メール配信システムの選び方は?必要な機能やメリット・注意点を解説
メール配信システムの活用を検討しているものの、どの配信システムが自社に合うのか分からず、なかなか導入に踏み込めない企業も多いと思います。本記事では選び方の6つのポイントや最低限必要な機能、導入メリットや注意点を解説します。あわせて、おすすめのメール配信システム5選も紹介します。
目次
メール配信システムとは
メール配信システムとは、メールの作成から複数顧客へのメールの一斉送信、顧客の行動分析に至るまでの工程を、一手に担うシステムのことです。
会社の事業規模が大きいほど、自社ですべてのメール配信業務をまかなうのは難しくなってくるでしょう。
メール配信システムを導入すれば、複数の顧客へのメールを効率的に同時配信できます。そのため、メール配信業務に割り当てていた時間を削減でき、業務効率化やコスト低減が期待できます。
メール配信システムの選び方
メール配信システムの機能はサービスによって異なります。そのため、どのような点を重視してメール配信システムを選ぶのかが重要です。
具体的には、以下のような選び方が挙げられます。
- オンプレミス型かクラウド型か
- 自社に必要な機能が備わっているか
- 初期費用やコストは問題ないか
- 既存のシステムとの連携ができるか
- セキュリティ性は高いか
- 導入後のサポートはあるか
1.オンプレミス型かクラウド型か
メール配信システムには、オンプレミス型とクラウド型の2つのタイプが存在します。
オンプレミス型は、メール配信システムの運用に際して、自社でサーバーやソフトウェアを管理する方式です。
自社でサーバーやネットワーク機器を管理できるので、何らかの問題が発生しても、自社ですぐに対応できるのが強みだといえます。ただし、サーバーの維持や管理にコストがかかる点が懸念点です。
クラウド型は、メール配信システムの管理会社に、サーバーやネットワークの管理を一任する方式です。サーバー管理を一任できるので、金銭的・人的コストはカットできますが、セキュリティ面に不安がある点などがデメリットとされています。
どちらのタイプも一長一短があるので、予算や自社におけるIT人材のリソース状況などを見極めて、最適なメール配信システムを選びましょう。
2.自社に必要な機能が備わっているか
メール配信システムを選ぶ時には、自社にとって必要な機能が備わっているかどうかを確認しましょう。
HTMLメール作成や顧客ごとのメール配信機能、詳細なマーケティング分析機能など、メール配信システムによって、使える機能はさまざまです。また、異なるIPSサーバーからのメール配信ができるなど、メール到達率をアップさせる機能があるメール配信システムもあります。
自社が必要とする機能は何かをよく検討して、目的にあったメール配信システムを選びましょう。
3.初期費用やコストは問題ないか
メール配信システムを利用する際には、導入コストがかかります。月額の料金体系は、メールの配信数に伴って利用料金も高くなる仕組みが、最も一般的でしょう。
また、オンプレミス型とクラウド型でも費用は異なります。オンプレミス型ではサーバー代やライセンス料などの初期費用に加えて、ランニングコストとしてIT人材の人件費などがかかります。
一方、クラウド型はサービス導入時にかかる初期費用と、毎月のシステム利用料がかかります。
両者の比較では、サーバーやネットワーク関連の運用を、サービス提供会社に一任できるクラウド型の方が、初期費用・ランニングコストともに低い傾向にあります。
▷メール配信システムの平均費用は?料金の相場や機能について解説
4.既存のシステムとの連携ができるか
メール配信システムに、自社で使用しているソフトウェアと連携できる「API連携」の機能がついているかどうかも重要です。
「API機能」とは、ソフトウェア同士をつなげるインターフェースのことをさします。
メール配信システムと「API連携」をすることが多いのは、既存の顧客データを活用できる名刺管理ソフトやCRMシステム、ECショップなどです。
これらのシステムに蓄積された顧客データを活用すれば、メール配信機能を追加するだけで、既存のシステムをそのまま利用できます。そのため、メール配信システムの導入にかかる教育コストをほとんどかけずに、利用を開始できます。
5.セキュリティ性は高いか
メール配信システムでは多くの顧客データを連携させるので、高いセキュリティ対策が施されているシステムを選ぶべきでしょう。
セキュリティの高いメール配信システムを利用することで、外部からのハッキングや人為的なミスで、顧客の個人情報が流出してしまうリスクを減らせます。
2021年に上場企業とその子会社で個人情報の漏えい・紛失事故を公表したのは120社、事故件数は137件、漏えいした個人情報は574万9,773人分に達した。2012年以降の10年間で、社数と事故件数はそろって最多を記録した。[出典:東京商工リサーチ「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故は、調査開始以来最多の137件574万人分」]
このように、日本企業の顧客情報流出・紛失事故は増加傾向にあります。顧客の信頼獲得のためにも、企業によるセキュリティ対策の強化は急務だといえるでしょう。
一方、メール自体のセキュリティリスクを排除することも重要です。送信したメールがスパムとして認定されてしまうと、せっかく送信したメールも顧客の目に届きません。メール到達率を高めるための機能がついたメール配信システムを選ぶことで、安心して顧客にメールを届けられるでしょう。
6.導入後のサポートはあるか
システム導入時や導入後のサポート体制もチェックしておきましょう。
新しいシステムを自社に取り入れる際には、不明点や疑問点が発生する場合も多々あります。そのため、システム導入時フォローや、導入後の丁寧なカスタマーサポートにより、不明点や疑問点を解消してくれる体制が整っているかどうかが重要です。
▷メルマガ配信によるメリット・デメリットとは?効果UPの秘訣も解決!
メール配信システムを導入する目的やメリット
メール配信システムを自社に導入するメリットは、以下の5点にまとめられます。
- メールの到達率を高める
- 大量のメールを一斉送信
- 見込み顧客の発掘
- 既存顧客への有益な情報提供
- ABテストによる検証と改善
メール配信システムを利用することで、自社が伝えたい情報を効率的に顧客のもとへ届けられるだけでなく、見込み顧客の獲得も期待できるでしょう。
1.メールの到達率を高める
メール配信システムの大きなメリットの一つに、顧客にメールが届きやすい点が挙げられます。その理由は、別のIPアドレスから分散してメール配信したり、「SPFレコード・DKIM」という送信機能で、メールがブロックされないような対策がとれたりするからです。
自社でメール配信をしていて、メール到達率や開封率の低さに悩んでいる担当者は、メールが顧客にブロックされにくいメール配信システムの利用がおすすめです。
▷メルマガが迷惑メールに判定される原因は?今すぐできる対策17選!
2.大量のメールを一斉送信
メール配信システムのメリットは、メール作成や配信の業務を効率化できる点です。顧客リストにある個人情報から、性別や年齢などの属性ごとにいくつかのセグメントに分けてメールを一斉送信できます。手動での配信に比べて、大幅に作業を効率化できるので人的リソースの有効活用やコスト削減につながります。
また、セグメント別にメール内容を変えて配信することで、顧客の購入行動につながるような、より効果的なメールマーケティングも実施できるでしょう。
3.見込み顧客の発掘
メール配信システムは、既存顧客だけでなく、見込み顧客を発掘するのにも役立ちます。
顧客データをもとに、それぞれの顧客の興味・関心を引くようなメールを配信することで、自社商品やサービスの購入につながる見込み顧客への効果的なアピールが可能になります。
個別のメールを作成する際には、メール配信サービスのテンプレートをうまく活用して、作業時間を削減しましょう。
4.既存顧客への有益な情報提供
メール配信システムのメリットは、セグメント分けした顧客に対して有益な情報を提供できる点です。既存顧客の購買データや個人情報をもとに、顧客が本当に必要としている情報を届けられるでしょう。
顧客がメールの内容に満足して、エンゲージメントがさらに高まれば企業やブランドのファンになってくれるかもしれません。ファン化することで、顧客が将来にわたって商品・サービスの利用を継続してくれる可能性が高まるはずです。
▷セグメント配信とは?重要性やメルマガの効果UPに繋がる配信方法を解説
5.ABテストによる検証と改善
メール配信システムのメリットは、配信したメールの反応をリアルタイムで分析して、反応が悪ければ、別のプランに方針転換が図れる点です。
顧客に響くメール内容を考え、配信して検証を繰り返すことで、より効果的だと思われるプランの採用ができ、顧客獲得につながるメール配信が可能になります。
メール配信システムに必要な基本的な機能
メール配信システムには、必要となる4つの機能があります。
- 一斉配信機能
- ステップメール配信機能
- セグメント機能
- 効果測定機能
どの機能に強みがあるかをみることで、自社に合ったメール配信システムかどうかが判断できます。メール配信システムで基本的な、4つの機能についておさらいしましょう。
1.一斉配信機能
メール配信システムの基本的な機能として、メールの一斉配信機能があります。自社が保有している顧客情報をもとに、事前に準備したメールを同時配信する機能です。
また、メールの一斉配信サービスに付随する機能として、個別の顧客に対するメール配信機能もあります。顧客からの問い合わせに対しても、柔軟に対応できるのが特徴です。
2.ステップメール配信機能
メール配信システムの重要な機能として、顧客にメールを段階的に配信する「ステップメール配信機能」があります。
たとえば、「商品の評価を求めるメール」や「おすすめ商品に関するメール」を時間差で配信することで、顧客に積極的にアプローチします。定期的なメール配信をすることで、自社サービスや商品のリピート率アップが期待できるでしょう。
3.セグメント機能
セグメント機能は、メール配信システムの効果を決定する重要な機能です。
性別・年齢・所属・購買行動ごとに顧客をセグメント分けして、セグメントごとに最も効果的な内容のメール配信ができます。
最近は、自動的に顧客をセグメント分けして、購買行動につながる可能性が高い顧客限定でメール配信できるシステムも増えています。
4.効果測定機能
メール配信システムを導入して売上拡大や新規顧客の開拓を実現するためには、詳細な分析機能の活用による効果測定が重要になります。
メールをただ送るだけでなく、配信後に定期的に内容を検証する必要があります。
どれだけの集客や見込み顧客獲得に結びついたのか、売上や問い合わせ件数はどれだけ増えたのかなどを検証して、メール内容や配信のタイミング、セグメント分けなどを再検討することが大切です。
メール配信システム導入における注意点
メール配信システムを導入する際には以下の2つの点に注意しましょう。
- 費用対効果を事前にシミュレーションする
- メールの開封率向上には工夫が必要
メール配信システムは、自社開発のシステムでない限り、ほとんどの場合外部の会社が提供する有料サービスを使うことになります。そのため、初期費用やランニングコストなどについては、事前によく考えておく必要があります。またメール配信システムが万能であるわけではない点にも留意が必要です。
1.費用対効果を事前にシミュレーションする
メール配信システムの導入には、初期費用と毎月のランニングコストがかかります。メール配信システムにかかるコストは、利用するサービスやプランによってさまざまです。
メール配信システムがいかに利便性が高いシステムでも、コストが自社の負担になってしまうようでは意味がありません。
費用対効果を考慮して、得られる利益が大きいサービスやプランを選びましょう。
2.メールの開封率向上には工夫が必要
コストや手間をかけてメール配信をしても、顧客に必ず読まれるわけではないことを理解しておきましょう。
たとえば、受信者や通信機器の設定によって、「迷惑メール」として処理されてしまうこともあります。前述したように、サービスによっては「迷惑メール」に振り分けられないような機能を備えているものもあるので、サービスの選定時にはスペックをよく比較しましょう。
また、メールの開封率をアップさせたり、実際に購買につながる行動を促すためには、効果測定が必須です。さまざまな試行錯誤を繰り返しながら、成果につながるようなメール配信パターンを見つけることが大切です。
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おすすめのメール配信システム5選
メール配信システムのおすすめは、以下の5つのサービスです。
- blastmail
- Cuenote FC
- 配配メール
- Pardot
- Knowledge Suite
機能やコスト、導入実績などを比較しながら、自社にとって最適なメール配信システムを選びましょう。
1.blastmail
「blastmail」は、ミックITリポート2022年2月号において、11年連続顧客導入数1位を獲得した実績のあるメール配信システムです。
日本国内の大企業や中小企業、官公庁にまで広く使用されているメール配信システムで、高性能かつ安価な点が特徴です。
1週間の無料体験もあるので、利用してからシステムの本格的な導入を検討してみてもいいでしょう。
提供元 | 株式会社ラクスライトクラウド |
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初期費用 | 11,000円(税込)[1年契約で初期費用半額] |
料金プラン | ■従量課金制 登録アドレス数 3,000件で月額3,300円(税込) 5,000件で月額4,400円(税込)7,000件で月額5,500円(税込)10,000件で月額6,600円(税込)13,000件で月額8,800円(税込)15,000件で月額9,900円(税込) |
導入実績 | 11年連続顧客導入数シェアNo.1(2021年時点)
契約者数は累計で18,000件以上を誇る |
機能・特徴 | HTMLメール作成、デコメール作成、ターゲット配信、空メール登録、効果測定ツール、迷惑メール対策 |
URL | 公式サイト |
2.Cuenote FC
メール配信システムの「Cuenote FC」は、高スピード・高到達率の一斉メール配信が特徴で、のべ1,900 社もの契約実績があります。
簡単な操作でスマホやタブレット向けのHTMLの作成、ブロックされにくいメール配信ができます。
メール配信のスピードや効果に不安を感じているマーケティング担当者や配信担当者は、「Cuenote FC」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
提供元 | ユミルリンク株式会社 |
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初期費用 | 登録アドレス数 2,000件で33,000円(税込) 5,000件で55,000円(税込)無制限で220,000円(税込)〜 |
料金プラン | ■従量課金制 登録アドレス数 2,000件で月額5,500円(税込) 5,000件で月額11,000円(税込)10,000件で月額22,000円(税込)30,000件で月額55,000円(税込)50,000件で月額77,000円(税込)100,000件で月額110,000円(税込)150,000件で月額165,000円(税込)無制限で月額165,000円(税込)〜 |
導入実績 | 契約者数は累計1,900件以上月間メール配信数は60億通以上の実績 |
機能・特徴 | HTMLメール作成、多言語のメール配信、ステップメール機能、高速で到達率の高いメール配信、マーケティング分析機能 |
URL | 公式サイト |
3.配配メール
「配配メール」は「費用対効果が高いマーケティングサービス」でNo.1を獲得しており(同社HPより)、多くの導入実績があるメール配信システムです。
メール配信管理に必要な機能だけを集めたシンプルな作りで、メール配信にかける時間的・人的なコストを削減するのに役立ちます。
メール配信管理をシンプルに行いたい企業に向いているサービスと言えます。
提供元 | 株式会社ラクス |
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初期費用 | 33,000円(税込)〜 |
料金プラン | 従量課金制22,000円(税込)〜 |
導入実績 | 導入実績は9,000社以上 |
機能・特徴 | HTMLメール作成、マルチパート配信、セグメント分け機能、クーポン配信、暗号化メール対応、多言語配信、予約配信、マーケティング分析機能 |
URL | 公式サイト |
4.Pardot
「Pardot」はメール配信システムやマーケティング分析を基本とした、マーケティングオートメーションツールです。
メール配信における定型的な業務を効率化することで、その他の業務に人員や時間を割けるようになります。
メール配信業務だけでなく、マーケティングにまつわる日常業務を効率化したいと考えている企業に適したシステムです。
提供元 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■基本料金
|
導入実績 | 中小から大企業まで、幅広い業種や職種の企業に導入されている |
機能・特徴 | マーケティング分析や営業・メール配信業務の効率化、反復的なマーケティング業務を自動化して、会社の業務効率をアップさせる |
URL | 公式サイト |
5.Knowledge Suite
「Knowledge Suite」は営業支援ツールや名刺管理、メール配信システムが統合されたビジネス管理サービスです。
一斉送信できるメールの数は無制限で、テレワーク時に役立つ従業員間の連絡ツールやネット上での名刺交換としても役立ちます。
「Knowledge Suite」はメール配信だけでなく、ビジネス全般に関わる業務を効率化して個人や組織の生産性・効率アップを目指すツールです。
提供元 | ナレッジスイート株式会社 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■基本料金 ・グループウェア:11,000円/月(税込) [容量1GB超過につき2,200円(税込)]・SFAスタンダード:55,000円/月(税込) [容量1GB超過につき9,625円(税込)]・SFAプロフェッショナル:88,000円/月(税込) [容量1GB超過につき9,625円(税込)] |
導入実績 | 上場企業から中小企業まで導入実績が幅広い |
機能・特徴 | メール一斉送信、マルチデバイス対応のグループウェア、名刺管理機能、営業支援ツール、マーケティング分析機能 |
URL | 公式サイト |
メール配信サービスは自社に合ったサービスを
メール配信システムの導入によって、送る手間やコストを削減しつつ、複数の相手先に正確に一斉メールを送ることが可能になります。
メール配信システムは、メールの到達率や開封率、顧客の行動をセグメント別に分けて、適切なメールで顧客にアプローチできるのが理想です。単なる送信手段だけでなく、マーケティングツールとしても活用することで、売上拡大や新規顧客開拓にもつなげられるのです。
メール配信システムの活用を検討する際には、機能性やコスト面からみて、自社にとって最も費用対効果が高いと思われるサービスを選びましょう。
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