オンライン秘書とは?メリット・デメリットや依頼できる業務、費用について解説

最終更新日時:2023/09/27

アウトソーシング

オンライン秘書とは

人材不足や働き方改革などの背景があり、生産性の向上や業務の効率化が求められている昨今において、オンライン秘書への注目が集まっています。オンライン秘書サービスでは、バックオフィス業務をはじめさまざまな業務を依頼することができ、社員のリソースをコア業務に集中できます。この記事では、オンライン秘書サービスの概要や依頼できる業務、活用するメリット・デメリットなどについて解説していきます。

オンライン秘書とは?

オンライン秘書とは、インターネットを経由して、主にバックオフィス業務をサポートするサービスです。

企業経営では、コア業務以外に、商談の日程調整、ミーティングの資料作成、経理や人事に関する作業といった業務も発生します。しかし、社内リソースの少ない企業では業務分担ができず、ひとりで多くの作業をこなさなければなりません。コア業務にしわ寄せがくることもあるでしょう。

このようなとき、新たに人材採用することなくノンコア業務を依頼できるサービスが、オンライン秘書です。

1ヵ月のみ・繁忙期のみなどの期間限定での利用もできるので、急な退職や休職で人手不足に陥ったときにも役立ちます。また、インターネットから簡単に申し込みができる手軽さも、注目ポイントです。

オンライン秘書と派遣サービスの違い

社外の人材を活用するという点で似たサービスに、派遣があります。しかし、オンライン秘書と派遣サービスには、以下の点で違いがあります。

  • 業務にあたる場
  • 業務の進め方
  • 料金設定

オンライン秘書と派遣サービスで大きく違うのは業務にあたる場です。

オンライン秘書は、ネット上で業務を行うために自宅などで作業をこなすのに対し、派遣社員は、出社して仕事をすることが基本です。そのため、業務用デスク、パソコン、事務用品などを用意しなければならず、費用もかかります。

また、依頼した業務の進め方にも、違いがあります。派遣サービスでは、契約で取り決めた業務について、派遣されてきた個人に依頼することが基本です。しかし、オンライン秘書は、専門スキルを持った複数のスタッフがチームを編成し、各々が得意とする作業を請け負います。

業務の進め方だけでなく、依頼できる業務の幅も違うといってよいでしょう。

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オンライン秘書に依頼できる主な業務

では、オンライン秘書を利用した場合、具体的にどのような業務を依頼できるのでしょうか。サービスを提供する企業によって異なるものの、主な業務を紹介していきます。

秘書業務全般

多忙な経営者をサポートするための秘書業務は、ほぼ全てのオンライン秘書サービスで対応してくれます。具体的な業務としては下記のとおりです。

  • スケジュール調整
  • 出張全般のサポート
  • 資料作成
  • 電話やメールの対応

豊富な経験や実績のあるスタッフから質の高い秘書サポートを受けられるので、経営者への業務負担の軽減が期待できるでしょう。

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経理・財務

経理・財務などのバックオフィス業務もオンライン秘書での対応が可能です。例としては、請求書や契約書の作成、経費精算、在庫や売上管理などが挙げられます。また、人材採用での応募者とのやり取り、説明会場の予約、研修やセミナーの手配といった業務も依頼可能です。

専門的な知識が必要な経理・財務に関する業務を比較的リーズナブルな価格でスポット依頼が可能なのは大きな魅力と言えます。

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人事・労務

人材の採用や社員の勤怠管理などの人事・労務業務についても、オンライン上でできる範囲であれば依頼することができます。

勤怠管理をはじめ、求職者の対応・採用に関する事務手続き・年末調整の対応・給与や賞与の計算など、幅広く対応してくれます。

社員数が多くなるにつれて、人事・労務に関連する業務は膨大で期日などシビアになるため、外部に依頼して社内の負担を軽減できるのは大きなメリットです。

営業事務

実際に営業活動はできないものの、プレゼン資料や企画書の作成、メール対応などの営業で発生する事務的を依頼することができます。

オンライン秘書に依頼することにより、営業活動そのものに専念できるので、生産性や売上の向上につながるでしょう。

その他アシスタント業務

全てのオンライン秘書で対応可能ではないものの、一部のサービスでは、Webサイトの運用サポートやSNSアカウントの管理〜運用、ECサイトの商品登録など、Webやマーケティング関連の業務を依頼できます。

リソースが足りていない業務にスポットで依頼できるので、使い勝手が良くコスパに優れていると言えるでしょう。

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オンライン秘書を利用する場合の費用相場

オンライン秘書の料金プランは、主に「月額制」と「従量制」の2タイプです。依頼先の企業や業務内容によって費用は大きく異なるため、あくまで参考として捉えておいてください。

月額制の費用相場

月額制は、稼働時間に応じて、月々で料金を支払うプランです。相場は、時給換算で1時間あたり2,000~4,000円程度、月額換算で1ヵ月あたり5~20万円程度となっています。

料金体系がわかりやすく安心感がある点がメリットです。

従量制の費用相場

従量制は、依頼する業務の量や内容、難易度に応じて料金が変動するプランです。そのため相場が提示できないのですが、ピンポイントで依頼したい業務があるとき、業務量が多くない場合に適しています。業務を依頼する際は、見積もりを取ると安心です。

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オンライン秘書を利用するメリット

オンライン秘書のメリットは、主に4点あります。

秘書の採用コスト・人件費を抑えられる

人材採用には、求人サイトの掲載、会場レンタル、入社後の研修などに費用がかかります。さらに、毎月の給与や社会保険などの人件費も支払わなければなりません。

しかし、オンライン秘書を利用すれば、このような費用は不要です。場合によっては、大幅なコストダウンができるでしょう。

企業経営において、コストダウンやコストカットは必要不可欠ともいえる施策です。その観点でオンライン秘書の利用には、大きなメリットがあるといえます。

幅広い業務に対応している

オンライン秘書が対応する業務は、秘書業務のほか、経理や人事、Webサイト・SNSの運用、クリエイティブ・制作業務など、多岐に渡ります。

自社に各部門を設けようとすると組織が肥大化するだけでなく、人件費などの固定費も必要です。その課題を解決しながら、自社に必要な業務を遂行できる点も、オンライン秘書ならではのメリットといってよいでしょう。

専門性が高く経験豊富な人員を補強できる

オンライン秘書には、専門性の高い人材がそろっています。教育や研修の費用をかけずに業務を依頼でき、クオリティを確保できる点はオンライン秘書のメリットです。

自社に必要な人材を補強できることは、経営上の強みにもなるでしょう。

業務に着手するまでの期間が短い

自社で人材を採用した場合、現場に出るまでには、教育や研修の機会を設け、順を追って業務を身につけてもらわなければなりません。その点、オンライン秘書は、すでにスキルや経験を持っているので、すぐに業務に着手できます。

自社のルールや必要な情報さえ伝えれば稼働できるので、急な退職や休職、繁忙期に対応できる点も、メリットのひとつです。

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オンライン秘書を利用するデメリット

オンライン秘書はメリットの多いサービスですが、次のようなデメリットもあります。

オンライン以外の業務は依頼ができない

オンライン秘書のサービスで対応できるのは、基本的にオンラインで完結する業務のみです。対面でのミーティング、書類整理や郵便発送など、出社の必要がある業務には対応できないことは、デメリットといえます。

ただ、業者によっては、オフィス業務にも対応が可能です。そのようなサービスを利用すれば、このデメリットは解消できるので、業者選定の際に、チェックしてみてください。

スタッフのスキルを把握しにくい

オンライン秘書には、さまざまなスタッフが在籍しています。知識や経験豊富なスタッフであることは確かですが、実際のスキルを事前に把握することは難しいというのが現状です。

依頼してみたら「想像よりスキルが低かった」ということがあれば、この点はデメリットといえます。

スタッフのスキルに納得がいかないときは、サービスの提供業者や責任者に相談してみましょう。改善できることもあるはずです。

コミュニケーションが取りづらい

オンライン秘書のやり取りは、メールやチャットなど文字でのやり取りが基本です。事務的な連絡であればほぼ問題はないものの、意思の疎通がはかりにくいこと、理解に齟齬が生じたりする可能性があることは、デメリットといえます。

業務の重要度に応じて、オンラインミーティングの利用、電話確認など、文字以外のコミュニケーションも心がけるとよいでしょう。

オンライン秘書の導入に向いている企業の特徴

オンライン秘書に興味があるものの、自社に導入すべきか悩んでいる方も多いと思います。そんな方は、自社が下記の特徴に当てはまるか確認してみましょう。

  • 社内のリソースが不足している
  • 外部のノウハウを取り入れたい
  • 繁忙期のみ人手不足に陥っている

社員が事務的な業務にリソースを奪われており、本来のコア業務に専念できないなどの状況であれば、オンライン秘書の導入をおすすめします。雑務を請け負ってくれるのでコア業務にリソースを注ぐことができます

また、オンライン秘書はスポットでの依頼にも対応できるため、繁忙期のみ人手が不足してしまう企業にもおすすめです。

オンライン秘書サービスを選ぶ際の基準

オンライン秘書サービスは、多くの業者が提供しています。サービスによって、対応できる業務や料金体系が異なるため、一つ一つ検討しながら自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。サービスを選ぶ際のポイントを紹介するので、参考にしてください。

対応可能なサービス内容を基準にして選ぶ

サービスによって、対応している業務内容が異なります。まずは、自社の課題を洗い出し、どのような業務を依頼したいかを明確にしましょう。その要望がかなうサービスを絞り込んでいけば、自社にマッチしたサービスを選ぶことができます。

セキュリティ対策を基準に選ぶ

オンラインによる情報のやり取りには、漏洩のリスクがついて回ります。個人情報や機密情報が流出した場合、企業としての信用が失墜するだけでなく、訴訟問題に発展する可能性も否定できません。

「秘密保持契約を締結できるか」「情報の取り扱いに関する教育が徹底されているか」など、セキュリティに対する意識が高いサービスを選ぶことが大切です。

契約プランを基準に選ぶ

料金体系や契約期間も含め、プランが自社のニーズに合致しているかどうかも確認したいポイントです。

契約時間が超過すると追加費用がかかるケース、最低契約期間が決められているケースもあります。不要な支払いをしなくてすむよう、業務にかかる時間や期間を算出し、サービス選定の指針にしましょう。

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おすすめのオンライン秘書サービス

おすすめのオンライン秘書サービスを5つ紹介します。特徴や料金プランをまとめたので、サービスを選ぶ際の参考にしてください。

チャットワークアシスタント

ビジネス用チャットツール「Chatwork」で知られるChatwork株式会社が提供するオンラインアシスタンサービスで、月に10時間からの依頼が可能です。事務や秘書といった定型業務だけでなく、経理や人事、法務、採用、営業、Web制作など幅広い業務に対応しています。

契約時間内で複数の業務を依頼できるため、「1ヵ月のうち前半は経理業務、後半は営業業務」といった利用も可能です。

提供元Chatwork株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • 1ヵ月プラン:47,000円~/月
  • 3ヵ月プラン:45,000円~/月
  • 6ヵ月プラン:40,000円~/月
  • 年間プラン:35,000円~/月
  • カスタムプラン:要問い合わせ
機能・特徴請求書・領収書発行、経理記帳、備品管理、郵便物対応、年末調整、電話対応、勤怠管理、給与計算、アポ代行、ホームページ作成、動画編集、面談調整など
URL公式サイト

i-STAFF

i-STAFFは、ファイブスターネット株式会社が運営するサービスです。日本トレンドリサーチの調査「オンライン事務代行サービス」の3部門で1位に輝くという実績を誇ります。秘書業務のほか、人事、経理、Webサイト運用、営業アシスタントまで、幅広い業務の代行が可能です。

なおi-STAFFのスタッフ採用には、厳しい基準が設けられています。在籍するのは、その基準をクリアしたスタッフのみなので、クオリティの高さも申し分ありません。

提供元ファイブスターネット株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • ライトプラン(3ヵ月契約プラン):12万5400円(税込)/月
  • ベーシックプラン(6ヵ月契約プラン):10万2300円(税込)/月
  • プレミアムプラン(12ヵ月契約プラン):89,100円(税込)/月
  • カスタマイズプラン:要問い合せ
機能・特徴メール返信代行、スケジュール調整、出張や会食の手配、請求書作成業務、クラウドツールの導入サポート、一次面接代行、SNSの運用代行、顧客リストの管理など
URL公式サイト

フジ子さん

フジ子さんは、BPOテクノロジー株式会社が運営するサービスです。官公庁などにも導入されており、累計ユーザー数は1,000を突破しています。

経理や総務、翻訳、WEBサイト運用など、PC内で完結する業務であれば依頼できます。また、セキュリティ対策の強化にも努め、ソフトの導入やデータ通信の暗号化、外部記録媒体の持ち込み禁止など、厳しい管理を実施しています。個人情報や機密情報を多く取り扱う業務の依頼も安心です。

提供元BPOテクノロジー株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • トライアル:無料
  • PLAN20:51,700円(税込)/月
  • PLAN30:75,900円(税込)/月
  • PLAN50:10万8900円(税込)/月
導入企業数累計ユーザー数1,000以上
機能・特徴記帳管理、経理精算、クラウドツール導入サポート、出張手配やお店の予約、備品導入代行、翻訳、英語メール対応、給料計算、面接スケジュール調整、退職の手続き、SNSの運用代行など
URL公式サイト

CASTER BIZ

CASTER BIZは、株式会社キャスターが提供するオンライン秘書サービスです。秘書業務や経理業務、人事、制作のほか翻訳やオフライン対応、文字起こしなどの業務にも対応しています。

採用倍率「1/100」といわれる厳しい選考を経て採用された優秀なスタッフが在籍、ニーズに的確に応えてくれます。さらに、業務のカスタマイズも可能です。

提供元株式会社キャスター
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • BASIC(6ヵ月)プラン:14万5200円(税込)/月
  • LONG(12ヵ月)プラン:13万2000円(税込)/月
  • CUSTOM:要問い合わせ
機能・特徴アポイント調整、メール対応、資料作成、データ入力、応募者対応、日程調整、勤怠管理、売上確認、支払い処理、外国語文書翻訳、Webサイト更新、SNS運用など
URL公式サイト

HELP YOU

株式会社ニットが提供するサービスであるHELP YOUは、総務省「テレワーク先駆者百選」に認定されているのが特徴です。スタッフをまとめる専属ディレクターが窓口となって業務を受ける体制を敷いているため、複数の業務をまとめて依頼することができます。

HELP YOU+plusというプランでは、海外進出サポートやオンライン研修、マーケティング戦略といったハイレベルな業務も代行可能です。顧客満足度の高さは、平均継続率98%という数字からも伺えます。

提供元株式会社ニット
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入企業数600以上の企業が利用
機能・特徴出張手配、名刺作成、データ整理、入金管理、請求書作成、求人票作成、セミナー研修・会場手配、売上管理、商品管理、ランディングページ作成、SNS投稿など
URL公式サイト

オンライン秘書とは幅広い業務に対応したサービス

オンライン秘書は、秘書業務をはじめ、経理、財務、人事など幅広い業務に対応するサービスです。自社で新しく人材を採用するよりも、教育にかかる時間や費用を削減でき、専門性の高い人材を即戦力として活用できるというメリットがあります。

サービスによって、対応可能な業務や料金プランが異なるので、予算や自社の抱える課題と照らし合わせながら、選定することがポイントです。記事を参考にしながら、ぜひ導入を検討してみてください。

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