クラウド型経理代行とは?委託できる業務内容やメリット・デメリット

最終更新日時:2023/10/04

経理アウトソーシング

クラウド型経理代行

近年では企業からも注目が集まっているクラウド型経理代行。しかし、クラウド型の経理代行とは実際にどのようなサービスなのか知らない方も多いでしょう。そこで本記事では、クラウド型経理代行について、委託できる業務やメリット・デメリットなど徹底解説していきます。

クラウド型経理代行とは?

クラウド型経理代行とは、クラウド会計を利用した経理代行サービスのことです。そもそもクラウド会計とは、これまでパソコンで行っていた会計処理やデータ保管をクラウド上で行えるツールやシステムを指します。そしてクラウド型経理代行は、クラウド会計を利用して遠隔で経理業務を代行します。

クラウド型経理代行に依頼する場合、経理のプロが業務を代行してくれるため、自社で担当者を採用することなく、質の高い経理業務が期待できるでしょう。また経理担当者の業務時間を効率化できるため、よりコア業務に使う時間を増やすことができます。

クラウド型経理代行と経理代行の違いとは

通常の経理代行は、必要な書類をメールや郵送でやり取りする必要がありました。そのため、業務にラグが生じたりメールの作成・郵便物の投函に手間がかかったりします。

しかしクラウド型経理代行は、クラウド会計を通じて経理業務を代行するため、常にリアルタイムでの情報取得が可能です。またインターネット環境があれば利用できるため、場所を問わずクラウド会計へのデータ入力などができます。

経理代行とは?依頼できる業務内容や失敗しない依頼先の選び方

【2023年版】経理アウトソーシングのおすすめ14選比較|メリットや費用の目安

クラウド型経理代行に委託できる業務内容

クラウド型経理代行に委託できる業務内容について紹介していきます。

記帳・経費の仕訳

クラウド型経理代行では、経費の仕訳や記帳業務を委託できます。クラウド会計へのデータ入力が不安でも、代行業者がデータ入力業務まで対応してくれるため安心です。

クラウド会計の種類によっては、クレジットカードや銀行口座を同期させるだけで、自動仕訳してくれる機能も搭載されています。また、紙の領収書が発行された場合でも、スマホ・タブレットで撮影すれば自動読込してくれるため、わざわざ手入力する必要もありません。

経理代行と記帳代行の違いとは?メリット・デメリットや料金相場を解説

帳簿の作成

専門知識が必要な帳簿の作成も、クラウド型経理代行で委託できる業務のひとつです。会計帳簿には、以下のような種類があります。

  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳
  • 現金出納帳
  • 預金出納帳
  • 仕入帳
  • 売上帳 など

すべての帳簿を手作業で作成すると、多くの時間や手間がかかってしまいます。しかしクラウド経理代行では、入力されたデータをもとに各種帳簿を自動作成してくれるため、帳簿作成にかかる手間や時間の削減につながります。

そもそも会計帳簿は、企業活動における取引内容を記録したものです。帳簿にミスがあると企業活動に影響するなど重大な問題につながりかねません。そのため帳簿の作成業務は、クラウド型経理代行の導入に向いています。

確定申告書の作成

クラウド型経理代行では、確定申告書の作成代行も可能です。クラウド会計にも、ソフト内で確定申告書の作成が完結するものもあります。しかし、確定申告書の作成は専門知識が必要となる部分が多いため、企業によってはクラウド会計を活用してもよく分からないといったケースがみられます。

しかしクラウド型経理代行は、確定申告書の作成といった専門知識が必要な業務でも、プロのスタッフが対応するため安心です。もしクラウド会計を活用して自社で作成する場合でも、いつでも相談できるプロがいるという安心感があります。

資格なしでの記帳代行は税理士法違反になる?違反にならないための注意点

クラウド型経理代行を利用するメリット

クラウド型経理代行を利用するメリットについて紹介していきます。

リアルタイムで業績が確認できる

クラウド会計は、インターネット環境があればデータの入力や情報の確認が可能なため、代行業者が行っている業務をリアルタイムで把握できます。そのため、常に最新の業績を確認することも可能です。

通常の経理代行は、メールや郵送で各種書類をやり取りする必要があります。しかし、クラウド型経理代行を利用すればデータでの連携が可能なためリアルタイムで業績の確認が可能です。

導入コストを削減することができる

クラウド型経理代行を利用する場合、代行業者への委託料とクラウド会計の利用料金を毎月支払います。多くのクラウド型経理代行サービスでは、無料トライアルや無料プランが提供されていたり、月額料金のみで初期費用がかからなかったりするものもあります。

オンプレミス型やインストール型など、買い切り型の会計ソフトを導入する場合、月々のランニングコストがかからないものの、初月にまとまった費用が必要です。会計ソフトの種類によりますが、購入に数十万円かかるものもあるでしょう。

そのため、クラウド型経理代行は買い切り型の会計ソフトに比べて、導入コストを抑えることが可能です。「今すぐ導入したいけど、コストをかけられない」といった企業にとって、クラウド型経理代行は魅力的です。

経理代行の料金相場とは?業務別の料金目安や依頼できる業務を解説

従来の経理代行よりも高品質で利用できる

手作業で行う経理代行に比べて、データを自動で取得・読込をしてくれるクラウド会計は、入力ミスが削減できます。正確なデータをもとに代行業者が各種業務を行うため、経理業務の品質向上につながります。

また、クラウド会計であれば、システムが更新された際にも自動でアップデートされるため、常に最新のシステムを利用できる点も魅力です。

経理アウトソーシングとは?メリット・デメリットと外注先を選ぶコツ

クラウド型経理代行を利用するデメリット

クラウド型経理代行はメリットがある一方でデメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか理解した上で利用を検討しましょう。

システムエラーが発生するリスクがある

クラウド型経理代行で利用するクラウド会計のシステム自体は、提供しているベンダーによって管理されます。そのため、システムエラーが発生した際、自社や代行業者での対応はできません。

システムエラーでクラウド会計が一時的に利用できなくなった場合、クラウド会計へのデータ入力やクラウド会計を通じた代行業者との情報共有も不可能となります。

したがって、システムの管理が適切に行われているクラウド会計を導入したり、システムエラーが発生した際の対応を代行業者に確認したりするなどの対策が必要です。

インターネット環境を整備する必要がある

クラウド会計を導入するにあたって、インターネット環境を整備しなければならないというデメリットもあります。

とくに、これまでオフラインで経理業務を行ってきた企業であれば、インターネット環境が整備されていないケースも少なくありません。テレワークなどで従業員が社外からデータ入力をする機会があれば、社外におけるインターネット環境の整備も必要です。

そのため、クラウド型経理代行を導入する場合は、インターネット環境の整備にかかる期間も想定し、余裕をもった導入計画を立てましょう。

代行会社に合わせたソフトの導入が必要になる

クラウド型経理代行を導入する場合、代行業者によって対応できるソフトが異なります。すでに導入しているソフトが代行業者の対応外であれば、代行業者の対応ソフトに切り替えるか既存ソフトに対応できる代行業者を新たに探さなければなりません。

そのため、代行業者を選定する際は、対応できるソフトの種類を確認することが大切です。代行業者によっては、事前に問い合わせることで、対応外だったソフトにも対応してくれるケースもみられます。導入前に、代行業者と打ち合わせることをおすすめします。

【2023年最新】おすすめの会計ソフト15選徹底比較|失敗しない選び方とソフトの特徴

おすすめのクラウド型経理代行サービス

ここでは、おすすめのクラウド型経理代行サービスを3つ紹介します。自社で導入する際の参考にしてください。

KANBEI

KANBEIは、freee会計・マネーフォワードクラウドに特化した記帳代行サービスです。2種類のクラウド会計に特化することで、低コストでのサービス提供を実現しています。また、勘定科目を細分化した費目ごとのコスト診断をもとに、コストの最適化も行えます。

提供元
株式会社Wiz
初期費用無料
料金プラン・記帳代行プラン
ライトプラン:1,100円(税込)/月
導入実績1,000社以上
機能・特徴記帳代行、前期データ移行、コスト診断SaaS、スキャン、部門付け、品目付け、月次チェックなど
URL公式サイト

スマート経理

スマート経理は、中小企業向けに提供されている経理代行サービスです。複数のチーム体制で経理業務を代行するため、継続的な委託が期待できます。また、チャットでのやり取りや定期的なレポート提出があるため、遠隔でも円滑なコミュニケーションも可能です。

提供元
株式会社M&Tコンサルティング
初期費用要問い合わせ
料金プランスタンダード:15万円~/月
エキスパート:30万円~/月
導入実績-
機能・特徴請求書発行、支払業務、給与計算、経費精算、会計入力など
URL公式サイト

Merry Biz

Merry Bizは、簿記2級以上で実務経験豊富なスタッフが在籍している経理代行サービスです。中小企業から大手企業まで、企業規模や業種を問わず対応できる点が特徴です。対応ソフトも多岐にわたるため、現在導入しているソフトをそのまま経理代行に依頼できるでしょう。

提供元
メリービズ株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入実績-
機能・特徴経費精算、帳票・仕訳入力、請求書発行、売掛・買掛管理、月次決算、クラウド会計導入支援・経理業務改善コンサルティングなど
URL公式サイト

クラウド型経理代行でスピーディーな経理業務を実現しよう

クラウド型経理代行は、クラウド会計を活用して経理業務を遠隔で代行してくれるサービスで、経理業務の経験が豊富なプロが業務を代行してくれるため、高い品質と迅速な経理業務が期待できます。

すでにクラウド会計を導入している場合は、代行業者の対応ソフトを確認し、経理業務の効率化を実現させてください。

おすすめのお役立ち資料

経理アウトソーシングの記事をもっと読む

経理アウトソーシングの記事一覧

ビズクロ編集部
「ビズクロ」は、経営改善を実現する総合支援メディアです。ユーザーの皆さまにとって有意義なビジネスの情報やコンテンツの発信を継続的におこなっていきます。

おすすめ関連記事

稟議と決済の違いとは?それぞれの意味や目的・効率化するためのポイント

最終更新日時:2024/05/01

ワークフローシステム

最終更新日時:2024/05/01

ワークフローシステム

自社に適したCMSの選び方!選定のポイントや注意点を詳しく解説

最終更新日時:2024/05/01

CMS

最終更新日時:2024/05/01

CMS

福利厚生に利用できる補助金・助成金|種類や活用の施策例を解説

最終更新日時:2024/05/01

福利厚生サービス

最終更新日時:2024/05/01

福利厚生サービス

【2024年最新版】新卒・中途の採用トレンドについて|流行の採用手法を採用を成功させるポイント

最終更新日時:2024/05/01

採用管理システム

最終更新日時:2024/05/01

採用管理システム

経営の意味・定義とは?経営を成功させる秘訣と合わせて簡単に解説

最終更新日時:2024/05/01

経営

最終更新日時:2024/05/01

経営

中小企業こそ採用サイトが必要!重要性や作り方・作成時の注意点について

最終更新日時:2024/04/30

採用サイト作成

最終更新日時:2024/04/30

採用サイト作成

CMSとWordPressの違いとは?それぞれのメリット・デメリットや歴史を解説

最終更新日時:2024/04/30

CMS

最終更新日時:2024/04/30

CMS

CMSのセキュリティリスクとは?脆弱性や講じるべきセキュリティ対策

最終更新日時:2024/04/30

CMS

最終更新日時:2024/04/30

CMS

はじめてのCMS構築完全ガイド|構築方法や進め方・費用相場などを簡単に解説

最終更新日時:2024/04/26

CMS

最終更新日時:2024/04/26

CMS

CMS移行を成功させる秘訣!移行を検討すべきタイミングや手順・費用を解説

最終更新日時:2024/04/26

CMS

最終更新日時:2024/04/26

CMS