経費精算の期限はいつまで?月またぎ・年またぎはできる?注意点を解説!

最終更新日時:2022/07/01

経費精算システム

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経費精算をうっかり忘れてしまい、月またぎになってしまったことはないでしょうか。経費精算をきちんと行わないと会社の信用を傷つけてしまう恐れがあります。本記事では経費精算の月またぎ・年またぎの期限や注意点を解説します。今一度、経費精算の期限を確認しましょう。

経費精算の期限とは?

経費精算の期限は、会社の規定によって異なります。一般的には、1ヵ月を目安に定めている会社が多いです。

経費精算の期限を考えるときには、次のタイミングを意識する必要があります。

  • 月(月末、翌月初に定めている会社もある)
  • 四半期(3ヵ月毎。四半期決算を行う会社の場合)
  • 半期(6ヵ月毎。中間決算を行う会社の場合)
  • 年度(期末)

正確な経費の把握、経理部門の負担軽減などのために、どんな社内ルールが最適なのかを考えることが大切です。

月またぎの経費精算はできるのか

法律上の経費精算の時効は5年となっているため、月またぎの経費精算は問題ありません。社内ルールで当月中と定められていても、翌月の経費として計上できるので、大きな問題にはならないでしょう。月またぎで経費精算を行っても重大な影響はありません。

年またぎの経費精算はできるのか

お伝えしたように、法律上の経費精算の時効は5年です。この事項に則れば、年度をまたいだとしても、翌年度の経費として計上すれば問題ないと考えられます。

しかし、時効は5年であっても、年またぎの経費精算が難しくなることがあるので注意が必要です。特に、決算業務が完了した後に経費精算が発生すると、決算修正をしなくてはならない場合があり、経理上大幅な工数が発生します。

年またぎでも経費精算はできますが、担当者の業務負担が大きいため、年度中に行うのが望ましいでしょう。

月(年)をまたぐ経費精算の例

月(年)をまたぐ経費精算にはどのようなケースがあるのでしょうか。ここでは2種類の事例をご紹介します。

1.月末の経費を精算するケース

領収書の提出期限を発生から10日後にしている場合、社内ルールに則っていても月またぎの精算になってしまうことがあります。

例えば、8月28日付の領収書がある場合、提出期限は9月に入ってからです。社内ルールどおりに手続きを行っても、月またぎの経費精算は発生します。

2.一定期間経費が発生しているケース

例えば、8月28日から9月11日まで2週間の出張をした場合、8月に発生した経費を9月に処理せざるを得なくなります。

会社の会計は費用が発生した際に計上することが原則なので、領収書の日付に基づいて経費処理が必要です。月だけではなく、年度またぎの場合も同様になります。領収書の日付が前年度であれば、前年度の経費として計上しなくてはなりません。

月(年)またぎの経費精算が発生してしまう原因

多くの会社で経費精算の遅れが起こっています。ここでは、月(年)またぎの経費精算が発生する主な原因について確認していきましょう。

1.従業員が社内ルールを理解していない

従業員が経費精算のルールを理解していないことが、原因の1つとしてあげられます。まずは、経費精算は「当月内」「1ヶ月以内」など社内で決められたルールを徹底周知しましょう。また、そもそも社内ルールがない、曖昧などの場合は見直しが必要です。

また、ルールを厳守する風土や抜け漏れを防止する仕組みがない場合も、遅れが発生しやすくなります。従業員に対して、経費精算の重要性を伝えたり、期日を知らせるメールを配信したりなどの仕組み作りも検討しましょう。

2.申請業務を面倒に感じている

経費精算の申請方法が複雑で分かりづらいと、作業を後回しにする従業員が多くなります。紙ベースの申請書で記入項目が多いと、面倒に感じられてしまうのです。

また、手書きの場合は記入ミスや漏れが多くなるため、承認者や経理担当への負担が大きくなります。

3.承認者が不在のため処理ができない

申請者が期限内に経費精算を行っても、部内承認者や経理部の担当者が不在で月内に処理が間に合わないケースもあります。

特に近年はテレワークが普及しており、在宅勤務を行う従業員もいるため、従来のアナログな方法では遅れが出ることが多いのです。

これらの紙ベースの経費精算における課題は、経費精算システムの導入で解決できます。システムを導入すれば、申請から承認までオンライン上で完結するからです。

経費精算を期限までに行う方が良い理由

経費精算には、どうして期限を設ける必要があるのでしょうか。ここでは、経費精算を期限までに行うべき理由についてお伝えします。

1.決算スケジュールなどへの影響を少なくするため

決算処理を行うためには、すべての経費を計上しなくてはなりません。決算は外部に報告するために行うので、遅れが許されません。

経費精算が遅れた場合には、決算処理を行う経理部門に負担がかかります。もし間に合わない場合には、決算スケジュールにも影響が出てしまうのです。

経理担当への負担軽減、決算スケジュールを守るためにも期限を設ける必要があります。

2.経費の使い過ぎや無駄な経費を把握するため

会社の経費管理を適切に行うことも、期限を設ける目的の1つです。経費の使い過ぎや無駄な経費の発生は、会社の経営を圧迫させる要因になります。

そのため、いつ、何に、いくら経費がかかっているのかを把握しなくてはなりません。使い過ぎや無駄な経費を見つけた場合には、適切にコントロールすることが重要です。

3.未精算のリスクを減らすため

たとえ未精算のまま次期を迎えてしまっても、法律上時効が発生するまでは、従業員には経費を精算する権利があります。そのため、社内ルールとして定めていても、支払いを拒否することはできません。

仮に拒否した場合は、法的な争いに発展する可能性があるため、得策とは言えないでしょう。ルールに則って期内に精算を終わらせることが、会社と従業員にとって最良なのです。

経費精算の期限を過ぎてしまった場合

経費精算の期限が過ぎてしまった場合は、どのように対処すべきなのでしょうか。会社の期限と、法律上の期限の観点から確認していきます。

1.会社の期限に遅れたらすぐに報告する

まず、会社が定める期限に遅れてしまったら、すぐに経理担当者に報告しましょう。月、四半期、半期、年度、とまたぐ期間によって対応が大きく変わります。どのような処理が必要か指示を仰いでください。

2.月またぎの場合は基本的に翌月分の処理となる

月またぎで遅れてしまった場合、その月の経費として処理できません。しかし、基本的には、翌月分の経費として問題なく処理されます。

ただし、月次決算を行っている会社の場合、計上の遅れた経費の額によっては決算の修正が必要なこともあります。1ヵ月ぐらい問題ないだろうと思わず、できる限り正しいタイミングで経費精算する意識を持つことが大切です。

3.年度内の申請であれば対応ができる

四半期や半期をまたぐ場合も、年度内であれば、経費精算が遅れても大きな問題にはなりません。本来であれば、過去の決算修正が必要となる事項ではあります。

しかし、1人の経費精算なら少額のため、会社全体への影響がないと判断されて容認されることが多いです。

4.年またぎは法律上難しい

決算後の場合は、年またぎの経費精算は税法上認められません。しかし、民法上の時効は5年で、確定申告後でも従業員が経費精算を受ける権利は残っています。

そのため、従業員からの申請があれば、年をまたいでも対応が必要です。決算修正をする場合を除き特殊な仕訳を行うことになります。

経費精算のルールを守らないとどうなるのか

経費精算の期限が守られないと、さまざまな損失を招いてしまいます。経費精算の重要性を理解するためにも、確認しておきましょう。

1.会社として社外から信用されなくなる

経費が事実とは違う期に計上されていることが多いと、決算情報自体の信頼性が低下します。

そのため、社外からの信用を失う要因になってしまうのです。また、経理処理がずさんだと判断され、税務調査での印象も悪化します。

たとえ従業員の怠慢やミスが理由であっても、外部から見れば会社が意図的に経費処理の時期をずらしていると見られるので注意が必要です。

2.従業員と会社との信頼関係にも影響が出てしまう

ルールを守らない従業員を放置していると、社内全体がルーズになってしまいます。そして、ルールに甘い会社だと認識され、不正を働く従業員が増える可能性があるのです。

また、ルールを厳守している従業員からの不満につながり、良好な信頼関係が築けません。数日、数週間の遅れなら大きな問題にはならないからと放置するのではなく、経費精算の期限を厳しく管理していくことは、従業員との信頼関係を保つためにも重要です。

3.無駄な業務とコストが発生する

期限を守らず、経費精算が遅れて発生すると、本来はなかったはずの余計な業務が経理部門に発生し、負担が増大します。

経費精算の遅れによって発生した新たな工数分のコストが生じることで人的リソースがひっ迫し、ひいては部門自体の生産性が低下してしまいます。

経費精算を期限内に終わらせるために効果的な施策

経費精算の遅れを防止し、適切な管理をするには、相応の仕組み作りが必要です。ここでは、そのための施策についてご紹介します。

1.いつまでに経費精算を行うのかマニュアルに明記する

就業規則、旅費規定、経費精算規定など、経費精算に関係する各種マニュアルに精算期日を明記します。そして、罰則を設けてルールを守る意識付けを図りましょう。罰則というと厳しいイメージもあり、従業員にはマイナスに感じられるかもしれません。

しかし、拘束力を持たせることは、ルールを守る動機付けのために効果的です。会社にとって期限を守ることが、いかに重要であるかをしっかりと伝えた上で行いましょう。

2.社内周知を必要以上に行う

ルールが設けられていても、従業員に伝わっていなければ意味がありません。「言わなくても分かるだろう」という考え方では、従業員への意識徹底はできないのです。

しつこいと思われるぐらいに、通達を出すなど社内周知を図り、会社としての思いや考えを伝えていく必要があります。「全員でルールを守ることが当然」という、社内風土や雰囲気を構築していきましょう。

3.キャッシュレス対応に移行する

経費精算業務の負担を軽減させるのも1つの方法です。例えば、法人用クレジットカードの導入によるキャッシュレス化です。

経費精算業務が多い従業員に対して、法人用クレジットカードを配布します。クレジットカードを使えば、利用履歴が残るため、経費精算業務の手間がかかりません。経理部門が履歴を確認して処理するだけなので、期限遅れを防止できます。

4.経費精算システムを導入する

経費精算システムの導入は、期限の管理に有効です。特に電子帳簿保存法に対応するクラウド型システムを使えば、外出先でもアクセスが可能なため、経費が発生したタイミングで素早く申請から承認まで行えます。

また、経費精算システムには、スマホのカメラで領収書を撮影するだけで、情報が自動で反映される機能があります。さらに、交通ICカードの履歴を読み取ることも可能です。そして、会計ソフトや給与計算ソフトとの連携ができるサービスもあります。

入力の抜けや漏れなどの単純ミスが防げるため、経理担当者の負担を軽減でき、コストの削減も可能です。

正確な経費精算の実現、業務効率化、生産性の向上など、経費精算システムの導入には、多くのメリットがあるため、さまざまな企業が積極的に採用しています。

経費計上の期限に注意して適切に経費精算を行おう

今回は、経費精算の月またぎ・年またぎの処理方法や注意点についてお伝えしてきました。問題なく処理できるケースは多いものの、期限の遅れは経理担当者に負担がかかります。また、遅れが頻繁に発生すると、会社の信用問題に発展することもあります。

そのため、経費精算の期限厳守は、どの企業にとっても大切です。そしてそのためには、マニュアル作成や従業員への意識づけなど、ルールを守る仕組み作りが必要になります。また、システムによって解決できる課題も多いので、積極的に導入を検討しましょう。

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