ステップメールの平均開封率やクリック率は?効果を上げる7つの方法も紹介
事前に決めた流れに沿って配信するメールマーケティング手法がステップメールです。本記事では、ステップメールの平均開封率やクリック率について解説します。一緒にステップメールの効果を上げる7つの方法も紹介するので、改善に役立ててください。
目次
ステップメールとは?
ステップメールとは、顧客が資料請求を申し込んだ日や商品の初回購入日などを開始点として、事前に作成したメールをシナリオに沿って順番に配信する仕組みのことです。
例としては、ECサイトなどで商品を購入した際のサンクスメールや、1週間経ったあとに届くレビューのお願いメール、アフターフォローメールなどが挙げられます。
ステップメールについての詳しい説明や、メルマガとの違いなどを下記で説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
自動化されたメール配信システム
ステップメールは、メールマーケティングの一種であり、顧客がメルマガ受信の登録をした日や商品購入日など、特定の日を起点として、事前に作成したメールを自動的に配信するシステムのことを指します。
商品購入直後や商品発送時、発送が完了したときなど、それぞれの段階に応じた定型文が自動で配信されるように設定します。
メール数や配信のタイミングは、顧客の温度感に合わせて自由に設定することが可能なため、クリック率や開封率の向上につながるでしょう。
▷ステップメールとは?基本知識から作り方・活用方法までわかりやすく解説
一般的なメルマガとの違い
ステップメールと一般的なメルマガとの違いは、ステップメールが段階ごとに違う内容のメールを配信するのに対して、メルマガは顧客にとって有益な情報を一斉に配信する点です。
メルマガは、顧客が登録した後にショップのセール商品や新商品情報など、その都度内容を変えて顧客に送信します。一方で、過去に配信したメルマガはさかのぼって内容を確認することができないため、ショップ側が伝えたいすべての情報を配信するにはメルマガは不向きといえるでしょう。
このことから、知っていればお得だけど、知らなくても困らない情報の配信はメルマガで問題ありませんが、知らないと顧客が困る情報はステップメールを使うことをおすすめします。
▷メルマガとステップメールの違いとは?使い分ける方法や併用メリットを解説
ステップメールの平均開封率やクリック率
ステップメールの平均開封率やクリック率は、一体どのくらいあるのでしょうか。自社のステップメールの平均開封率やクリック率と照らし合わせながら確認してみてください。
ステップメールにおける平均開封率
ステップメールの開封率は非常に重要で、開封率が高ければそれだけショップ側が顧客に情報を届けられているということになります。
開封率の計算式は、「(開封数÷有効配信数)×100(%)」で出すことができます。
ある調査結果によると、一般的なメルマガの開封率は約23%であるのに対し、ステップメールは約46%と、メルマガとステップメールとでは約2倍の差があり、ステップメールは顧客全体の半数近くに見られているといえます。
ステップメールにおけるクリック率
ステップメールにおけるクリック率は、インプレッション数(広告が表示された回数)に対して、顧客がどれだけクリックしたかの割合を表す数値です。
一般的なメルマガのクリック率は約3.5%ですが、ステップメールのクリック率は約11%でメルマガの3倍以上という、非常に高い数値を示しています。
ステップメールの効果が高い理由
ステップメールの効果が高い理由として、ステップメールの方が顧客にとって有益な情報を配信するため、満足度の向上につながっていることが挙げられます。
つまり、顧客と関連性が高いコンテンツを、最適なタイミングで送信できているということを示しているのです。
ステップメールは、特定のアクションをトリガーにしてメール配信できるため、顧客の行動と関連性が高く、即時に届けることを想定した内容を準備できることが、高い開封率やクリック率につながっているといえるでしょう。
▷【開封率UP】ステップメールの件名の書き方!具体例も使って簡単に解説
ステップメールのメリット
ステップメールによるメリットを解説します。ステップメールの良いところを理解し、上手に活用していきましょう。
見込み客を育成できる
ステップメールは見込み客を育成できます。
見込み客は、商品がどういったものなのか分からないとなかなか購入に至りません。
しかし、ステップメールを通して商品のくわしい情報を知ることにより、購入後のメリットを理解できるようになるでしょう。この結果として、見込み客の購買意欲を向上させ、商品の購入につながりやすくなるのです。
メルマガ配信の自動化を行える
ステップメールは、メルマガ配信の自動化を行える点がメリットです。メルマガは配信ごとにメールの内容を変更する必要があるため、その手間がかかります。対してステップメールの場合は、既に作成した内容で自動的にメルマガ配信をするのでメール配信業務を効率化することができます。
売上の向上につながる
ステップメールの活用は売上の向上につながります。
ステップメールを最後に配信したタイミングで、同じ商品または別の商品を宣伝することにより、半自動的に売上を発生させることができるのです。
この仕組みには時間をかけて販売戦略を練る必要がありますが、一度構築すれば安定した売上アップが期待できます。
▷おすすめステップメール配信ツール11選!無料あり!機能や料金を徹底比較
ステップメールのデメリット
ステップメールによるデメリットについても理解しておきましょう。ステップメールはメリットばかりではないため、悪いところを把握したうえでの活用が重要です。
作成に手間がかかる
ステップメールの作成には手間がかかるといったデメリットがあります。
ステップメールで成果を出すためには、シナリオの構成や配信のタイミングなど、さまざまなことを考えなければなりません。このことから、配信する前にはステップメールを作成する時間が必要不可欠であるため、注意しておきましょう。
個別の配信ができない
個別の配信ができないこともデメリットの一つです。
ステップメールは、作成した顧客リストを元に一斉配信するシステムであるため、特定の個人に適した情報を配信するのは困難です。
定期的な見直しが必要になる
ステップメールは定期的な見直しが必要です。
メルマガ配信はその都度内容を考えるため、情報のアップデートができますが、ステップメールの場合は時間の経過とともにどんどん情報が古くなってしまうのです。
このことから、過去に作成したステップメールを更新せずいつまでも使い続けると、顧客のニーズとかけ離れたメールを配信し続けることになるため、ステップメールは定期的に内容を更新するようにしましょう。
ステップメールを運用する8つの手順
ステップメールを運用する8つの手順を紹介します。ステップメールはコンテンツだけを作成すればいいというものではありません。
実際に運用していくには、メール本文の作成そのものよりも、しっかりとした事前の準備が重要です。
1.目的を決める
まずはステップメールの目的を決めましょう。
ステップメールを配信する目的は商品の購入だけでなく、セミナーへの参加や資料のダウンロード、新商品紹介などさまざまです。
目的を決めて、目的に合ったシナリオやメール内容を検討することにより、自社が目指すKPIを達成しやすくなります。
2.ペルソナを設定する
目的が決まったら、配信したいステップメールはだれをターゲットにするのかペルソナを設定していきます。
ペルソナを設定して購買行動をシミュレーションすることで、効果的なシナリオがつくりやすくなります。シミュレーションした内容は、エクセルやマインドマップなどのツールを活用してカスタマージャーニーマップを作成し、メンバーと共有しましょう。
3.シナリオを作成する
カスタマージャーニーマップをもとにして、シナリオを作成しましょう。
シナリオ作成では、コンテンツ配信するタイミングやメールの内容を決めたり、ランディングページの選定をしたりします。
「起こしてほしいアクションはなにか」「クリックしてもらいやすいランディングページになっているか」「デザインや内容は適切か」など、自社の目的と照らし合わせながら作成していきましょう。
4.KPIの設定をおこなう
目標を達成するために、判断基準となるKPIを決めましょう。
KPIの設定により、ステップメール配信がどのように利益に影響しているのかを把握することができます。そのため、ステップメールを配信する前には、開封率やクリック率、セミナーへの申込数など、それぞれの項目について目標となる数値を決めておきましょう。
5.ステップメールの内容を作成する
満を持して、ステップメールの内容を作成していきます。
ステップメールの内容は、顧客の興味や関心を引くようなものでなくては意味がありません。特にメールの件名は、メールの開封率やクリック率に大きくかかわってくるため、非常に重要です。
そのため、自社の商品をアピールするだけなく、顧客に読みたいと思わせられるよう、具体的な数字や悩み、興味のあることを件名に入れてみましょう。
6.テスト配信で中身を確認する
配信するメールの内容を決めたあとは、実際にちゃんと届いているか、間違いはないかなど、テスト配信で中身を確認しましょう。
テスト配信は、誤字脱字や不具合の確認以外にも、顧客目線で改めてメールを見られるというメリットがあります。メール全体から顧客が受ける印象、コンテンツは見やすいか、ランディングページへの誘導は適切かなどをチェックしてください。
7.実際に配信する
テスト配信でメールチェックが完了したら、実際に配信します。
配信後にエラーで返ってきたメールは、アドレスの変更があったり間違いであったりするため次の配信までにリストから削除しておきましょう。また、メール配信ツールによっては、メールが届かなかったアドレスを自動的に排除したり、エラーが起きた原因などをレポートにまとめる機能がついていたりするので、手間をかけたくない方にはおすすめです。
8.結果をもとにメールを改善する
実際に配信したあとは、その結果をもとにして効果測定をおこない、メールの改善をしましょう。
事前に設定したKPIの目標数値に対する達成状況を確認し、PDCAを回します。
たとえば、メールの開封率が下がっている場合は、顧客がより興味をもつような件名に変更するなど、開封率が上がるような改善が必要です。
また、メールによってクリック率にばらつきがあるなら、クリック率が良いメールと悪いメールとを比較し、問題点を洗い出して改善すると質の高いメールの作成につながるでしょう。
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ステップメールの効果を上げる7つの方法
ステップメールの効果を上げる7つの方法を紹介します。
KPIで目標とする数値を達成できるよう、それぞれしっかり理解しておきましょう。
1.明確な目的を共有する
ステップメールの明確な目的をメンバーと共有しましょう。メンバーそれぞれが目的を把握していないと、チームとしてバラバラになってしまい、その結果、思った成果が得られなかったといった事態になりかねません。このことから、成果が上がるメールを作成するためには、目標とするKPIの数値を共有し、取り組むことが大切になってきます。
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2.メールの本文で内容を完結させない
ステップメールの本文で内容を完結させないようにしましょう。
メールにすべての情報を載せてしまうと、顧客は「この商品はこういうものなのか」と満足してしまい、そのままメールを閉じてしまうといったことも考えられます。そのため、メールを読んだだけではすべて理解できないようにしておき、詳しい内容を知るためにランディングページへ誘導するのがポイントです。
誘導してランディングページに来てくれた顧客は、商品に興味を持った期待値が高い顧客として選別できるうえ、メールだけでは伝えきれていない内容や商品の訴求をすることが可能です。
3.まとめて改善はおこなわない
ステップメールはまとめて改善しないようにしましょう。まとめて改善をおこなってしまうと、成果があったものとそうでないものの区別がつかなくなってしまいます。
コンテンツや配信時間帯、メールの件名など効果測定をおこないながら一つひとつ改善するのが大切です。
4.提供するコンテンツの質を高める
コンテンツの質を高めることは、ステップメールで成果を出すために非常に重要です。ステップメールは、読者にとって興味があることや必要な情報を提供しなければ意味がありません。
読者が知りたい情報や悩みに対する答えを入れることで、読者は満足感を得られ、結果として企業への信頼につながります。
そのため、ステップメールの内容は定期的にチェックし、最新情報へのアップデートや改善をおこないましょう。
5.MAツールと連携して利用する
ステップメールはMAツールと連携して利用すると効果的です。
MAとは、企業のマーケティング活動を自動化することで、MAツールにはステップメールと連携できるものがたくさんあります。
ステップメールを上手に活用している多くの企業がMAツールを使っており、実際にMAツールとの連携によって精度の高い効果を生み出しているのです。
このことから、ステップメールの配信効果を高めるためには、MAツールの活用が重要なポイントになるといえるでしょう。
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6.システム構築をニーズに合わせる
ステップメールのシステム構築は顧客のニーズに合わせましょう。
ステップメール配信後に顧客からレスポンスがあった場合は、非常に期待値の高い顧客であるといえるため、すぐにでも対応しなければなりません。
顧客の利益となる情報を提供することは、商品の購買につなげ、自社のファンにするための大切な作業です。
7.メールの送信回数とタイミングを把握する
ステップメールの送信回数とタイミングを把握することが大切で、顧客が不快だと感じないように、1日1回を目安にしましょう。
また、ステップメールと同じタイミングでメルマガが届くと、どちらかしか見られなかったり、うっとうしいと思われてしまうなどステップメールの効果が発揮されません。
そのため、ステップメールは送信回数とタイミングに注意してください。
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ステップメールの具体的な事例
ステップメールの具体的な事例を7つ紹介します。
具体的な事例を知ることで、ステップメールについて理解が深まることでしょう。
HubSpot Japan株式会社
HubSpot Japan株式会社は、MAやCRMを提供する、世界的に有名な企業です。
同社では、資料請求を申し込んだ顧客の悩みを解決するため、1本目のステップメールでは顧客が抱えている課題を質問を2本目以降のステップメールでは課題に沿った解決方法を配信するように改善しました。
その結果として、開封率は65%、クリック率は61%という高い成果を上げています。
株式会社電算システム
株式会社電算システムは、クラウドビジネスサポートを展開しています。同社はブログやメルマガで集客する試みで効果が出ていないという悩みを抱えていました。
そこでWebマーケティング施策を改善し、MA機能を用いてステップメールの配信を始めたところ、半年足らずで400件近いコンバージョン数の獲得を達成しています。
株式会社ペライチ
株式会社ペライチは、ホームページ作成サービスを提供している会社です。
約17万人の登録ユーザーに、有料サービスへ加入してもらうための方法としてMAを導入しました。会員登録後から7日ごとにステップメール配信する試みを始め、ステップメールの内容にホームページの作成やコツを入れたことで顧客の信頼につながり、ステップメール開封率は約20%、課金率は5%アップしています。
株式会社ユニシア・コミュニケーションズ
株式会社ユニシア・コミュニケーションズは、Tポイントを活用した店舗集客コンサルティング事業を展開している会社です。
見込み客の定期的なアプローチが課題であったため、MAを導入してステップメールの自動配信を開始しました。
ステップメールの内容に、店舗に多い課題や解決方法についての動画リンクなどを入れた結果、開封率は40%前後となり、効率的なアプローチにつながったのです。
株式会社ALUHA
株式会社ALUHAは、BtoBマーケティングコンサルティング事業を展開している会社です。
同社はステップメールをすでに導入していたものの、手作業もあったため、件数が増えることによる作業漏れの改善が課題でした。
そこでMAを導入して顧客のニーズに合ったステップメールを配信したところ、メール開封率は80%、クリック率は40%という高い実績を上げています。
エコノス株式会社
エコノス株式会社は、企業情報を自動収集する「ListA」を提供している会社です。
自動で顧客フォローができるMA機能搭載のマーケティングツールを導入し、ステップメール配信を開始したところ、開封率は25%、個別に送っているメールの開封率は50%と、数字上でもしっかりとした効果が出ています。
株式会社日立ハイテクノロジーズ
株式会社日立ハイテクノロジーズは、科学医用デバイスや電子デバイスを製造している会社です。
以前はメルマガの配信リストをExcelで管理していましたが、業務効率化のためにMAを導入し、3段階によるステップメール配信を開始しました。
3本目までに配信したリードについてはテレアポをおこない、営業担当者に引き渡すことで、新規顧客の開拓効率化につながっています。
ステップメールのデータを元に改善を重ねることが重要
ステップメールは配信までにさまざまなプロセスが必要ですが、一度作成すればあとは自動で配信できるため、効率的に運用できます。
ただし、ステップメールでより成果を出すには、ステップメールのデータを元に改善を重ね、メールの開封率やクリック率を高めていくことが重要です。
ステップメールのPDCAを回して、自社のKPI目標値を達成させましょう。
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