テレワークで発生する騒音とは?苦情やトラブルを回避する騒音対策も解説
「テレワークや在宅勤務で気になる騒音とは?」「苦情やトラブルを避ける方法が知りたい」と悩んでいる方はいませんか?本記事ではテレワークで発生する騒音の原因と予防方法をお伝えします。快適なテレワークを実現するためにもぜひ参考にしてください。
目次
テレワークによって騒音問題と苦情が増加
新型コロナウイルスの世界的な流行によって、日本企業でも「テレワーク」という新しい働き方の導入が進みました。しかし、テレワークの導入によって新しい問題も発生するようになっています。
2020年5月、NHKは、警視庁が発表した110番通報の統計において緊急事態宣言下であった2020年4月に騒音に関する通報が38%増加したと報じました。テレワークが始まったことで、「テレワークの会議の音がうるさい」と言った苦情が寄せられるようになったのです。
テレワークが開始されて多くの人々が在宅勤務となりました。その結果、近隣からの騒音が増えたり、今まで意識していなかった音が気になったりするようになりました。音の感じ方は人によって違うものの、特にマンションなど隣の空間と隣接している住居ではちょっとした生活音が騒音問題・騒音トラブル・苦情につながる事例も増えています。
また、テレワークが開始されて在宅勤務となったことで自宅や自宅近隣での騒音がテレワークの邪魔になるといった事例もあり、テレワークを行っている人々が対応を迫られるようになっています。
[出典:NHK “巣ごもり騒音”の苦情 都内で多発 外出自粛続き 新型コロナ]
テレワークで困る騒音とは?6つの原因
それでは、テレワークで困る騒音としてどのようなものがあるでしょうか。ここからは、テレワークで困る代表的な騒音を6つ紹介していきます。
1.電化製品や電子機器の稼働音
テレワークが始まると、電化製品や電子機器の稼働音が気になるようになった人も多いのではないでしょうか。電子レンジの「チン」という音やテレビの音、などが聞こえてきて集中力が切れてしまったという経験がある人も多いはずです。
2.料理や掃除などの生活音
テレワークが始まると生活空間と仕事空間が混在するようになり、洗濯機の回っている音や掃除機をかけている音など、これまでは気にすることもなかった生活音が気になるという人も増えています。
ドアを開け閉めする音まで聞こえてしまうと、プライベートな部分が晒されてしまっている気がして気になるという方も少なくありません。
3.子どもなど家族の話し声
テレワーク中、子どもなど家族の話し声が気になるという人も多いはずです。特に、小さな子どもがいる家庭では、テレワーク中だからと言って子どもの声をコントロールするのも難しいケースが多いでしょう。
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4.家族や隣人の足音
これまでは気にならなかった家族や隣人の足音が気になるというケースも増えています。家族が階段を登る足音や上の階の住人が歩く音など、テレワークをしていなかった頃はあまり気づかなかったことに気づくようになった人も多く、些細な物音に敏感になってしまうケースもあります。
5.ペットの鳴き声や吠える声
ペットを飼っている人のなかには、テレワーク中、ペットの鳴き声や吠える声が相手に聞こえてしまったという経験がある人も多いはずです。
逆に、相手からペットの鳴き声や吠える声が聞こえてきたという人もいるでしょう。鳴き声や吠える声で相手の声がよく聞き取れなかったという場合もあるのでお困りの方も多いはずです。
6.同居人の出すオンライン会議の音声
同居人がテレワークで働いている場合、オンライン会議の音声が聞こえてくることもあるでしょう。こちらのオンライン会議の音声が聞こえてしまった経験もあると思います。
同居人と2人で暮らしているというケースでは部屋を分けることも難しいので、隣の部屋でお互いにテレワークをしているケースでは、同居人の出すオンライン会議の音声を防ぐのは難しいのではないでしょうか。
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テレワークで自分自身が注意したい騒音
テレワークで自分自身が注意したい騒音としては以下のようなものがあります。
大きめのBGM
テレワーク中はBGMをかけているという人も多いのではないでしょうか。BGMが隣人の騒音となっているケースもあるので注意が必要です。マンションやアパートなど、集合住宅などで暮らしている人は特に注意しましょう。音そのものが届いていなくとも、重低音が階下に響いている場合もあります。
オンライン商談や会議の音声
オンライン商談や会議の音声は同居人にとっても騒音となりますし、隣人にとっても騒音となっているかも知れません。
テレワークの導入によって在宅ワークに一定の理解がある人も増えていますが、まだまだ自宅はプライベート空間という認識の人も多く、商談や会議などの会話内容が聞こえてくるのを好ましくないと考える人もいるので注意しなければなりません。
プリンターの稼働音
プリンターがテレワークに欠かせないという人も多いはずです。プリンターは印刷が始まると稼働音が大きく、相手に迷惑となる可能性が高いです。
印刷音は自分が想像しているよりも大きく、テレワークの妨げとなる可能性があるので注意が必要です。また、プリンターの稼働音が階下まで聞こえて騒音となっているというケースもあるので注意しましょう。
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テレワークにおける騒音への対策9選
テレワークにおける騒音はしっかり対策することで小さくすることができます。ここでは簡単にできる騒音対策を9つ紹介していきます。
1.防音カーテンを設置
音の響きを無くすために効果的なのが布を活用することです。窓などを通じて音が外に漏れるケースが多いため、防音カーテンを設置することは騒音防止に有効です。
防音カーテンは、防音性に優れたカーテンであり、内側の音を外に漏らさないと同時に、外側からの騒音を低減する効果があります。防音カーテンは、音が通りにくい素材で作られていて、音を遮ってくれたり、吸収(吸音)する効果が期待できます。設置も簡単で取り外しも簡単であり、手軽にできるにもかかわらず効果が高い騒音対策として人気があります。
2.防音マットやカーペットを敷く
マンションやアパートでテレワークをしている際に特に気になるのが階下への騒音ではないでしょうか。たとえば、在宅ワークをしていて、椅子を引く音、椅子の足が転がる音、歩いたときの足音などが気になるという人も少なくありません。
防音マットやカーペットが階下への騒音対策には有効です。防音マットは防音効果の高い素材で作られていますが、自宅のインテリアに馴染まないなど、デザイン性に難があるケースが多いです。
その場合には、カーペットを敷くと良いでしょう。防音マットより防音効果は劣るものの、階下への騒音をかなりの程度低減できます。
3.防音シート(空間用)を設置
防音シート(空間用)は、部屋の壁などに貼ることで音を吸収できるものです。材料の種類によりますが、壁を伝っての騒音に対して効果があります。壁に貼ることができるので、気軽に導入できるのが魅力ですが、広い範囲に導入しようとするとコストがかさむので注意が必要です。
防音シートは、自室の音の響きを軽減させる効果もあるため、テレビ会議システムを利用している際のハウリングや小さな騒音を軽減して、相手にクリアな音声を届けられるというメリットもあります。
4.囲いや防音ブースを設置
囲いや防音ブースを設置することも騒音対策としては有効です。囲いはダンボールで自作することもできます。防音ブースは設置コストがかさむ可能性が高く、自室をプライベートな空間として利用している場合には邪魔になるかもしれません。囲いや防音ブースは騒音対策としての有効性も高いですが、狭い空間で集中して作業をしたい人にも向いています。
5.仕事部屋を変える
部屋の位置が悪く、隣人に迷惑がかかっているようなケースでは、仕事部屋を変えることも有効です。たとえば、寝室には布団などの布製品があるのでそれだけで音の響きを軽減してくれるでしょう。
リビングでテレワークをしていると、同居人がいる場合、迷惑となっているかもしれません。部屋を別の部屋にするだけで、テレワークの騒音で迷惑がかからなくなるかもしれません。コンセントの問題などもありますが、即効性のある対策として仕事部屋を変えることも有効であると言えるでしょう。
6.ドアのすき間をふさぐ
部屋の外に音が漏れる場合、一体どこから音が漏れているのでしょうか。窓や壁などを伝って音が漏れているケースももちろんありますが、ドアの隙間からも音は漏れています。
そのためドアのすき間を塞ぐだけでも騒音をかなり軽減できるでしょう。ドアの下にすき間があるケースが多いため、専用のすき間テープを利用することもできますが、簡易的な方法としてタオルなどを使ってすき間を埋めるだけでも騒音を軽減できます。
7.ノイズキャンセリングイヤホンを利用
周囲の騒音で仕事に集中できないという人は、ノイズキャンセリングイヤホンを利用してみてはいかがでしょうか。ノイズキャンセリングイヤホンは、イヤホンのマイクが騒音を認識すると騒音と真逆のかたちの波を発生させてお互いを打ち消してくれるため、騒音を効果的に消すことが可能です。
同居人が生じさせる生活音対策としては非常に有効と言えるでしょう。ノイズキャンセリングイヤホンには、通話用のマイクが付いていることも多くテレワークでも活躍してくれます。
8.防音工事をする
防音対策を十分にしたい場合、防音工事をすることも考えられます。防音対策としては最も効果的ではあるものの、コストがかかりますし賃貸住宅などではできないことも多いかもしれません。
防音工事には、窓の防音対策など比較的小規模なものから、空き部屋をテレワーク専用部屋に改造する比較的大規模なものまで様々な方法があります。自分のニーズに応じて防音について考えられるというのも、防音工事をすることのメリットの一つです。
9.防音対策された部屋への引越し
防音工事を自分でするのは負担が大きいということであれば、防音対策がされた部屋への引越しを検討してみても良いでしょう。近年では、テレワークが普及したこともあって、防音対策がなされた賃貸物件も増えてきています。
防音対策がされた賃貸物件には、外部からの騒音への対策がなされていたり、住戸内で発生する騒音を減らす素材や設計がなされているものなど、様々なものがあります。
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テレワーク時の騒音で集中力が続かない時の対策
オフィスに出社していた頃とは異なり、自宅で働くことになるテレワークでは、騒音によって集中力が続かないというケースも多いでしょう。騒音で集中力が続かない時の対策としてはどのようにしたら良いでしょうか。ここからは騒音で集中力が続かない時の対策を6つ紹介していきます。
1.出社時と同じタイムスケジュールと服装にする
自宅と職場のメリハリがつけられず、うまく切り替えができない人は、自宅でも仕事に行くのと同じ服装に着替えてみると良いでしょう。
服装を着替え、出社時と同じタイムスケジュールで仕事に臨むことで、気持ちを切り替えて仕事ができます。自宅にいるときはリラックスした服装である人も多いですが、普段どおりの生活スタイルで仕事に臨むだけでも集中力の持続時間には違いが出てくるはずです。
2.リフレッシュを意識して行う
自宅でのテレワークはオフィスと異なり仕事をする環境が整っているとはいえないことも多いのが実情です。
そのため、同じ仕事をしていたとしても、オフィスで仕事をするのと、自宅でテレワークをするのでは身体に蓄積される疲労度合いも異なります。したがって、テレワーク時には普段よりも散歩や運動、音楽を聴くなど、意識的にリフレッシュを行うと集中力を持続できるでしょう。
3.立って仕事する
スタンディングデスクを導入するなど、立ったまま仕事をするのも集中力を持続させるためのコツです。立ったまま仕事を行うことで適度な緊張感が得られ集中力が増すとも言われています。立って作業を行えば単純なタスクでも眠くならず集中して取り組めるでしょう。
4.気持ちが高まるドリンクや音楽を用意
仕事中に集中力が高まるようなドリンクや音楽を用意しておくのも、集中力を維持させるための工夫の一つとして有効です。職場にもコーヒーサーバーが用意されているケースも多いでしょう。
しかし、自宅であれば自分好みのコーヒーを用意できるなど、気持ちよく仕事ができる環境を自分で整えられます。同様に、職場で自分好みのBGMをかけることはできなくても、自宅であれば自由にBGMをかけられます。自分が心地よいと感じる環境を用意すれば、集中力を高めることもできるでしょう。
5.家族や同居人との話し合い
家族や同居人と事前に話し合っておくことも重要です。たとえば、「〜時から〜時までは部屋に入ってこない」などのルールを決めておけば、家族や同居人から邪魔をされずに仕事に集中できるかもしれません。家族や同居人との話し合いを通じてルールを決めておくことで、些細なことで家庭内でトラブルになることも減らせるでしょう。
6.便利グッズや機器など快適な作業環境を整える
リモートワークでは、自宅に便利グッズや機器を自由に用意することがおすすめです。テレワークをサポートしてくれる便利グッズもあれば、快適な仕事環境を作るための便利グッズなど、様々なものがあります。
重要なことは、自分にとって快適と感じるような作業環境を整えることです。そうすればストレスを感じることなく仕事に集中できるでしょう。
テレワークでは騒音への対策と予防で快適に
テレワークの普及に伴って関連する問題も生じるようになってきています。その代表的な問題が騒音問題です。隣人や同居人に迷惑がかかり、トラブルとなるケースも実際に生じています。
そのため、騒音対策について真面目に考えておく必要があるでしょう。コストをかけずともできるところから対策していけば、かなり騒音を低減できるはずです。騒音への対策と予防を十分に行えば、より快適な仕事環境を整えることができるでしょう。
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