組織コンサルとは?導入するメリット・デメリットや業務領域を紹介

2023/07/26 2023/07/26

組織・マネジメント

組織コンサルとは

労働人口の減少が深刻化の一途を辿る日本においては、業界・業種を問わず生産性向上が喫緊の課題となっています。そんななか、注目されるのが、組織コンサルです。本記事では、組織コンサルタントの役割や業務領域、導入メリット・デメリットまでを詳しく解説します。

組織コンサルとは?

経営コンサルティングの1種である組織コンサルティング(組織コンサル)は、組織づくりのほか、人材育成や人事制度など「ヒト」に関する課題をあぶり出して改善し、人事戦略の刷新などを通してよりよい経営へと導くサービスです。

そのため、組織コンサルタントは、企業の組織や業務、事業の特性などを理解し、それらを効率的で生産的なものに改善することを目指すプロフェッショナルと言えるでしょう。

ただし、組織づくりにまつわる課題は多岐に渡るため、ひと口に組織コンサルと言っても、求められる役割は、企業規模、業種、クライアントの目標などにより異なります。

組織コンサルの仕事とは?3つの主な業務領域

ここからは、組織コンサルの主な3つの業務領域について見ていきます。

しかしながら、組織コンサルタントには、在籍社員と役員によって構成される「組織」におけるあらゆる課題の解決が求められるため、以下3つの領域だけでなく、採用活動や人事戦略の立案、企業理念の浸透を目的とした取り組みなどを支援することもあります。組織コンサルの仕事は、一概には言えない点を理解しておきましょう。

制度・評価関連

多くの場合、組織コンサルタントの目標の一つには、「生産性の向上」が掲げられます。

そのため、働き方の見直しや福利厚生を含む制度の見直し・再編などにより、仕事へのモチベーションや会社へのエンゲージメント向上を図るほか、必要に応じて、評価・報酬制度の再構築を提案することもあります。

業務改革関連

働き方を改善し、生産性の高い組織づくりを目指すうえでは、業務改革も欠かせません。

具体的には、非効率な作業や意思決定の遅れにつながっている業務フローなどを洗い出し、改善策を講じていきます。これら業務は、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)とも呼ばれ、ITシステムの導入と併せて検討されることが多いでしょう。

人材育成・人材開発関連

人材育成や人材開発に関連したプログラムや体制の構築も組織コンサルの重要な役割の一つです。

これには、リーダーシップトレーニング、チームビルディング、パフォーマンスの向上、キャリア開発など、従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を作り出すためのプログラム構築や、中長期的な戦略策定が含まれます。

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組織コンサルを導入するメリット

組織コンサルの導入は、企業にとって多大な利益をもたらします。主なメリットをいくつかみていきましょう。

専門家の意見が得られる

企業経営に関する広範で深い専門知識を持つ、組織コンサルタントの助けを借りることで、自社の課題に対する新たな視点や解決策を見つけることが可能になります。

業績の停滞、離職の増加といったすでに顕在化した深刻な課題への打開策が得られるだけでなく、将来的にリスクとなる潜在的な課題についても改善策の提案を受けることができるのです。

新たなノウハウを蓄積できる

業務改善やコミュニケーションの円滑化などに役立つ新たなツール、効果的な人材育成の手法やプロセス。さらには、生産性やエンゲージメントを高めるための企業文化づくりを実現するマネジメントなど、あらゆるノウハウを得られるのも大きなメリットです。

また、それらを有効に運用するためのプロセスやフローの構築といったサポートも受けられるため、企業は新しい知識やスキルを自社に蓄積しつつ、組織改革を進めることができます。

プロジェクトを円滑に進められる

組織コンサルタントは、改善策の提案だけでなく、課題が解決されるまでの一連の取り組みをマネジメントしつつ遂行する経験とスキルも持ち合わせており、実行だけでなく、評価までを一つのプロジェクトとして支援してもらうことも可能です。

そのため、計画は立てたものの、実行力に欠けていた、あるいは非現実的な計画で取り組みが途中で頓挫してしまったといったリスクも回避できるのです。また、評価プロセスまでの伴走を依頼することで、実施した施策の効果についての検証がうやむやになることもないでしょう。

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組織コンサル導入によるデメリット

組織コンサルタントの導入には多くのメリットがありますが、その一方で考慮すべきデメリットも存在します。ここでは2つのデメリットについて詳しく解説します。

依頼するためのコストがかかる

組織コンサルタントへの依頼は、一定の費用を伴います。

具体的な費用は、依頼する内容や目的により大きく異なりますが、コンサルティング業務の特性上、短くても数ヶ月、長くて1年以上の取り組みとなることから、年間で数百万以上、あるいは、1千万円以上になることも珍しくはありません。特に小規模な企業やスタートアップにとっては、大きな負担となってしまうでしょう。

そのため、組織コンサルティングは、その投資が長期的な結果として組織にどの程度の利益をもたらすかを慎重に評価する必要があります。

自社に適した依頼先の選定が難しい

また、導入時のデメリットとしては、異なる専門性や特徴を持つ多種多様な組織コンサルタントのなかから、自社のニーズ・目的に最も適したコンサルタントを見つける難しさも挙げられます。

依頼先の選定には、相応の時間と手間、準備期間が必要であることを、あらかじめ認識しておきましょう。

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組織コンサルを導入する際の比較ポイント

では、組織コンサルタントを採用する際には、実際にどのようなポイントを注視すべきなのでしょうか。ここからは、考慮すべきいくつかの比較ポイントについて説明します。

自社の目的に対応できるか比較する

まず、各コンサルタントが提供するサービスが、自社の目的やニーズに適合するかを見極めなければなりません。

そのため、前提として、組織コンサル導入の目的を明確化しておきましょう。例えば、「人事戦略の再構築」、「理念浸透による企業文化の醸成」、「業務改善」など、大枠の目標でも構いません。まずは目的を明らかにしたうえで、当該領域における専門性のあるコンサルティング会社をいくつか選定しましょう。

同じ業界での実績や事例を比較する

次に、同じ業界や類似ケースで、どのような結果を出してきたか、実績を比較していきます。特に、同じ業界の実績が豊富なコンサルタントからは、より具体的で実用的な解決策の提案が望めます。

算出した費用対効果を比較する

上記2つをポイントに候補を絞ったら、最後にコンサルタントサービスの費用対効果を検証します。HPなどで料金プランが提示されているコンサルティング会社であっても、必ず依頼前に一度打ち合わせを行い、見積書にて費用相場を把握しましょう。

組織づくりやエンゲージメント向上の目的においては、離職率の低下による採用コストの削減といった、可視化しやすい効果が挙げられますが、組織コンサルティングの効果は、必ずしも定量化できるものばかりではありません。費用に対して、定性的なメリットも含め洗い出したうえで比較していきます。

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組織コンサル導入に向いている企業

次に、組織コンサルの導入により高い成果・効果が期待できる企業の特徴について解説します。具体的には、以下のような企業での導入が適していると言えるでしょう。

組織や人材の成長を目的としている企業

組織コンサルは、企業が組織全体の成長と人材の成長を達成するのに役立つ戦略やプロセスを設計するのに非常に有用です。

リーダーシップ開発、チームビルディングを目的としたワークショップの開催、マネジメント手法の共有など、特に長期的な取り組みが求められる人材育成や人材開発において、専門知識を社内に蓄積できる点は、長期的にみたパフォーマンスの向上、管理の観点からも高い効果が期待できます。

組織や制度の構築を目的としている企業

起業したばかりの会社や急速に企業規模が拡大した会社においては、組織構造や業務プロセス、人事制度などの設計や再設計が急務となります。そのような際にも、組織コンサルタントの採用は効果的です。

現状把握・課題の発見、実施ロードマップの作成、実行および検証まで、より良い経営や企業が目指す姿を実現するための制度構築をはじめとした組織づくりをスピーディに推進してくれるでしょう。

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組織コンサルを実際に導入した事例

最後に、実際に組織コンサルを組織づくりに導入した企業の事例をいくつかご紹介します。

企業理念と信条を新たに策定した事例

成長の過程で企業文化を定義し、組織の方向性を明確にするために組織コンサルタントを採用した、スタートアップ企業での事例です。

コンサルティングでは、従業員と経営陣とのワークショップ開催による企業理念・信条の策定をサポート。結果として、策定の過程を含めて、明確なビジョンと価値観が共有され、組織全体の一体感と生産性が向上しました。

制度の改革を実施した事例

従業員のパフォーマンスとモチベーション向上を目的に組織コンサルを活用した事例では、コンサルタントと共に人事制度を改革。新たに導入された評価制度と報酬制度により、従業員の労働生産性が向上しただけでなく、離職率低下の成果にもつながっています。

女性社員の活性化を目的とした事例

組織の多様性強化を目指すIT企業においては、女性のリーダーシップ促進のため組織コンサルタントを導入したケースもあります。女性社員向けのリーダーシップ研修やメンターシッププログラムが開始され、その結果、女性の昇進率と役職の割合が増加しました。

組織コンサルを上手く活用して自社の課題を解決しよう

組織コンサルタントは、企業の課題を解決し、より良い組織体制を構築するための強力なパートナーとなります。

ただし、そのパートナーシップが、企業に費用以上のメリットをもたらすかどうかについては、自社の目的やニーズの明確化、信頼できるコンサルタントの選定など、いくつかのポイントを抑えなければなりません。

事例からもわかる通り、組織コンサルは幅広い領域で企業の発展を支えます。自社の課題を明確にし、適切なコンサルタントを選定することで、具体的で実行可能な解決策を得ることができ、組織の持続的な成長を実現することが可能となるでしょう。

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