請求書に収入印紙が必要なケースとは?印紙税についても簡単に解説

最終更新日時:2023/08/10

請求書発行システム

請求書の収入印紙

収入印紙は、主に税金や手数料などの徴収を目的に政府が発行する証票です。課税文書に該当する領収書や契約書にも収入印紙が必要とされていますが、請求書発行において収入印紙が必要となるケースはあるのでしょうか。本記事では、請求書に収入印紙が必要な場面や印紙税について解説します。

収入印紙とは

収入印紙とは、税金や手数料を支払う目的で書類に貼り付ける切手型の証票です。

契約書や約束手形など、印紙税の課税対象となる「課税文書」を作成する際は収入印紙の貼り付けが必要とされており、課税文書の作成者には、印紙税法に基づき、収入印紙を活用した納税が義務付けられています。

課税文書に収入印紙を貼り付けた際は、印紙と文書にまたがるかたちで押印する「消印」も必要です。消印は、一般的には「割印」とも呼ばれています。

そのほか、国家試験の受験手数料、免許の交付手数料などの手数料を支払う際にも、収入印紙が使われることがあります。

収入印紙は200円券〜10万円券まで、金額に応じて19種類の券種が発行され、郵便局やコンビニなどで購入が可能です。

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請求書に収入印紙が必要なケース

請求書は、商品の売買で生じた取引金額や業務の依頼による報酬額を確定するために発行する文書です。請求書の発行によって、売掛金未回収のリスクや支払いトラブルを回避するのが目的です。法律にも請求書の発行は義務付けられていません。

請求書は課税文書に該当しないため、基本的に収入印紙を貼る必要はありません。ただし、請求書の記載内容や役割によっては、収入印紙の貼り付けが必要となるケースが発生します。請求書の収入印紙の必要性に関して、以下で詳しく述べていきます。

原則として請求書に収入印紙は必要ない

請求書の発行は法律で義務付けられたものではなく、主に取引におけるトラブルを防ぐことを目的に、商習慣として発行されている文書です。契約書や領収書と異なり、請求書は課税文書に該当しないことから、記載金額に関係なく、請求書に収入印紙を貼る必要はありません。

領収書を兼ねる場合には収入印紙が必要となる

請求書兼領収書として、領収書の役割も兼ねているケースでは、記載金額に応じた印紙税を納める必要があります。

ただし、販売金額が5万円未満、あるいは、金額にかかわらずクレジットカードでの決済、請求書兼領収書をPDFなどの電子データで発行した場合などは、いずれも収入印紙を貼る必要はありません。

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収入印紙で支払う印紙税について

印紙税法では、課税文書の作成者に印紙税の納税義務が課せられます。主な課税文書を以下にまとめました。

  • 企業間で交わした取引契約書
  • 領収書
  • 約束手形
  • 株券
  • 預貯金証書
  • 保険証券
  • 配当金領収証

課税文書に収入印紙を貼らなかった場合、過怠税が課されます。過怠税は、本来納付すべきだった印紙税の3倍の金額が課税されるため、1,000円の印紙税が課税される文書への収入印紙を貼らなかった場合、3,000円の過怠税が徴収されることになります。

収入印紙に押印がなかった場合も過怠税の課税対象となるため、注意が必要です。

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必要な収入印紙の金額

課税額は、課税文書の種類および記載金額によって異なります。領収書と請負契約書を作成した際に必要となる収入印紙の金額を以下にまとめました。

領収書に貼り付ける場合

収入印紙が必要なケースは、現金決済かつ領収書に記載されている金額が5万円以上の場合です。記載金額に応じた収入印紙の金額を以下の表にまとめました。また、記載金額が1億円以上の場合も、それぞれ記載金額に応じた収入印紙が必要となります。

表:収入印紙が必要な額

記載金額税額
5万円未満非課税
5万以上~100万円以下200円
100万超~200万円以下400円
200万超~300万円以下600円
300万超~500万円以下1,000円
500万超~1,000万円以下2,000円
1,000万円超~2,000万円以下4,000円
2,000万円超~3,000万円以下6,000円
3,000万円超~5,000万円以下10,000円
5,000万円超~1億円以下20,000円

領収書以外に貼り付ける場合

課税額は契約書や約束手形など、作成した課税文書の種類によって異なります。今回は請負契約書を作成した場合の収入印紙の額を記載します。

請負契約書とは業務の一部を外注先に委託し、納品物の完成によって報酬を支払う契約を締結した際に発行する契約書です。

1万円以上の報酬が発生する契約を締結した際は、収入印紙の貼り付けが必要であると覚えておきましょう。また、こちらも1億円を超える請負契約を結んだ際は、それぞれ金額に応じた収入印紙が必要となります。

表:請負契約書を発行した際の収入印紙の額

契約金額税額
1万円未満非課税
1万以上~100万円以下200円
100万超~200万円以下400円
200万超~300万円以下1,000円
300万超~500万円以下2,000円
500万超~1,000万円以下10,000円
1,000万超~5,000万円以下20,000円
5,000万円超~1億円以下60,000円

収入印紙を請求書に誤って貼ってしまった場合の対処法

収入印紙は、非課税である文書に貼る必要はありません。不要な文書に誤って貼ってしまったり、誤った金額の収入印紙を貼ってしまうミスが起きることもあるでしょう。

このような場合は最寄りの税務署にて、印紙税の還付手続きをすることができます。手順は以下の通りです。

  1. 請求書に貼った収入印紙を剥がさず税務署へ持参するか郵送する
  2. 税務署で「印紙税過誤納確認申請書」に必要事項を記入する
  3. 印紙税を誤って貼った請求書と印紙税過誤納確認申請書を税務署窓口に提出する
  4. 銀行や郵便局を通じて還付される

重要な点は請求書に間違えて貼った収入印紙を剥がさず、税務署へ持参することです。収入印紙が少しでも破損していると、印紙税の還付が認められません。間違えた場合は請求書や収入印紙に手を加えず、税務署にて必要な手続きを取りましょう。

印紙税の還付が認められた場合は、後日銀行や郵便局を通じて現金が返還されます。

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文書の内容に適した収入印紙の貼り付けが必要になる

請求書は課税文書ではないため、収入印紙の貼付は不要です。ただし、請求書兼領収書として発行し、5万円以上の取引を行った場合は、課税対象となる領収書として扱われるため収入印紙を貼らなくてはなりません。

万が一、収入印紙の貼り付けを忘れてしまうと、本来納付すべきだった印紙税の3倍の税額が、過怠税として徴収されることになるため、課税文書を発行する際には十分注意しましょう。

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