デジタル人材とは?必要なスキル・担う役割・育成や採用のポイントを解説

2022/7/15 2022/08/21

デジタル化

デジタル人材・DX人材の育成

デジタル人材が担う役割、そして、必要なスキルにはどのようなものが挙げられるのでしょうか。本記事では、デジタル人材の役割やスキル、育成・採用のポイントを紹介します。デジタル人材が持っておくべきマインドセットもお伝えしますので、ぜひ採用の際の参考としてお役立てください。

DX推進に必須のデジタル人材とは?

デジタル人材とは、デジタル技術を活用しながら組織や事業の成長を推進する人材を指します。

具体的には、AIやIoT、5G、3Dプリンター、OCRなどを活用しながら組織のDX化を進め、デジタル技術によってビジネスの変革をもたらすことのできる人材といえるでしょう。

そのため、社内のDX化を進めるためには、さまざまなデジタル技術を活用できる知識と能力が欠かせません。近年、このようなデジタル人材の不足もあり、DX化に問題を抱えている企業は少なくありません。

各社が組織のデジタル化・DX化に向けて、デジタル人材の確保に奔走する中でデジタル人材の需要も高まってきています。

IT人材との違い

デジタル人材と似た言葉で「IT人材」というものがあります。こちらは、中小企業庁で発表されている定義を使うとわかりやすいので、引用します。

「IT人材」とは、ITの活用や情報システムの導入を企画、推進、運用する人材のことをいう。

[引用:中小企業庁「中小企業の稼ぐ力 IT人材の活用」より]

つまり、デジタル人材はITの価値を提供する役割を持っているのに対し、IT人材はその機能を実行・運用する役目があるといえます。ただし、一般的にはデジタル人材とIT人材の違いはなく、同じ意味として使われているのが現状です。

デジタル人材が担う7つの役割や職種

デジタル人材は「DX化を推進する人材」として一括りにされがちですが、その役割は職種によって大きく異なります。

ここでは、主なデジタル人材の役割を7つの職種別に紹介します。

(1)ビジネスプロデューサー

DXによって新たなビジネスモデルを生み出したり、ビジネスのゴールを設定したりするのがビジネスプロデューサーです。

DX実現に向けた「指揮官」的な役割のビジネスプロデューサーは、ビジネス環境を的確に読み解き、的確な意思決定ができる能力のほか、チームを統率するための高いコミュニケーション能力も必要となります。

つまり、DX化に関する専門知識を保有する「経営コンサルタント」の位置づけだと考えれば、わかりやすいでしょう。

(2)UXデザイナー

UXデザイナーは、ユーザーとプロダクトの接点となる「デザイン」を設計する人材です。

そのため、デザイン力はもちろんのこと、ユーザーにより便利な体験を提供できるよう、ユーザー視点に立った思考力と先端デジタル技術の知見の両方の能力が求められます。

また、UXデザイナーが手がけたデザインは、コーダーやプログラマに具現化してもらう必要があります。そのため、各担当者と円滑なやり取りができるコミュニケーションスキルも必須です。

(3)データサイエンティスト

データサイエンティストは、ビッグデータなどのデータを解析する人材です。具体的には、消費者の行動履歴や嗜好の傾向などをもとに集めたデータを分析・加工し、企業にとってメリットのある形に変えて提案します。

そのため、AI技術の活用スキルだけでなく、優れたビジネスセンスなども要求されます。また、データの意味を理解するためには、ある程度の現場経験など、自社事業への深い理解があることも必須条件です。

(4)テクノロジー・アーキテクト

テクノロジー・アーキテクトは、ビジネスプロデューサーなどが設定した型に沿って実際にシステムを設計する人材。ストレスなく利用できるサービスを提供するために、誰にでも使いやすいシステムを構築できる技術力が必要です。

ただし、システムの設計だけでなく「経営戦略」を考慮した業務や役割を求められる点が、ITエンジニアとの大きな違いとされています。

(5)プログラマ

プログラマは、設計された仕様に基づいたプログラミングや、コーディング・テスト・セキュリティチェックなどを担当します。

そのため、システムの実装やインフラ構築、セキュリティ保護などが主な業務です。DX化を進めるデジタル人材として働くためには、さまざまなシステムに精通し、問題が発生した時にすぐに修正できる能力が必要となるでしょう。

(6)ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、ビジネスプロデューサーの元で抽象的な情報を具現化する役割を持ちます。

ビジネスプロデューサーとともに課題解決を伴うDX戦略の立案に携わるため、ビジネスプロデューサーと同様、ビジネス環境を的確に読み取る力や高いコミュニケーション能力、企画力、言語化能力などが必要です。

また、全ての能力において、非常に高い水準のスキルが要求されるポジションです。

(7)チェンジ・リーダー

チェンジ・リーダーは、デジタル化に伴う意識改革に向けた施策の提案・計画を行います。未知のことに対して計画を立てる必要があるため、より高度なスケジュール管理能力が重要です。

また、計画を関係者全員に伝えるため、高いコミュニケーション能力も必要となります。

デジタル人材に必要なスキル

デジタル人材は大きく7つに分かれることを紹介してきました。上記7つのデジタル人材において、共通して必要なスキルは以下の4つだと考えられます。

(1)データサイエンス・エンジニアリング
(2)ビジネス・サービス設計
(3)組織・プロジェクト管理
(4)先進技術に関する知見

それぞれ詳しくみていきます。

(1)データサイエンス・エンジニアリング

データサイエンス・エンジニアリングは、アナリティクスなどを用いた高度な分析・アルゴリズム開発・アプリケーション実装などの技術系のスキルを指します。

プログラマやデータサイエンティスト、UXデザイナーなどで特に重要なスキルですが、その他の役職でも大まかな内容を把握できる最低限の知識は必要です。

(2)ビジネス・サービス設計

ビジネス・サービス設計は、データサイエンティストが収集した情報を活用し、実際のプロダクトに反映する上で必要な能力のことです。

UXデザイナーやビジネスデザイナーなどにおいて、特に重要視されるスキルといえるでしょう。

(3)組織・プロジェクト管理

組織・プロジェクト管理とは言葉の通り、プロジェクトの実行中に生じた問題に対して、課題を洗い出し、解決に導く能力のことを指します。ビジネスプロデューサーやビジネスデザイナー、チェンジ・リーダーに必要な能力となるでしょう

組織・プロジェクト管理においては、「こうすれば組織がまとまる」などの成功法則がほとんどありません。そのため、課題が生じた時にリーダーシップを発揮し、問題を解決に導く柔軟な対応力が必要となります。

(4)先進技術に関する知見

DX化を進めるにあたって、先進技術に対する知識は必要不可欠です。

AIやIoT、ビッグデータの分析など、時代を代表する先端技術の知見があることはもちろんのこと、それらを事業に活用できる創造力も欠かせません。職種に限らず、DX化の全ての過程において必要な能力だといえます。

デジタル人材に必要なマインドセット

デジタル人材として活動する上で必要なのは、DX化を進める技術だけではありません。仕事に取り組むにあたってのマインドセットも肝心です。

ここでは、デジタル人材に必要な5つのマインドセットについて見ていきます。

課題発見

DX化を進めるには、現在直面している課題を適切に判断する能力が必須です。また、何が課題の原因なのかを突き止める、問題追求能力も必要となるでしょう。

顧客の目線に立ち、予算や納期などの制限がある中で、どの部分を改善すると最も効果的かを考える姿勢が求められます。

最後までやり遂げる

仕事を完遂することは、デジタル人材においても特に重要です。DX化を進めるにあたっては、0から1を生み出すクリエイティブな作業となり、部署を横断し、さまざまな人の協力を受けられなければ目標を達成することはできません。

しかし、場合によっては社内のリソースが足りない場合や、企業の規則的にDX化を進められないケースも出てくるでしょう。そういった場合にも、あらゆる視点から解決に導ける方法がないかを考え、最後までやり抜く力が必要となります。

挑戦する

DX化を推進する過程において、さまざまな「未知の壁」に直面することも予想されます。そのような場合でも、失敗を恐れずに果敢に挑戦し、成功まで歩を進める力が大切となるでしょう。

また、DX化のプロジェクトは数ヶ月〜1年にわたることもあります。そのような比較的長いプロジェクトに対しても常に挑戦し続ける姿勢は、モチベーションを維持する上でも重要です。

スキルをアップデートし続ける

IT業界において、テクノロジーは日々進化を遂げています。大きな変革があれば、これまでの成功事例が全く通用しなくなるというケースもあります。

そのため、日々のトレンドを追い続けながら継続して学習できる意欲と姿勢も必要です。

オープンマインド

デジタル人材には、既存のビジネスモデルを大きく変えるようなイノベーション、新たな価値の創造も期待されています。

既成概念を変える画期的な事業モデルを生み出すためには、部署はもちろんのこと、企業や業界の垣根さえも超えたオープンマインドがカギとなります。

自身のクリエイティブな思考を隠すことなくオープンにする意識を持つこと、また、企業においては、そのようなオープンなコミュニケーションが守られる組織文化を醸成しておくことも大切です。

デジタル人材を育成するポイント

デジタル人材を育成するには、どのようなポイントに気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、4つのポイントを紹介します。

研修の機会を設ける

デジタル人材を育成するには、継続的な研修・教育の機会の設置は欠かせません。組織をあげて、体系的プログラムを構築する必要があるでしょう。

このような育成プログラムは、将来的には組織内で「内製化」できることが理想ではありますが、デジタル人材が不足している現状からは困難であることも多いでしょう。

その場合は、まず外部の専門機関のサポートを受けつつ、プログラムの内製化を徐々に目指していくことをおすすめします。

既存従業員の配置転換

デジタル人材を確保したいのであれば、社内の部署異動を積極的に行うこともポイントです。デジタル人材の求人倍率は年々増加しており、新規人材の確保がさらに難しくなると予想されます。

もちろん従業員の希望との兼ね合いにはなりますが、既存社員の能力を最大活用し育成を促進すること、生産性を向上させる意味でも、積極的な配置転換は、人材育成にポジティブな影響を及ぼすはずです。

資格取得のサポート

デジタル人材として活躍するには、さまざまな資格も必要です。そのため、社員の資格取得サポートは積極的に行いましょう。

教材の購入・研修・受験費用の補助などのサポートを充実させれば社員のやる気にもつながり、社員と組織、双方にとって大きなメリットをもたらします。

OJTで実行力を身につける

スキルセットが整っているだけでは、1人前のデジタル人材とは言い切れません。

デジタル人材は、実務にスキルを活かせることが重要です。OJT(On the Job Training)は、実務を通して研修を行えるので実行力が身に付きます。選択肢のひとつとして導入を検討してみましょう。

もし、リソース不足で自社での実施が難しい場合は、コンサルティング会社などに外部委託する方法もあります。

デジタルリテラシーとは?高める必要性や教育方法・低い場合の懸念点を解説

デジタル人材を採用するポイント

デジタル人材を採用する場合、どのようなポイントに気を付ければ良いのでしょうか。ここではデジタル人材を採用する際のポイントについて6つ紹介します。

ワークライフバランスが取れる環境作り

「ワークライフバランス」の向上は、デジタル人材の採用に限らず、今後、全ての企業において最も重要な取り組みの一つとされています。

特にデジタル人材は「さまざまな知識を吸収するのが好きな人」や「挑戦意欲の高い人」が多い傾向にあります。希望の働き方をキャッチした上で、双方が納得できるワークバランスを検討すると良いでしょう。

中小企業におけるワークライフバランスの重要性と現状の課題について

スキルアップにつながる仕事・研修等を充実させる

デジタル人材は転職理由に「スキルアップがしたい」を口にするケースがしばしばあります。スキルアップができる環境を整えニーズに応えることで、デジタル人材を採用できる可能性が高まります。

例えば資格補助・研修の充実のほか、難易度が高く挑戦意欲が掻き立てられるような仕事を定期的に任せるなど、積極的にデジタル人材のモチベーションが上がる環境を作っていくことがポイントです。

採用要件を明確にする

デジタル人材を採用したいのであれば、採用ターゲットの明確化が欠かせません。「必須条件」「あれば望ましい条件」「不要条件」を洗い出し、ターゲットを絞った採用を行いましょう。

人材に求めるスキル・担って欲しい役割を明確にした上で採用することにより、企業と求職者間における入社後のミスマッチを防ぐこともできます。

他社と差別化できる強みを見つける

優秀なデジタル人材は、他社からのヘッドハンティングや好条件の転職ができる可能性に溢れています。

競合他社よりも高い報酬の提示は人材確保に一定の効果があることは事実ですが、NTTデータ研究所の調査によれば、デジタル人材の転職経験は71.6%、1年以内の転職意向が30.6%というデータも出ています。

そのため、そもそも高額な報酬を支払ったとしても、転職されてしまうケースが多いのが実状です。デジタル人材の高い需要を考慮し、働きやすさや福利厚生の充実など、報酬だけでなく自社ならではのメリットが必要であるといえるでしょう。

[出典:株式会社NTTデータ経営研究所「デジタル人材定着に向けたアンケート調査」]

業務委託での採用も検討する

デジタル人材は正社員雇用以外にもアルバイト・派遣社員などのさまざまな雇用形態のほか、外部のワーカーや専門会社との業務委託契約にて労働力を確保する方法もあります。

クラウドソーシングやマッチングサービスなどを活用すれば、さまざまなスキルや能力をもつ人材が見つかるはずです。

母集団が不足している場合は採用経路を増やす

デジタル人材は、現状として圧倒的に「供給」が不足している状況にあります。

そのため、どんなに好条件を設定しても採用に苦戦してしまうケースも考えられるでしょう。その際は採用経路を増やすのも1つの方法です。

#1: 人材紹介

エージェントを活用すれば、自社のリソースを割かずに人材を確保できます。具体的には、エージェントが自社の募集要件に合った人材をマッチングした上で、書類選考や面談などの選考を行うことになります。

コストに関しては、契約内容によりますが、多くの場合、採用が決定したら採用者の年収の30〜35%を成功報酬として支払うケースが一般的です。

他のサービスを活用するよりもやや高めの費用感ですが、入社までのサポートも行ってくれるため、採用工数を大幅に削減できるのがメリットです。

#2: ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業の担当者が直接転職希望者に対してメール等を送付し、アプローチを行う手法のことです。

直近ではないが、将来的に転職も考えているといった「転職潜在層」にもアプローチできるため、優秀な人材を確保できる可能性が高いのが特徴です。ただし、スカウトを送付する工数が別途かかるので、注意が必要となります。

#3: リファラル採用

リファラルは「推薦・紹介する」という意味の通り、既存社員から知人や友人などの優秀な人材を紹介してもらい、採用まで進めるという方法です。

自社の事業を理解した既存社員からの紹介のため、より会社のニーズにマッチする人材を確保しやすいというメリットがあります。また、採用にかかるコストを大幅に削減できる点も魅力です。

ただし、多くの採用数を期待することは難しいため、デジタル人材を大量に確保したい場合には不向きの採用方法となります。

#4: ミートアップ

ミートアップとは、企業がテーマを掲げ、そのテーマに興味を持った人材が参加するカジュアルな交流会のことです。企業を紹介する機会を設けるのが一般的ですが、働き方や業務内容を紹介することもあります。

ミートアップは、コストを抑えた採用活動ができる点や転職潜在層を確保しやすい点などがメリットです。また、カジュアルな話題も含めた話ができるため、人物の人となりを把握しやすいことも魅力といえるでしょう。

会社の未来を創るデジタル人材の育成や採用は重要課題

本記事では、デジタル人材の役割やスキル、育成・採用のポイントを紹介しました。

DXの推進は、今後のビジネス環境を勝ち抜く上で重要な戦略の一つとされていることから、デジタル人材の確保もまた、企業において必達すべき目標であり、事業を成長させるためのカギとなると考えることができます。

本記事の内容を参考に、ぜひデジタル人材の採用・育成を推進してみてはいかがでしょうか。

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