バブル世代とは?年齢は何歳?特徴や時代との背景を解説

最終更新日時:2023/08/07

デジタル化

バブル世代とは

いつの時代も世代別に一括りにまとめられます。景気が良く、大企業への就職も容易だった時代と聞くと、バブル世代を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。バブル世代とはどのような年代を指すのか、特徴や時代の背景を解説します。

バブル世代とは何か?

バブル世代とは1965年から1969年に生まれた人たちを指します。1986年から1990年代にかけてバブル景気に沸いたタイミングで社会人になったので、求人も多く簡単に就職できた世代です。

2023年現在では、53〜58歳あたりの年齢になっており、管理職のポジションに就いていたり、退職間近だったりする人が多くいます。

バブル世代という名前の由来

バブル世代という名前の由来は、1980年代後半から1990年前半のアメリカ経済に大きく関係しています。当時、アメリカの通貨であるドルだけが高騰していたことで貿易赤字が生じていました。この状況を改善するために先進5カ国である日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスでプラザ合意を締結しました。

プラザ合意締結後の日本では円高が進み経済は不況に見舞われますが、政府と日本銀行が円高政策をおこないます。結果的に日本に資金が集まるようになると景気が右肩上がりになりました。

資産価値の一時的な高騰とその後の急速な下落は、中身のない泡が膨らんではじけることに例えて「バブル景気」と呼ばれます。その世代に社会人だった人をバブル世代というのです。

【解説】世代用語一覧!年齢・呼び方の由来・世代別の特徴について

バブル世代の時代背景

好景気に沸いたバブル時代は、社会にさまざまな変化がありました。バブル世代の時代背景を解説します。

日本は高度経済成長期

日本は高度経済成長期だったことから、企業は事業を拡大・展開しようと雇用も積極的に拡大していました。有効求人倍率が1.4倍を超えることもあり、バブル世代の人は簡単に就職できたのです。

トップレベルの大学の人に対しては、就活時に食事付きの接待や海外旅行のプレゼントなどを提供していた企業もありました。個人の能力を評価することなく、大量に人材を採用していたのがこの時代の特徴です。

男女雇用機会均等法の施行

バブル景気が訪れると女性の働き方にも大きな変化がありました。1985年に施行された男女雇用機会均等法を機に働き始める女性が増加したのです。これまでの女性は高校や大学卒業後に就職し、結婚したタイミングで退職するのが一般的でしたが、結婚後も夫婦ともに仕事をする「共働き」の働き方にシフトしていきました。

高度経済成長期により企業が大量採用を行っていたこともあり、男性と同じように働くという選択肢が増えたのは、日本経済や社会に大きな恩恵をもたらしたことでしょう。

同じ会社に長く務めることが当たり前

バブル世代が社会人の頃は景気がよかったことから求人も多く、さらに終身雇用を採用している企業が一般的でした。新卒時から定年まで、同じ会社に長く務めることが当たり前だったのです。

安定した雇用と収入を獲得できることは、社員にとって仕事へのモチベーション向上にもつながっていました。そのため、会社に貢献しようと勤務時間外でも仕事の付き合いをするような、愛社精神の強い人が多い世代です。

バブルは崩壊し氷河期世代へ

日本経済の好景気は長くは続かず、バブル崩壊後は株価や不動産の資産価値が一気に暴落し大損失を招いたのです。積極的に人材採用を行っていた企業は、人件費を抑えようと新規採用を減らしたため、有効求人倍率が1を下回るといった就職難が続くことになりました。

長く続いた景気の冷え込みを「氷河」に例えています。新卒者の就職が決まらないことから、フリーターや非正規雇用者といったさまざまな雇用形態が広がったのも、バブル崩壊後のタイミングです。

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バブル世代が持つ特徴

バブル世代は、好景気な時代だったため華やかな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。バブル世代にはどのような特徴があるのかご紹介します。

  • コミュニケーション能力に長けている
  • 会社への貢献意識が高い
  • ハイブランドを好み積極的に消費する
  • 派手なファッションを好む傾向にある

コミュニケーション能力に長けている

バブル世代は、コミュニケーション能力に長けているという特徴があります。その背景としては、社内外の人と食事やゴルフ、麻雀といった接待をすることが多かったからです。このような接待をするのは勤務時間外でしたが、仕事の延長線上に位置付けられており、コミュニケーションを図れる場所として大切にしていた傾向があります。

業務中にはなかなか言えない仕事の話や、相手に伝えたいことを打ち明けられる場だったため、人当たりがよく世渡り上手な人も多いのでしょう。

会社への貢献意識が高い

バブル時代は積極的に終身雇用を採用していた企業が多く、定年まで働き続けられることは社員にとって大きなメリットでした。企業は好景気を機に事業を発展させようとしていたこともあり、積極的に人材を採用していたので、個人の能力以上に雇ってもらえたと考える方も多数います。

そのため、会社への貢献意識が強く長時間働くことに抵抗がなかったため、プライベートよりも仕事を優先する傾向があります。

ハイブランドを好み積極的に消費する

バブル世代が入社した当初は、多くの給料とボーナスをもらっており、若い世代でも多額の金銭を所持していました。なかには、新卒でも100万円以上の給料をもらえる人がいたほどです。

そのため、ブランドや高級サービスを好む傾向があります。収入が多いので、高額なものでも惜しみなく購入できました。高額なものほど価値が高いという認識が強く、積極的に消費行動をする人が多いのもバブル世代の特徴です。

派手なファッションを好む傾向にある

バブル世代は、華やかな景気を象徴するように派手なファッションを好む傾向があります。体のラインが強調されるように作られた洋服の「ボディコン」は、スタイルの良さと華やかさを際立たせます。肩パッドを入れたジャケットやハイヒールは、美しいシルエットを演出するのに最適なファッションアイテムでした。

さらに、メイクもナチュラルよりも派手にするのが主流でした。赤い口紅はもちろん、青いアイシャドウに太くて濃い眉毛といった華やかなメイクは、ファッションと同様に当時の景気を象徴しています。

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社会におけるバブル世代のイメージ

華やかな時代を生きたバブル世代は、社会からどのようなイメージを抱かれているのでしょうか。社会におけるバブル世代の4つのイメージをご紹介します。

  • パワハラへの抵抗が少ない
  • わがままなタイプが多い
  • 氷河期世代に使えないと見下される
  • 他の世代から「ずるい」と思われる

パワハラへの抵抗が少ない

高度経済成長期の時代は昇進や昇格が早かったため、パワハラを受けても我慢して仕事をしていれば、すぐに出世できました。この経験から、バブル世代の人たちは「自分のやり方は正しい」と自信を持っており、部下に自分の考えやプロセスを押し付けるイメージがあります。

バブル世代が部下をマネジメントする立場になった現代では、パワハラ上司になってしまいやすいことが課題でもあるのです。

わがままなタイプが多い

バブル世代はわがままなタイプが多いというイメージを抱く方も多く、その要因としてはバブル全盛期の恩恵を受けながら時代を生きたことが考えられます。

収入が多く、欲しいものは惜しみなく購入できたバブル世代は、消費行動を好む傾向があります。そのため、バブル以前の物不足を経験した世代の人たちからは「甘えている」「我慢強くない」とわがままなイメージを持たれているのです。

氷河期世代に使えないと見下される

バブル崩壊後の新卒者は就職が困難で、就職したくても働けない環境を乗り越えた世代です。倍率の高い仕事を獲得するために、人より専門性の高い知識や資格習得に取り組んできたことから優秀な人材が多い傾向にあります。

このように真面目で前向きな姿勢で就職活動に取り組んできた氷河期世代は、簡単に内定をもらえたバブル世代の楽観的な姿勢を好まず、「使えない」と見下してしまうことがあります。

他の世代から「ずるい」と思われる

バブル以降の世代は好景気を経験していないうえ、高度経済成長期の時代では会社に在籍していれば自然に給料が上がっていたのに対し、今はそんなに簡単に昇給できる時代ではありません。

少子高齢化により医療費や年金の支払い負担額は増え、労働者の減少により市場規模の縮小がさらに進行すると予想されています。この状態が続くと不景気から抜け出せません。先の見えない時代を生きている世代の人たちから「ずるい」と思われてしまうのは、仕方ないことかもしれません。

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バブル以外の世代

バブル以外の世代や特徴についてご紹介します。それぞれの世代の特徴を知ることは相互の理解につながるので、チェックしてみてください。

団塊の世代(1947年~1949年)

団塊世代とは、1947年から1949年に生まれた人のことを指します。戦後のベビーブームにより人口が多く、消費や雇用以外に政府の政策にも大きな影響力を持っています。学生運動も盛んにおこなわれていました。

戦時中や戦後の物がない不況な時代を乗り越え、バブル景気の頃は働き盛りである40歳前後で日本経済の右肩上がりも体験している世代です。

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新人類(1960年代)

新人類は1960年代生まれの人たちを指します。団塊の世代がおこなっていた学生運動は勢いが衰え、政治的な熱が冷めた世代です。「新人類」という言葉は、日本の経済学者・評論家である栗本慎一郎が作り出しました。この時代にはこれまでにはなかった考え方を持つ人が多くなったことから、このように呼ばれています。

子どもの頃に高度経済成長期を経験しているため、物不足を経験してきた団塊の世代からは「甘えている」「忍耐力がない」などと言われる傾向があります。

就職氷河期世代(1971年~1982年)

就職氷河期世代は1971年から1982年に生まれた世代を指し、バブル崩壊後に長い不景気と就職難を経験しています。正規雇用だけではなく、契約や派遣といった非正規の雇用形態も増えた時代です。

就職できても、人件費削減のためリストラされてしまう人も多かったことから、危機意識が強い特徴があります。

華やかなバブル景気を生きた世代とは真逆の時代を生き抜いたため、「バブル世代とは合わない」と考える人が多い傾向です。

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団塊ジュニア世代(1971年~1974年)

団塊ジュニア世代は1971年から1974年に生まれた人を指します。就職氷河期世代とも重なっている世代です。

団塊世代の子ども世代にあたることから人口が多く、第二次ベビーブームとも呼ばれているのが特徴的です。

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ゆとり世代(1987年~2004年)

ゆとり世代は1987年から2004年に生まれた世代を指します。以前までの詰め込み教育から、授業時間を削減した「ゆとり教育」に変わったことからこのように呼ばれています。

長時間働くのが美徳とされていた世代とは異なり、ワークライフバランスを重視する傾向があるので、上司の飲み会を断る人も目立ちます。高級品志向ではないこともバブル世代と大きく異なる特徴でしょう。

スマートフォンの普及にともないSNSの利用者数も増加し、インターネット上での横のつながりや共感を大切にしています。

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ミレニアル世代(1980年~1990年)

ミレニアル世代は1980から1990年代前半に生まれた人たちで、2000年代に社会人あるいは成人になった世代を指します。ミレニアルという呼び名は、西暦の1000年単位をあらわす「Millennial」という英語に由来しており、別名「Y世代」とも呼ばれている世代です。

ゆとり世代とほぼ同じ時代を指しますが、生まれた当初からインターネット環境があったため、ITリテラシーに長けています。

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Z世代(1995年~2010年)

Z世代は1990年代半ばから2010年代前半までに生まれた人を指し、Y世代に続くことからこのように呼ばれています。

生まれた当初には自宅にパソコンが普及しはじめたデジタルネイティブであり、ミレニアル世代よりもさらにITリテラシーが高いのが特徴的です。

SNSでの情報収集だけでなく発信も得意としており、インターネット上での人とのつながりに長けています。

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バブル世代とは1965年から1969年生まれの総称

バブル世代とは1965年から1969年生まれの人を指し、華やかな時代を過ごした世代で消費行動を好んだりコミュニケーションに長けていたりする特徴があります。戦時中の物不足を経験した団塊の世代や、好景気を経験していない就職氷河期以降の世代からは、ネガティブなイメージを抱かれてしまうことがあるでしょう。

バブル世代以外にも、団塊の世代や新人類、就職氷河期世代、団塊ジュニア世代、ゆとり世代、ミレニアル世代、Z世代などのさまざまな世代にまとめられます。

生き抜いてきた時代が異なるからこそ、それぞれの時代背景や特徴を理解し価値観の違いを受け入れることで、働きやすい環境を構築することが可能になります。今回ご紹介した世代の特徴を参考にし、相互の理解を深めていきましょう。

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