人材育成の成果を評価する上で大切なKPI|指標例や必要な理由を解説

最終更新日時:2023/11/17

組織・マネジメント

人材育成のKPI

人材育成の成果を評価するうえで重要となる「KPI」。目標を達成するための過程を評価する指標のことですが、なぜKPIの設定が必要なのでしょうか。本記事では、KPIとは何か、人材育成において必要な理由や指標例、設定のポイントなどを解説します。

KPIとは?

KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、最終的な目標達成までの進捗状況を評価する指標です。日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。

例えば、営業職において最終目標が「1か月で売上100万円」だった場合、この目標を達成するために立てる「1日100回以上の架電」「週3回以上の商談」などの小さな目標がKPIです。

適切なKPIを設定することで現状とのギャップを正確に把握し、目標達成に遅れが生じるようであれば、その都度軌道修正することが可能となります。

KPIに類似した言葉との違い

KPIに類似した言葉として、以下の3つが挙げられます。

  • KGI
  • OKR
  • KFS
    • それぞれの言葉の違いについて、1つずつ詳しくみていきましょう。

      KGI

      KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、最終的に達成すべき目標のことです。日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。KGIが最終目標である一方で、KPIはKGIを達成するための中間目標的な役割を持ちます。

      OKR

      OKRとは「Objectives and Key Results」の略で、日本では「目標と主要な結果」と訳されます。達成すべき目標と、その目標の達成度を評価する指標(=中間目標)を設定する、目標設定・管理方法のひとつです。

      KPIとOKRはどちらも中間目標を立てることから、一見同じ意味を持つように感じますが、理想とする中間目標の達成率が異なります。OKRにおける中間目標の達成率は60~70%が理想とされているのに対し、KPIは達成率100%が理想とされています。

      KFS

      KFSとは「Key Factors for Success」の略で、目標の達成や事業を成功させるために、とくに重要となる要因のことです。「KSF(Key Success Factors)」と表現される場合もあります。

      ビジネスシーンでは、KGIを達成するために重要となる要因をKFS、KFSを達成するための中間目標をKPIというように、分解して活用されています。

      人材育成においてKPIが必要な理由

      KPIは人材育成を効率化させるために必要となる指標です。では、なぜKPIを設定することで人材育成を効率化できるのでしょうか。ここでは、人材育成にKPIが必要な理由について詳しく解説します。

      人材育成のプロセスを可視化できる

      KPIは、業務プロセスごとに具体的な数値を用いて設定することが基本です。人材育成においてKPIを設定する場合、まずは人材育成における業務プロセスを細分化するところからはじまります。つまり、KPIを設定するにあたって人材育成における業務プロセスが可視化されるということです。

      KPIの設定で業務プロセスが可視化されれば、業務プロセスにおける無駄な工程やコストを発見し、その都度無駄を削減できるため、人材育成の効率化につながるでしょう。

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      社員のモチベーションを保てる

      KPIを設定することで、目指すべき方向が明確になり、具体的な行動につなげやすくなります。その結果、社員のモチベーションを保つことが可能です。

      例えば「1か月で売上100万円」という最終目標があっても、具体的に何をすればよいか分からず、なかなか行動に移せないことがあるかもしれません。

      しかし、最終目標の達成には「1日100回以上の架電」「週3回以上の商談」といったKPIの達成が必要と分かっていれば、具体的な行動に移しやすくなります。また、KPIを達成するごとに達成感を味わえるため、モチベーションの維持・向上に役立つでしょう。

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      人材育成におけるKPIの指標例

      ここからは、人材育成におけるKPIの指標例を5つ紹介します。

      スキル・ノウハウの保有率や習得率

      企業が必要とするスキルやノウハウを保有する社員がどれくらいいるのかを数値化し、具体的なKPIを設定します。具体的に挙げられるのは、「特定のスキルを保有している社員数・割合」「特定のスキルを保有している社員数の増加率」などです。

      例えば、自社の事業において「コミュニケーション能力」が求められる場合、全社員のうち何割の社員がコミュニケーション能力を保有しているかを数値化します。そして、四半期や半年といった期間での推移や前月比・前週比などで目標値(=KPI)を設定すると、客観的な測定が可能です。

      研修コスト

      社員1人あたりにかかった研修コストにおいてもKPIを設定します。具体的に挙げられるのは、「受講者1人あたりの研修コスト」「研修の費用対効果」「研修に対する満足度」などです。

      例えば、研修前と研修後で社員の成績や保有するスキルに変化がなかった場合、研修の費用対効果は低いといえます。このように、研修コストにおいてKPIを設定することは、コストの最適化だけでなく、研修の効果が発揮されているかを測定することにもつながります。

      研修の受講者数・受講率

      研修への参加が必須でない場合、研修対象者のうち何人受講したか、受講者数や受講率の変化をKPIで設定します。研修の受講者数・受講率におけるKPIを達成できない場合は、これらを高めるための対策を立てることが必要です。

      研修の受講時間

      研修を行った場合、社員1人あたりの受講時間でKPIを設定します。研修の受講率が低い場合は、社員1人あたりの受講時間を伸ばすための対策、研修の費用対効果が低い場合はより短い時間でより質の高い研修を実施するための対策が必要です。

      また、数値化することが難しい研修の満足度については、研修後のアンケート調査などによって把握できます。これにより、研修の質を高められ、より短い受講時間で高い費用対効果を発揮できるでしょう。

      人材育成プランの達成度

      事前に策定した人材育成プランの達成度においてもKPIを設定します。人材育成プランが「どの程度実行できているか」「効果はあったか」「プランに問題はなかったか」などを把握するのに役立ちます。

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      人材育成におけるKPI設定のポイント

      人材育成におけるKPIを設定するには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここからは、効果的な人材育成を行う上で重要な4つのポイントを見ていきましょう。

      具体的な指標を設定する

      KPIは、できる限り数値を用いて、具体的な指標を設定することが大切です。指標が曖昧だと、目標に対する進捗のギャップを把握しにくく、関係者間での共有も難しくなってしまいます。

      また、KPIは達成率100%を目指すことが基本ですが、簡単に達成した場合は目標設定が甘すぎるといえるでしょう。反対に、目標設定の水準が高すぎると、達成率が低くなってしまうことが考えられます。

      指標が適切でなければ、「成長につながらない」「モチベーションが低下する」といった問題につながりかねません。現状を分析したうえで、最適なKPIを設定しましょう。

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      経営課題・1人ひとりの目標を考慮し設定する

      人材育成は、社員1人ひとりをスキルアップさせ、企業の目標を達成することにあります。そのため、経営課題や1人ひとりの目標を考慮したKPIの設定が大切です。

      企業と個人の目標にズレが生じていると、期待する効果が得られないことも考えられます。このような事態を避けるためには、目標達成後の姿をイメージさせることが有効です。目標達成によって企業やクライアントにどのような影響を与えるか伝えることで、従業員は意欲を持って仕事に取り組めるようになるでしょう。

      コミュニケーションを円滑にしておく

      人材育成には、上司と部下などの社員同士で、円滑にコミュニケーションをとれる環境が必要不可欠です。

      KPIの設定後は、定期的なフィードバックを行ったり、達成するためにどのような行動が必要となるのか相談したりするといった場面が増えてくるでしょう。その際、社内コミュニケーションが円滑化していれば、スムーズな人材育成につながります。

      フレームワークを活用する

      人材育成におけるKPI設定には、フレームワークを活用することが大切です。KPI設定に役立つフレームワークとしては、以下の2つが挙げられます。

      • SMARTの法則
      • 5W1H

      それぞれのフレームワークについて詳しくみていきましょう。

      5W1H

      5W1Hとは、以下6つの要素から構成されたフレームワークです。

      • Who(誰が)
      • What(何を)
      • When(いつ)
      • Where(どこで)
      • Why(なぜ)
      • How(どのように)

      ビジネスシーンでは、主に効率的な情報の整理・伝達に役立つとして活用されていますが、KPI設定時にも有効です。

      5W1Hの活用は目標を具体化できるだけでなく「今の自分にできることは何か」「どうすれば達成できるか」「組織にとって自分はどのような役割があるか」など、自分の現状を見つめ直すことにも役立ちます。

      5W1Hの意味とは?例文や正しい順番・ビジネスでの活用事例や効果を簡単に解説

      SMARTの法則

      SMARTの法則とは、以下4つの頭文字から構成されたフレームワークです。

      • Specific(具体的)
      • Measurable(測定できる)
      • Achievable(達成できる)
      • Relevant(関連性がある)
      • Time-bounded(明確な期限がある)
        • 上記5つの要素を意識して目標を設定することで、曖昧になりがちな目標を明確かつ具体的な目標にできます。

          例えば、営業成績を伸ばすために「架電を増やす」という目標があった場合、この目標をSMARTの法則に則って設定すると「1日に100回以上の架電をする」となります。期限や回数が含まれたことで、目標がより具体的にイメージしやすくなるでしょう。

          組織課題とは?見つけ方や役立つフレームワーク・具体例を解説

          KPIを適切に設定し人材育成を成功させよう

          人材育成において、中間目標的な役割を持つKPIを設定することは大切です。KPIがあることで、「進捗状況・達成率はどうか」「目標と現状のギャップはどのくらいあるか」などを把握できるため、効率的に目標達成を目指せます。本記事で紹介したポイントを参考に適切なKPIを設定し、効率的な人材育成を実現しましょう。

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