ゆとり世代とは?いつから?年齢や共通する特徴・仕事で接する際のポイント

2022/09/24 2024/04/05

デジタル化

ゆとり世代とは

何かとマイナスな印象を持たれやすいゆとり世代。この世代の人たちは、どのような特徴があるのでしょうか。本記事では、ゆとり世代に該当する年齢や共通する特徴について解説します。仕事をする上での接し方のポイントも紹介するので、ゆとり世代とのコミュニケーションに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約

・ゆとり世代は、2000年代初頭に行われていたゆとり教育を受けて育った年代を指す言葉
・従来の詰め込み型教育から個々の個性を伸ばすためにゆとり教育が生まれた
・ITリテラシーが高く、ワークライフバランスを重視する傾向があるなどの特徴がある

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ゆとり世代とは?

ゆとり世代とは、それまでの詰め込み型の教育とは異なり、学習内容の削減や週休2日制の採用など、ゆとりを持った教育を受けて育った世代を指します。

このような教育方針から、自分の好きなことや興味のあることへの関心が強く、他人と比べることが少ない人が多い傾向にあります。

ゆとり世代の年齢

ゆとり世代は、2000年代初頭に行われていたゆとり教育を受けて育った人たちのことです。1987年4月2日〜2004年4月1日までに生まれた世代であり、年齢でいうと20~37歳(2024年時点)の人が該当します。

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ゆとり世代が生まれた時代背景|ゆとり教育について

ゆとり教育は、知識を重視する詰め込み型教育への批判が多くなったことを契機に誕生した教育方針です。個人の学習ペースに合わせて授業を進めていくのが特徴で、子どもが自ら学び考える力を育むことを目的としています。

具体的な方針としては、以下の4つが掲げられています。

  • 豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚の育成
  • 多くの知識を教え込む教育を転換し、子どもたちが自ら学び自ら考える力の育成
  • ゆとりのある教育を展開し、基礎・基本の確実な定着と個性を生かす教育の充実
  • 各学校が創意工夫を生かした特色ある教育、特色ある学校づくり

[引用:文部科学省「新しい学習指導要領の主なポイント(平成14年度から実施)」]

それまでの詰め込み型とは異なり、子どもの個性を大切にしながら豊かな人間性を養うことに重きを置く教育方針といえます。しかし、ゆとり教育による学力低下が指摘されたことから、2011年以降は「脱ゆとり教育」へと方向転換することになりました。

スーパーゆとり世代とは

スーパーゆとり世代とは、1995年に生まれた人たちのことを言います。ゆとり世代のなかでも、小学校から高校までのすべての期間をゆとり教育で過ごした唯一の人たちであることから名づけられました。そのため「フルゆとり世代」と呼ばれることもあります。

スーパーゆとり世代の特徴として、デジタルツールの習熟度の高さが挙げられます。一方で、人とのコミュニケーションの取り方や社会との接し方が従来とは異なると指摘されることもあるようです。

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ゆとり世代とさとり世代の違い

さとり世代とは、物欲や出世欲がなく、生きていくうえで最低限必要なものだけあればよいという価値観を持つ世代です。物事に対して欲や執着を持たない様子が、悟りの境地に至った僧侶のようだということから、さとり世代と呼ばれるようになりました。

ゆとり世代と共通する部分が多い一方で、さとり世代はより合理的に考える傾向があります。そのため、世の中の意見に左右されず、自分に必要なものはシビアに意思決定を行うのが特徴とされています。

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ゆとり世代に共通する特徴

ゆとり教育を受けて育ったゆとり世代には、どのような傾向が見られるのでしょうか。ここでは、ゆとり世代に共通する特徴を紹介します。

仕事とプライベートの両方を重視

週休2日制と授業時間の短縮により、学校以外の時間を多く持つことができたゆとり世代は、学生時代から趣味などの自分の時間に比較的多くの時間を費やすことができました。

そのため、社会人になった後も、仕事だけに忙殺されるような日々の過ごし方は好まず、きちんとプライベートの時間を確保したいという思いを持っています。

ワークライフバランスを大切にする傾向は、ゆとり世代の仕事への取り組み方へも影響を及ぼしています。残業や休日出勤を極力行わず、指示された仕事を時間内に終わらせることを重視する働き方が、ゆとり世代の特徴のひとつと言えるでしょう。

多様性への意識が高い

ゆとり教育では、子供たちが持つ個性を尊重し、独創性をのばす教育が行われてきました。

自分の個性が尊重されると同時に、自分と違った他者の個性も尊重する環境で育ったため、ゆとり世代は多様性に対する意識が高く、マイノリティに対しても寛容な姿勢を示す傾向にあります。

また、LGBTQを発端としたマイノリティの人権に関するムーブメントが世界規模で起こったこともあり、多様性・包括性のある社会のあり方にも関心が高いという側面が見られます。

人間関係を大切にする

ゆとり世代が幼少期〜10代を過ごした時代は、共働き世帯の増加や核家族化、地域コミュニティの弱体化が進んだ時代でもあります。そのため、子供が1人で過ごす時間が増えた時代とも言えるでしょう。

2000年代に入ると、mixiやFacebookなどのSNSが続々と普及していき、簡単にオンラインで人とつながることができるようになりました。

1人で過ごす時間が多かったゆとり世代は、オンライン上のつながりを介して、同じコミュニティーに属する者同士の仲間意識を強め、横の関係性を広げることができた世代とも言えます。

また、競争や差別の少ない環境で過ごしたことで、他者に対する思いやりが育まれ、相手の気持ちを尊重することが自然に身についていったのです。

繊細な心を持っている

子どもたちの個性が尊重される教育を受けてきたゆとり世代は、他の世代と比べて叱られる機会が少なかった世代と言えます。そのため、繊細な一面があり、ストレス耐性が低い傾向にあります。

例えば仕事で上司などから叱られた際に、必要以上に重く受け止めてしまったり、感情のコントロールが上手くいかなかったりすることがあるでしょう。

このように、些細な出来事や他者からの言動をきっかけに、精神的に病んでしまったり、離職につながってしまったりするケースもあるのです。

協調性がない人が多い

ゆとり教育においては、画一的な集団行動を強いることはできるだけ避けられ、それぞれの持つ個性による自由な意思決定を尊重していました。

そのため、ゆとり世代の人たちは、自分の好きなことや興味のあることを優先する傾向にあります。自分の価値観を大切にしているがゆえ、他人からすると協調性が低いと見られてしまうことがあるようです。

自主性がない人が多い

競争社会が人格形成にもたらすポジティブな点として、自主性や意思決定能力の強化があげられます。一方で、それぞれの意思決定に優劣がなく、どのような判断をしても一様に褒められる状況下で育ったゆとり世代は、自主性がない人が多いとされています。

最低限やるべき仕事はするものの自主的に動くことは少ないため、指示待ちが多いと思われることもあるでしょう。

転職することに抵抗がない

ゆとり世代の多くは、それぞれの意思決定を尊重する教育方針の中で育ちました。そのため、自分に合わないと感じた仕事を辞めることに躊躇はなく、転職に対してもほとんど抵抗を感じることがないとも言われます。

また、終身雇用で働くという意識が希薄化していることも関係しているでしょう。生まれた時から日本は不景気だったため、企業の倒産やリストラによる失業は他人事ではありませんでした。

このような状況で育ったゆとり世代にとっては、「今」自分のためになる仕事をすることが最も大切と考える傾向もあるようです。

自分のアイデアを大切にする

創造性を育むために、単一的な「正解」を設けない教育が特徴的だったゆとり教育は、自分のアイデアに自信を持つというポジティブな側面をもたらしました。そのため、仕事においても臆さずに独創的なアイデアを提案することが期待できます。

また、自分のアイデアは他者と違っていて当たり前なのだという感覚によって、他者のアイデアや意見を尊重できるという一面もあるようです。

効率主義的な部分がある

ゆとり世代は物心ついた頃からインターネットが生活の一部となっていた世代であり、高い情報収集能力を持っています。

わからないことはとりあえず検索して調べる習慣が定着しており、仕事や学習、買い物や家事に最も効率的で無駄の無い方法を調べてから行動に移す傾向があります。

ムリ・ムダを嫌い、徒労や失敗をできる限り避けたいという心理から、仕事においては明確な指示や判断基準を求めるのも特徴のひとつです。

プライベートにおいても、コスパ重視・効率重視の消費行動が目立つことも、ゆとり世代ならではの傾向と言えるでしょう。

ブランド志向が低い

ゆとり世代は、自分らしさを重視することから、画一的なイメージを与える有名ブランドに対してはあまり興味を示さない傾向があります。

ブランド志向よりもコスパ志向であるため、より良いものをできるだけ安く購入することのほうが満足度が高いのです。また、ゆとり世代はモノを所有することへの関心も低いことから、車や家具、洋服などのレンタルサービスを利用することにも抵抗を感じない傾向にあります。

ITリテラシーが高い

ゆとり世代は幼少期からインターネットに触れて育ってきたことから、ITリテラシーが高いとされています。デジタルネイティブと呼ばれることもあり、上の世代と比較すると新しいテクノロジーやツールを抵抗なく使用できる人が多いのが特徴です。

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ゆとり世代と仕事で接する際のポイント

ゆとり世代の人たちと仕事で良好な関係を築くためには、どのようなポイントに留意すればよいのでしょうか。ここでは、とくに重要な4つのポイントを紹介します。

褒めて伸ばすことを意識する

絶対評価が当たり前の中で育ってきたゆとり世代は、褒めてのびるタイプの人が多いことが特徴です。何事も強制されることなく、自分の意思を尊重されてきたため「上から目線」の命令に対して強い不快感を表すことがあります。

また、「失敗」に対する耐性が低いという側面があり、大勢の前で失敗を指摘されたり、修正を指示されたりすることで、強い精神的ダメージを受けてしまうケースもあります。

一度モチベーションが低下してしまうと、なかなか復活しにくい傾向にあるため、まずは「何事も肯定してから」を基本姿勢に接しましょう。

ネガティブな指摘や差し戻しなどを行う際は、会話の前後にポジティブな要因を挿入し、ネガティブな印象を和らげる「PNP法」を使うのも効果的です。

適度な距離感を保つ

ワークライフバランスへの意識が高いゆとり世代は、仕事とプライベートの線引きをはっきりしたいと考える傾向にあります。そのため、周囲の人に対して自分のプライベートな話をすることに抵抗がある人も少なくありません。

もちろんなかには個人的な話をしたい人もいるかもしれませんが、最初から踏み込んだ話題をするのは避けましょう。ゆとり世代と接する際は、プライベートには干渉せず、ほどよい距離感を保つことが大切です。

業務内容や目標は具体的に伝える

ゆとり世代は、合理的な考え方を持つ人が多い傾向にあります。そのため、業務内容や目標については具体的に伝えることが大切です。

あいまいな指示や説明は非合理に感じられ、モチベーションを下げてしまう原因にもなるでしょう。業務の指示を行う際は、仕事の進め方や納期、その業務の必要性なども伝えるように意識することが求められます。

IT関連の仕事を任せてみる

PCなどのデジタル機器の扱いに慣れ親しんだゆとり世代には、IT関連の仕事を任せてみるのもおすすめです。

仕事に対して作業内容が明確であること、自分のアクションに対するスピーディーで直接的な反応が感じられることを重視する傾向にあることからも、IT関連の仕事に対する適性が高いと考えられます。

ゆとり世代が活躍できる職場とは

ここでは、ゆとり世代が活躍できる職場の特徴を紹介します。

ワークライフバランスを保てる

ゆとり世代の人たちは、仕事とプライベートのバランスを重視する傾向にあるため、ワークライフバランスを保てる職場が適しています。具体的な取り組みとしては、労働時間の削減が挙げられるでしょう。

時間外労働や休日出勤をなるべく減らすためにも、業務フローの見直しを行い、業務効率化や業務負担の軽減を図ることが大切です。

ワークライフバランスとは?定義やメリット・使い方や取り組み事例を解説

キャリアアップのチャンスがある

ゆとり世代は他者との競争を好まない一方で、自身のキャリアアップにつながる機会を求める傾向があります。不景気な状況の中成長してきたこともあり、将来への備えとしてキャリアアップを図りたいと考える人が多いようです。

社内研修はもちろん、外部研修の受講費用の補助などを行うことで、キャリアアップの機会があることをアピールできるでしょう。

多様な働き方を実現できる

ゆとり世代は、多様な働き方を実現できる職場を好む傾向にあります。具体的には、フレックスタイム制やテレワーク制度などの導入が有効です。

また、副業や兼業を認めることで、キャリア形成に積極的なゆとり世代へのアピールにつながります。

テレワークとはどんな働き方?日本の現状や導入メリットをわかりやすく解説

ゆとり世代と関係の深い前後の世代

ゆとり世代に表れる特徴は、他の世代からの流れを受け継いでいたり、共通項も多く見られます。

ここでは、特に関係の深い2つの世代の特徴をみていきましょう。

プレッシャー世代

プレッシャー世代とは、バブル崩壊後の就職氷河期後の1982〜1987年に生まれた世代を指します。就職に苦しむ上の世代を身近に感じた経験から、同じような苦労は避けなければならないという大きなプレッシャーを負いながら育った世代です。

「自分の人生は自分の力で切り開いていくのだ」という自立心が早くに芽生え、絶えず自己研鑽に励んできたことで育まれた強い忍耐力と精神力が特徴と言われます。

失敗が許されない学歴社会の流れを受けている世代であり、随所にゆとり世代と真逆の傾向を見て取ることができます。

プレッシャー世代とは?年齢や特徴・他の世代との違いについても解説

しらけ世代

しらけ世代は、団塊世代とバブル世代の間にあたる1950〜1964年に生まれた世代を指します。しらけ世代は、当時全国で活発に行われていた学生運動が終焉していく様子を見て育ちました。

日本の将来を憂い、大義名分を掲げて闘った多くの学生の命が失われていく様子を目の当たりにしたことで、闘うことに無意味さを覚え、何事に対しても無気力・無関心となってしまったとされる世代です。

そのような冷めた態度から「しらける」という言葉をとって「しらけ世代」と呼ばれるようになりました。しらけ世代を象徴する「無気力・無関心・無責任」は三無主義と呼ばれ、そこに無感動、無作法が追加されることもあります。

「アツくなる」理由がないことから、すべてにおいて傍観者のように振る舞う点や個人主義的な姿勢など、ゆとり世代と似ている点が多いとされる世代です。

しらけ世代とは?一般的な定義や年齢・特徴・背景について解説

ゆとり世代の特徴や接する際のポイントを押さえておこう

本記事では、ゆとり世代の特徴や仕事での接し方のポイントなどを紹介しました。ゆとり世代と上手くコミュニケーションを取り、良好な関係を築くには、その特性について理解を示す姿勢が求められます。

ネガティブな面ばかりを見るのではなく、ITリテラシーや独創性の高さといった優れた点を活かせるよう配慮することを心がけましょう。

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