セグメント配信とは?重要性やメルマガの効果UPに繋がる配信方法を解説

最終更新日時:2022/03/06

メール配信システム

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メルマガの開封率の低下や、配信停止率の高さに困っている方は、セグメント配信を検討してみるとよいでしょう。本記事では、セグメント配信の意味やメリット、メルマガの効果UPに繋がりやすい配信方法、注意点を解説します。メルマガ担当者の方はぜひ参考にしてください。

メルマガのセグメント配信とは?

セグメント配信とは、顧客が興味をもっている内容を顧客データを駆使して対象を絞り込んで提供するメール配信の手法です。

顧客の属性や行動の段階を分類することをセグメンテーションといい、セグメンテーションが完了することで誰にどの情報を伝えればよいかが明確になります。

セグメント配信では運用コストがかかるものの、不要な情報がユーザーに届きにくくなるため、メールの開封率やクリック率の上昇、配信停止率の低下が見込めます

セグメント配信の切り口について

顧客情報をセグメンテーションする上で重要なのが、どのようにセグメントするかの切り口を考えることです。

必要な情報を漏れなく洗い出すことと、適切な粒度でセグメントしていく必要があります。

業種や業態によってセグメントの仕方は異なりますが、ここでは代表的なセグメントの方法をご紹介します。

  • 属性情報
  • 行動情報
  • 既存顧客or見込み顧客

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

1.属性情報

属性情報とは、顧客の性質を表す情報です。具体的には以下のような情報が該当します。

  • 居住地域
  • 年齢
  • 性別
  • 家族構成
  • 収入
  • 業種
  • 趣味嗜好

これらの情報を利用したセグメント配信例としては、「生年月日でセグメントすることで、誕生月にクーポンをプレゼントする」「業種でセグメントすることで、関連企業の導入事例を案内する」ことなどが挙げられます。

必ずすべて利用するという決まりはないため、利用できるデータから利用して配信していくことがおすすめです。

2.行動情報

行動情報とは、顧客が取った行動を表す情報です。具体的には、以下のような情報が該当します。

  • 購入履歴
  • 資料請求
  • 問い合わせの有無
  • イベント参加
  • 特定Webページのアクセス
  • 展示会の来場

これらの情報を利用したセグメント配信例としては、「購入履歴でセグメントして、似た商品のおすすめを配信する」「資料請求でセグメントして、無料体験やセミナーの案内をする」「特定のページにアクセスしたユーザーをセグメントして、再度同じページのURLを送付する」などが挙げられます。

3.既存顧客・見込み顧客

既存顧客とは、既にサービスを利用している顧客のことです。

既存顧客に対してはサービス利用時の情報があるため、効果的なアクションが取りやすくセグメント配信に適しています。そこで、顧客満足度を高めたり、アップセルを狙うためのメルマガコンテンツを提供するのがおすすめです。

見込み顧客とは、まだサービスを利用していないものの、将来顧客になる可能性のある対象のことです。

既存顧客よりもセグメントできる情報には制限があります。最終的な購買行動につなげるために、サービスの魅力や利用メリットが伝わりやすいHTMLメルマガや、一番成果の高いLPへ誘導するメルマガコンテンツを提供できると効果的です。

メルマガ配信によるメリット・デメリットとは?効果UPの秘訣も解決!

セグメント配信の具体例

セグメントの分類方法によって、成功することもあれば失敗することももちろんあります。まずは検証してみて改善施策を繰り返すことは重要ですが、ある程度定番のセグメント配信の方法を知っておくことも重要です。

セグメント配信を効率的に実施する近道として、成功例をイメージすることが挙げられます。よりイメージしやすいように、ここではよく使用される具体例を見ていきましょう。

(1)地域

地域のセグメントをうまく活用した例として、大手ビールメーカー「サッポロビール」の取り組みをご紹介します。

既存顧客のWebサイト会員向け取り組みとして、「地域限定ビールのキャンペーン情報を該当地域に住む会員のみに配信する」「特定記事に興味を持った該当地域限定の会員のみ製品情報を送る」といったセグメント配信を行っています。

地域で対象者を絞ったセグメント配信を行うことで、地域に根ざした商品やサービスのPR効果は絶大に上がります。受信者にとっても、わざわざ自分の地域限定の内容が届けばメルマガを開きたくなるのではないでしょうか。

(2)性別

ここでは、あるアパレル企業の具体例をご紹介します。

その企業では女性向けのコンテンツ拡充として、「女性限定」という絞り込みに加えて「24時間有効のクーポンを配信」というセグメント配信を行いました。結果として、対象セグメントにおけるコンバージョンが通常の一斉配信に比べて大幅に伸びたのです。

配信対象が女性限定なために、男性用商品は全く掲載する必要がなくなったため、内容を女性向けに特化させ、メルマガのスペースをフルで利用できたことが成功の理由に挙げられます。さらに、時間に制限を与えることによって、より今見たいという心理を利用したというのもポイントです。

(3)購入頻度

商品の購入履歴を収集することで、さまざまなユーザーの情報が明らかになってきます。特に、購入頻度をセグメントすることで、そのユーザーがヘビーユーザーなのかライトユーザーなのか、いつサービスを利用するのかなどの傾向を把握することが可能です。

よく利用するヘビーユーザーの場合はライトユーザーよりもメルマガの回数を増やしてみたり、売り出した商品をサジェストしてみたりといったセグメント配信をすることも非常に効果のある選択肢になります。

(4)特定ページへのアクセス

特定のページにアクセスしているユーザーをセグメントすることによって、ユーザーにとって興味のあるコンテンツを絞り込んだメルマガ配信が可能です。例えば、新商品ページをよく見るユーザーには、新商品に関するキャンペーンを厚めに配信することもできます。

ユーザーの心理はページのアクセスに現れやすいため、セグメンテーションするにあたっては特定ページのアクセスを詳細に分析することが重要です。

セグメント配信の重要性やメリット

マーケティングにおいては、より顧客ニーズに即したコンテンツ提供が必要になります。顧客ニーズに応えるコンテンツ提供の方法として、セグメント配信は非常に有効です。

すべての顧客に一斉配信する方法に比べ、セグメント配信ではコンテンツ内容をより深く掘り下げることも可能で、高い訴求効果が期待できます。

その他にもセグメント配信にはさまざまなメリットがありますが、メリットに関してはある程度広く押さえておくことが必要です。ここでは、セグメント配信の重要性とメリットについてご紹介します。

(1)開封率やクリック率等の数値が向上する

セグメンテーションによって、より興味のある情報が届けられるようになることから、メールの開封率やクリック率といったメルマガのKPIである数値が向上する可能性があります。

また、一斉送信の場合、興味のないメルマガが届いてしまうことで、本来興味のあるメルマガが開封してもらえなくなるという機会損失につながりかねません。

このような機会損失を防ぐためにもセグメント配信は有効です。メルマガが、利用者にとって知りたかった情報を提供してくれるというイメージを持ってもらうことで信頼関係を構築できることもセグメント配信の大きなメリットです。

(2)顧客に合った情報提供ができる

顧客の興味や関心を惹く情報が提供できるという点は、大きなメリットです。配信したメルマガが興味のある内容だった場合、またこの企業のサービスを利用したいと考えてもらえるようになり、読者の満足度は高くなるといえるでしょう。

読者にとって必要な情報を配信していくことで自社のファンが増えるため、企業のブランディング価値向上といった効果も期待できます。

(3)解約率が低下する

開封率やクリック率などが向上する効果と同様に、既存顧客の解約率を抑える効果もあります。なぜなら、ニーズにあった情報が届くのでメルマガが迷惑と思われにくいことから、わざわざ解約しようという顧客が減るためです。

一斉送信は幅広い顧客に知ってもらうために有効ではありますが、顧客によってはノイズとなる情報を提供してしまうという点を意識する必要があります。そこで、セグメント配信を利用することでこうしたノイズを減らす効果が期待できるのです。

(4)ファンの醸成に繋がる

興味のある内容のメルマガを配信し続けていくと、既存顧客を自社のメルマガのファンになってくれる可能性があります。もちろん、興味のある内容は時期によって変わってくる可能性もあるため、ファンの心を掴み続けるためには定期的なセグメントの見直しも必要になるという点は注意しなければなりません。

ファンになった顧客は、通常の顧客よりもサービスに興味を持ってくれるため、結果的にさらなる売上アップに繋げることが可能です。また、自社のサービスを拡散してくれることもあるので、広告効果も期待できます。

どんなメルマガがうざいと思われるのか?ユーザーの心を掴むためのコツ

セグメント配信のデメリット

ここまではメリットについてご紹介してきましたが、デメリットについても理解しておく必要があります。デメリットを上回るメリットがないと利用する価値はないため、合わせて理解しておきましょう。

なお、デメリットはやり方によって解消できる可能性もあるため、セグメント配信を導入する上でどのようにデメリットを解消していくかという施策を考えることが大切です。

ここでは、具体的なデメリットを2点ご紹介します。

(1)配信準備に手間と時間がかかる

一斉送信では何も条件を絞らずに送信できるため、手間も時間もそれほどかかりません。一方、セグメント配信では条件を絞ってメールを配信する必要があることから、配信準備に手間と時間がかかります

特に仕組みをある程度確立するまでは時間がかかりやすいため、メール配信システムの導入やセグメント配信に使用するフィルタの作成を効率的に実現できる方法を検討しなければなりません。

一度仕組みを確立させてしまえば手間や時間がかかりづらくなるため、時間と共に解消することもある点を覚えておくとよいでしょう。

(2)適切なセグメントを設定しないと効果が下がる

セグメント配信では、導入したものの思うように効果が挙げられないということもあります。原因は状況によってさまざまですが、適切なセグメントが設定できていない場合に起こりやすいです。

セグメント配信の効果を最大化するためには、自社のサービスやコンテンツ内容に適したセグメント設定が必須です。例えば、同業の導入例を調べるなどの事前準備を行うことで、不要なセグメント設定を回避できます。

セグメンテーションに関する正しい知識を身につけることで、効果的なセグメント設定ができるようになりますので、知識の習得をおすすめします。

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セグメント配信と一斉配信の使い分け

セグメント配信にはさまざまなメリットがありますが、場合によっては一斉配信を利用した方が効果的な場合もあります

セグメント配信と一斉送信にはそれぞれ異なった特徴があるため、使い分けて運用することが好ましいでしょう。双方のメリットを理解した上で、どの場合はどちらの配信方法をとればよいか使い分けていくのです。

ここでは、セグメント配信と一斉送信の使い分けについて、具体的なケースをご紹介します。

セグメント配信すべきケース

セグメント配信をする上でのメリットは、顧客のニーズに合わせたメールを配信することができるという点です。

興味を惹く情報を届けることができる反面、似た内容のメールが増えてしまうという危険性も否定できません。また、マンネリ化に繋がってしまうこともあるため、開封率が下がってしまうケースに陥ることもあるのでご注意ください。

顧客が興味を惹く内容に加えて、新鮮味のある内容をセグメント配信すると開封率が下がりにくくなります。高い効果を生み出すためにも、セグメンテーションに沿った専門的な内容や業界の最新ニュースといった新鮮な情報をセグメント配信してマンネリ化を防ぐのがおすすめです。

一斉配信すべきケース

一斉配信する上でのメリットとして、大量のメールにコストをかけず一気に送信できるという点が挙げられます。

セグメント配信よりも開封率が下がってしまう傾向があるものの、多くの顧客に対してアプローチしたいというケースにおいては有効な配信方法です。また、属性を限定せずに送信することで、あらゆる層の顧客の反応を知ることもできます。

具体的には、とにかく認知を拡大したい新商品やサービスのPRメルマガや会社からユーザーに対する重要なお知らせなどは一斉配信を利用すべきだと言えるでしょう。

一斉送信した内容から分析してセグメント配信に切り替えるという方法も非常に効果的なのでぜひ活用してください。

効果UPしやすいメルマガのセグメント配信方法

セグメント配信を始めたからといって必ず成果が上がるというわけではありません。他にも工夫することによって効果が大きく変わってくるため、色々な施策の検証を行うことが大切です。

工夫の方法はセグメント配信の内容によってさまざまですが、代表的な方法は以下の2つです。

  • MAツールを利用する
  • HTML形式で配信する
  • 差し込み機能を活用する

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

(1)MAツールを利用する

MAツールとは、マーケティングオートメーションツールの略称で、顧客データの管理やWeb上で顧客がとった行動を分析、さらにマーケティング施策の自動化が実現できるシステムのことです。

分析できる行動はさまざまですが、例えば「サイト内のページ閲覧履歴」や「メールにあるURLをクリックしたか」などの情報などが挙げられます。分析した結果、どの情報をどのユーザーに届けるべきかといったデータを導き出すことが可能です。

MAツールを活用することで、データの分析にかかる時間を削減できるため、効率的なセグメント配信ができるようになります。また、MAツール自体にもメール配信機能が備わっているので、データを駆使してそのままメルマガ配信を実施することも可能です。

MAツールとメール配信システムの違いとは?役割や機能・選び方を解説!

(2)HTML形式で配信する

HTML形式は、メール配信する形式の一つです。文字だけのメールのことはテキスト形式と呼びますが、HTML形式では画像挿入やデザインの装飾が可能です。

HTML形式のメールを配信することでメールの見た目がリッチになるため、文章だけでなく視覚的にもわかりやすく情報を伝えられるというメリットがあります。また、テキスト形式ではできないクリック率や開封率と言った数値計測が可能なのも特徴です。

これらのデータを収集することで、より詳細なセグメント化に役立てることが可能です。

(3)差し込み機能を活用する

一斉送信している形跡が見えてしまうと特別感が失われてしまうことから、ユーザーも「確認しなくてもいい」という心境になってしまう可能性が否定できません。かといって、手作業で一人ひとりに宛てて文章を作っていては、時間がかかりすぎてしまいます。

そこで、特別感を出しかつ時間がかかりすぎないようにするためには、「差し込み機能」が非常に有効です。この機能では、差し込みたいデータ(ユーザーの個別データ)をトークンで指定することで、送信者が個別にメールを送っているように見せることができます。

件名やメールの本文に顧客の名前やメールアドレスなどを差し込むことが可能なため、例えばバースデーメールの配信や特に優先度の高い見込み顧客へのメルマガ配信に活用できます。

セグメント配信を実施する際の注意点

ここからは、セグメント配信を実施する際の注意点についてご紹介します。配信する前に検討すべき部分もありますが、配信した後でも注意すべき点があるので把握しておきましょう。

(1)セグメントを多くしすぎない

セグメント配信では、セグメンテーションごとに送信するメールのコンテンツ内容を準備することが重要です。セグメントを細分化しすぎてしまうと、その分準備に膨大な時間がかかってしまい、配信後の素早い対応や検証・改善施策ができなくなってしまいます。

準備に時間がかかってしまい、このタイミングで配信をしたいという期限に配信ができなくなってしまうなど、機会損失を生む可能性もあるので注意しなければなりません。

セグメント配信を初めて実施する場合、最初から細かくセグメントしすぎず、2つや3つ程度の負荷がかからない数のセグメンテーションから始めるのが賢明です。

(2)効果測定を継続的に行う

適切なセグメント配信ができたと思っても、効果が出ないこともあります。効果が出ないまま続けてしまうと、一斉送信よりも非効率な配信を続けてしまうという大失敗に繋がりかねません。

そのため、分析したデータから適切なセグメント配信ができたと思っても、継続的に効果測定を行って改善施策を検証し続けなければならないのです。効果測定の際に確認する項目としては、開封率・クリック率・解約率などが挙げられます。

セグメント配信を使いこなして有効なメルマガに

セグメント配信は性別・年齢・地域・行動・心理などのさまざまな要因からセグメンテーションを設定し、それぞれのセグメントごとにメールを配信する方法と説明しました。

適切なセグメントに分類して配信することで、ユーザーにとって興味のある内容をピンポイントに伝えることができます。

ただし、すべてセグメント配信にする必要はありません。一斉送信とセグメント配信をうまく使いこなし、ユーザーの満足度が高まるメルマガコンテンツを構築していきましょう。

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