MAツール導入の流れはこれで完璧!成功させるコツや注意点も解説!
MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入するだけで、必ず営業成績が上がるわけではありません。導入成功のためには、MAツール導入の流れを把握し、しっかり施策を組み立てることが重要です。この記事では、MAツール導入のメリットや流れ、失敗例・注意点や成功のコツについて詳しく解説します。
目次
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?
MAツールを取り入れてビジネスのあらゆる業務の効率化を図る際には、MAとはどのようなものなのか理解を深めておくことが非常に大切です。
MAツールとは、営業やマーケティング、プロモーションなどの業務を自動化できるITツールの一つです。あらかじめ配信すべきプロモーション施策を決めておくことで、マンパワーに頼らなくても膨大な量の顧客に対して商品やサービスのセールスが可能になります。
気になるMAツールの導入費用
結論からいうと、必要なコストはケースバイケースです。完全に無料で始められるシンプルなものもあれば、高いコストはかかるものの多機能でさまざまなサービス・サポートが充実しているものもあります。
費用構成の例として、導入の初期費用として単発で初月20万円、ランニングコストとして、月10万円+オプション利用月5万円の月額合計15万円といった形の費用構成になるのが一般的でしょう。
機能性に優れた製品は別途コンサル費用がかかるケースも少なくありません。取り入れる際には、自社の予算と人的リソースをよく勘案したうえで適した製品を選んでいきたいところです。
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MAツールの導入費用や月額料金の相場は?おすすめツールも合わせて解説MAツールを導入するメリットについて
MAツール導入で得られるメリットとして、以下の5つがあげられます。
- 大量の顧客へ効率的にアプローチできる
- 顧客の関心度を分析できる
- 見込み顧客の育成ができる
- 営業ノウハウの標準化の体制が整う
それぞれ詳細を簡単に説明していきます。
(1)大量の顧客へのアプローチを効率的に行える
1つ目のメリットは、膨大な数の顧客に対してシステムを通じて自動で商品やサービスのプロモーションができる点です。
特にBtoC企業の場合は抱える顧客の数も多いため、手作業で営業するには限界があります。しかし、MAツールによって自動でメール配信やLINEなどでの販促が可能です。
(2)顧客のアクションから関心度を分析できる
2つ目のメリットは、顧客の関心度をチェックできるという点です。MAツールの機能で、メール開封の有無やWebサイトの閲覧履歴からそれぞれの興味関心の具合を割り出すことができます。
例えば、メール開封は1点、そこからLPの閲覧をした場合は2点、問い合わせフォームに訪れた場合は3点、LPの料金ページや導入事例ページを閲覧した場合は4点といった形で、顧客のアクションに対して定量的な数値で評価基準を設定し、関心度の高い顧客を効率的に割り出すことが可能です。
その情報によってプロモーションの内容の品質や精度も高まっていくため、PDCAサイクルを回して施策強化を行っていくペースがより早まるといえるでしょう。
(3)見込み顧客を育成できる
3つ目のメリットは、獲得に成功した見込み顧客の育成がスムーズになる点です。あらかじめプロモーションのシナリオ設計を行っておけば、一人ひとりの興味関心度別に異なる内容のメールを配信するなどの施策を打てます。
これによって見込み顧客の関心をより高めていくことが可能です。手作業でセールスを行わなくても、自然と自社の商品やサービスに興味を持ってもらえる構図が徐々にでき上がっていくというわけです。
(4)営業ノウハウの標準化ができる
4つ目のメリットは、営業活動は、営業マンごとにノウハウが異なっていたりその人しか対応できない案件が生まれてしまったりするなど、属人化が起こりやすいのが課題です。
そんなビジネス課題に対しても効果的にアプローチできるのがMAツールです。ツールではセールスやマーケティングなどの業務を自動化できるため、ノウハウを部署内で統一し、標準化を促します。
▷インサイドセールスにMAツールは必須?導入メリット・効果や活用法を解説
MAツール導入の一連の流れを解説
MAツール製品導入を成功させるための秘訣の一つとして、まずは導入の一連の流れを理解しておきましょう。MAツールを新しく導入する際の流れは、以下の通りです。
ステップ1. 自社の課題の洗い出しを行う
ステップ2. 顧客への営業のフローを整理する
ステップ3. 自社で必要な機能を選ぶ
ステップ4. 自社に必要なツールを選定する
ステップ5. 顧客情報をデータ化する
ステップ6. シナリオやスコアリングを設定する
ステップ7. 関連部署にMAツールの導入を周知・連携する
ステップ8. 運用フローを設定・実施する
ステップ1. 自社の課題の洗い出しを行う
一番最初に行うのは、自社が抱えるビジネス課題の洗い出しです。
- セールス業務が営業マンごとに属人化している
- 抱える顧客が多いため営業が追い付かない
- ホットな見込み顧客の抽出がうまくいかない
このように、抱えている課題をピックアップしていきましょう。そのうえでツールを取り入れるべきか、取り入れるならどのような製品が良いのかを判断していきます。
ステップ2. 顧客への営業のフローを整理する
次に顧客への営業フローを整理しましょう。現段階でどのようなフローで販促・営業を行っているのかを整理し、どのように自動化を図っていくのかを明らかにしていきます。
また、ここで業務フローをまとめることで、課題が新たに見つかることも少なくありません。
ステップ3. 自社で必要な機能をチェックする
製品によって、ツール内で可能なこと・利用できる機能は異なるので、自社に必要な機能をチェックしておきましょう。どの機能を優先するのかといった選択も大事です。
ステップ4. 自社に必要なMAツールを選定する
必要な機能が分かったら、MAツール製品の中から最も自社に適したものを選んでいきます。なお、高機能なものを選ぶと多くの機能を使えて便利ですが、その分使いこなせない可能性もあるので注意が必要です。
▷自社に最適なMAツールの選び方とは?目的や機能など選定ポイントを解説
ステップ5. 顧客情報をデータ化する
MAツールを新規導入する際には、まず顧客のデータ化が必要です。特に、データ化されていない顧客リストや名刺ファイルなどがある場合は、この工程にある程度手間・コストがかかることが多いです。
また、規模が大きい場合は、どこまでデータ化が必要なのか範囲の見極めも重要です。
ステップ6. シナリオやスコアリングを設定する
専任のマーケターや営業担当者などがツール運用担当となり、シナリオ設計やスコアリングの設定を行っていきます。
どのようなアクションをした顧客にどのようなプロモーション施策をかけるのか、細かいオートメーションの仕組みを作るのがシナリオ設計です。
また、スコアリングは、顧客の行動・興味関心別にどのくらいの見込みがあるかを決めていく機能であり、具体的な設定が必要になります。
ステップ7. 関連部署にMAツールの導入を周知・連携する
営業部門やマーケティング部門など、関係する部署にMAツール導入を周知し、定着に向けてさまざまなミーティングや研修を行っていきます。
ただし、最初はなじみがなくMAツールの運用定着には時間がかかるケースも少なくありません。必要に応じてリソースを割き、運用体制の強化は行っていきましょう。
ステップ8. 運用フローを設定・実施する
最後のステップとして、運用フローの設定を行い、実際に運用を開始していきます。運用体制の整備に困ったときは、ベンダーのコンサルに支援してもらうことも検討するとよいでしょう。
また、運用を開始してから改善点も必ず出てきます。1度開始したら終わりではなく、常に最適な運用フローでMAツールを最大限に活用するために、改善点を反映させてPDCAサイクルを回していくことが重要です。
▷MAツール導入後のよくある課題とは?注意点や運用の改善方法も解説
MAツール導入でよくある失敗例
MAツールを取り入れれば、多くの業務の効率化が実現するという大きな期待を寄せたくなるかもしれません。しかし、導入失敗のケースも少なくないため、注意が必要です。
ここからはMAツールの導入でよくある失敗例を5つ挙げて解説します。
(1)高性能すぎて使いこなせない
一番多い失敗例は、MAツールが高機能すぎて使いこなせなかったというケースです。Webトラッキングやスコアリング、オートメーションでのメール配信やSMS・LINEでのプロモーションなど、MAツールではさまざまなことができます。
しかし、便利な機能がそろっている製品ほどコストは高くなるため、使いこなせないとランニングコストばかりが多くかかり、費用対効果が望めなくなるケースも少なくありません。
(2)見込み顧客自体が少ない
リード(見込み顧客)の数が少ないせいで思ったような成果を得られないこともよくあります。MAツールは、多くの顧客データに対してマーケティング施策を自動で実行できる、また分析できるツールのため、リードが少なすぎる場合は、オーバースペックとなり、費用対効果が合わない可能性が高いです。
そのため、保有するリードが少ない場合は、MAツール導入よりも先にリストを充実させることからスタートするのが賢明です。
(3)目標値が曖昧でPDCAサイクルが成立しない
MAツール導入により十分な効果を得るためには、数値で具体化されている目標が必要です。なぜなら、マーケティングオートメーションでは目標達成を目指してPDCAサイクルを円滑に回していくことが、MA成功の鍵になるからです。
「とりあえず便利そうだから」という漠然とした目標で導入しても、目標値が不明確なせいでPDCAサイクルが成立しない可能性が高いので注意しなければなりません。
(4)シナリオが営業フローと一致していない
設定したプロモーション施策のシナリオが本来の営業フローと一致していないために、失敗につながるケースもあります。
営業フローに即してメール配信やスコアリングなどの機能を活用できなければ、マーケティングと営業間の連携もうまく取れず、結果として業務の複雑化を招いてしまいかねません。
マーケティング部門と営業部門で事前に密な連携が取れる体制を構築しておき、戦略に合わせたMAツールの活用施策をブラッシュアップしていくことが重要です。
(5)人が足りなくて運用できない
マーケティングオートメーションの導入時や運用の初期段階では、シナリオ作りなどにある程度リソースを割くことが重要です。どのような施策が顧客の育成につながるのか、シナリオ作りにはしっかりとした戦略のもと試行錯誤が必要になるためです。
しかし、問題として、多くの企業でMAツールを駆使したマーケティング戦略の設計ができる知見を持った人材が確保できない、あるいは、専任の運用担当者を確保できないことが多くあります。
したがって、十分に人的リソースを割けないせいで運用チームを編成できない場合、導入失敗につながることも少なくありません。
▷MAツール導入でよくある失敗例とは?原因や注意点・対策方法をご紹介
MAツール導入を成功させる5つのコツ
マーケティングオートメーションを取り入れるときは、失敗を招かないためにも、これから紹介する5つのコツを意識していくことが重要です。
(1)自社に本当にMAツールが必要かを精査する
製品を取り入れるべきか迷ったときは、本当に必要なのかどうかを明らかにすることが大切です。
例えば、見込み顧客のリストが不十分な場合は、思ったような効果を得ることができない場合が多いため、まずはリストを充実させることから始めるのが重要だといえるでしょう。
(2)目標を明確にしてから導入を行う
目標・目的は前もってわかりやすく設定したうえで導入を行うことも大切といえます。目標値が不明確だと、何を目指して効率化を図れば良いのか目指すべきところがわからず、機能が使いこなせないからです。
「MAツールを導入することで受注率〇倍を目指す」といった目標を設定し、そのためにPDCAサイクルを回していくことが大切です。
(3)事前に運用のためのリソースを確保する
マーケティングオートメーションは、MAツールを導入すれば簡単に実現できるものではありません。少なくとも効果的な運用のために専任担当者を配置する必要はあるため、リソースを確保しておくことは重要です。
必要な人材のリソースが足りない状態で無計画にツールを導入するのは避けましょう。
(4)関連部署を含めた運用フロー・シナリオ精査を行う
運用フローが定まっていないことが原因でツール活用が定着しないパターンも少なくありません。そのため、導入する際には、前もって運用フローについてさまざまなシミュレーションを重ねておくことが重要です。
また、MAツールでは関連部署との連携も重要になるため、部署の垣根を超えたフローの整備やシナリオ精査も必要になってくるでしょう。
(5)事前にトライアルで使用感・機能を試す
MAツール製品の中にはあらかじめトライアル・デモで使用感を試せるものがあります。どのような機能が活用できるのか、操作性はどうなっているのかなどの使用感を把握しておけば、導入することで本当にやりたい施策や目的が実現できそうかどうかが見える部分があるはずです。
使いこなせないという状態を未然に防ぐためには、トライアルは原則として必須と考えておくとよいでしょう。
MAツールを導入・運用する際の注意点
ツール導入時・運用時には、フローを誤らないためにもさまざまな点に注意を払っておく必要があります。ここからは特に注意すべき3つのポイントについて解説します。
(1)短期間で成果を期待しない
マーケティングオートメーションでは膨大な量の顧客に対してプロモーションをかけていくため、運用を始めて数日〜1ヶ月などの短い期間でわかりやすい効果が出ることは少ないです。
そのため、導入後は試行錯誤を重ねながら、成果についてはしばらく様子を見ることも必要です。目先で単にコストだけ増えてしまったからすぐに導入をやめてしまうといったケースは本末転倒なので、中長期の視点で費用対効果を測ることが重要になります。
(2)PDCAサイクルを回す
マーケティングオートメーションでは、何よりも目的や目標の設定が必要不可欠といえます。前の見出しで説明した通り、目標設定なしで一部業務を自動化しても、売上アップなどの結果にはつながりにくいためです。
目標として掲げた数値を達成するためにはどのような施策が必要なのか、適宜PDCAサイクルを回してMAツールの運用方法や営業部門との連携に関して日々細かく改善を図っていくことが重要です。
▷MAツール運用で分析すべき指標って何?効果を最大化するための活用法
(3)必要なセミナーや研修を受講する
MAツールが複雑で使いこなせないという問題は、導入を行った多くの企業が直面する問題の一つです。そのため各ベンダーはその対策として、サポート体制を強化しています。
セミナーや相談会、研修などを積極的に実施してもらえる場合も多いため、必要に応じて受講することをおすすめします。
また、運営会社によっては非常に手厚いサポート体制も含めて利用プランを提供している会社もあるので、導入前には、必ずベンダーのサポート体制や内容について細かく確認することをおすすめします。
目的意識を持ってMAツール導入を成功させよう
MAツール導入に失敗しないためには、目的や目標を明らかにしたうえでさまざまな営業・マーケティングの課題にアプローチしていくことが重要です。目標が不明確なせいで、便利で高機能な製品を導入しても、結果として導入失敗につながってしまうケースは決して珍しくありません。
あらかじめ目標を明確に定めてツールを導入することで、長期的に成果が出てくることには十分期待できるでしょう。自社に必要かどうかをよく考えたうえで、最適な製品を見極めることをおすすめします。
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