ヒエラルキー型組織とは?メリット・デメリットやホラクラシー型との違い

最終更新日時:2023/12/05

組織・マネジメント

ヒエラルキー型組織とは

組織構造は、担当や業務の役割を明らかにして、組織の運営を円滑にするために用いられます。なかでも「ヒエラルキー型組織」は、明確な上下関係に基づいた組織構造です。本記事では、ヒエラルキー型組織の特徴をはじめ、対となるホラクラシー型組織との違いを詳しく解説します。

この記事の要約

・ヒエラルキー型組織では、責任・意思決定が上層部や経営者に集中しているのが特徴
・海外と比べて日本には年功序列の人事制度が浸透しているため、ヒエラルキー型組織が多い傾向
・ヒエラルキー型組織と正反対となる組織形態として、ホラクラシー型組織がある

ヒエラルキー型組織とは?

ヒエラルキー型組織とは、明確な上下関係と役割分担を持つピラミット型の組織形態です。この形態では、意思決定権と責任が上層部に集中し、情報は階層を通じて伝達されます。

多くの企業や官公庁などで採用されており、効率的な指揮・統制が可能ですが、柔軟性や革新性といった面では課題を抱えていることがあります。

ヒエラルキー型組織が日本に多い理由

日本には、「年功序列」による人事制度が浸透していることから、年功序列制と相性の良いヒエラルキー型の組織構造が、大企業を中心に浸透しています。

また、ヒエラルキー型組織は、責任の所在がわかりやすいことに加え、階層化されているため役割分担を明確にしやすく、業務効率が良い点も多くの企業が導入する理由といえるでしょう。

ピラミッド型組織とは?特徴やメリット・デメリット、フラット型組織との違い

ヒエラルキー型組織のメリット

ここからは、日本の風土ならではのヒエラルキー型組織のメリットを紹介します。

責任の所在を明確にしやすい

ヒエラルキー型組織では、階層ごとに明確な責任と権限が割り当てられます。これにより、誰がどの決定を下したのか、どの部署がどのタスクを担当しているのかがはっきりとわかります。結果として、問題が生じた際に責任の所在を迅速に特定し、適切な対応を取ることが可能です。

責任者の明確化は、組織内の意思決定の一貫性を確保し、誤解や混乱を最小限に抑える助けにもなります。

企業理念やトップの決定を全社員に浸透させやすい

ヒエラルキー型組織では、トップからの指示や企業理念が階層を通じて効果的に伝達されます。そのため、上層部の決定や方針が全社員に迅速に浸透し、組織全体の一体感を保ちやすくなるのです。

特に大きな組織においては、統一された指示伝達が組織内の調和と効率を保つうえで重要な役割を果たします。

社員同士の結束が強くなりやすい

ヒエラルキー型組織では、同じ階層に属する社員間での協力と連携が促進されます。共通の目標や課題に取り組むことでチームワークが強化され、社員間の絆や結束力が深まる傾向にあるのです。

また、明確な役割と責任の分担は、お互いの仕事を尊重し合い、助け合う文化を育む効果が期待できます。

ヒエラルキー型組織のデメリット

さまざまなメリットがあるヒエラルキー型組織ですが、反面デメリットがあるのも事実です。ここからは、ヒエラルキー型組織のデメリットを紹介します。

主体性が低くなりやすい

ヒエラルキー型組織は上層部の指示に依存する傾向が強く、社員の主体性や発信が抑制される点がデメリットです。

意思決定が上層部に集中するため、下層の社員は自らの判断や意見を出す機会が少なくなります。これにより、イノベーションや新しいアイデアの発信が難しくなり、組織全体の柔軟性と適応力が低下する可能性があるのです。

主体性の欠如は、社員のモチベーション低下にもつながる恐れがあります。

中間管理職が増えてしまう

ヒエラルキー型組織では、階層が多くなるほど、各階層を管理する中間管理職の数も増加する傾向があります。これにより、人件費がかさむうえに意思決定の過程が複雑化し、組織の効率が低下する可能性があります。

また、多数の中間管理職が存在することで、情報の伝達に時間がかかり、指示の混乱が生じやすくなるでしょう。中間管理職の増加は組織内でのコミュニケーションの障壁となり、迅速な対応や変更が困難になる場合もあります。

​▷ミドルマネジメント(中間管理職)とは?役割や課題・求められるスキル

社員からのアイデアを取り入れにくい

ヒエラルキー型組織では、情報の流れが上から下へと一方通行になりがちで、社員からのアイデアや提案が上層部に届きにくい状況が生じます。この状況は、新しい発想や革新的な変革を推進するうえで障害となり得ます。

特に、下層の社員が意見を述べる機会が限られている場合、組織の進化や成長が阻害される可能性があるのです。社員の意見を積極的に取り入れる文化の欠如は、モチベーションの低下にもつながります。

ヒエラルキー型組織の対義語であるホラクラシー型組織とは?

ヒエラルキー組織とは正反対となる組織構造として、ホラクラシー型組織があげられます。

ホラクラシー型組織とは、役職や階級などで上下関係が一切なく、フラットな組織形態のことです。役職者が存在せず社内の意思決定が分散されるため、ヒエラルキー型組織とは違いスピーディーな意思決定が行えます。また、社員の主体性が向上することもメリットです。

ここからは、ホラクラシー型組織の概要やヒエラルキー組織との違いを詳しく紹介します。

社員の主体性が向上する

ホラクラシー型組織では、指示を出す役職者が存在しないため、社員一人ひとりが自立性と決定権を持ちます。そのため、社員は自分の仕事やプロジェクトに対して主体的に取り組む機会が増え、個々の創造性やイノベーションが促進されます。

このような環境は、社員が自分の強みを生かし、積極的に新しいアイデアや解決策を提案する文化を醸成することが可能です。その結果、自身の仕事へのエンゲージメントや積極性が高まり、生産性も向上するでしょう。

スピーディーに意思決定ができる

ホラクラシー型組織では、社員が自立的に行動し、必要な決定を迅速に下すことができます。

たとえば、業務方針を変更する場合でも社内で一定の賛同を得られれば、すぐにでも変更が行えます。一つの指示系統に依存しないため、社員それぞれが自己の責任の範囲内で素早く行動を起こせるようになるのです。

市場や環境の変化にも迅速に適応できるスピーディーな意思決定は、企業競争力を高める大きな強みとなるでしょう。

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ホラクラシー型組織が向いている企業

ホラクラシー型組織は、組織の体制や体質によっては向いていないケースがあります。ここでは、ホラクラシー型組織が向いている企業について紹介します。

風通しの良い環境が整っている

ホラクラシー型組織は上下関係がないため、意思決定を行う際には社内全体で情報がシェアされる必要があります。この透明性の高い環境によって、社員は自由に意見やアイデアを交換し、多様な視点が尊重されるようになるのです。

このように、ホラクラシー型組織には、組織全体で自由に意見を出し合い協働を促進できる風通しの良い環境が必要です。

能動的な社員が多く在籍している

ホラクラシー型組織が適しているのは、自発的に行動し、主体的に仕事に取り組む社員が多い企業です。

能動的な社員は、自らの意思で新しいアイデアを提案し、積極的にプロジェクトを推進します。この独創性と主体性が、ホラクラシー型組織の柔軟な運営構造の中で活かされ、組織全体の革新と成長を促します。

ヒエラルキー型からホラクラシー型へ移行する注意点

ヒエラルキーからホラクラシーへの移行は、慎重な計画と社員の理解が必要です。ここからは、移行する際の注意点を紹介します。

責任の所在を明確にする

ヒエラルキー型からホラクラシー型への移行では、各社員の役割と責任範囲を明確に定義することが重要です。

移行に伴い、従来の上下関係に基づく指示ではなく、個々の判断と責任が求められるようになります。責任の所在を明確にすることで、社員一人ひとりが自己の責任と役割を理解し、主体的に行動する基盤を作れます。

一部のチームから導入するなどスモールスタートを心がける

ヒエラルキー型からホラクラシー型への移行では、最初に小規模なチームやプロジェクトから導入をスタートしましょう。段階的に導入することにより新しい体系に慣れ、必要な調整を行いながら全体へ展開することが可能です。

これまでヒエラルキー型を採用していた組織では、突然ホラクラシー型に移行すると体制が崩れてしまい、さまざまなトラブルが発生する恐れがあります。スモールスタートは社員への影響を最小限に抑え、組織全体の不安や抵抗を減少させる効果があります。

スモールスタートによって得られたフィードバックや学びを、次のステップへ活用しましょう。

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ヒエラルキー型組織の強み・弱みを理解しよう

ヒエラルキー型組織の強みは、明確な指揮系統と迅速な意思決定にあります。上下関係がはっきりしているため、責任の所在が明確で、組織内の秩序維持が容易です。

一方で、弱みとしては社員の主体性が抑えられ、革新的なアイデアの発信が難しくなる点があげられます。また、中間管理職の増加による人件費の増加や意思決定の遅延、情報の伝達に時間がかかる点も課題です。

これらのヒエラルキー型組織ならではの特性を理解し、自社に合った組織形態を選択しましょう。

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