IT化とは?目的や必要性が高まる背景・基本的な進め方について解説

2022/7/15 2022/07/15

デジタル化

IT化とは・DXとの違い

今では当たり前のように聞くIT化。グローバル化や働き方改革によりさらに注目が集まる昨今ですが、果たしてIT化とは一体どのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では、そんなIT化について、目的や進め方など詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

IT化とは?

IT化の重要性が高まり続ける背景を説明する前に、まずはIT化の意味、そして、よく混同されがちなDX化との違いについて確認しておきましょう。

IT化の意味

IT化とは、既存の業務にデジタル技術を用いて業務効率化や生産性の向上を目指すものです。

具体的には、これまで対面で行っていたコミュニケーションのオンライン化や、バックオフィス業務のIT化では、勤怠管理や給与計算へのシステム導入などが挙げられます。

また、顧客管理のシステム化やAI技術を活用した顧客対応も組織におけるIT化の代表例といえるでしょう。

DX化との違い

一方のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術の導入といった方法でビジネスモデルの変革を目指すものです。

IT化では「業務効率化」や「生産性の向上」など企業に対するメリットが挙げられるのに対し、DX化は企業のビジネスモデルの変革を経て、人々の生活をよりよいものへと変化させること、デジタル技術の活用によって新しい価値を創造することといった点に最終的な目標が置かれていることが、IT化との大きな違いです。

どちらもデジタル技術の活用が重要ですが、DX化を実現させるための一手段としてIT化があると考えるとよいでしょう。

IT化の必要性が高まっている背景

IT化の必要性が高まっている背景は、大きく3つに分けられます。

慢性的な人材不足

日本では少子高齢化にともなう労働人口の減少が長年課題として挙げられています。少子高齢化は長期的な問題であることから、これからの人材確保もさらに難しくなっていくでしょう。

そのため、IT化による業務フローや業務体制の見直しが必要となるのです。このように、IT化は人材不足の解消にもつながると考えられています。

働き方の多様化

ライフスタイルが多様化した現代のビジネス環境においては、企業にも働き手のニーズに合わせた働き方の提供や受け入れが重要となります。

ある意味、昔ながらともいえる「オフィスでの定時勤務」を原則とした働き方を貫き通しても、人材確保が難しいだけでなく人材流出にもつながってしまうのです。

近年では「介護や育児をしながら」「在宅で」「休暇をとりながら」など、働き方が多様化しています。こういった多様な働き方に対応するには、働き手がワークライフバランスをとれる環境構築のためのIT化が必要となるでしょう。

グローバル化によるビジネスの拡大

インターネットをはじめ、さまざまなデジタル技術が発展したことから、ビジネスのグローバル化、つまり国や地域をまたぐようなビジネス展開も容易に行えるようになりました。また、グローバル化によるビジネスチャンスの拡大は企業競争力にも直結すると考えられます。

ただ、グローバル化によるビジネスの拡大にはIT化が必須といえます。たとえば、海外の相手とやり取りするにはチャットやオンライン会議システムの利用、その国ならではの消費行動といったデータの収集と分析も必要です。

このように、グローバル化によるビジネス拡大が増えている今、IT化を進めなければ企業競争に後れをとってしまうといえます。

IT化の目的・メリット

近年は、日本の国内企業においても業種を問わず、着々とIT化が進められています。そこで、IT化にはどのような目的・メリットがあるのか解説します。

生産性の向上

IT化による業務の自動化が実現できれば生産性の向上につながるでしょう。近年では、以下のツールをはじめ、さまざまな業務に対応するツールも提供されています。

  • コミュニケーションツール
  • 名刺管理
  • 書類の作成・管理
  • タスク管理

手作業が必要だった業務は時間や手間がかかるほか、人為的なミスも発生します。したがって、IT化は時間や人的コストを削減するうえ、ヒューマンエラーの回避による生産性の向上も期待できるのです。

DX化の推進

IT化はDXを実現させるための一手段です。そのため、IT化の実現は、DXの推進を後押しするための一つのステップであるといえます。

社内のIT化が進めば、業務体制や社内システムの見直しだけでなく、システム化によって生まれた人的リソースを事業変革へと注力させることで、そのスピードを上げることもできるしょう。

現代のビジネス環境は、消費者ニーズの多様化、細分化などを背景に、市場競争は激化の一途を辿っていると言われています。

そのような環境の中で企業競争力や優位性を高めるには、DX実現に向けた取り組みをいち早く推進することが求められるのです。

働き方改革の推進

ここ数年の間、その重要性への声が高まっていた働き方改革は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により期せずして急速に推進される結果となりました。

現在は、感染対策としてだけでなく、人材確保やBCP対策の一つとして、テレワークの定着に向けた動きをみせる企業と、以前のオフィス出社による勤務形態へと戻す企業の二極化が進んでいると言われています。

しかしながら、働き手においては依然としてテレワークのような柔軟性の高い労働形態を望む声が高く、雇用側と求職者側の方向性の乖離が表面化し始めています。

そのため、IT化によるテレワークの継続といった働き方改革は、今後、人材確保や離職率の改善といった企業の課題解決に大きく貢献すると考えられます。

情報管理の利便性向上

IT化を推進することで情報の電子化やITツールの導入が進められるため、情報の管理や共有の簡素化が期待できます。

これまで紙の書類は管理や探す手間がかかるうえ、保管する場所を確保する必要がありました。しかし、書類がデータ化すればあらゆる場所からのアクセスを可能とし、保管場所の確保や手作業で探す手間が不要となります。

このように、IT化を進めれば、情報管理において利便性が向上し、業務効率化や労働時間の短縮による働き方改革にもつながるのです。

IT化の基本的な進め方とは?

やみくもにIT化に取り組んでも、なかなか定着せず効果を感じにくいでしょう。では、実際にIT化を進めるには、どのような手順で進めればよいのでしょうか。

対象の設定

まずは、どの業務をIT化するのかを明確に決めておく必要があります。やるべきことを具体化するためにも、「IT化によって得られる成果」、「優先度」、「難易度」などを考慮しながら対象を設定しましょう。

優先度が高く、IT化による成果の大きい業務から導入を進めることで、組織内でもIT化への理解度が高まり、より協力を得やすくなるといったメリットもあります。

段階的な導入

当然ですが、IT化はデジタル技術の活用が取り組みの要となります。しかし、新たなシステムやツールは、操作に慣れるまでの一定の期間が必要です。

IT化は、業務フローの刷新が伴うことも多いため、一気に進めようとすると社員にとっての負担やストレスは大きなものとなってしまうでしょう。

このような問題や導入時の混乱を防ぐためにも、IT化は段階的に進めるといった対策が必要です。

社内への共有

IT化の影響を受けるのは主に現場で働き、実際にシステムを操作する社員です。そのため、経営陣が独断的に進めたIT化は、効果が生まれにくいだけでなく、現場社員からの反発の声も上がりやすくなります。IT化は会社全体で、目的と計画を共有し、推進することが大切です。

したがって、「IT化に向けどのような取り組みをするのか」「目的は何か」といった内容を明確にしたうえで、従業員への説明や理解を得ることが必要となります。

ITツールを導入する際も、ツールを導入することによる効果や使い方の説明を徹底しましょう。具体的な説明なく導入しても、ツールを使いこなせないだけでなく、メリットへの理解がなければ、従来の方法を継続しようとする社員も出てくる可能性があります。

費用対効果の計測・フィードバック

IT化を進めるための取り組みやツールは導入するだけでなく、IT化による効果を発揮しているのか計測することが大切です。そのため、IT化の影響を受ける現場で働く社員の意見を定期的にヒアリングしましょう。

また、ITツールを導入したのであれば、使い勝手のほか、搭載された機能が十分かどうか、そのほかの業務と連携することでさらなる効率化が可能かどうかなども確認する必要があります。

このようにIT化は、取り組みに対するPDCAを回し続け、最善の状態を目指すための継続的な検証を行うことが重要です。

IT化を成功させるためのポイント

IT化を成功させるためには3つのポイントが考えられます。

プロジェクト単位で進めていく

IT化の計画を立てる段階から、IT領域の知見を持つシステム担当者だけでなく、必ず実際のユーザーとなる社員も参画させプロジェクトチームを結成するようにしましょう。

またIT化は、「一度で終わり」のプロジェクトではなく、社会の変化、技術の進歩とともに継続して行っていく取り組みです。そのため、社員のデジタル技術に関する知識とスキルを高める育成プログラムの構築も、IT化のプロジェクトと並行して継続的に進めていかなければなりません。

経営陣が積極的に協力する

社内のIT化は、その改革に取り組む人材が必要となるだけでなく、システムの導入などには、それ相応のコストを要することになります。そのため、計画段階からの経営陣のコミットメントは必要不可欠です。

また、IT化の目的のほか、取り組みへの全社的な協力体制を整えることの重要性の意識づけは、経営陣が率先して繰り返し情報発信を行うことが、最も効果的であるといえるでしょう。

外部から専門人材を借りる

人材確保が難しい現代で、IT人材はとくに不足しています。そのため、特に中小企業ではIT化を進めようとしても、IT人材が不足しており思い通りに進められないといった課題がよく挙げられます。

こういった場合、外部から専門人材を借りるという方法がおすすめです。具体的には、IT専門の人材派遣サービスを利用したり、専門のコンサルティングサービスを受けるといった方法があります。

しかしながら、組織のIT化はITの知見だけでなく、自社事業や組織体制への理解を深めた上で行うものです。このようなサービスを利用したとしても、一朝一夕にIT化が完了するものではない点を理解しておきましょう。

IT化により成果を出した企業の成功事例

ある企業ではカスタマーセンターにおける顧客対応業務に関して、人的コストの増大、問い合わせ窓口の複雑化による対応もれや顧客対応品質の低下が課題として挙げられていました。

そこで、まずはAI技術を活用した問い合わせチャットを導入し、「定型的な問い合わせへの自動応答」と「複雑な内容のみをオペレーターへつなぐ」体制を実現。

また、顧客対応システムの採用により、メール・電話・Webサイトから問い合わせといった、複数の問い合わせチャネルを一元管理することで、対応もれや対応の遅れ、二重対応といったミスを解消したのです。

これらの顧客対応業務のIT化は、人的コストの削減と生産性、そして顧客満足度のすべてを改善するIT化の取り組みとなりました。

IT化を進めて業務の効率化を実現しよう

IT化は「DXの実現」「働き方改革」「業務効率化」など、さまざまな要素に効果的に作用する取り組みです。

ただし、どの業務をどうIT化するのかによって、その効果や成果は異なってくるでしょう。したがって、自社に適切なIT化の方法を見極め、IT化の実現を目指すことが大切です。

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