IT化とは?進め方や事例・メリットとデメリットをわかりやすく解説

最終更新日時:2023/04/06

デジタル化

IT化とは

今では当たり前のように聞くIT化。グローバル化や働き方改革によりさらに注目が集まる昨今ですが、果たしてIT化とは一体どのようなメリットがあるのでしょうか。本記事では、そんなIT化について、目的や進め方など詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

福本大一

監修者 福本大一 Chatwork株式会社 DXソリューション推進部|マネージャー 大学卒業後、toC領域のWEBメディア事業で起業。事業グロースに向けたSEO戦略から営業・運用広告に従事し、約2年間の経営を経て事業譲渡。2021年3月からChatworkに入社し、カスタマーマーケティングやアライアンスを経験した後、メディア事業・運用広告事業の責任者としてミッションを遂行する。現在は、DXソリューション推進部のマネージャーとして新規事業領域のセールス・マーケティング・アライアンス・メディア事業を統括。

IT化とは?

IT化の重要性が高まり続ける背景を説明する前に、まずはIT化の意味、そして混同されがちなDX化・デジタル化との違いについて確認しておきましょう。

IT化の意味

IT化とは、既存のアナログ手法で行なっていた業務にデジタル技術を用いて、業務効率化や生産性の向上を目指していくことを指します。

デジタル技術を日常業務に取り入れていくことにより、手間や負担を大幅に省略できて従業員のリソースをコア業務に割くことができたり、業務改善につながったりと様々なメリットが得られます。IT化の具体的な事例は下記のとおりです。

  • 給与計算や明細を電子化する
  • 社内のコミュニケーションや共有作業にビジネスチャットを使用する
  • 紙で作成していたマニュアルを電子化する
  • 顧客管理や商談にて営業専用のツールを活用する

上記で述べているIT技術はほんの一部で、世の中には様々なIT技術・ITツールが存在しており、自社に導入することによってあらゆる業務の効率化が見込めます。

IT化とDX化との違い

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術の導入といった方法でビジネスモデルの変革を目指すものです。

IT化では「業務効率化」や「生産性の向上」など企業に対するメリットが挙げられるのに対し、DX化は企業のビジネスモデルの変革を経て、人々の生活をよりよいものへと変化させること・デジタル技術の活用によって新しい価値を創造することといった点に最終的な目標が置かれていることが、IT化との大きな違いです。

どちらもデジタル技術の活用が重要ですが、DX化を実現させるための一手段としてIT化があると考えるとよいでしょう。

DX化とIT化の違いとは?必要性や推進する方法も合わせて簡単に解説!

IT化とデジタル化の違い

IT化とデジタル化は似たような意味合いをもつ言葉ですが、主な違いとしては、デジタル情報を活用しているのか・表現しているのかという点です。

IT化は情報技術を駆使して、業務効率化が実現する環境を構築して活用しているのに対して、デジタル化は情報技術を駆使して実際に業務で表現されてる状態を指します。

IT技術を駆使して実際の業務で表現されていても活用されているとは言えないため、IT化とは呼べません。

デジタル化の意味とは?具体例やメリット・デメリットを簡単に解説!

デジタル化とIT化の違いとは?正しい言葉の意味をわかりやすく解説

IT化の必要性が高まっている背景

IT化の必要性が高まっている背景は、大きく4つに分けられます。

慢性的な人材不足に陥っているため

日本では少子高齢化にともなう労働人口の減少が長年課題として挙げられています。少子高齢化は長期的な問題であることから、これからの人材確保もさらに難しくなっていくでしょう。

そのため、IT化による業務フローや業務体制の見直しが必要となるのです。このように、IT化は人材不足の解消にもつながると考えられています。

働き方が多様化しているため

ライフスタイルが多様化した現代のビジネス環境においては、企業にも働き手のニーズに合わせた働き方の提供や受け入れが重要となります。

ある意味、昔ながらともいえる「オフィスでの定時勤務」を原則とした働き方を貫き通しても、人材確保が難しいだけでなく人材流出にもつながってしまうのです。

近年では「介護や育児をしながら」「在宅で」「休暇をとりながら」など、働き方が多様化しています。こういった多様な働き方に対応するには、働き手がワークライフバランスをとれる環境構築のためのIT化が必要となるでしょう。

グローバル化によるビジネスが拡大しているため

インターネットをはじめ、さまざまなデジタル技術が発展したことから、ビジネスのグローバル化、つまり国や地域をまたぐようなビジネス展開も容易に行えるようになりました。また、グローバル化によるビジネスチャンスの拡大は企業競争力にも直結すると考えられます。

ただ、グローバル化によるビジネスの拡大にはIT化が必須といえます。たとえば、海外の相手とやり取りするにはチャットやオンライン会議システムの利用、その国ならではの消費行動といったデータの収集と分析も必要です。

このように、グローバル化によるビジネス拡大が増えている今、IT化を進めなければ企業競争に後れをとってしまうといえます。

人的コストを削減するため

IT化を進めることによって、日常業務で発生するルーティン要素の強い作業をはじめとした様々な作業を自動化できます。

先方との日程調整・請求書の発行・給与明細の作成・議事録作成などなど、些細な業務が対象となり、人の手が不要で業務を進められます。

そのため、人件費の削減につながり、最小限の人員で業務を回せます。余計な人的コストを削減できるのは、会社運営をする上で重要であり、別の重要なプロジェクトや活躍している優秀な人材に還元できます。

IT化の目的・メリット

近年は、日本の国内企業においても業種を問わず、着々とIT化が進められています。そこで、IT化にはどのような目的・メリットがあるのか解説します。

生産性の向上

IT化による業務の自動化が実現できれば生産性の向上につながるでしょう。近年では、以下のツールをはじめ、さまざまな業務に対応するツールも提供されています。

  • コミュニケーションツール
  • 名刺管理
  • 書類の作成・管理
  • タスク管理

手作業が必要だった業務は時間や手間がかかるほか、人為的なミスも発生します。したがって、IT化は時間や人的コストを削減するうえ、ヒューマンエラーの回避による生産性の向上も期待できるのです。

DX化の推進

IT化はDXを実現させるための一手段です。そのため、IT化の実現は、DXの推進を後押しするための一つのステップであるといえます。

社内のIT化が進めば、業務体制や社内システムの見直しだけでなく、システム化によって生まれた人的リソースを事業変革へと注力させることで、そのスピードを上げることもできるしょう。

現代のビジネス環境は、消費者ニーズの多様化・細分化などを背景に市場競争は激化の一途を辿っていると言われています。

そのような環境の中で企業競争力や優位性を高めるには、DX実現に向けた取り組みをいち早く推進することが求められるのです。

働き方改革の推進

ここ数年の間、その重要性への声が高まっていた働き方改革は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により期せずして急速に推進される結果となりました。

現在は、感染対策としてだけでなく、人材確保やBCP対策の一つとして、テレワークの定着に向けた動きをみせる企業と、以前のオフィス出社による勤務形態へと戻す企業の二極化が進んでいると言われています。

しかしながら、働き手においては依然としてテレワークのような柔軟性の高い労働形態を望む声が高く、雇用側と求職者側の方向性の乖離が表面化し始めています。

そのため、IT化によるテレワークの継続といった働き方改革は、今後、人材確保や離職率の改善といった企業の課題解決に大きく貢献すると考えられます。

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情報管理の利便性向上

IT化を推進することで情報の電子化やITツールの導入が進められるため、情報の管理や共有の簡素化が期待できます。

これまで紙の書類は管理や探す手間がかかるうえ、保管する場所を確保する必要がありました。しかし、書類がデータ化すればあらゆる場所からのアクセスを可能とし、保管場所の確保や手作業で探す手間が不要となります。

このように、IT化を進めれば、情報管理において利便性が向上し、業務効率化や労働時間の短縮による働き方改革にもつながるのです。

デジタル化のメリット・デメリットとは?解決できる課題や問題点について

IT化のデメリット

IT化を進めていく上では様々なメリットがある反面で、デメリットがあるのも事実です。どのようなデメリットがあるのか紹介していきます。

多額の費用がかかる

IT化の実現に向けては、ツール導入に向けた初期費用・運用費がかかり、規模が大きくなるほどコストも高額になります。補助金などを利用すればある程度は抑えられるものの、まとまった予算がかかるということは理解しておきましょう。

また、社内でIT化を進められる人材が不足している場合には、外部人材を雇ったり、アウトソーシングしたりと費用が発生します。予算を超過しないためにも細いところまで予算帯を把握しておきましょう。

社内で格差が生まれるリスクがある

IT技術を社内に導入しても、使いこなせる人・使いこなせない人で差が生まれるリスクがあるという点にも注意しておきましょう。

特に社内での年齢層が高い人員は若い社員と比べても使いこなすのが難しく、デジタル格差につながります。格差が起きないようにするためにも、サポート体制や共有体制を整えておくのが大切です。

IT化の基本的な進め方

やみくもにIT化に取り組んでも、なかなか定着せず効果を感じにくいでしょう。では、実際にIT化を進めるには、どのような手順で進めればよいのでしょうか。

対象の設定

まずは、どの業務をIT化するのかを明確に決めておく必要があります。やるべきことを具体化するためにも、「IT化によって得られる成果」「優先度」「難易度」などを考慮しながら対象を設定しましょう。

優先度が高く、IT化による成果の大きい業務から導入を進めることで、組織内でもIT化への理解度が高まり、より協力を得やすくなるといったメリットもあります。

段階的な導入

IT化はデジタル技術の活用が取り組みの要となるものの、新たなシステムやツールは、操作に慣れるまでの一定の期間が必要です。

特に会社全体でアナログな手法で取り組んでいる業務が多かったり、ITに強いデジタル人材がいない場合だと、導入しても使いこなせずに形骸化するリスクがあります。

IT化は、業務フローの刷新が伴うことも多いため、一気に進めようとすると社員にとっての負担やストレスは大きなものとなってしまうでしょう。

IT化に失敗しないためにも、いきなり大規模で始めるのではなく、小規模で少ない人数からスモールスタートではじめていくのがおすすめです。

スモールスタートで始めれば、使いこなせる社員が数人いる状態となり、社内での共有作業もしやすくなるため、結果的にスムーズなIT化が進むでしょう。

社内への共有

IT化の影響を受けるのは主に現場で働き、実際にシステムを操作する社員です。そのため、経営陣が独断的に進めたIT化は、効果が生まれにくいだけでなく、現場社員からの反発の声も上がりやすくなります。IT化は会社全体で、目的と計画を共有し、推進することが大切です。

したがって、「IT化に向けどのような取り組みをするのか」「目的は何か」といった内容を明確にしたうえで、従業員への説明や理解を得ることが必要となります。

ITツールを導入する際も、ツールを導入することによる効果や使い方の説明を徹底しましょう。具体的な説明なく導入しても、ツールを使いこなせないだけでなく、メリットへの理解がなければ、従来の方法を継続しようとする社員も出てくる可能性があります。

費用対効果の計測・フィードバック

IT化を進めるための取り組みやツールは導入するだけでなく、IT化による効果を発揮しているのか計測することが大切です。そのため、IT化の影響を受ける現場で働く社員の意見を定期的にヒアリングしましょう。

また、ITツールを導入したのであれば、使い勝手のほか、搭載された機能が十分かどうか、そのほかの業務と連携することでさらなる効率化が可能かどうかなども確認する必要があります。

このようにIT化は、取り組みに対するPDCAを回し続け、最善の状態を目指すための継続的な検証を行うことが重要です。

デジタル化を推進する方法と成功させるためのポイントを徹底解説

IT化を成功させるためのポイント

IT化を成功させるためには3つのポイントが考えられます。

プロジェクト単位で進めていく

IT化の計画を立てる段階から、IT領域の知見を持つシステム担当者だけでなく、必ず実際のユーザーとなる社員も参画させプロジェクトチームを結成するようにしましょう。

またIT化は、「一度で終わり」のプロジェクトではなく、社会の変化、技術の進歩とともに継続して行っていく取り組みです。そのため、社員のデジタル技術に関する知識とスキルを高める育成プログラムの構築も、IT化のプロジェクトと並行して継続的に進めていかなければなりません。

経営陣が積極的に協力する

社内のIT化は、その改革に取り組む人材が必要となるだけでなく、システムの導入などには、それ相応のコストを要することになります。そのため、計画段階からの経営陣のコミットメントは必要不可欠です

また、IT化の目的のほか、取り組みへの全社的な協力体制を整えることの重要性の意識づけは、経営陣が率先して繰り返し情報発信を行うことが、最も効果的であるといえるでしょう。

外部から専門人材を借りる

人材確保が難しい現代で、IT人材はとくに不足しています。そのため、特に中小企業ではIT化を進めようとしても、IT人材が不足しており思い通りに進められないといった課題がよく挙げられます。

こういった場合、外部から専門人材を借りるという方法がおすすめです。具体的には、IT専門の人材派遣サービスを利用したり、専門のコンサルティングサービスを受けるといった方法があります。

しかしながら、組織のIT化はITの知見だけでなく、自社事業や組織体制への理解を深めた上で行うものです。このようなサービスを利用したとしても、一朝一夕にIT化が完了するものではない点を理解しておきましょう。

デジタル人材とは?必要なスキル・担う役割・育成や採用のポイントを解説

IT化により成果を出した企業の成功事例

ある企業ではカスタマーセンターにおける顧客対応業務に関して、人的コストの増大、問い合わせ窓口の複雑化による対応もれや顧客対応品質の低下が課題として挙げられていました。

そこで、まずはAI技術を活用した問い合わせチャットを導入し、「定型的な問い合わせへの自動応答」と「複雑な内容のみをオペレーターへつなぐ」体制を実現。

また、顧客対応システムの採用により、メール・電話・Webサイトから問い合わせといった、複数の問い合わせチャネルを一元管理することで、対応もれや対応の遅れ、二重対応といったミスを解消したのです。これらの顧客対応業務のIT化は、人的コストの削減と生産性、そして顧客満足度のすべてを改善するIT化の取り組みとなりました。

IT化を進めて業務の効率化を実現しよう

IT化は「DXの実現」「働き方改革」「業務効率化」など、さまざまな要素に効果的に作用する取り組みです。

ただし、どの業務をどうIT化するのかによって、その効果や成果は異なってくるでしょう。したがって、自社に適切なIT化の方法を見極め、IT化の実現を目指すことが大切です。

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ビズクロ編集部
「ビズクロ」は、経営改善を実現する総合支援メディアです。ユーザーの皆さまにとって有意義なビジネスの情報やコンテンツの発信を継続的におこなっていきます。

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