テレワークは当たり前になる?今後の変化と未来の働き方について

最終更新日時:2023/08/24

テレワーク

テレワークの今後・未来

働き方改革の推進や新型コロナウイルスの拡大により、一部の企業でテレワークなどの新たな働き方が普及しましたが、未だ対応できていない企業も多いのが実態です。本記事では、今後テレワークも含めた働き方がどのように変化するのか、未来の可能性について言及します。

テレワークは今後どうなる?定着するのか?

さまざまな企業が導入している働き方「テレワーク」ですが、今後どうなるのか・定着するのか気になるという人も多いのではないでしょうか。

2021年には緊急事態宣言の4回目が発令され、コロナウイルス感染症の勢いがなかなかおさまりません。カオナビHRテクノロジー総研が2020年に行ったリモートワーク実態調査では下記のような結果が出ています。

【質問内容:あなたの所属組織の「リモートワーク」の今後の方針について教えてください。】

すでにフルリモートワーク3.7%
フルリモートワークへ移行11.0%
出社とリモートワークの併用56.7%
出社に戻る13.3%
不明15.3%

※対象者:20代から60代かつ従業員10名以上の組織に勤めるリモートワーク実施者300名

※調査期間:2020年8月21日から同年8月24日

[出典:カオナビHRテクノロジー総研「リモートワークの未来はどうなるか?~リモートワーク実態フォロー調査レポート3~」]

出社とリモートワークを併用している人がほとんどですが、既にリモートワークをしている人やフルリモートワークに移行を考えている人、出社と併用している人を合わせると、71.4%の人がリモートワークを実施する方針ということがわかります。

さらに、300名のリモートワーク実施者に対してリモートワークの継続を希望しているかについて行った調査内容の結果は下記のとおりです。

【質問内容:在宅勤務、テレワーク、リモートワーク等の「出社しない」働き方を、今後も続けていきたいと思いますか。】

続けたい51.7%
どちらともいえない32.3%
続けたくない16.0%

※対象者:20代~60代の自由業を除く、かつ従業員数10名以上の会社に勤めている「毎日リモートワーク」もしくは「週に2~3日出社し、その他はリモートワーク」をしている人 300名

※調査期間:2020年5月01日から同年5月07日

[出典:カオナビHRテクノロジー総研「リモートワークの未来はどうなるか?~リモートワーク実態フォロー調査レポート3~」]

続けたいと考えている人は半数を超える結果となっており、今後もリモートワークは継続されていく可能性が高いことが示唆できます。

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テレワークが普及した背景や理由

多くの企業が実施を始めているテレワークですが、新しい働き方として普及した背景・理由は「コロナによる変化」と「多様な働き方」が関係しています。中でも大きな影響を与えたのが働き方改革で、多様な働き方や生活スタイルが影響を与え、テレワークが普及している状態です。

それぞれどのような理由・背景になっているのかについて詳細を解説をしていきます。

コロナによるの働き方の変化

働き方改革で柔軟な働き方を意識する企業が増えていますが、新型コロナウイルス感染症の影響で働き方が大きく変化した企業も少なくありません。

実際にKOKUYOが実施した働き方改革の推進に関するアンケート調査では、下記のような結果が出ています。

【質問内容:あなたの勤務先の「働き方改革」の推進は、COVID-19感染拡大前と現在で、推進スピードや積極的に違いを感じますか?】

変化はなく推進19.1%
以前から推進されていたが、現在はより積極的32.0%
以前は感じなかったが、現在は積極的に推進19.7%
以前から推進されていたが、現在は推進されていると感じない4.9%
感染拡大前も現在も、推進されていると感じない16.5%
わからない7.8%

※対象者:309名

[出典:MANA-Biz「働き方の変化と2030年のワークスタイル予測」]

以前から働き方改革が社内で推進されていたという点を含めると、感染拡大が起きた後は働き方改革に対して推進されていると実感した人が70.8%にもなります。

感染者と接触することによって感染が広がる新型コロナウイルスですが、自社でもコロナ感染者を出さないようにとテレワークの働き方を推進する企業が増えていることが推測できる結果です。

多様な働き方の定着

働き方改革はコロナウイルス感染症の感染拡大前から注目を集めていましたが、それまでの働き方の変化では「有給休暇の促進」や「フレッシュタイム制度の実施」などを行い、福利厚生を充実させる企業がほとんどでした。

しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、以前まではあまり注目されていなかった人と接触しなくても仕事ができる「在宅勤務制度」を実施する企業が増えています。

自分の周りの企業がテレワーク・在宅勤務の実施を行っているので、自社もテレワーク・働き方改革について考えてみようという結果から実施に至っている企業も少なくありません。このような背景がテレワークを普及させた理由としてあげられます。

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テレワークの今後の変化や未来の働き方の展望

多くの企業が推進しているテレワークですが、今後の変化や未来の働き方はどのようになるのでしょうか。日本はさまざまな問題を抱えており、2025年や2035年には大きく変わるのではないかと言われています。

未来の働き方・社会はどのようになっていくのか、今後の変化・未来の働き方について考察をしていきますので、参考にしてみてください。

働き方の未来2035について

ご存じない方も多いかもしれませんが、厚生労働省は2016年8月に20年後の未来「働き方の未来2035」について公開しました。

簡単にどのようなことが記載されているか紹介すると、20年後(2035年)の技術や社会、働き方、制度がどう変化しているのかという考察になります。

具体的な内容では、以前までは労働者は同じ部屋に集まって働いていたものの、デジタル技術の発展もあり、離れた場所でもリアルタイムでコミュニケーションを取りながらしごとができるように今後進むだろうという見解です。

以前までは同じ空間・時間で仕事をしていたことにより、時間での評価が中心に行われていたが、今後は時間や空間に縛られない働き方になるため、時間での評価ではなく、実際の成果による評価が重要視されるのではないかと考察されています。

まさに働き方の未来2035の考察通りの形になっており、テレワークを行っている企業は成果が重要視されている状態です。

働き方の未来2035で予想されている社会

さらに社会への影響に関しては、自由な働き方が増えるため、同じプロジェクトに関してチームとなって共同作業を行うものの、プロジェクトが達成すれば解散し、また違う企業と組んで仕事を進めるという人が多くなると考察されています。

企業が人をたくさん抱え込む「正社員」「非正社員」といった縛りが少なくなり、労働者が簡単に他の企業に行き来する働き方が生まれるのではないかと考えられてます。

このように、自由な働き方が増えてくるため、労働者が移動しやすいような環境整備や能力に関する評価・情報を共有できる社会に変化していくことが必要だと考えられている状態です。

テレワーク・リモートワークに適した職種11選!特徴や不向きな職種も解説

テレワーク導入における現状の課題

多くの企業がテレワークの導入を行っていますが、テレワークは自由な働き方ができるものの、課題はたくさん存在します。

特に現状の課題として多くの企業が悩みを抱えているのが下記の3つです。

  1. コミュニケーションの不足
  2. 必要なシステムの初期費用やランニングコスト
  3. 勤怠状況の不透明性が拭えない

それぞれの課題についてどのように考えるべきなのか解説をしていきますので、参考にしてみてください。

コミュニケーションの不足

テレワークを行う上での最大の課題とされているのが「コミュニケーション」で、どうしても同じ空間にいないため会話の回数が減ってしまいがちです。

同じ空間でいれば相手の表情・様子を確認しながら連絡ができますが、テレワークでは離れた場所なのでメールや電話だけでの連絡になってしまいがちで、相手の様子も分からずにコミュニケーションが減ります。

密な連携や業務効率を落とさないためにも、コミュニケーションをしっかりと取れる環境作りが必須です。

テレワーク中のコミュニケーション方法を解説!よくある課題と対策法とは

必要なシステムの初期費用やランニングコスト

テレワークを実施するためには、クラウド上で仕事の状況確認ができやすいように、システムの導入が欠かせません。

他にも人によってレンタルオフィス・ワーキングオフィスで仕事する人や自宅で仕事をする人もいますが、それぞれに合った環境整備ができないと業務効率が下がりやすいです。

テレワークを実施する人の環境作りのための初期費用やシステムを導入するための初期費用はどうしてもかかります。さらに、テレワークを継続して行うためのランニングコストもかかるので、多くの予算を組む必要があります。

勤怠状況の不透明性が拭えない

テレワークではどうしても働いている姿が見えないため、勤怠状況の不透明さは拭えません。もちろんテレワークを実施する社員・スタッフを信用する必要がありますが、観られていないとどうしても緊張が緩んでしまい、サボってしまうという人も多いです。

実際に人材会社ビズヒッツがリモートワークの悩みに関する意識調査を行い「リモートワーク中にサボったことがあるか」というアンケートを行ったところ下記のような結果が出ています。

【質問内容:リモートワーク中にサボったことがある】

頻繁にある13.9%
たまにある49.4%
ほとんどない25.7%
全くない11.0%

※調査人数:961人

[出典:Biz Hits「リモートワークで困っていることランキング!男女961人アンケート調査」]

アンケート結果をご覧いただいてもお分かりいただけるように、サボったことがあると応えている人は63.3%という結果です。

もちろん人によってサボる度合いは異なりますが、6割近くの人がサボった経験があるため、どうしても定期的な管理が必要になります。

近年ではテレワーク中でも勤怠状況がわかりやすいツール・システムも登場しているため、課題解決を行うためにも勤怠管理ツールなどの活用を検討するのも一つの手段です。

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アフターコロナ後のテレワーク体制はどうなるのか

世界で猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症ですが、コロナが落ち着いたアフターコロナ後のテレワーク体制についてはみなさんどのように考えていますでしょうか。

感染リスクが減少した場合は、以前のように「オフィスワーク」「テレワーク」どちらで働いていくかを検討する必要があります。多くの企業はアフターコロナ後のテレワーク体制をどのように考えているのか、解説していきます。

一部の企業ではそのままテレワークがデフォルトに

情報サービス企業の野村総合研究所が、全国各地500人以上が勤める企業の男女6,000人以上を対象にしたアンケート調査が下記のようになっています。

【今後の実施意向】

在宅勤務51.2%
外出先やサテライトオフィスなど(自宅以外)でのリモートワーク49.8%
通勤ラッシュを避けた時差通勤60.9%
Web・テレビ会議(社内打ち合わせ)63.1%
WEB・テレビ会議(他社との打ち合わせ58.0%
ビジネスチャットを用いた業務コミュニケーション60.1%

※調査人数:6,184人

※調査時期:2020年3月27日~31日

[出典:野村総合研究所「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う人々の行動と意識の変化から見る「学び方改革」、「働き方・暮らし方改革」の可能性」]

上記の調査結果をご覧いただいてもお分かりいただけるように、緊急時だけでなく平常時でもリモートワークを取り入れたいと回答している人が多い結果です。

リモートワーク・在宅勤務を希望する人が多いため、一部の企業ではそのままリモートワーク体制を維持する可能性が高いです。

オフィスの縮小や廃止が見られる可能性が高い

リモートワーク・在宅勤務などのオフィス外勤務を導入すると、どうしてもオフィスを維持しておく必要性がなくなるため、オフィスの縮小や廃止されやすいです。

少人数でのオフィス運営はどうしても企業の負担になってしまいます。オフィス自体がなくなり、リモートワーク・在宅勤務者が増える可能性も高いです。

出社の意義や目的の変化

多くの人は仕事をするためにオフィス勤務をしていました。しかし、テレワーク体制の導入を行うことにより、自由な働き方を行っても従来通りの仕事ができるという証明ができるとともに、出社を行う意義が薄くなってしまいます。

出社しない状態が多くなると、オフィスは資料保管場所や会議を行うだけの場所になってしまいやすく、オフィス自体の目的が変化しやすいです。

ただ、このようなオフィスに出社しない状態はコミュニケーションが取りにくい状態になるため、コミュニケーション問題に対する対策を行う必要があります。

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注目される未来の働き方「ハイブリッドワーク」

テレワーク体制やオフィスでの勤務など、さまざまな働き方が存在しますが、近年さらに注目を集めているのが「ハイブリッドワーク」です。ハイブリッドワークとは何か、メリット・魅力について解説をしていきますので、参考にしてみてください。

ハイブリッドワークとは

ハイブリッドワークとは、テレワークとオフィスワークを組み合わせた働き方です。状況に合わせた柔軟な働き方が魅力で、毎日の出社が厳しい場合に採用されることが多いです。社員の事情や会社・仕事の状況に合わせて自由に選択できる働き方が「ハイブリッドワーク」になります。

ハイブリッドワークのメリット

ハイブリッドワークのメリットは主に下記の5つがあげられます。

  1. 多様な働き方
  2. 社員が主体性を持てる
  3. 生産性が向上しやすい
  4. 柔軟なオフィススタイルの構築
  5. ブランディング

中でも分かりやすい例で挙げると、オフィス勤務だけに制限してしまっている場合、体調が悪い状態で出社し、仕事を行っていると通常時よりもパフォーマンスが落ちるケースが少なくありません。

しかし、ハイブリッドワークだと自分で選べるため、体調が悪い時は薬とかが飲みやすいテレワークを選び、体調を良くしてから仕事に励んで生産性を高めることが可能です。

他にも、自由な働き方だと自分が選んで行動していく必要性があるため、主体性が生まれやすいとともに、未来の働き方を採用しているという点からブランディングにもなります。ハイブリッドワークは多くのメリットがあるといっても過言ではありません。

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今後も場所や働き方に捉われないテレワークの動向に注目

働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響によって多くの企業がテレワークを実施していますが、アフターコロナ後もテレワークを実施する企業が少なくありません。

自由な働き方が注目を集めており、今後さらに場所や空間にとらわれない働き方を選ぶ人が増える可能性が高いです。今後どのようになっていくのか、テレワークの動向にも注目していきましょう。

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