マネジメントに向いている人とは?スキルがある人の特徴やスキルを身につけるコツ

最終更新日時:2023/06/09

組織・マネジメント

マネジメントに向いている人

管理職や経営層に必要な「マネジメントスキル」。組織を発展させるには、チームメンバーがスキルを発揮できるよう効果的に働きかける必要があります。本記事では、マネジメントに向いている人とは?向いている人の特徴や、スキルを向上させる方法・注意点について詳しく解説します。

マネジメント能力とは?

マネジメント能力とは、リーダーがメンバーの能力を引き出し、チーム全体で成果を上げられる力のことをいいます。

ビジネスでのマネジメントとは、経営の管理・運営を表す場合が多く、人材やお金などを効果的に活用し、成果を上げて目標達成を目指すことです。

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マネジメント能力とリーダーシップとの違い

マネジメント能力とリーダーシップを同じように使っている方も多いですが、実際には意味合いが異なります。リーダーシップは人材を対象にしているのに対し、マネジメント能力は人材以外の資源管理も含んでいます。

つまりリーダーシップはマネジメントに必要な能力の一つであり、マネジメント能力が優れている人はリーダーシップを発揮しているといえるでしょう。

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マネジメントスキルを形成する3つの要素

マネジメントスキルは大きく分けて3つのスキルで構成されています。

アセスメントスキル

アセスメントスキルとは、部下の状況を正しく把握して評価するためのスキルです。長所や短所を理解し、育成するための方針を設計する際に重要な能力です。

1on1を通じてコミュニケーションを取ったり、日常的な業務の中で観察をしたりするなど、長所や短所だけではなく個性や性格までを正しく把握することでアセスメントスキルを身につけることができます。

アカウンタビリティスキル

アカウンタビリティとは「説明する義務・責任」という意味で、相手にわかりやすく伝える能力をアカウンタビリティスキルといいます。

アカウンタビリティスキルを習得するには、文章や日本語を見直すことが効果的です。マネジメントではメンバーが理解できる言葉で、丁寧に説明する必要があるため、必須のスキルといえるでしょう。

コーチングスキル

コーチングとは「指導」のことで、部下や後輩などの能力を最大限発揮させる能力です。アセスメントスキルはメンバーの能力や行動の傾向・育成などの能力を指しますが、コーチングスキルは、強みや長所を見つけ活かします。

メンバーが自分自身で考えさせることが主な目的であり、主体的に行動できるよう育成するスキルです。

マネジメントに向いている人の特徴

マネジメントとは人・モノ・金といった資源を有効活用することで成果を上げ、経営目標を達成することです。マネジメントに向いている人の特徴は主に8つです。それぞれ詳しく解説します。

どんなときでも平常心を保てる

マネジメントに向いている人は、どのような状況でも平常心を保てる人です。

常に平常心でいられる人は、アクシデントや危機的状況でも状況を冷静に把握し、何が問題か瞬時に判断できます。状況判断をし問題や課題を分析して最善策を選択することで、問題解決へと導けるでしょう。

チームの状況を正しく判断できる

チームの状況を正しく判断し、課題や問題が生じた際には論理的に判断を下せる人もマネジメントに向いていると言えます。

状況を理解せずに正しい判断が下せない場合には、部下のマネジメントができず、チーム内の士気や部下のモチベーションが低下するリスクが生まれるでしょう。

計画力・スケジュール力がある

マネジメントには、計画力やスケジュール力も求められます。マネジメントをする立場の人は、プロジェクト全体を把握し、目標を達成するために計画を立て、実行しなければなりません。計画を立てた後は人員配置や業務の調整で、プロジェクトが計画通りに進行するように管理することが必要です。

コミュニケーション能力が高い

マネジメントにおいてコミュニケーション能力は、必須の能力です。チームリーダーはメンバーと十分にコミュニケーションを取り、業務を遂行しなければなりません。コミュニケーションがしっかり取れていれば、指示を正しく理解し質の高い仕事を行えます。

コミュニケーション能力の高い人は部下の希望や課題もヒアリングでき、良好な人間関係を築けるのでメンバーから信頼されるでしょう。

プレイヤーとしても結果を出し続けられる

優れたマネジメントを発揮できる人は、プレイヤーとしても結果を出し続けられます。現代においては、リーダー自身もプレイヤーとして活躍することが求められます。マネジメントをしつつ、プレイヤーとして結果を出すためには、メンバーに成長する姿を見せることが必要です。

周囲からの人望がある

チーム内の部下だけではなく、社内の様々な人からの人望がある人もマネジメントに向いています。

マネジメントをする立場上、部下だけではなく部署や部門を超えて様々な人と接するため、人望があることによって様々な人と円滑なコミュニケーションをとることができるのです。

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マネジメントスキルを向上させる方法

マネジメントに必要なスキルはわかったものの、どのように向上させるべきかが非常に重要です。ここでは、スキルを向上させる方法について7つ解説します。

優先すべきことを常に意識する

優先すべきことは何かを、常に意識して行動しましょう。マネジメントをしていると、業務を同時並行で行うシーンが多々あり、優先順位をつけずに業務を行うと結果的に非効率になります。

やるべきことを洗い出し、項目ごとに優先順位をつけることが大切です。優先順位を明確にすることで、どんなときでも落ち着いて指示が出せるでしょう。

メンバーのスケジュールを把握する

メンバーのスケジュールを把握しておくと、マネジメントスキル向上に役立ちます。メンバーの業務量や空いている時間を把握すれば、いつだれにどの仕事を任せればいいか、スムーズに割り振れるため効率的に作業を進められます。

コミュニケーションスキルを高める

マネジメントする人にとって、コミュニケーションスキルは非常に重要です。コミュニケーションスキルを高めることで、メンバーとの良好な関係が築けます。明るく笑顔で挨拶をし仕事中は適切に振る舞うなど、メンバーが話しやすい雰囲気を出すようにしましょう。

自分とメンバーだけでなく、メンバー同士の関係も把握することが大切です。人間関係を知っておくことで、チームの組み方や仕事の進め方なども変わってきます。

高い視点・広い視野を持つ

マネジメントでは、高い視点と広い視野を持つように心がけましょう。自分たちのすべきことを深く理解するためには、今の立場よりも高い視野を持って仕事を見ることで、普段は気づかないことに気づけます。

高い視点から仕事を確認するには、会社全体の仕組みやバリューチェーンなど、経営に関する広い知識の習得が有効的です。

感情をコントロールする力を身につける

リーダーは、常に冷静でいることが求められます。マネジメントをしていれば、どうしても感情的になりそうな場面が発生します。しかし、どのようなときでも感情をコントロールしてマネジメントすることが大切です。

感情のままメンバーを叱ったり焦って判断ミスをしたりしないよう、普段から感情をコントロールできる能力を身につけましょう。

セミナー・書籍を活用し必要な知識を蓄える

セミナーや書籍を活用し必要な知識を蓄積することは、マネジメントスキル向上に効果的です。

なお、受講するセミナーや購読する書籍が特定の人物や分野に偏ってしまうのには注意が必要です。柔軟な知識を蓄えるためにも、できるだけ様々な人や考え方を吸収するようにしましょう。

マネジメントに関連した資格を取得する

マネジメントに関連した資格の取得もおすすめです。実際のビジネスでマネジメントに関する資格は必要ないものの、資格取得に向けて勉強することで、人をまとめる力や判断力など様々なスキルや知識が習得できます。

また、資格は自身のマネジメントスキルを可視化できる材料にもなるので、転職にも有利に働くでしょう。

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マネジメントスキル向上が期待できる資格

マネジメントスキル向上の方法を紹介しましたが、資格の取得も有効な方法です。ここでは、マネジメントスキル向上が期待できる資格を4つ紹介します。

ビジネスマネジャー検定試験

ビジネスマネジャー検定試験は、マネジャーとして活躍するために欠かせない基礎知識を効率的に習得できます。そのため、マネジメントに必要な総合知識の習得やキャリアを開拓したい人におすすめです。

試験では、組織・基礎・リスクの各マネジメントの知識が求められ、学習時間は約50〜100時間が一般的です。受験料は7,700円(税込)かかります。

PMP

PMPは、プロジェクトマネジメントについての国際資格です。プロジェクトマネジメントに必要な経験や教育・知識を確認し、プロとしてマネジメントできる人材だという確認を目的としています。

PMPは国際資格として世界で広く認知されているため、業界や国に関わらず有利になるでしょう。また国際資格であることから難易度は相当高く、勉強に必要な時間は100時間といわれています。試験料PMI会員の場合405ドル(再受験は275ドル)、PMI非会員での場合555ドル(再受験は375ドル)必要です。

メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定は、心の不調を未然に防ぎ活気あふれた職場環境を作るために、メンタルヘルスケアについての知識や対処方法を身につけることが目的です。資格を取得することで、メンバーのメンタルヘルスケアについて組織的・計画的に取り組めるようになります。

試験はⅠ種からⅢ種まであり、最新の合格率はⅠ種17.6%・Ⅱ種58.2%_Ⅲ種69.4%となっています。勉強時間は、Ⅰ種100〜120時間・Ⅱ種30〜50時間・Ⅲ種10〜20時間程度が必要です。受験料は、Ⅰ種11,550円(税込)・Ⅱ種7,480円(税込)・Ⅲ種5,280円(税込)かかります。

マネジメント検定(経営学検定)

マネジメント検定は、マネジメントに関する基礎・専門知識および経営課題の解決能力が、一定の水準に達していることを認定する試験です。組織運営を理解し、経営者としてのマネジメントスキルが身につきます。

試験はⅠ級からⅢ級まであり合格率は50%前後ですが、MBAレベルの専門的知識と実践的な経営能力が求められるため難易度は高いといえます。勉強時間は、Ⅱ種で2〜3ヶ月、Ⅲ種で1〜2ヶ月程度の勉強時間が必要です。受験料はⅡ級が11,000円(税込)・Ⅲ級が6,600円(税込)で、Ⅰ級はまだ決まっていません。

【役職別】マネジメントの種類

マネジメントは、自分が置かれている立場によって3種類に分類されます。

トップマネジメント

トップマネジメントは「最高経営層」ともいわれており、組織のトップにいる人が経営を引っ張っていくポジションです。会長や社長、取締役などの幹部がトップマネジメントに該当します。

トップマネジメントのポジションにいる人は、事業戦略や経営理念の決定、マネジメントする人への指導など、さまざまな役割を担わなければなりません。トップマネジメントの良し悪しが組織全体に影響するため、組織の方向を明確化し現場が一丸となって仕事を行えるように導くマネジメントが必要です。

ミドルマネジメント

ミドルマネジメントは、一般的に「中間管理職」といわれるポジションです。経営幹部と現場のリーダーとの間をつなぐ大事なポジションで、役職で言うと部長や課長などが該当します。ミドルマネジメントは、経営層が考えた経営戦略を部下にわかりやすく伝え、各部署の人材配置やコンプライアンスなど多くの役割を行います。

組織全体が円滑に前を向いて進んでいくためには、ミドルマネジメントがそれぞれの役割を果たすことが欠かせません。

ロワーマネジメント

ロワーマネジメントの「ロワー」とは現場のリーダーで、メンバーの管理監督をする立場のポジションです。主に、係長や主任などの役職を指しています。

ロワーマネジメントの立場にいる人は、ミドルマネジメントをもとに現場業務の直接統率が必要です。

マネジメントの種類一覧|必要なスキルや役割・ポイントを解説!

マネジメントに向いている人を育成しチームを成功に導こう

組織にとってマネジメントスキルが高い人は、非常に貴重な人材です。優れたマネジメントができる人の存在が、組織として目標を達成できるかに大きく関わります。

マネジメントに向いている人を育成して、チームを成功に導いていきましょう。また本記事で紹介した資格なども活用してみてください。

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ビズクロ編集部
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