ミドルマネジメント(中間管理職)とは?役割や課題・求められるスキル

最終更新日時:2023/07/24

組織・マネジメント

ミドルマネジメントとは

マネジメントを行う役職の仕事は、企業や組織の成果を左右します。中でもミドルマネジメントは、上層と下層をつなぐ重要なポジションです。本記事では、ミドルマネジメント(中間管理職)とはどのような役職か、役割から求められるスキル、課題、対策、育成方法などを解説します。

ミドルマネジメント(中間管理職)とは?

ミドルマネジメントは中間管理職と言われ、経営層にあたるトップマネジメント層と、現場にあたるロワーマネージメント層の間に位置する役職です。主に、部長や課長の役職がミドルマネジメントに該当します。担う役割の多さから高度な能力が求められる職種です。

ミドルマネジメントの特徴は、経営層と現場を繋ぐ重要な役割があることです。経営層に対しては部下の成績や現場の声を反映させ、部下には経営層の方針や指示を部下に伝達しながら、管理・育成を行います。上層部と現場の板挟みにあうことがしばしばあるため、広い視野で冷静に物事に対処する力が特に求められます。

トップマネジメント

トップマネジメントは、組織の最上位である経営者層のことを指し、会長・社長・取締役・常務・専務などが該当します。最高経営層とも呼ばれる役職です。

企業の基本方針を定め、経営計画や事業戦略を立案するといった経営の根幹を担い、最終的な成果の責任を負う立場です。高い戦略思考と経営能力が求められるポジションです。

ロワーマネジメント

ロワーマネジメントは現場にもっとも近い立場であり、主に係長や主任が該当しますが、場合によっては役職についていない人が担う場合もあります。

ミドルマネジメントの指示のもと、自身も現場で活躍しながら部下に直接指揮や管理を行います。ミドルマネジメントが打ち出した目標を、限られた人員と予算の中で達成していくポジションです。

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ミドルマネジメント(中間管理職)の役割

ミドルマネジメントには多くの役割があります。この章では主な5つの役割について解説していきます。

トップマネジメントの補佐

ミドルマネジメントはトップマネジメントの経営に欠かせない補佐業務を担います。トップマネジメントの経営判断に欠かせない「経営資源の状況把握とその報告」、トップマネジメントの提示した事業戦略に沿った「実務計画の立案」などは、ミドルマネジメントの役割です。

ミドルマネジメントがより良い補佐をおこなえば、トップマネジメントの示す事業戦略の精度が高まります。そのため、ミドルマネジメントは企業の方向性や理念を深く理解するほか、市場の状況把握や業界の最新動向などといった幅広い情報収集をおこなうことも必要です。

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ロワーマネジメントの管理・育成

トップマネジメントが決めた方針を実現するために、ロワーマネジメント層の管理、育成をおこなうのもミドルマネジメントの役割です。

基本的にはロワーマネジメント層が正しく機能するように進捗管理をしますが、ときには現場に介入し、ロワーマネジメント層をサポートする必要もあります。部下とコミュニケーションをとったり、業務量の調整や計画の変更などの軌道修正を提案したりといったサポートは、ロワーマネジメント層の育成にもつながる仕事です。

ミドルマネジメントがおこなう管理の質が高いと、現場の生産性向上にも効果をもたらし、企業全体の成果の最大化が見込めます。企業の成果を左右しうる重要な仕事です。

役職や部門間の橋渡し役

ミドルマネジメントには、トップマネジメント層とロワーマネジメント層という縦の関係の橋渡し役だけでなく、他部署との横の連携も求められます。ミドルマネジメント同士で部門間を調整し連携をはかることで、企業の業務全体がスムーズになり、生産性向上につながるためです。

さらに、他の役職・部門と関わることで企業全体を俯瞰できるため、組織の新たな問題やチャンスの発見にも結び付く可能性のある重要な役割でもあります。

労働環境の管理

ロワーマネジメント層がストレスなく働けるように、労働環境を管理する仕事もミドルマネジメントの役割です。

従業員の働きやすさや満足度は、組織の成果や生産性に直結します。そのため、ミドルマネジメントは、働きやすい労働環境づくりに取り組む必要があるのです。

部門全体の円滑なチームワークを育むべく、従業員同士のコミュニケーションが取れているか、問題を抱えてないか、注視することが大切です。

プレイングマネージャーとしての活躍

ミドルマネジメントは、マネジメント業務と実務の両方を兼任する場合もあります。その場合、部門やチームの指導・管理を行いつつ、過去の経験を活かして実務をこなし、現場の課題解決や業務の効率化に取り組みます。

プレイングマネージャーは現場感覚を保てるというメリットがある一方で、マネジメント業務に時間がさけないというデメリットもあります。プレイングマネージャーの役割を果たすミドルマネジメントにはバランス感覚が重要です。

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ミドルマネジメント(中間管理職)に求められるスキル

ミドルマネジメントの役割を果たすためには、さまざまなスキルが必要です。ここではミドルマネジメントに必要な主なスキルについて説明します。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルとは、会話を通じて意見を引き出したり、複数の異なる意見をまとめたり、必要な情報を伝えたりする能力のことです。

ミドルマネジメント層は、役職間の縦の関係や、部門内のチーム運営、部門間の横の連携をスムーズに行うことが求められるため、高いコミュニケーションスキルを必要とします。それぞれの考えや価値観を理解し、相手によって伝え方を変えるなど円滑なコミュニケーションを心掛けることが重要です。

業務遂行能力

業務遂行能力とは、仕事をするために必要なあらゆる知識や技術力を指します。ミドルマネジメントには幅広い業務をスムーズに進める責務があるため、高い業務遂行能力が必要です。

具体的にミドルマネジメントに求められる業務遂行能力には以下のようなものがあります。

  • 自社の商品・サービスの知識
  • 自分の果たす役割に関する知識・技術
  • 文章や資料で伝えるための技術
  • コンプライアンスの理解
  • 経営に関する知識 など

論理的思考力

論理的思考力(ロジカルシンキング)とは、複雑な物事を整理して論理的に考える思考能力のことです。

ミドルマネジメントには判断する場面が多くあります。たとえば、トップマネジメント層に報告する情報には取捨選択が必要となり、ロワーマネジメント層の管理・育成の場面でも多くの判断が求められるでしょう。

ミドルマネジメントの行う判断が論理的思考力に基づいていなければ、誤りや隔たりが生じ、大きなトラブルにつながる可能性があります。日頃からの論理的思考力の向上が必要です。

マネジメントスキル

マネジメントスキルとは、モノ、時間、人、組織などあらゆるものを管理・調整する能力のことです。ミドルマネジメントにもっとも必要とされる能力といってもよいでしょう。

ミドルマネジメントには、現場でプレイヤーとして実績をあげることより、組織全体の生産性を上げることが求められます。そのためにも、ロワーマネジメント層を目標達成に向けて先導するスキルを高める必要があるのです。

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リスク管理能力および危機管理能力

リスク管理能力とはこれから起こりうるリスクに対応する能力をいい、危機管理能力は起こってしまった問題に対応する能力をいいます。

ミドルマネジメントの役割として、日々発生するトラブル対応だけでなく、リスクを常日頃から想定し、未然に策を講じておくことも重要です。

さらにロワーマネジメント層にリスクやトラブルの対処法を共有し、リスク管理および危機管理の考え方を浸透させることが将来の育成にもつながるでしょう。

ミドルマネジメント(中間管理職)が抱える課題

ミドルマネジメントには「ワーク・エンゲージメントの低下」と「メンタルヘルスの悪影響」という2つの課題があります。

ワーク・エンゲージメントの低下

ワーク・エンゲージメントとは、仕事に対して活力(生き生きとすること)・熱意(誇りややりがいを感じること)・没頭(熱心であること)の3つの要素がそろった状態をいいます。

ミドルマネジメントは大小さまざまな業務に携わる役職です。質・量ともに大きな責務を負うにもかかわらず評価が得られないと感じ、ワーク・エンゲージメントの低下を招く場合があるのです。

ミドルマネジメントのワーク・エンゲージメントの低下は、個人のみならず組織全体のパフォーマンスを低減させかねない重要な課題です。

メンタルヘルスの悪影響

ミドルマネジメントのメンタルヘルスへの悪影響も、組織全体へと波及しかねない大きな課題です。ミドルマネジメントは、たびたびトップマネジメント層と現場の板挟みに遭い、大きなストレスがかかりやすい役職です。トップマネジメント層とロワーマネジメント層の意見の乖離が生じたら、それを埋める手立てを講じなければいけません。

そうでなくても通常業務において、それぞれの層からのプレッシャーもかかるでしょう。そうしたことから、ミドルマネジメントには精神的負荷がかかりやすいのです。

ミドルマネジメントが精神的負荷から活動できなくなることは、企業にとって大きなダメージになります。そうなる前に対策が必要です。

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ミドルマネジメント(中間管理職)を育成する方法

企業においてキーマンとなるミドルマネジメントの育成は重要な課題です。ここではミドルマネジメントを育成する方法について説明します。

ミドルマネジメントの定義を明確にする

ミドルマネジメントを育成するには、何を求めるのかを、明確に定義を示すことが大切です。スキルや役割について、具体的に自社のミドルマネジメントに必要な内容を整理しましょう。それにより、ミドルマネジメントにふさわしい人物像の基準や必要な学習機会が定まります。

そして、定義はミドルマネジメント昇格者や候補者に共有するべきです。定義を知ることでミドルマネジメントとして努力する方向性を共有できるでしょう。

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役割に適した人材を見つける

ミドルマネジメントの人物像の基準を定めたら、それに適した人材を選任しましょう。優秀なプレイヤーが、ミドルマネジメントとしても優秀とは限りません。スキルだけでなく、性格や人間性も選定基準として考慮します。

トップマネジメント層のみならずロワーマネジメント層からも信頼されるミドルマネジメントの存在は、次世代のミドルマネジメントの育成にもつながります。

ミドルマネジメントに適した人材を見つける手法として、よく用いられるのは以下の2つです。

  • 360度評価:上司や部下のみならず、さまざまな第三者と本人の評価も総合的に勘案する評価方法
  • タレントマネジメント:従業員のタレント(資質・能力・才能)を一元管理し手企業の発展に活用する人材マネジメント手法

研修など学習の場を設ける

研修やセミナーなどの学習の場を提供することも、ミドルマネジメントの育成には重要です。現場から離れ、マネジメントの本質を追求する機会を与えましょう。

ミドルマネジメントに適切な学習機会の例は以下の通りです。

学習に適したテーマ内容
着任時研修新任のミドルマネジメントに対してプレイヤーからリーダーにマインドを切り替えるために行う
コーチング部下を指導するにあたって人を動かすためのスキルを身につける
エグゼクティブ・シャドーイングトップマネジメント層の仕事を肌で感じられる
チームビルディング信頼関係の構築方法や部下の育成方法を身につける
コミュニケーションさまざまな立場のメンバーと接するミドルマネジメントのコミュニケーションスキルを高める

ミドルマネジメント(中間管理職)に向いている人材

高いスキルを求められるミドルマネジメント。向いているのはどんな人材なのでしょうか。ここではミドルマネジメントに向いている人材の特徴を3つ紹介します。

器量が大きく柔軟な思考力を持つ人材

ミドルマネジメントには、想定外の出来事にも動揺しない器量の大きさを持ち、有事にも実力を発揮できる人物が向いています。このような人材にはロワーマネジメント層も信頼を寄せ、トップマネジメント層も安心して管理を任せられるでしょう。

また、ミドルマネジメントにはさまざまな立場のメンバーや業務に関わるため、多方面の情報や意見が集まります。このような役職の特徴から、柔軟な思考を保てる人材が求められます。

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広い視野で相手の立場を考えられる人材

ミドルマネジメントは、トップマネジメント層とロワーマネジメント層という役職間だけでなく、他部門との連携や調整も必要です。自分と部下の利益のみを追求するわけにはいきません。広い視野を持ち、相手の立場や要望を考慮したうえで、組織全体の成果を図れる能力が求められます。

そのため、物事の全体を俯瞰でき、バランス感覚に優れ、調整力の高い人材が適しているといえるでしょう。

ストレスへの耐性が高い人材

ミドルマネジメントは、課題としても紹介したとおり縦や横の関係間での調整役や成果の責任、業務量の多さからストレスを抱えることが多い役職です。各所からのプレッシャーも、求められる成果もロワーマネジメント層より大きくなります。自分だけの一存でコントロールできないことも多く管理する必要もある仕事です。

そのため、次から次へと舞い込むタスクに対応できる体力と、重い責務に動じないしなやかな精神力をあわせもつ人材が適しています。ストレス耐性の高いことはミドルマネジメントに向いている条件となるでしょう。

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ミドルマネジメントとは企業の発展に必要不可欠な存在

ミドルマネジメントは企業において、トップマネジメント層とロワーマネジメント層、部門間をつなぐ架け橋となる、重要なポジションです。

これからミドルマネジメントとなる方は、必要なスキルや育成方法、向いている人などを参考に自身を心身共に高めましょう。

また、トップマネジメント層の方には、ミドルマネジメントの抱える課題への理解が大切です。評価制度の明確化や業務負荷の軽減などの課題解決に取り組み、ミドルマネジメントに適した人材を配置・育成することが、企業のさらなる発展に寄与するでしょう。

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