メルマガの効果を最大化するABテストとは?活用方法から失敗例まで解説

最終更新日時:2023/03/09

メール配信システム

メルマガのABテスト

メルマガの配信をおこなう際、検証としてABテストが効果的です。ABテストは特定の要素だけを変更し、どちらの反応がよかったかを検証する方法ですが、効果的なABテストのやり方がわからない方もいるかと思います。本記事では、ABテストの活用方法や得られる効果について解説します。

ABテストとは?

ABテストとは、パターンAとパターンBを作成し同じ条件でランダムに表示させることで、効果の高い方を見つけるための手法で、WebマーケティングにおいてCROを最適化するための手法です。

ランディングページや広告運用の改善などで利用される機会が多く、もちろんメルマガにおいても取り入れられています。また、Webだけではなく商品のチラシでも利用されるケースがあり、オンライン・オフラインのそれぞれで活用されています。

メルマガでABテストをおこなう目的

メルマガでABテストをおこなう目的は、自社の顧客に合ったメールを作成するためです。メールの効果を高めるためのテクニックには、さまざまな手法が公開されています。

しかしどの手法を使えば自社の顧客に合うメールをつくれるのか、試してみなければわかりません。自社の顧客に合ったメールを作成するためには、実際のメルマガ配信結果を蓄積して効果検証することが重要です。

ABテストをおこなうことで反応率が高い件名や文章を知ることができ、メルマガの効果を長期的に改善できます。

メルマガでのABテスト検証方法

メルマガでABテストをする場合、何を基準に考えればよいのでしょうか。ここでは、ABテストの検証方法について解説します。

1.メール到達数

メール到達数とはISPによるフィルタリングをクリアしたメールで、購読者の受信ボックスに届いたメール数です。フィルタリングではじかれて受信拒否や迷惑メールになると、購読者がメールを見ることはありません。

ABテストを行い、購読者へ確実に届くメルマガを作成する必要があります。

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2.開封数

開封数とは、配信したメルマガを購読者がどれくらい開封したかを示す数値です。

メルマガを配信しても開封されないと読まれないので意味がありません。そのため、開封数は非常に重要な指標といえます。

購読者がメールを開くかはメールの件名が重要と言われているため、ABテストで検証することが必要です。

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3.クリック数

メルマガでのクリック数は、メルマガ内のリンクがクリックされた数です。メルマガには、商品やサービスの案内・ランディングページへ誘導するためのリンクなどがついています。そこで高いクリック数になるよう、ABテストでしっかりチェックしましょう。

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4.CV数

メルマガでのCV(コンバージョン)数は、一般的に最終的な成果を示す数値で、CV数が多ければ多いほど、メルマガの成果があると考えられます。

ABテストでは各メルマガのCV数をチェックし比較改善することで、より効果の高いメルマガの作成が可能です。

5.件名

メールの件名は、購読者が最初にみる「ファーストコンタクトポイント」であるため、メルマガの成否を決める重要なポイントです

件名の選び方は多くの配信者が悩むので、ABテストでよりよい件名を検証していきましょう。

具体的な方法としては件名の文字数を調整する・期間限定などの訴求を入れる・目を惹く数値を入れるなどがあげられます。メルマガで扱う商材によっても訴求は異なるので、様々なパターンで試してみるのが重要です。

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メルマガのABテストで得られる効果

ABテストをおこなうとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、メルマガのABテストをおこなうことで得られる効果について解説します。

専門技術がなくても定期的に検証がおこなえる

ABテストは、専門技術がなくても定期的な検証ができます。

普段作成しているメールの件名や差出人・本文のデザインを一部変えて配信するだけなので、専門的な知識は必要なくだれでも実施が可能です。

必要な準備はリストを分けることと、検証したいメールを用意するぐらいなので、すぐに検証がおこなえます。

気軽におこなえるため開封率の向上が見込める

ABテストは気軽におこなえるため開封率の向上が見込めます。

配信と効果検証を繰り返すことで、開封率を上げるためのノウハウが蓄積されます。蓄積されたノウハウを活用してメールの作成や配信をおこなうことで、開封率が向上するでしょう。

メルマガABテストの比較のやり方

メルマガのABテストは、どの項目をどのようにテストすれば効果的なのでしょうか。

ここでは、メルマガABテストの比較方法を解説します。

1.メルマガの件名

メルマガの件名のテストは、受信者のほぼ半数が件名でメールを開くかを決めていると言われているため、簡単にできるだけでなく効果がでやすい傾向があります。

メールの種類によりますが、イベントの告知であれば日付を入れたり、セールやキャンペーンの情報なら無料や割引といった具体的な文言を入れるとよいでしょう。

ただし件名で過度な期待を持たせてメールの内容と件名が異なっていると、エンゲージメントの低下を招くため注意してください。

件名のテストは開封率だけでなくクリック率も確認することで、メールの内容に興味があるかを判断できます。

2.メルマガの差出人名

メルマガの差出人名が機械的ではないように注意しましょう。差出人名は、件名と同じくらい開封率に影響します。

どこから来たメールかがすぐにわかるように差出人は会社名やサービス名にするとよいでしょう。顧客が認識しやすい差出人名に候補がある場合は、どれが効果的かテストをしてみてください。

3.配信日と時間

メールの配信日と時間もメルマガの効果測定に重要です。すべてのメルマガに適した送信時間はありません。

ターゲットの生活リズムや競合他社の動きも影響するため、さまざまなシナリオを考える必要があります。

メールを送る理由とペルソナを考慮し、どのタイミングで配信するのが効果的かをよく考えてテストしましょう。メールによっては購読者に一斉送信せず、セグメントを利用することも検討してみてください。

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4.メルマガ配信頻度

ABテストでメルマガの配信頻度を確認しましょう。メルマガによって、どれくらいの配信頻度が必要かは異なります。

配信頻度を考える上でABテストを活用したいですが、メールを送りすぎてしまうとテスト段階で購読者の信頼を低下させる可能性があります。

そこで活用したいのが、開封率やエンゲージメントです。開封率やエンゲージメントを確認することで、適切な配信頻度を確認してください。

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5.画像の有無

画像の有無によるABテストも効果的です。画像はテキストよりも効果があるといわれており、つまりテキストでの説明が長くなりそうなときは画像を使うことで内容の理解を深めることができます。

テキストと画像の適切なバランスをABテストしてみましょう。一般的にテキストベースだと到達率が高くなり、画像ベースだとクリック率が高くなると言われています。

6.テキストの長さ

メルマガでどれくらいテキストが必要か悩んでいる方は多いです。しかし理想的なテキストの長さは、商品や購読者によって異なります。

さまざまな長さのテキストでテストをおこない、購読者の反応を確認してみましょう。

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7.テキストリンクとボタンリンク

テキストリンクとボタンリンクの効果もABテストで検証しましょう。ボタンリンクはテキストリンクよりも目立つため、一般的にはクリックされやすい傾向です。

しかし、顧客が使う端末によってはボタンがロードされなかったりボタンが表示されなかったりするため、テキストリンクは無難です。

自社の顧客がどの端末から読むかボタンクリックしてもらいやすいかなど、顧客に合わせて調整してください。

8.リンク数と配置場所

リンク数と配置場所は、メルマガにおいてとても重要です。適切なリンク数と配置場所を設定することで、購読者にしっかりとアピールできます。

何度もABテストを繰り返し、どれが適しているかを見極めていきましょう。

9.GIF画像

GIF画像が効果的かどうかは、自社のメルマガ購読者で変わります。自社の商品やサービスはテキストや静止画だけでアピールできるのか、GIF画像の方が効果が高いのかABテストで確認しましょう。

10.フォントのカラーとスタイル

テキストでは、文章の内容だけでなく見た目も大切です。ABテストでフォントのカラーやスタイルを色々と試し、CV率にどのような影響があるか確認しましょう。

色を変更するだけで効果が変わることはよくあります。

メルマガABテストの実施方法

ABテストは事前に計画を立てて進めないと、期待している効果を得難いです。ここでは、ABテストで効果が期待できる実施方法を解説します。

ステップ1.ABテストをおこなう目的を明確にする

ABテストをおこなう目的を明確にしましょう。目的が不明確だと、改善点がわかりにくくなってしまいます。開封率の向上アップやクリック率の改善など、実施する目的をはっきりさせておきましょう。

トライアンドエラーを重ねて効果の最大化を求めるため、目先の目的だけではなく長期的な視点も合わせて持っておくようにしましょう。

ステップ2.仮説を立てる

ABテストの実施前に、仮説を立ててください。仮説なしでABテストをおこなっても、次の改善に活かすことができず実施の意味がありません。

件名に何が入っていれば開封したくなるか、どのような内容ならリンクをクリックしたくなるかなど、購読者の気持ちになって仮説を立てるのが重要です。

また、立てた仮説と結果は将来的にもチェックできるように記録を残しておくことを心がけておきましょう。

ステップ3.対象ユーザーのセグメント分けをおこなう

ABテストでは、対象ユーザーのセグメント分けをおこないましょう。対象範囲を広げて情報を必要としない購読者に配信しても、効果検証がしにくくなります。

例えば資料請求の申し込みやセミナー参加者など、対象のユーザーをセグメント分けすることで質の高い効果検証ができます。

ただしセグメント分けしすぎると、対象ユーザーが少なくなりかえって検証しにくくなる可能性もあるので注意してください。

セグメント配信とは?重要性やメルマガの効果UPに繋がる配信方法を解説

ステップ4.ABテストを実施

対象ユーザーをセグメント分けしたら、AとBのパターンでメールを配信し結果を待ちましょう。

回数が少ないと比較検証できず、仮説の実証が難しくなってしまいます。

また一度のABテストでは実証結果がわからないので、同じ目的と仮説・ユーザーに向けて数回テストをおこないましょう。

ステップ5.結果を振り返り改善できる箇所を探す

ABテストの結果が出たら、結果を振り返り改善できる箇所を探しましょう。AパターンとBパターンのどちらの結果が良かったかだけでは、問題の解決につながりません。

なぜ開封数やクリック数に差が出たのか、仮説は正しかったのかなどを振り返ってください。

問題点を見つけて改善につながっても、読者のニーズは常に移り変わっていきます。新たな目的と仮説を立てながら、検証を繰り返していくことが必要です。

メルマガでABテストを実施する際の注意点

ABテストでは注意しなければならない点があります。ここでは、メルマガでABテストを実施する際の注意点を解説します。

テスト結果は完璧ではないことを意識する

ABテストの結果は完璧ではありません。実際の結果が100%正しいわけではないため、異なる時間や顧客を対象にしてテストをする必要があるかもしれません。外的要因が結果に影響する可能性も常に意識しておいてください。

そのため、一回のABテストで出た結果だけを鵜呑みにしてしまうのは避けなければなりません。何度もテストを重ねていきましょう。

1回のテストで1つだけ変更する

1回のABテストで変更するのは、1つの要素のみにしましょう。一回ごとに複数の条件を変更してしまうと、変更点がどのように影響しているのかわからなくなってしまいます。

また、Abテストをやる意味自体がなくなってしまうリスクもあるので、一度で全ての検証をするのではなく一つずつスモールステップで進めていきましょう。

すべての配信データの記録をとる

ABテストでは、すべての配信データの記録をとっておきましょう。数ヶ月経つとテスト結果を思い出せなくなる可能性があるからです。

すべて記録しておくことで、わずかな違いも見落とさず改善に役立てられます。

複数回実施して検証する

ABテストは、複数回実施して検証することが大切です。得られた結果が小さな差でも、大きな影響を与える重要な傾向になるかもしれません。検証を積み重ねるために、何度も実施しましょう。

検証を重ねてデータが溜まってきたらそれらのデータを集計して、メルマガ施策につながるようにするのが大切です。

日常的にテストを実施する

ABテストは日常的に実施しましょう。ABテストをルーティン化させることで、テスト結果から改善をする習慣になります。

そもそもABテストは集計したデータが必ずしも正しいとは限らず、一度のテストで得られるデータも少ないです。日常的なメルマガ施策として回数を重ねていくことを意識しましょう。

テストを継続する

ABテストは継続することが重要です。時間が経過すると、読者のニーズや求めるものが変わるかもしれません。特にSNSやネットが普及してる昨今では数日間でユーザーの求めているニーズが変化するケースも十分に考えられます。

ABテストを継続することで、読者ニーズの変化に気づき、メルマガのアップデートができます。

メルマガのABテストでよくある失敗例

ここではメルマガのABテストでよくある失敗例を紹介します。失敗例を参考にして、自社で同じ失敗をしないように気をつけましょう。

1.検証する指標が定まっていない

ABテストは、検証する指標が定まっていないと失敗します。メルマガのABテストでは、開封率やクリック率・コンバージョン率など効果の違いを見るために指標となる数値の設定が必要です。

毎回どの数値を指標とするのか、あらかじめ明確にしておきましょう。

2.検証したい要素が絞れていない

ABテストで検証する要素は絞りましょう。メールの件名や本文など同時に複数を検証すると、どの要素が影響や効果につながったかがわかりません。

検証項目を1つに絞り、AパターンとBパターンでそれぞれ効果の違いを計測してください。

3.インパクトが小さすぎて検証ができない

インパクトが小さすぎるために、ABテストで検証できないのもよくある失敗例です。細かい要素を検証した際に数値の変化がないと、メルマガの違いで効果がでたのか判断がつきません。

インパクトの大きい要素を検証して、AパターンとBパターンで違いを明確にすることを意識しましょう。

メルマガのABテストをより効果的におこなう施策

メルマガのABテストをより効果的におこなうためには、メール配信システムやMAツールの活用がおすすめです。それぞれを詳しく紹介します。

1.メール配信システムを活用する

メール配信システムは、メールの配信や分析に特化したシステムです。メール配信システムには、ABテストの実施や分析ができる機能が搭載されています。

また、メール配信の基本的な配信機能をはじめ、他システムとの連携・配信予約・セグメント別機能・分析機能など、目メルマガに関する様々な機能が搭載されています。

メルマガの成果を最大化させたいと考えている場合にはメール配信システムを活用してみてください。

【最新】おすすめメール配信システム30選!料金・機能・特徴の比較表あり!

2. MAシステムを活用する

MA(マーケティングオートメーション)はメール配信やCRM・Webのトラッキング機能を搭載しているツールです。

MAツールは見込み客のWeb上での行動履歴やメルマガの開封履歴が追跡・記録されるため、見込み客がどの商品やサービスにどれほど興味を持っているか知ることができます。

たとえばメルマガを送信してリードナーチャリングをしつつ、見込み客の行動履歴からアプローチが可能です。

【2023年最新】おすすめ定番MAツール16選!機能や費用を比較表で!

ABテストを実施してメルマガでのコンバージョンを最大化させよう

見込み客の状況やニーズは、時間を追うごとに変化します。メルマガの内容を見込み客の変化に合わせるためには、ABテストの継続が効果的です。

ABテストでさまざまな分析をおこなうことでき、より効果的なメルマガの作成ができます。

本記事を参考にメール配信システムやMAツールなどの活用も検討し、ABテストを実施してメルマガの効果を最大化させましょう。

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ビズクロ編集部
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