。
大容量ファイルダウンロード|30Mbps以上
大容量ファイルダウンロードに該当するのは、オンラインゲームやライブ配信です。これらはリアルタイムかつ高画質で行わなければいけないため、高速の通信速度が必要になります。
具体的には30Mbps以上、理想としては100Mbpsほどの通信速度があると良いでしょう。
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テレワーク中のWi-Fi通信速度が遅い原因
次に、テレワーク中のWi-Fi通信速度が遅くなってしまう原因を紹介します。なお、パソコンの使用状況によって通信速度は変動することには注意しましょう。
パソコンのスペックが低い
高速Wi-Fiを使用していてもパソコンのスペックが低ければ通信速度は遅くなってしまいます。通信速度に影響するパソコンの性能には「OS」や「メモリ」、「CPU」「HDD/SSD」などがあります。
各性能の概要と快適に利用するために確保するべきスペックは以下の通りです。
通信速度に影響する性能 | 概要 | 確保するべきスペック |
---|---|---|
OS | アプリケーションを動作させるアプリ | Windows10以上 |
メモリ | 処理を行う際に必要になるスペース | 8GB以上 ※オンラインゲームやWeb会議を行う場合は16GB |
CPU | パソコンを制御する部品 | Core i3 ※ゲームや動画編集などを行う場合はCore i5以上 |
HDD/SSD | ファイルを保存するために必要なストレージ | 必要に応じた容量のもの ※100GBの場合、音楽約2万曲、写真2万枚、番組録画12時間分 |
社内の通信環境を利用している
社内の通信環境を利用している場合、複数人が同時にアクセスすることで、Wi-Fiの通信速度が遅くなってしまうことがあります。
またVNP接続(ネット上に仮想の専用回線を設け、特定の人だけが使用できるインターネット接続方法)の場合はさらに通信量が増えるため、そのような現象が起きやすくなる傾向にあるでしょう。
一つのサーバーから供給できる通信は無限ではありません。同時にアクセスする人が増えるほど、通信速度の遅延も起きやすくなってしまいます。
不要なツールが起動している
多くのツールを起動している状態は通信速度低下の原因となります。仕事をする際、ブラウザやチャット、ビデオ会議など、さまざまなツールを同時に起動することも多いでしょう。
起動しているツールが多い場合、常に大量のデータをアップロード・ダウンロードしている状態になるため、インターネット通信の妨げとなります。使わないツールは都度閉じるようにしましょう。
インターネット回線が混雑している
自身が契約しているプロバイダが混雑している場合も通信速度が遅くなります。特に利用者が増加する夕方から深夜にかけての時間帯は要注意です。
「安心感」などから、大手プロバイダを選ぶケースは少なくありません。しかし、一般的には大手=利用者も多いことになります。どんな通信技術を使っているかを重視するようにしましょう。
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通信規格が古い
Wi-Fiには「通信規格」があり、規格の種類によって最大通信速度や周波数帯が異なります。「IEEE 802.11a」や「IEEE 802.11b」「IEEE 802.11g」は通信規格が古く、最大通信速度も遅いためおすすめしません。
「IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)」が最新の通信規格ではありますが、家庭で快適にインターネットを利用するなら「IEEE 802.11n(Wi-Fi 4)」「IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)」のWi-Fiでも全く問題はありません。
最大通信速度 | 周波数帯 | |
---|---|---|
IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz |
IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11n(Wi-Fi 4) | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5) | 6.9Gbps | 5GHz |
IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6) | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz |
ルーターが古い・設置場所が悪い
ルーターによって対応する通信規格は異なるため、古いルーターを使用している場合、通信規格が古く、最大通信速度が遅いことも考えられます。ルーターは経年劣化によって通信速度が遅くなる可能性があるため、古いルーターを使用している場合は買い替えましょう。
またルーターの設置場所によっても通信速度は変動します。特に電子レンジやコードレス電話などの電波を発する家電の近くに置くと電波干渉を引き起こして通信速度が遅くなります。
さらに、電波は金属に吸収されやすいという特性があるため、金属製の家具の近くも注意が必要です。
PPPoe方式を使用している
Wi-Fiの接続方式には「PPPoe方式」と「IPoE方式」の2種類があります。
PPPoe方式は従来の接続方式で、インターネット通信をする際に「ネットワーク終端装置」を経由する必要があります。しかし、通信量が増加するとネットワーク終端装置が混雑して通信速度が遅くなるのです。
一方でIPoE方式は新しい接続方式です。PPPoe方式とは異なり、ネットワーク終端装置を経由せずにインターネット通信が行えます。そのため混雑を避けることが可能です。
このようにPPPoe方式を使用していることは通信速度が遅くなる原因となる可能性があります。
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Wi-Fiの通信速度が遅い時の対策
Wi-Fiの通信速度が遅いと感じた時、プロバイダの変更をするにしても、契約期間や工事などの関係から即時の判断や解決が難しい場合もあるでしょう。
ここでは、根本的な対策のほか、すぐにできる対策などをお伝えします。
パソコンを再起動する
パソコンを再起動することで、通信速度が改善することもあります。
再起動は、キャッシュをクリアにすることで、パソコン上で起きているトラブルをリセットするための一手段です。ただし、当然ですが作業中のデータなどは必ず保存してから再起動しましょう。
5Ghz帯で接続
電波には「2.4Ghz」と「5Ghz」の2種類の周波数帯があります。
通信速度は「5Ghz」の方が速いとされているため、「2.4Ghz」を使っているのであれば切り替えてみるのも良いでしょう。ただし、「5Ghz」にも、障害物に弱い、電波が遠くまで届かないなどの弱点がある点に注意です。
使用していないツールを閉じる
パソコンで多くの多数のツールやソフトを同時に利用すると通信速度を低下させる原因になります。
そのため、必要ないツールはできるだけ起動させず、必要最低限のツールのみを利用しましょう。同時に動かすプログラムは少なければ少ないほど、通信速度が改善される可能性は高まります。
LANケーブルで有線接続
WiFiは、有線接続することも可能です。無線の場合は、家電や家具、建物などの影響を受けてしまいますが、一方で有線接続の場合は外部からの影響は受けないため、安定した接続環境を実現できます。
なおポケットWi-Fiを使用している場合は、USBケーブルを使用するのが便利です。
Wi-Fiルーターを変える・設置場所移動
Wi-Fiルーターは障害物の影響を受けない場所に移動させましょう。具体的には家具や家電が近くになく、できる限り部屋の中央に置くことがおすすめです。また床から1mほどの高さの位置に置くこともポイントです。
一方で上記の位置に移動しても通信速度が変わらない場合はWi-Fiルーターの買い替えを検討しましょう。通信規格が新しく、自宅のサイズに合ったものを選ぶのが重要です。
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IPoE方式を使用する
PPPoe方式を使用している場合は、IPoE方式に変更しましょう。IPoE方式は、企業内のLANと同様の通信規格である「イーサネット」を使用しています。
ネットワーク終端装置を経由せず直接インターネット接続ができるため、回線が混雑しにくく、スムーズにネットをすることができます。
プロバイダを変える
使用しているデバイスやルーターの対策をしても通信速度が遅い場合、契約しているプロバイダを見直しましょう。
なおプロバイダを選ぶ際は料金の安さやセキュリティ性も大切ですが、快適にインターネット接続をするためには「IPv6 IPoE」に対応していることが重要です。新しい接続方式により、高速の通信速度を確保できます。
▷テレワークに理想的な環境を整えるには?必要なアイテムやツールを紹介
テレワークにおすすめのネット環境
最後にテレワークにおすすめのネット環境を紹介します。
安定の高速通信なら固定回線+有線LAN
長期的にテレワークが続くようであれば、光回線やADSLなどの固定回線+有線LANの環境を整えることで、安定した高速の通信速度を確保するのも良いでしょう。ただし、回線工事が必要なため、手間と時間がかかります。
すぐに環境を整えたいならポケットWi-Fi
一時的なテレワークなど短期間が予想される場合は、工事不要のポケットWi-Fiが便利です。持ち運び可能なポケットWi-Fiは、訪問先やカフェなどでも利用できるため、自宅以外の場所で仕事をする際にも、インターネット接続に困ることはありません。
ただし、通信速度や通信の安定性は、「固定回線+有線LAN」に劣る点や、使い方によっては、月額使用料が高額になってしまう点に注意が必要です。
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通信速度を改善してテレワークをもっと快適にしよう
本記事ではテレワークに必要な通信速度の目安や遅い原因について解説しました。通信速度が遅いと感じたら、まずは自宅の通信速度の現状を把握し、原因に合った解決策を講じることが重要です。
ここでご紹介した主な原因と対策を参考に、通信速度を改善し、快適なテレワーク環境を手に入れてください。
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