マネジメント研修の内容とは?目的や実施方法・おすすめのサービスを紹介
企業の成長につながる「マネジメント研修」。労働人口減少の影響もあって注目が集まり、実施企業も増加しています。本記事ではマネジメント研修の具体的な内容について、実施方法や目的・種類などをまとめました。マネジメント研修のおすすめサービスとあわせて紹介します。
目次
マネジメント研修とは?
マネジメント研修とは、管理職に求められるマネジメントスキルの向上を目的とした研修です。一般的には経営に近い階層の社員や、部下を管理する立場の人を対象に行われます。
マネジメントスキルに挙げられるのは、以下のような能力です。
- 目標設定能力
- 進捗管理能力
- 業務遂行能力
- コミュニケーション能力
- 部下の管理・育成能力
マネジメントスキルは階層や職種によって求められるものが違うため、適した能力を身につけられる研修内容であるかが重要です。
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マネジメント研修の種類
マネジメント研修は、受講者の階層や用途・職種などに適したさまざまな種類があります。代表的な4つのマネジメント研修を例に、どのようなものがあるか紹介しましょう。
新任管理職研修
新任管理職研修とは、新たに管理職に任命された人に向けて実施されるマネジメント研修です。
具体的には、管理職としての心得・役割・行動基準や求められる役割などを学びます。マネジメントの基礎を学ぶカリキュラムが一般的で、管理職の務めを総合的に理解できる内容といえるでしょう。
新任管理職研修を受講することで、管理職の役割や仕事内容などの全容がイメージできます。不安や疑問を軽減できる効果も期待できるでしょう。
既存管理職研修
既存管理職研修とは、既に管理職として従事している社員のマネジメントスキルを底上げするためのマネジメント研修です。
各管理職が過去の経験から物事を判断していると、同じ会社のなかで方向性や方法論のズレが生じてしまいます。求められる役割や必要なスキルを再認識してもらうことで、個々のばらつきを軽減し足並みを揃える効果が期待できます。
研修方法は多岐にわたりますが、グループワーク形式で実施するのが一般的です。
上級管理職研修
経営に近い視点や考え方などを学ぶためのマネジメント研修が上級管理職研修です。部長職クラス以上を対象に実施されます。
上級管理職は「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源の有効活用や、リスク管理が求められます。課長や係長クラスとは大きく異なり、より高度な役割やスキルを要求されるのです。
このような役割を担えるよう、経営手法やリスク管理の方法などを学びます。社会環境の変化に対応するため、経済学や政治学を学習する場合もあるでしょう。
チームビルディング研修
チームの結束力や生産性を高めるためには、チームビルディング研修が有効です。チームづくりの方法を学ぶために実施するマネジメント研修となります。
チームビルディング研修はゲーム形式での実施が多く、ゲームを通じてチームを組成する流れやリーダーとしての役割を学びます。
組成するチームの規模・内容・方向性は企業やプロジェクトによって異なるため、ニーズにあった研修を行うと良いでしょう。
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マネジメント研修の目的
マネジメント研修を実施する主な目的を2つ解説します。目的を知ることで、研修の必要性や効果の把握に役立ててください。
企業を発展させるため
求められる知識やスキルを習得して企業全体の発展を図るのが、マネジメント研修の大きな目的の1つです。
どんなに優秀な人材でも、1人で出せる成果には限界があります。組織全体でチームとして大きな成果を上げるためには、マネジメントスキルの向上は必須といえるでしょう。
企業の発展には、働きやすい環境づくりが不可欠です。それぞれが働きやすいと感じる職場では、報告や相談を密に行えます。連携強化につながり、課題解決やリスク発見を早期化できるでしょう。
マネジメント研修で学んだ知識を活かせば、組織の統制がとれて働きやすい環境に近づきます。優れた環境で業務を行えば効率化が進み、企業を発展に導くでしょう。
管理職としての意識・スキルを高めるため
マネジメント研修は、管理職一人ひとりの意識やスキルを高め、足並みを揃えることも目的としています。
管理職に慣れてしまうと、それぞれが我流や過去の経験に基づいてマネジメントを行いがちです。同じ会社であっても、管理職によって判断基準や方針が異なっているケースもあるでしょう。
マネジメント研修で考え方や役割・理論を学ぶことで、組織としての方向性を揃える必要があります。より質の高いマネジメントを実現するためにも、研修という新鮮な場での体験が役立つはずです。
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マネジメント研修の主な内容
マネジメント研修への理解を深めるために、内容の詳細を事前に知っておくとよいでしょう。マネジメント研修でよく扱われる具体的な内容を3つ紹介します。
組織形成スキルの強化
マネジメント研修では、組織が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、組織形成スキルを強化する内容が扱われます。
組織形成とは、チームのメンバー同士をつないで連携を強化することです。協同による相乗効果を得られるほか、他部署との連携によるシナジー効果も期待できます。
より高い成果を出すには、メンバーや部署の個性を束ねる能力が必要です。組織形成スキルで、それぞれの長所を活かした連携を実現しましょう。
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経営スキルの強化
組織内での階層が上がるにつれて、管掌部門の管理に留まらない経営スキルが必要性とされます。マネジメント範囲が広がると、チームだけでなく組織全体の数字を意識しなくてはならないからです。
経営スキルに乏しいと、企業という大きな視点で業務を捉えることが難しくなります。課題や目標の設定も低くなり、狭量な組織運営にもつながりかねません。目線を経営レベルまで上げることでチーム能力を底上げでき、課題解決への道筋もたてやすくなるでしょう。
マネジメント研修では、通常業務だけではなかなか身につけられない経営視点や経営スキルを学ぶのに良い機会となるのです。
部下育成スキル
マネジメントにおいて、所属する部下の育成スキルは必要不可欠です。チームや組織全体の成果は、部下一人ひとりの成長が直接影響を及ぼします。
管理職としての基礎や心得を踏まえたうえで、育成を行わなくてはなりません。部下とどのように関わり、成長を促せるかが非常に重要です。
マネジメント研修では部下やチームにおける実際の課題を取り上げた、ケーススタディでの学習がよくみられます。マネジメント研修で部下育成スキルを学び、優秀な人材の育成に力を入れましょう。
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マネジメント研修の実施方法
マネジメント研修の実施方法は1つではなく、種類ごとにメリットやデメリットがあります。マネジメント研修の具体的な実施方法3つと、各特徴についてみていきましょう。
【実施方法1.】社内研修
オーソドックスな方法として採用されるのが、参加者が社内で集まって実施する社内研修方式です。
研修担当は具体的な内容や外部講師の依頼などの企画を行うほか、研修で使用する資料の準備も必要になります。
社内メンバーのみで実施するため受講生同士が交流しやすく、自社の課題に特化した研修内容を自由に組めるメリットがあります。
一方、研修中は管理職が業務から離れるため、残るメンバーに負担がかからないよう配慮が必要です。遠隔地からの参加者がいる場合はスケジュール調整が難航したり、交通費や宿泊費などのコストが発生したりするデメリットがあります。
【実施方法2.】社外研修
社外研修とは、他社が提供する研修・講座・セミナーなどに参加する方法です。
外部主催であり他社の社員参加という条件から、自社にはない情報の取得や社外の人たちとの関わりによる新たな刺激がメリットといえます。
デメリットは、自社の課題にフィットした研修内容とは限らない点です。日時の融通が効きにくい点にも注意が必要でしょう。事前に研修内容とスケジュールを吟味して選ばなくてはなりません。
【実施方法3.】オンライン研修
オンライン研修とは、ZoomやGoogle Meetなどのサービスを活用し、オンライン上で集まって実施する方法です。
オンラインのため世界中どこからでも参加でき、研修を録画しておけばあとからいつでも見直せるのがメリットです。移動にかかるコストもいらないので、参加ハードルが低くなるでしょう。
受講者が集中して参加しているかを確認しづらい点は、デメリットといえます。講師以外はマイクをオフにするのが一般的で、カメラのオン・オフも受講者側で自由にコントロールできてしまうためです。
一方的な講義にならないよう参加者のレスポンスを促すなど、集中力が切れない工夫が必要となります。
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マネジメント研修のおすすめサービス9選
マネジメント研修の実施には、専用サービスを使う方法もあります。マネジメント研修を取り扱うおすすめのサービスを9つ紹介しましょう。
1.インソース
インソースは、3,000種類を超えるカリキュラムで年間約27,000回の研修を実施しています。60万人以上が受講した実績を持つ研修サービスです。
企業の研修担当者と受講者双方からヒアリングを行い、常に今の状況に合わせたコンテンツを開発し続けています。
研修方式は「講師派遣」「公開講座」「オンライン」から選択可能です。自社の状況にあった方法を利用できるのも嬉しいポイントでしょう。
提供元 | 株式会社インソース |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 受講者:年間60万人以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
2.リクルートマネジメントスクール
リクルートマネジメントスクールは、人材会社大手のリクルートグループが提供する公開型研修サービスです。
50年以上にわたる経営・人事課題解決の経験をもとに、さまざまな階層に向けた以下の研修が用意されています。
- 新入社員研修
- 若手社員研修
- 中堅社員研修
- リーダー研修
- 管理職研修
幅広い研修を提供している同サービスのなかでも、マネジメント研修は特に実績のある領域です。確かな実績と充実した内容を求めているなら、選択肢に加えて損のないサービスといえるでしょう。
提供元 | 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
3.SMBCコンサルティング
年間約3,000講座以上を開催している教育サービスが、SMBCコンサルティングです。
研修プログラムは、階層別・職種別・分野別・ビジネススキル別と多岐にわたり、来場・オンライン・アーカイブとさまざまな形式から選択できます。
個別セミナーやサブスクリプションタイプなどのカスタマイズ性も高いため、自社に合わせたマネジメント研修の実現に向いているサービスでしょう。
提供元 | SMBCコンサルティング株式会社 |
初期費用 | 定額制クラブ:16万5,000円(税込) |
料金プラン | ※下記月額で何度でも受講可能
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導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
4.NISSOKEN
外国人に向けた研修まで幅広く網羅するサービスに、NISSOKENが挙げられます。導入企業数約14,000社、累計受講者数100万人を超える、中小企業の導入実績が豊富な教育サービスです。
研修プログラムは、階層別・職種別・ビジネススキル別・企業規模別とバラエティーに富んでいます。セミナースタイルもオンライン・集合型・社内(講師派遣)・通信講座などがあり、豊かなラインナップが特徴です。
自社にフィットしたマネジメント研修にこだわりたい場合は、一度問い合わせてみることをおすすめします。
提供元 | 株式会社日本創造教育研究所 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 約14,000社 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
5.産業能率大学 総合研究所
産業能率大学 総合研究所は、100年近い歴史を持つ総合マネジメント機関です。提供元企業の創立者は、日本で初めて経営コンサルティングを実施した人物でもあります。
階層別研修はもとより、シニア層・内定者・官公庁や自治体職員に向けたプログラムもある点がほかのサービスと異なる特徴です。近年需要が高まっているDX推進人材に特化した研修もリリースされています。
資格取得支援や語学学習、研修支援ツールなども提供しているため、希少職種を扱う企業やピンポイントでの研修を望む企業にもおすすめです。
提供元 | 学校法人産業能率大学 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
6.JMAマネジメントスクール
JMAマネジメントスクールは、多彩なセミナーを提供している教育サービスです。
階層別セミナーはもとより、営業・マーケティング・生産・購買・調達といった幅広い職種に特化したプログラムが用意されています。そのほか、イノベーション・ダイバーシティ・DX推進・グローバルといった企業課題になりやすいテーマも研修可能です。
マネジメント研修とあわせて、特定職種の強化や組織全体の課題解決を行いたい場合にも活用できます。使い道に沿って選べるオールラウンダーなサービスといえるでしょう。
提供元 | 一般社団法人日本能率協会 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
7.ラーニングエージェンシー
「効果があるオンライン研修」「講師の質が良いオンライン研修」として評価されるサービスが、ラーニングエージェンシーです。
大手企業や上場企業などへ13,000社以上の人材育成支援を行い、受講者総数は370万人以上にのぼります。運営会社は研修サービス大手の「旧トーマツ イノベーション」といったほうが馴染みのある人もいるでしょう。
階層によって違う課題・能力へも対応し、各社員の立場に寄り添う研修を用意しています。定額制であることから、マネジメント研修にかかる予算の見通しもつきやすいでしょう。
提供元 | 株式会社ラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション株式会社) |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 約13,000社 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
マネジメント研修を実施する際の注意
マネジメント研修は、ただ実施すればよいものではありません。研修内容をマネジメント業務に活かすために、押さえておきたい注意点を2つ解説します。
マネジメント研修の実施が目的ではない
マネジメント研修は、実施すること自体が目的とならないよう十分注意が必要です。
組織や人材に課題があったから研修の実施に至っており、研修は課題を解決するサポートツールにすぎません。研修の選定や実施をしていくなかで、課題解決という本来の目的は見失われがちです。
研修実施後には、学んだことを実践し活かしているか、当初の課題は解決に向かっているかなどを注視しましょう。マネジメント研修を行った本当の目的が果たせているかを確認すべきです。研修計画の時点で、マイルストーンや実施後の目標設定をしておくのも有効でしょう。
▷マネジメントスキルとは?身につけ方や高める方法を解説
研修目的に合ったサービスを選定する
充実したプログラムは魅力的ですが、あくまでも自社の研修目的に合ったサービスの選定が重要です。
どんなに充実した研修であっても、自社の目的に合っていなければ期待する効果が得られない可能性があります。
自社の課題に合ったプログラム選びを前提に、内容のクオリティにもこだわるのが理想でしょう。同じジャンルの研修でも、質が高いほど目的への適合性が上がると考えられます。
経験豊富な講師の有無や実績の高さなども、研修の質を左右するでしょう。可能な限り研修効果を高める工夫を行ってください。
マネジメント研修を取り入れ企業の成長につなげよう
組織の成長や飛躍には、最適なマネジメントが必要不可欠です。優れたプレイヤーが管理職に任命されるケースはあっても、マネジメントを体系的に学ぶ機会はほとんどないのが実情でしょう。
各階層に必要なマネジメント研修の内容と実施方法を把握し、マネジメントスキル強化につなげてください。マネジメント研修向けのサービスも利用すれば、組織のさらなる成長に役立つでしょう。
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