請求業務の基本的な流れとは?発行・受領などの業務フローを解説

最終更新日時:2023/05/29

請求書発行システム

請求業務の流れ

企業間の取引において重要な役割を担うのが、請求業務です。しかし、現行の請求業務フローには数々の無駄な作業があることをご存知でしょうか。そこで本記事では、一般的な企業での請求業務フローをはじめ、請求業務におけるリスクや効率化の方法などについても解説していきます。

請求業務とは?

請求業務とは、企業の資金繰りに関わる重要な業務です。企業が取引先からの契約に応じて、適切な期日までに代金を回収するための一連の業務を意味します。

請求業務はステップが多く手間がかかる上、常に未回収リスクもあるため、効率化が期待される業務分野であるといえるでしょう。

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請求業務の基本的なフロー

請求書発行業務の基本的なフローは、下記の通りです。

  • 請求方法の決定
  • 支払いサイトの確認
  • 請求書の作成・発行
  • 請求書の承認
  • 請求書の送付
  • 入金の確認
  • 請求書の受領

それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

請求方法の決定

請求方法とは、請求金額を確定する処理のことです。企業間の取引では「締め請求」と「都度請求」の2種類の請求方法があります。

締め請求

締め請求は、締め日をあらかじめ取引先と決めておき、一定期間の取引の合計金額をまとめて請求する方法です。「掛売り」や「与信取引」とも呼ばれます。基本的に、毎月取引のある企業や信用性の高い取引先の場合は締め請求を行います。

都度請求

都度請求は、取引するたびに請求書を発行する方法です。締め請求では、締め日まで請求金額を確定できませんが、都度請求の場合は売上の時点で請求金額が確定できます。新規の取引先や、そのとき限りの取引の場合は都度請求を行うのが一般的です。

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支払サイトの確認

支払サイトとは、取引期間の締め日から支払い期日までの期間のことです。たとえば、月末締めの翌月末払いの場合、約30日後に支払いとなります。

これは、最も一般的な支払サイトであり「30日サイト」と呼ぶのが通例です。未払いなどのトラブルを回避するためにも、取引が決まった時点で契約書などの書面に明記し、支払いサイトの確認を怠らないようにしましょう。

請求書の作成・発行

請求金額が確定したら、請求書の作成・発行を行います。請求書の作成には、下記の5つの項目の記入が必要です。

  1. 請求書発行元を明確にする自社情報
  2. 請求明細(商品・サービス名、数量、単価)
  3. 取引金額
  4. 支払期日
  5. 請求書宛先を明確にする請求先情報

請求金額の振込先や振込手数料なども併記しておくと、取引がよりスムーズに進められるでしょう。締め請求・都度請求のどちらの方法においても、締め日を迎えたらできるだけ早く請求書を発行することが重要です。

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発行した請求書の承認

発行した請求書は、取引先に送付する前に社内での承認が必要です。この承認プロセスが担当者不在や確認漏れなどで滞ってしまい、請求業務に時間がかかってしまうという悩みを抱える企業も多くあります。

請求書の送付

発行した請求書の承認がとれたら、取引先に請求書を送付します。請求書の送付方法は、郵送、FAX、メールなどが一般的ですが、請求書の誤送付には注意しましょう。

ミスを避けるためには、請求書の内容や宛先に誤りがないかの再確認が必要です。さらに、請求書を紙で郵送する場合は、印刷してから封筒に宛名ラベルや切手を貼り、封入していくという作業が発生します。取引先の数が多いとこれらの業務が煩雑になることもあるでしょう。

入金の確認

請求書発行後、入金期限までに取引先から入金がされたか確認します。これは、請求額と入金額を照合し、確認ができた請求の入金の消し込みを行う業務です。

支払サイトによって期限が異なるため、入金予定日の度に確認が必要となります。また、入金額と請求額に差異がある場合には、調査をしたり取引先に連絡を入れて調整を行うといった業務が生じることも。

このように、支払い期限までに入金がない場合には督促を行います。、未回収の催促に毎月追われて業務負担が大きくなっている場合には、システム導入やサービス利用を検討するタイミングと言えるでしょう。

請求書の受領

請求書の受領のプロセスは、請求書の受領→経理への回覧→請求内容の確認→帳簿への入力などの会計処理→保管といった一連のステップが必要です。また、これら一連の流れは効率化が難しい業務でもあります。

効率化が難しい要因の一つとして、ペーパーレスが難しい点が挙げられます。これは、郵送、FAX、メールといったように、請求書発行元から送付される請求書には複数のフォーマットが存在するためです。これにより、受領側での効率化対応を難しくしています。

多くの請求業務システムは、発行側の効率化を促進するためのものです。受領側の負担軽減や効率化を目指す場合は、請求書の受領代行サービスの利用を検討してもよいでしょう。

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請求業務で発生しやすい問題点

請求業務で発生しやすい問題点は、主に以下の3つが挙げられます。

経理以外の部署が業務を担う場合

小規模な会社では、営業担当が請求業務を行う場合があります。これにより、営業の本来の業務である新規開拓や、顧客フォローへの時間が請求業務に奪われてしまうのが問題です。

また、経理部と営業部という部門をまたいで経理業務を行うことで、責任の所在が曖昧になってしまったり、代金の未回収への不安から新規顧客の開拓を積極的に行わなくなるといった場合もあるかもしれません。このようなケースでは、少ない人数でも経理業務を回せる仕組みを持つことが重要になります。

横領が起こりやすい請求業務

残念ですが、請求業務の担当者が横領を行うケースは少なくありません。なぜなら、システム化されていない請求業務では、取引の隠ぺいを比較的容易に行うことが可能だからです。

たとえば、請求担当者が取引先に口頭で請求し、請求や入金の記録を残さずに売上を着服するといったことが考えられます。

常に未払いのリスクが存在する

請求には常に未払いのリスクが存在します。特に与信調査を怠った場合、未払いのリスクは高まります。与信調査とは、十分な支払い能力があるか、取引先の信用を調査することです。

過去の取引データに基づく内部調査、取引先に直接問い合わせる直接調査、第三者のデータを使用する外部調査の3通りの方法があります。正確な審査を行うには時間がかかりますが、代行サービスでは与信審査を行ってくれる企業もあります。

請求業務を効率化する方法

ここでは、請求業務を効率化する方法を紹介します。

請求書発行システムを導入する

多くの中小企業では、請求書の発行にエクセルが使用されています。しかし、エクセルではバージョン互換性の問題や、データの蓄積・分析レポートなどに不向きであること、税務処理への対応が難しいといったデメリットがあります。

こうした理由から、一定規模以上の企業ではシステムを導入して、効率的に請求書発行を行うのが一般的です。請求書発行システムを導入することで、経理担当の業務負担やコスト削減、手作業による取引の隠蔽などのリスク回避が可能になるでしょう。

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請求業務サポートサービスを導入する

請求業務のサポートサービスを導入すると、請求書作成から代金回収までが自動化されます。これにより、営業などの他の基幹業務に経営資源を集中できるようになるでしょう。

さらに、代金回収までを行うサービスの場合、取引先から未入金でも代金が保証されるため、未回収リスクの心配をする必要がありません。そのため、新規顧客を開拓しやすくなるというメリットもあります。

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請求業務のフローを見直して効率化を目指そう

企業にとって、売上代金の回収は最も重要な要素の一つです。売掛金が適切に管理されず、未回収が対応されていない状態は非効率であるばかりでなく、黒字倒産につながる恐れもあります。

請求書の発行を始めとする請求業務は手間のかかる経理業務です。時間や人的リソースといった貴重な経営資源を本来の業務に集中させるためにも、システムやサポートサービスなどを導入して請求業務の自動化と効率化を検討してみてはいかがでしょうか。

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