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テレワークに理想的な環境を整えるには?必要なアイテムやツールを紹介

2022/12/16 2022/12/21

テレワーク

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新型コロナウイルスの影響もあり急速に普及しているテレワーク。企業の方針により準備もままならぬままテレワーク勤務に切り替えた人も多いのではないでしょうか。本記事では、そもそもテレワークの理想的な環境とは何か、環境整備に必要なアイテムやツールとあわせて紹介します。

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テレワークに理想的な環境とは?

新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークを実施するようになった企業は確実に増加しました。総務省によると、テレワークを導入している企業の割合は、2020年3月の17.6%から2021年3月には38.4%に増加しています。

テレワークが常態化していくと、一時的に実施するのとは異なり、それなりに整った環境が必要になってきます。

テレワークに理想的な環境とはどのようなものでしょうか?

参照元:総務省「テレワーク導入率の推移

業務に集中できる

まずは業務に集中できる環境を整えることが重要です。

聴覚という観点では、注意を惹くような音が鳴らない・聞こえない環境が必要です。その状況として無音が良いという人もいれば、好きな音楽がかかっていた方が集中できる人もいるでしょう。中には雑踏の音が良いという人もいます。いずれにしても、集中力にマイナスの影響を与える音とそうでない音があり、自分が一番心地良い環境にすることが重要です。

視覚的環境については、照明や色彩、散らかり具合が挙げられます。

照明については、明るい方を好む人もいれば、暗めの照明の方が集中できるという人もいます。オフィスによっては昼光色だけでなくダウンライトのエリアが設けられているところもあるため、好みに合った照明での作業がおすすめです。

また、フロアや壁紙、オフィス用品などの色彩は、集中力を高めるという点では寒色系がよいでしょう。

視界にゴミや読み掛けの本など、気になるものが飛び込んでくるフロアでは、集中力が阻害されがちです。作業場となるデスクについては、狭くて散らかっているよりも、適度に広く整っている方がよいでしょう。ペンや書類の所在が分からなくなる環境では、集中力は大きく阻害されるからです。

さらに、嗅覚的環境も重要です。嗅覚と脳の働きには密接な関係があると言われており、集中力を高めるアロマとして柑橘系やミントなどが挙げられます。人それぞれ好みはありますが、空腹時の料理の匂いやゴミなどによる悪臭は集中力を妨げる要素と言えるでしょう。

その他の重要な要素として、酸素濃度や温度・湿度も無視できません。集中力を高める気温は25度という研究結果もありますが、夏場のエアコンの25度設定は身にこたえる人もいるでしょう。

また、脳にとっての酸素不足は、換気不足のほか、血行が悪くなることによっても起こります。換気が十分できるだけでなく、血行を良くするためにある程度運動できることや、体に合った椅子があることなどが、作業環境に求められます。

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通信環境が整っている

通信が途切れにくい環境になっていることも重要です。テレワークでは、通信環境がコミュニケーションをとる上での要となります。Web会議などで通信が度々途切れてしまうようでは、とても集中できません。

業務上の意思疎通が容易にできる

通信環境はコミュニケーションをとる上での前提条件ですが、具体的な方法も重要です。

業務上の指揮系統が整然とし、メンバー間の意思疎通をとることは、組織だった活動を行う上で欠かせません。また、日頃の雑談の中から業務のアイデアが生まれることもあります。会社に出勤していた以前の勤務スタイルは、これらが行いやすいという点で優れていました。

しかしテレワーク環境になると、社員同士の意思疎通が困難になります。メールは便利ですが、迅速なやりとりには不向きです。かといって逐一Web会議を開くまでもない場合もあるでしょう。

スピード感のある会話が必要な時、同じ資料を見ながら話し合いたい時、間違いなく指示や依頼を送りたい時など、状況に応じて容易に使えるコミュニケーションツールが必要になります。また、使う側にも状況を読んで適切なツールを使いこなすリテラシーが求められているのです。

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テレワーク環境を整えることの重要性

オフィスに比べてテレワーク環境が整っていないと、業務に集中できず、チームメンバーや管理職との意思疎通が十分とれず、業務効率や生産性の低下を招く可能性があります。業務の質を落とさずにテレワークを実現するには、環境整備が欠かせません。

ではどのように整備すればよいのでしょうか。これについては厚生労働省がガイドラインを作成しているので、その内容を解説します。

テレワークをおこなう際の自宅環境整備に関するガイドライン

厚生労働省は、PCなどを使った作業を作業者の負担にならないように実施するため、「事務所衛生基準規則」と「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を定めています。これらを参考に作られた「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備のポイント」の内容は以下の通りです。

1.部屋のつくりについて

  • 作業を行うのに十分な空間があること。(機器を除いて10立方メートル以上)
  • 転倒することのないよう整理整頓されていること。

具体的には、つまずく恐れのある障害物、畳やカーペットの継ぎ目、電源コード等の有無や書類の散らばり等を指します。

2.窓について

  • 空気の入れ替えが適宜行われること。
  • 窓にブラインドやカーテンを設けること。

ディスプレイに太陽光が入射するとちらつきなどにより目の負担になりかねません。

3.照明について

  • 作業に支障がない十分な明るさにすること。

書類が問題なく読める明るさであり、机上で300ルクス以上が推奨されています。

4.空調について

  • 作業に適した温度、湿度に調整をすること。

「事務所衛生基準規則」によると、仕事環境では室温17~28℃、相対湿度40~70%になるよう努めることが求められています。一般的には、夏場25~28℃、湿度45~60%、冬場は18~22℃、湿度55~65%と言われています。

5.机、椅子、PC等のオフィスサプライについて

  • 無理のない姿勢で作業を行えるようにすること。

目、肩、腕、腰に負担がかからないよう、机や椅子のほか、ディスプレイやキーボード等PCサプライを以下の要領で整える必要があります。

1)机について

  • 必要なものが配置できる広さがあること。
  • 脚が窮屈でない空間があること。
  • 体型に合った高さであること。又は高さの調整ができること。

2)椅子について

  • 安定していて、座面の高さや傾きを調整できること。
  • 背もたれや肘掛けがあると好ましい。

3)PCについて

  • 輝度やコントラストが調整できること。
  • キーボードとディスプレイが分離できた方が好ましい。
  • マウスは操作がしやすくストレスのかからないものにする。

[出典:厚生労働省「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」]

テレワークの環境づくりに必要なアイテム

テレワークの環境づくりに必要なアイテムを紹介します。環境づくりの際、五月雨式に購入し、会社に都度申請するのも手間なので、必要なものをリストアップし、会社と相談の上、一気に買い揃えることをおすすめします。

パソコン・周辺機器

今の時代、VDT作業者にパソコンが支給されてないといったことはないと思いますが、もしもオフィスにデスクトップのPCしかないのであれば、業務遂行に十分なスペックのノートパソコンを購入しましょう。

自宅やテレワークスペースにプリンターやスキャナーが無いケースは多いかもしれません。まだ書面でのやり取りを求められる場面もあるため、購入することをおすすめします。インク代や紙代については労使間で相談するようにしましょう。

また、ディスプレイも2画面で作業できるようにすると、ひとつの画面でWeb会議、もうひとつの画面で資料閲覧などができるようになり、作業効率も上がります。

その他、ワイヤレスのマウスやキーボード、PCスタンドがあると、ノートPCであっても視線の位置を調整しやすく、肩こりや腰痛の防止に役立ちます。

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ネット環境

インターネット環境の整備方法は、基本的に固定回線(光回線)とモバイルWi-Fiの2種類です。

ケーブルテレビ回線などでもインターネットに接続できますが、ケーブルテレビ視聴契約が割高なので、ここでは割愛します。

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固定回線

固定回線はモバイルWi-Fiと比べてデータ容量や速度制限がありません。通信の安定性も高く、Web会議や動画の視聴にも支障はないと考えられます。

ただし、回線がまだ設置されていない場合は工事が必要であり、実際に使えるようになるまで時間がかかります。

モバイルWi-Fi

無線回線を契約し、通信機器(Wi-Fiルーター)を介してインターネットに接続する方法もあります。Wi-Fiルーターは小型のため持ち運びも可能です。工事不要ですぐに使えることも大きなメリットです。

一方、契約された通信量を超えると通信制限がかかり、使用場所によって通信の速度や安定性に差が出ることがあります。

Webカメラ・イヤフォン・マイク

ノートPCにはカメラ・スピーカー・マイクは最初から取り付けられており、Web会議もすぐに利用できる状態になっています。しかしマイクに関しては、極力周りの音を拾わないようなものにした方が良いでしょう。

また、会議は機密情報を取り扱う場合もあるので、周囲に聞こえないよう、イヤフォンを使った方が良い場合もあります。有線イヤフォンを使うと内蔵スピーカーは使えなくなる事があるので、マイク付きのイヤフォンを検討しましょう。

カメラはPCに内蔵されているカメラで十分ですが、デスクトップPCを使う場合や、映り方に角度などの自由度を求める場合は、カメラの購入をご検討ください。

デスク・チェア・デスクライト

作業場となるデスクや椅子、ライトについても、集中力を維持するのに適したものを選びましょう。

座り心地の悪い椅子や高さの合わないデスクは、集中力を妨げ業務効率を落とすだけでなく、肩こりや腰痛の原因となります。

また、デスクは作業に十分な広さのものを選びましょう。「PCが置ければそれでいい」と思っていても、マウスや書類の置き場、サブのディスプレイを置く場合はそのためのスペースが必要になるかもしれません。上記のことから、ピッタリしたスペースを確保するより、適度に広い方が自由度は高まります。

他にも、デスクの形にはI型やL型などがあります。部屋の形状や作業のやり方に応じて選択してください。

デスクライトは、手元の明るさを300ルクス以上を保つのに非常に役立つツールです。室内灯だけの場合と比べると、手元が陰にならない分、書類を格段に読みやすくなります。また、Web会議などで顔色を良く見せ、印象を良くしたい時にも使えます。

ホワイトボード

ホワイトボードを自前で揃える人は少ないと思いますが、Web会議システムのホワイトボード機能を使うよりも、圧倒的にスピーディで自由度が高いという利点があります。会議のファシリテーターや講師になる事が多い人は、持っておくと便利です。ホワイトボードが映るポジションを決めておくと強力なツールになるでしょう。

スキャナー

スキャナー機能は、今やスマートフォンのアプリでも使いやすいものがあるので不要になりつつありますが、A4サイズの書類を綺麗に取り込みたい場合などでは、やはりあった方が便利です。また、プリンターとセットになっている製品も販売されているので、スキャナーの他にプリンター機能も欲しい方にはおすすめです。。

テレワークの環境づくりに必要なツール

物理的な作業場ができただけでは、テレワーク環境が整ったとは言えません。

会議や情報共有できる仕組みだけでなく、支払、契約、勤怠管理といった社内外の手続きが遠隔でもできる状況にするべきで、それらができるツールを導入・配備する必要があります。

具体的にどのようなツールがあるか、以下に紹介します。

オンラインストレージ

業務で作成するファイルが個人のPC内で塩漬けにならないよう、クラウド上に共用のファイル保管場所を作る必要があります。例としてGoogleドライブやMicrosoft Teamsなどが挙げられます。

雑多なファイル置き場にならないよう、フォルダの階層やファイル名の付け方にルールを決めて、メンバー間で快適にファイル共有ができるようにしましょう。

各種システム

テレワークをきっかけに業務のやり方を大きく変えるのなら、良い機会なので業務の効率化まで図りたいものです。会議や様々な手続きを行うツールによって、それが実現できるかもしれません。

Web会議システム

ZoomやWebexに代表される会議システムは、テレワークでコミュニケーションを取るのに必須のツールです。

Zoomは独自の圧縮技術による接続の安定性、Webexはセキュリティの高さ、とそれぞれ強みがあります。ひとつのミーティングで少人数グループに分けるブレイクアウトセッションができるツール、できないツールなど、機能のバリエーションも様々です。

それゆえ、メインで使用する会議システムを決める際は、使いたい機能を検討の上、選択することをおすすめします。

ビジネスチャットシステム

LINE for businessやSlack、Microsoft Teamsなど、ビジネスで使えるチャットシステムがあります。

これらのツールは、相手と会話のような雰囲気でコミュニケーションをとれるので、スピーディなやり取りを行う場合に便利です。また、チャットに乗せてファイルを送ることもできます。

メンバーとのコミュニケーションにメール・チャット・Web会議システムのどれを使うかは状況次第ですが、ファイルの保管方法、指示伝達の出し方、対外的なやり取りについてルールを決めておきさえすれば、どれも便利なツールとなるでしょう。

電子契約システム

顧客と契約を結ぶ場合も、今では相手との対面は不要になりました。システムを介して契約締結や契約書の管理もできるようになったのです。

契約情報を登録すれば、期限切れや更新に関するアラートを発する機能もあり、トラブル回避に役立ちます。

また、契約書類がシステム上に一元管理されるので、契約管理担当者はどこにアクセスすれば文書を閲覧できるかが一目で分かりやすくなります。検索機能もあり、探す手間も省け、効率的です。

勤怠管理・在席管理・プロジェクト管理システム

出社すればタイムカードで出勤管理できますが、テレワークが前提になるとそれも困難になります。業務開始のサインはメールやチャットを送らない限りは入ってこないので、仕事をしているのかどうか把握しにくいです。

また、途中まで個人で作業をして、あるタイミングでそれぞれの成果物を合わせていくようなチームワークを行っていると、誰がどこまで実行したか分からず動きにくいということがよくあります。テレワークになるとメンバー間のコミュニケーションが取りにくい分、プロジェクト管理が難しく感じられるでしょう。

こうした悩みに対してはクラウドを活用したソリューションが提供されており、効率的な管理を行いやすくなりました。

例えば、勤怠管理・在籍管理システムとしては、社員ひとりひとりのPCのキーボードを打つ回数やアプリの稼働状況を検知するものがあります(パーソルプロセス&テクノロジー株式会社のMITERAS仕事可視化など)。

プロジェクト管理システムに関しては、ガントチャート等が容易に作成でき、メンバー間で共有できるタスク管理ツールがあります(株式会社ヌーラボのBacklog、株式会社 アジャイルウェアのLychee Redmine等)。

セキュリティーシステム

全てがインターネット経由になるテレワークでは、ハッキング等、サイバー攻撃に対するセキュリティが必要です。

サーバー攻撃の高度化やウイルスなどを内包したマルウェア検知の困難化を背景に、今やインターネット上のことは、その安全性を全て疑い、確認すること(ゼロトラストセキュリティ)が必要とされています。

テレワークを行う上で、セキュリティレベルの高い体制を構築することと、従業員への教育は欠かせません。

セキュリティ確保の方法としてVPN方式、仮想デスクトップ方式、リモートデスクトップ方式などが挙げられます。総務省が公表している「テレワークセキュリティガイドライン」には、テレワークのやり方に応じた対策が選択できるよう、チャートが掲載されているので、ご参照ください。

[出典:総務省「テレワークセキュリティガイドライン第5版」]

【最新2022年】テレワーク・リモートワークに役立つおすすめアプリ19選!用途別に紹介

テレワークにおすすめのオフィス環境接続方法

テレワーク現場からセキュリティを確保しつつ会社インフラに接続する方法を4点紹介します。以下の説明のうち、リモートデスクトップ、仮想デスクトップ、クラウド型アプリの3点では、テレワークで使うPCは会社支給だけでなく個人所有のものを使用する場合もあるという前提です。

RDS|リモートデスクトップ

社員各自のPCやタブレット等(端末)からVPN(Virtual Private Network:会社専用回線)接続で会社オフィスにある端末のデスクトップにアクセスし、遠隔操作する方法です。例えば、会社支給のパソコンはオフィスに置いておき、自宅のPCでそれに接続して操作するような方法が該当します。

この方法では、会社が利用しているクラウドには各自の端末から直接接続するのではなく、オフィスのPCを介して接続するので、会社環境と同等のセキュリティが確保されます。また、業務上のデータは会社のPCに保管されることになるので、社員のテレワーク用端末への保管が制限され、データの持ち出しのリスクを下げることが可能です。

一方、接続が重くなったり切断しやすくなったりすることがデメリットです。

VDI|仮想デスクトップ

社員のテレワーク端末からオフィスネットワーク内に作られた仮想デスクトップ(VDI)にVPN接続を行い、そのデスクトップ環境を遠隔操作し業務を行う方法です。

リモートデスクトップが会社に複数置かれた端末のひとつに接続するのに対し、これは接続場所を仮想デスクトップに集約させているという違いがあります。

この方法だと管理対象がひとつの仮想デスクトップだけなので、管理が容易であり、セキュリティレベルも保ちやすいというメリットがあります。

一方、社員全員がひとつの仮想デスクトップにアクセスしたり、ネットワーク越しに画面を操作することになるので、操作が重くなることがデメリットです。また、社内にVDIを構築するための設備投資が必要で、手軽さには欠けると言えるでしょう。

DaaS|クラウド型アプリ

DaaSとは、「Desktop as a Service」の略で、「ダース」と読み、デスクトップ環境をクラウド上に再現するサービスです。VPN接続は行わず、テレワーク端末から直接クラウドサービスに接続し、その中のアプリを使って業務を行う方法です。

この方法だと、オフィスのネットワークを経由しない分、動作が軽くなる利点があります。また、VDI方式とは異なり設備投資不要、使用量に応じたコスト(従量課金制)にすることができ、すぐに使用可能というのもメリットです。

一方、業務がDaaS上のアプリでできることに限られ、自由なカスタマイズができないことや、データを各自のPCに持ち出されるリスクが付きまとうのが、デメリットと言えるでしょう。

そのため、クラウド上のデータが誤って消えたり編集されたりすることのないよう、バックアップ方法やアクセス権限を細かく設定することも重要です。

社内PCをそのまま利用

自宅のPCから会社のシステムに接続するのではなく、会社支給のPCをテレワークでもそのまま使うという方法です。社内インフラやクラウドサービスにはVPN接続でアクセスします。また、業務に必要なアプリがインストールされていれば、ネットにつながらなくても業務を継続できます(スタンドアローン方式)。

この方法は、自由度の高さやオフィス環境の再現性に優れ、かつインターネットにつながらない状況でも業務の継続が可能というメリットがあります。

しかし、会社支給のPCを持ち歩けば紛失・盗難のリスクは発生しますし、データも手元のPCに保管されるので、持ち出される可能性があるのがデメリットでしょう。そのため、盗難・紛失への備えとして、遠隔でもPC内に保存された情報を消去できる仕組みが必要です。

テレワークの環境づくりに活用できる助成金

新型コロナウイルス感染症が流行するより前の平成28年から、日本ではテレワーク推進のための取り組みが政府主導で行われています。これまでに、総務省・厚生労働省・国土交通省・経済産業省の4省連携による政策が薦められてきました。

その中にはテレワーク環境導入を金銭面で補助する制度も含まれています。2022年9月現在において稼働中の補助金制度を以下に紹介します。

いずれも公募期間が決められていますので、随時ご確認ください。

IT導入補助金2022

IT導入補助金とは、中小企業生産性革命事業の中で実施されている「サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金」の通称であり、企業間取引のデジタル化を強力に推進すること目的で行われています。中小企業・小規模事業者等を対象として、ITツールを導入する経費の一部を補助し、業務効率化・売上アップをサポートします。

補助枠は以下の3点です。

  • 通常枠…会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトの導入費用及びクラウド利用費用の一部を補助
  • セキュリティ対策推進枠…所定のサイバーセキュリティサービス利用費用の2年分を補助
  • デジタル化基盤導入枠…PC・タブレット及びその周辺機器もしくはレジ・発券機の購入費用の一部を補助

[出典:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金2022」]

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の通称です。中小企業・小規模事業者を対象に、事業者が中長期的に直面する働き方改革や賃上げ等の制度変更に対応できるようにする目的で、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセス改善に必要な投資資金の一部を支援しています。

補助枠は以下の3点です。

  • 一般型…以下の4つの枠に分かれます。

  1. 通常枠…新製品、新サービスや生産プロセス改善に必要な投資の支援
  2. 回復型賃上げ・雇用拡大枠…前年度の課税所得がゼロである事業者を対象とした事業改善のための投資を支援
  3. デジタル枠…DX(デジタルトランスフォーメーション)に関連する投資を支援
  4. グリーン枠…温室効果ガス排出制限につながる開発や業務改善のための投資を支援

  • グローバル展開型…海外への事業拡大のための設備投資等を支援
  • ビジネスモデル構築型…ビジネスモデル構築の支援者に向けた補助金であり、そのエコシステム内のプレイヤーである中小企業30社以上を束ねた「面」としての活動を支援

[出典:全国中小企業団体中央会「ものづくり補助金総合サイト」]

テレワーク促進助成金

テレワーク推進助成金は東京都の制度であり、都内の中小企業を対象としています。感染症の拡大防止と経済活動の両立のためテレワークを定着させることを目的として、テレワークの導入に必要な機器やソフトウェア等の経費の一部を補助します。

助成枠として、以下の2つのコースが設定されています。

  • 一般コース…在宅勤務やモバイル勤務に必要な機器やソフトウェアの購入、VPN構築、クラウドサービス使用等、テレワーク環境整備に関わる経費の助成
  • 非正規社員拡充コース…非正規社員のテレワークに必要な環境整備に関わる経費の助成

助成率・助成限度額は雇用者数によって異なります。詳細は出典をご参照ください。

[出典:東京しごと財団「テレワーク促進助成金(令和4年度)」]

テレワーク推進強化奨励金

テレワーク推進強化奨励金は、東京都が行う「テレワーク推進リーダー制度」に基づく奨励金です。「テレワーク推進リーダー」を設置した常時雇用労働者数300人以下の都内に本社または事業所を置く中小企業等に対し、最大50万円の奨励金が支給されます。

本奨励金を活用するには、以下の手続きが必要です。

  • 「テレワーク東京ルール」実践企業宣言への登録
  • 本奨励金の事前エントリー登録
  • 東京都が実施する「テレワーク推進リーダー」制度の申請・研修・登録

更に、奨励金を受領するには、都の定めるテレワーク推進強化期間(令和3年12月6日~令和4年12月31日)中、申請企業が設定したテレワーク実施期間に、週3日・社員の7割以上のテレワーク実施実績が必要です。

[出典:東京しごと財団「テレワーク推進強化奨励金」]

人材確保等支援助成金|テレワークコース

人材確保等支援助成金は、厚生労働省による「雇用環境の整備関係等の助成金」のひとつです。テレワークを社内の制度として実行し、雇用環境改善や人材確保について効果をあげた中小企業事業主を助成対象としています。

評価基準は、目標とする離職率を下回ることができるかどうかの基準です。助成を受けるには、テレワーク実施計画を作成し、管轄の労働局に提出し認定を受けなければなりません。

本制度では、2通りの助成金が組まれています。

  • 機器等導入助成…計画に基づいて計画に基づいてテレワークを実施した場合、支給対象となる経費の30%を助成
  • 目標達成助成…離職率が目標値を下回ることに成功した場合、支給対象となる経費の20%を助成

支給対象となる経費には、以下のものが挙げられます。

  • 就業規則・労働協約・労使協定の作成・変更
  • 外部専門家によるコンサルティング
  • テレワーク用通信機器等の導入・運用
  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修

なお、PCやタブレットの購入費用は対象外です。

[出典:厚生労働省「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」]

各都道府県の助成金

テレワーク推進のための補助金支給は、以下のように都道府県や市町村レベルで実施される場合もあります。

  • 愛知県碧南市…碧南市中小企業助成金等申請支援補助金
  • 栃木県…とちぎテレワーク環境整備導入支援補助金
  • 静岡県…令和4年度テレワーク対応リフォーム補助制度
  • 鳥取県…鳥取県障がい者のテレワーク導入支援補助金
  • 広島県…令和4年度テレワーク導入着手支援事業補助金
  • 大分県…ウェルカムくにさき!サテライトオフィス等誘致促進補助金
  • 長崎県佐世保市…中小企業デジタル化支援事業補助金

どの自治体でどのような補助金制度が実施されているかは、J-Net21で検索することができます。ご参照ください。

テレワークに関連する助成金・補助金まとめ!該当基準や申請方法も解説

ひとりひとりに最適のテレワーク環境を整えよう

テレワークは以前からその必要性が説かれていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行やクラウドサービスの登場により浸透し始め、今や人材確保の重要な手段のひとつになりつつあります。

テレワークができない職種もあり、どの会社にとってもテレワークが有益とは言えません。しかし、それができる職種にとっては、従業員を「通勤」から解放し、働き方改革へとつなぐ有効な手段と考えられます。

テレワークができる業種であれば、会社としてそれを推進し、それぞれの作業場で生産性が高まるよう環境を整えていきましょう。

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