さとり世代とは?年齢や特徴は?ゆとり・つくし世代との違いも解説

記事更新日:2022/09/24

デジタル化

さとり世代のビジネスパーソンのイメージ

さとり世代とは、1980年代後半から1990年中ごろの間に生まれた世代のことを指します。不景気という厳しい社会を経験してきたため、堅実な方が多い世代です。本記事では、そんなさとり世代について、年齢や特徴、ゆとり・つくし世代との違いまで詳しく解説していきます。

さとり世代とは?

物欲や出世欲などの欲がないことを特徴とする世代が、さとり世代です。さとり世代と呼ばれるようになった背景には、人格形成に関わる様々な出来事や要因の存在があります。

まずは、さとり世代と呼ばれるに至った背景や対象となる時代をみていきましょう。

さとり世代の年齢

さとり世代の年代については諸説ありますが、代表的なものが以下の2つです。

  • 1996年〜2005年生まれ
  • 1990年以降生まれ

ちなみに、1987年〜2004年の期間に生まれた世代は「ゆとり世代」と呼ばれています。ゆとり教育を受けてきた世代を意味しており、さとり世代と時期が重なる点が特徴です。

年代で区別できる明確な定義はないものの、ゆとり世代と同じ時代を過ごしながらも異なる特徴を持った世代がさとり世代であり、2022年時点での年齢が18歳から35歳の人々が対象と言われています。

さとり世代の由来

さとり世代の名前の由来は、「物事の真の意味を知ること・気づくこと」を意味する「悟り」です。

仏教の世界では、心の迷いが解け、世の中の真理を会得することを「悟りを開く」と言います。悟りを開くことで、煩悩から解き放たれた安らぎの境地に到達できる、という考えです。

欲や執着を持たず「世界とはこういうものだ」と考え、堅実な人生を歩もうとする姿勢が境地に至った僧侶の姿と重なり、さとり(=悟り)世代と呼ばれるようになりました。

さとり世代が生きてきた時代背景

生まれ育った環境は、人格形成に大きな影響を及ぼします。僧侶のように欲がないとされるさとり世代ですが、そうした考えを形成した一因に、生まれ育った時代背景が挙げられます。

まずは、1990年以降に起こったバブル崩壊です。企業の破綻が相次ぎ、失業者は増加し、求人倍率は低下するなど、日本が不況の波にのまれた時代にさとり世代は生まれ育ちました。

そして、幼少期から青年期にかけて、1995年の阪神淡路大震災、2009年のリーマンショック、2011年の東日本大震災といったように、次々に厳しい現実を目の当たりにしてきたのがさとり世代です。

不安定な世界の中で育つことによって、「人生とは自分の思い通りにいくものではない」と早くから一種のあきらめを抱き、大きな夢や野望を持つ意欲を削がれてしまった人たちが一定数存在します。

このような時代に生まれ育ったことで、多くを望まず、穏やかで安定した生活基盤と人生を求めるようになったのがさとり世代といえるでしょう。

さとり世代の特徴

未成年の時期に社会の厳しい現実に直面してきたのが、さとり世代です。ここからは、さとり世代の主な特徴をみていきましょう。

デジタルネイティブである

さとり世代が成長する過程は、日本社会がデジタル化していく黎明期とちょうど重なります。

幼少期から10代の頃にWindows 95の発売(1995年)や「iモード」の登場(1999年)を経験したさとり世代にとって、デジタルデバイスが身近にあることはごく自然なことです。

そして、スマートフォンやタブレット端末、Apple Watchなどのウェアラブル端末など、ハードウェアが進化するのと並行して、〇〇テックと呼ばれる技術革新が様々な業界で巻き起こりました。

新しい技術やサービスが次々と生まれていくことを目の当たりにして育ったことから、新しい事柄に対する心理的抵抗が低く、意欲的に取り込める特徴を有しています。

そのため、インターネットやデジタル技術を活用し起業したスタートアップ経営者にも、さとり世代にあたる人は多く見受けられます。

コスパや実用性を重視

さとり世代が生まれた時代、日本経済は不況のどん底にありました。贅沢さよりも堅実さを大切にして育ったさとり世代は、ブランドの認知度やステータスよりも、実用性やコスパに価値を見出す傾向にあります。

実用的でコスパのいい商品を購入したいという思いから、まずはネットリサーチで価格や性能、口コミを比較し、検討を重ねたうえで購入する買い物スタイルが定番となっています。

現実主義的な部分がある

さとり(=悟り)世代というネーミングからもわかるように、さとり世代には現実主義的な部分があります。これは、夢や希望を自由に抱く年齢になる前に、すでに厳しい社会の現実が存在したことが理由のひとつと考えられます。

必死に努力を重ねても、「自然や経済の動向によって、夢や希望が潰えるかもしれない」と思うがゆえに、無理をしたり、自らを誇張したりして人生を送ることを好まないのです。

そのため、折に触れて物事に対するドライな価値観が垣間見え、熱血漢な先輩や上司に「冷めている」という印象を抱かれる傾向にあります。

安定した生活を重視

さとり世代は、夢を見ることが悪いと思っているわけではありません。大きすぎる無謀な夢を見た結果、その夢が失敗に終わることを嫌っているのです。

チャレンジ精神がないと感じてしまうかもしれませんが、無駄を嫌うさとり世代は、失敗の確率が高いものに挑戦すること自体、無意味で価値のないことに思えてしまいます。

そのため、堅実に安定した人生を歩むことを好み、ライフスタイルの随所にその傾向が色濃く反映されているのです。

さとり世代の新入社員に対して実施された仕事に関する意識調査でも、「人並みの働きで十分」「(若いうちに)好んで苦労する必要はない」「目指すポストは特にない」など、欲がなく、現実的で安定した生活を望む姿勢が見受けられます。

[出典:公益財団法人日本生産性本部「平成30年度新入社員「働くことの意識」調査結果」]

さとり世代とゆとり・つくし世代の違い

さとり世代と時期の重なるものとして、「ゆとり世代」「つくし世代」があります。ここでは、それぞれの違いをチェックしていきましょう。

さとり世代とゆとり世代の違い

ゆとり世代とは、一般的に2002〜2011年の間に義務教育を受けた世代を指します。この期間は、文部科学省による教育課程の改訂により、「ゆとりある充実した学校生活の実現」を目的に、それまでの教育にかかわる制度や指標が抜本的に改編され、実験的な教育が実施された期間です。

この「ゆとり教育」と呼ばれる教育課程では、生徒たちの競争や差別を無くし、個々の独創性や人間性を重んじた様々な施策が講じられました。そのような教育を受けたゆとり世代は、競争意識が低く、物事に対する執着が低いことが特徴です。

自分の望む安定した人生を送るためなら能動的・意欲的に勉強や仕事に取り組める「さとり世代」に対し、自発性や積極性に乏しく、無関心な姿勢になりがちなのが「ゆとり世代」と言われています。

さとり世代の中にもゆとり教育を受けた人は多いものの、2つの世代を差別化するうえで大きな要因となるのが、将来に対する危機感・不安感です。

さとり世代に比べゆとり世代のほうが、不安定な将来を生きることへの危機感の認識が薄く、「ありのままの自分を尊重し、そのままで大丈夫」という自己肯定感が比較的高い傾向にあります。

[出典:文部科学省「新しい学習指導要領の主なポイント(平成14年から実施)」

さとり世代とつくし世代の違い

つくし世代とは、一般的に1985年以降に生まれた世代を指します。他者との共感を大切にし、人に「尽くせる」ことから、つくし世代と呼ばれるようになりました。

つくし世代も、さとり・ゆとり世代と同様に「個性尊重型教育」を受けて育っています。ただし、より強く「個」に対する尊重が反映されているのが、つくし世代とほかの2つの世代の違いです。

物事の判断基準が「自分」であり、価値基準は「自分らしさ」であるため、あまり世間の常識や価値観に左右されません。そのため、人との繋がり方も独特で、複数のコミュニティに属しながら繋がったり切れたりを繰り返す、ゆるく断片的な繋がりを周囲と持つことが特徴です。

さとり世代と上手に付き合っていくためのポイント

バブル崩壊にデジタル化と、日本社会に大きな変化が起きた時代に生まれ育ったさとり世代は、様々な点でそれ以前の世代とのギャップが大きい世代です。

ここからは、さとり世代と良好な関係を築いていくうえで押さえておきたいポイントをみていきましょう。

精神論で語らない

さとり世代は、無駄を嫌います。そのため、常日頃からどれだけ効率的に、失敗なく目標や指示を達成できるかを考えて行動しています。

「とりあえず自分で頑張って考えてみて」や「気合いでやってみて」などの指示を受け、トライ&エラーを闇雲に繰り返すことは無駄と感じ、モチベーションを下げてしまいます。やるべきことは無駄なく最短距離で達成したいさとり世代は、明確に示された判断基準や手順を好みます。

そのため、きちんとマニュアル化された仕事を与えると、高いパフォーマンスを発揮するでしょう。また、何事に対しても多くを求めない性格であることから、指示内容以上のことを自己判断で進めない傾向もあります。

以上のような傾向から、指示を出したり説明したりする際は、精神論などの感覚的な表現は用いず、要点を絞ってロジカルに伝えたほうがよいでしょう。

些細なことでも褒める

徒労を嫌うさとり世代は、目標達成のためのプロセスにもこだわりを見せます。そのため、結果はもちろん、そこに至るまでのプロセスを褒められると、「自分を見てくれている」「ちゃんと評価してくれている」と感じ、モチベーションを高めてくれるのが特徴です。

一見プライドが高く、完璧主義に見えてしまうことの多いさとり世代ですが、内面は繊細で打たれ弱い部分も存在します。一度モチベーションが下がってしまうと、なかなか戻らないこともあるため、その点は注意が必要です。

仕事上の注意などネガティブな指摘をする場合には、「褒める→注意→褒める」のPNP法を用いることで、注意や指摘を冷静に受け止め、改善に励んでくれるでしょう。

加えて口調においても、命令型よりも提案型を用いることで、「自分のことを考えたうえでアドバイスしてくれている」と肯定的に受け止めてもらえます。

プライベートに踏み込まない

さとり世代は、安定した穏やかな生活を好みます。そのため、仕事とプライベートはきっちり分けておきたいと思う傾向が強く、ワークライフバランスを重視している点が特徴です。

仕事同様、プライベートの生活や趣味においても随所にこだわりを持っていることも多いため、余計な詮索や干渉を嫌う傾向にあります。そのため、過度に仕事と関係のない飲み会やイベントに誘ったり、プライベートな事柄に対して意見したりするのは避けましょう。

仕事は仕事と割り切って効率的に進め、プライベートの時間をしっかり確保させてあげることが、さとり世代と気持ちよく働くポイントです。

さとり世代の次に続く世代

さとり世代以降にも、その時代を反映する特徴を持った世代が生まれています。ここでは、「プレッシャー世代」「ミレニアル世代」「Z世代」それぞれの特徴を確認していきましょう。

プレッシャー世代

プレッシャー世代とは、一般的に就職氷河期世代の少しあとの1982〜1987年頃に生まれた世代を指します。

就職難で苦しむ就職氷河期世代を反面教師にして育ったことで、「自分は就職に失敗しない。自分自身の力で未来を切り開いていく」という自立心が早くから芽生えたことが、この世代の特徴です。

高い忍耐力やコミュニケーション能力を有し、ポジティブな人柄であることが多いことから、逆境下にあっても目標達成に向けて突き進んでいく精神的な強さがあります。

また、デジタルネイティブ世代でもあるため、既存の価値観や常識に縛られず、新しい技術や考えにも柔軟に対応できる点が特徴です。

ミレニアル世代

ミレニアル世代とは、一般的に1980〜1995年頃に生まれ、2000年(ミレニアル)以降に成人した世代を指します。

海外では「Y世代(Generation Y)」と呼ばれています。ITリテラシーが高く、個性・多様性を尊重する姿勢を前世代から受け継ぎ、一層個人主義的な側面が強くなった世代です。

ミレニアル世代は、デジタル技術を積極的に生活に取り入れ、ノマドワーカーやインフルエンサー、FIREなどの、これまでの社会規範にない新しいライフスタイルを生み出しています。

会社や組織に対する帰属意識は、ほかの世代と比べて低い傾向にあります。共感と多様性のあふれるコミュニティの中で、自分らしさや自分の感性に価値を置き、精神的に豊かな人生を構築していくことを望むのがミレニアル世代の特徴です。

Z世代

一般的にZ世代は、1990年代後半〜2010年代に生まれた世代を指し、英語の「Generation Z」をそのまま和訳したネーミングで浸透しています。

さとり世代がインターネット黎明期に生まれた世代であるのに対し、Z世代は生まれた時からインターネットが普及していたため、Z世代こそ「真のデジタルネイティブ」だといえるでしょう。

また、情報収集やコミュニケーションはもちろん、ショッピング、読書、ゲームなど、様々なことをスマートフォンで完結することから、「スマホネイティブ」とも呼ばれています。

前世代から個人主義的な側面を引き継ぎながらも、多様性や包括性に対する意識が一層強まり、社会課題に対して強い関心を持っているのがZ世代の特徴です。

さとり世代の特徴や時代背景を押さえておこう

インターネットが生活の一部となり、日々膨大な量の情報を取捨選択しているさとり世代は、それ以前の世代に比べて情報処理能力が高く、頭の回転が早い世代と言われています。

新しい技術を柔軟に取り入れ、効率的に物事を進めていく姿勢は、仕事に対してもポジティブに働くことでしょう。

さとり世代の人格形成に関わる時代背景や特徴を理解することは、彼ら・彼女らが持つ能力を最大限発揮できる環境づくりに向けた第一歩です。さとり世代への理解を深め、社内の人材が快く働ける職場環境づくりを目指していきましょう。

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