経費精算に必要な領収書の原本は保管すべき?コピーや電子化データはOK?

記事更新日:2022/11/17

経費精算システム

紙の書類をデジタル化

領収書は、税法上、7年間の保存が義務付けられています。しかし、その保管方法については、紙の原本以外に電子データでの保存も認められるようになるなど、時代とともに変化しています。この記事では、領収書の保管についてのルールを、関連する法令に沿って改めて解説していきます。

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経費精算に必要な領収書の原本の保存義務について

会社の会計処理の上で扱われる領収書は、税法上の「帳簿書類」に分類されます。この帳簿書類は、法人税法により、7年間の保管が義務付けられているため、領収書も同様に7年間保管しておかなくてはなりません

(1)なぜ領収書は「7年間」保存しなければならないのか?

領収書の保存期間は、確定申告書の提出期限の翌日からカウントが始まります。

保管期間が「7年間」に定められている理由は、税金滞納の時効が7年間だからです。ちなみに、欠損金が発生した事業年度の領収書については、欠損金の控除期限である9〜10年間が、領収書の保管期間としても求められるため注意が必要です。

これらは、税法上の義務ですので、何があってもすぐに対応できるよう、必ず定められた期間は保存しておきましょう。

(2)コピーはNG!保管は原則原本で行う

詳しくは後述しますが、領収書のコピーを取って保管することはおすすめできません。税務上は問題ないといわれていますが、改ざんや二重計上などの不正行為への疑念が生じてしまうことから、税務調査が入った時に、悪い印象を与えてしまうことは確かです。

そのため、決められた期間は、原本もしくは、定められた基準をクリアした電子データにて保管しておくのが賢明です。

(3)電子化した領収書の原本は破棄できる

2021年の12月31日までは、要件を満たした上で電子化した領収書であっても、定期検査までは原本となる紙の領収書を保管する義務がありました。しかし、2022年1月1日からは、スキャナ保存の要件を満たせば、電子化後、原本をすぐに破棄しても問題はありません。

逆を言えば、正しく電子化されている場合は、電子化されたデータが原本として認められるので、二重計上のリスクを避けるには、紙の原本はすぐに破棄した方がいいともいえるでしょう。

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経費精算に必要な領収書のコピーの保存がNGな理由

領収書のコピーでの保管は何が問題となるのでしょうか。領収書のコピーを取って保存することがNGな3つの理由を順に解説します。

(1)不正の原因になる可能性がある

原本に手を加えた場合、その痕跡から不正行為も見抜きやすくなります。しかし、原本に手を加えた領収書のコピーを取った場合は、途端に不正を見抜くことが非常に困難になってしまいます。そのため、税務調査の際にコピーをした領収書は調査の対象となってしまうのです。

具体的な改ざんの例を上げると、数字の「1と4」や「3と8」は似ているため、金額の改ざんが容易にできてしまいます。疑いの余地がない、明朗な会計処理を行うのであれば、領収書のコピーは使用しない方がよいでしょう。

従業員の経費精算で不正が発覚!会社が取るべき対応や従業員の処分とは?

(2)二重に請求できてしまう

領収書のコピーでの経費精算を認めることで、原本とコピーの両方を経費として計上してしまう二重計上に気づけない問題が発生してしまいます。

上記の理由から、一般的には、ほとんどの企業において、領収書は原本のみ提出を受け付けるという社内規定を設けているはずです。不正や無駄な確認作業を防ぐために必要なことなので、申請する側も、原本が必要な理由を理解しておきましょう。

(3)領収書のコピーは税務調査で追求される可能性あり

領収書のコピーを税務調査時に提出すると、調査員から追求される可能性が高くなります。税務調査員からすれば、コピーしか提出できない理由を知らなければならないからです。真っ当な理由を提示できるのであれば納得してもらえるかもしれませんが、基本的には難しいでしょう。

コピーで会計処理をした場合、調査員が二重計上や改ざんなどの不正を疑うのはある意味当然ともいえます。そういった意味でも、コピーは使用しない方がいいでしょう。

領収書の電子化について知っておくべきポイント3つ

ここでは、電子化した領収書の取り扱いについて知っておくべきポイントを3つご説明します。

(1)2022年1月から領収書の電子データでの保存が原則義務化

2022年1月に改正法が施行された電子帳簿保存法では、電子取引において受け取った領収書については、紙での保存を認めず、電子データでの保存が義務付けられました

電子取引とは、取引情報を、電磁的な方法でやり取りする取引のことです。具体例としては、電子メールやインターネット等による取引、クラウドサーバー上のシステムを介した取引などがこれにあたります。

さらに、この取引情報とは、注文書や見積書、請求書や契約書などで、領収書もここに含まれています。実は、これまでは電子取引で生じたこれらの書類は、データ保存のほか、紙での保存も容認されていました。

しかし、今後は紙での保存は認められなくなります。これに例外はなく、電子取引をしているすべての企業が該当しますので注意しましょう。

#1: 「紙が主流」の状況から2年の猶予期間あり

上記の「電子取引の書類はデータ保存が義務」を定めた改正法の施行については、未だに紙での会計処理が主流であることを鑑みて、2年間の猶予期間が設けられています。

ちなみに、経費精算システムを開発・提供する株式会社ラクスが2021年に実施した「電子帳簿保存法に関する意識調査」によると、2022年1月からPDFで受領した請求書の印刷保管ができなくなることに対して「詳細を知らない」と答えた企業は73.4%でした。この結果からも、まだまだ詳細すら知らないという企業が多いことが伺えます。

2年の猶予があるとはいえ、経費精算や会計処理の業務フローを変更するには、時間と労力が必要です。紙で経費精算をしている会社は、早急な対応が求められるでしょう。

[参考:株式会社ラクス「電子帳簿保存法に関する意識調査」]

電子帳簿保存法の基本知識を解説!データ保存要件や法改正のポイントとは?

(2)スキャナ保存の際のタイムスタンプが一部不要に

これまでのスキャナ保存では「自署」と「3営業日以内のタイムスタンプの付与」が保存の際の要件とされていました。

これが法改正により、「自署」が不要となり、タイムスタンプの付与も「最長約2ヶ月と概ね7営業日以内」と大きく延長されたのです。さらには、「訂正や削除の履歴が残る、もしくは訂正や削除ができない」システムを使用して保存する場合は、タイムスタンプ自体不要とされています。

原本とデータの突合作業も不要になるので、経費精算などの際、経理担当者は、支出の内容を確認して承認するだけでよくなったのです。

(3)スマホで撮影した領収書も電子データとして認められる

現在は、スマホ撮影で作成した領収書の画像データも、解像度などのいくつかの要件を満たしていれば、税務上の書類として認められます

しかし、撮影時の要件をクリアするほか、「最長約2ヶ月と概ね7営業日以内」に、タイムスタンプを付与する必要もあります。詳しくは後述しますが、ただ撮影すればOKという訳ではありませんので、注意しておきましょう。

経費精算の領収書は電子化で効率化!方法やメリット・注意点を解説

経費精算の領収書を電子化するメリット5つ

領収書を紙ではなく、電子化することで得られるメリットは5つあります。今後は、徐々に経費精算業務の定番になるであろうと予想される、領収書の電子化を上手く取り入れ、効率よく業務を進めていきましょう。

(1)保管コストが不要になる

先にお伝えしたとおり、領収書は税法上、最低7年間、最長では10年間の保存が義務付けられています。そのため、紙で保管するとなると、企業規模によってはかなりのスペースを要することになるでしょう。

その点、電子化した書類であれば、保存に大きなスペースを要することはありません。保管コストが削減できるだけでなく、定期的に保管場所を整理するといった作業からも解放されるのです。

また、紙の領収書は、保管する際に、バインダーなどに綺麗にまとめる作業を行っていました。このようなファイリングなどの手間も考えると、電子化することで、これらにかかる作業時間は遥かに短くなるでしょう。

(2)監査や調査時の資料検索が簡単になる

税務調査や監査が入った場合、対象資料の提示を求められてもすぐに探し出すことが難しい時があります。整理整頓していても、会社の規模が大きくなるほどに、経費精算にかかわる書類の量も増えるので、即座に目的の資料を見つけ出すのは困難です。

電子化したデータは、部署や日付などのキーワードによって絞り込み検索することが可能なため、のちに閲覧が必要になった際の検索も楽に行えます。

(3)領収書の紛失等のミスが減る

紙の領収書の場合、精算の作業中に紛失してしまったり、膨大な保管資料の中で見失ってしまったりなど、電子データよりも、取り扱いが煩雑になりがちなため、紛失のリスクがどうしても高くなってしまいます。

領収書を紛失してしまうと、立て替えをした従業員とトラブルになったり、調査が入った際には、間違いなく不備を追求されることになるはずです。

電子化した領収書であれば、このようなリスクの解消が可能です。ただし、万が一消去してしまうケースを考えて、バックアップは必ず取っておきましょう。

(4)テレワーク推進につながる

近年は、テレワークを導入している、あるいは、完全にテレワークに移行したという企業は、珍しくなくなりました。しかし、経費精算については、未だに書類の受け渡しなどのためだけに、出社しているというケースは少なくありません。

このような場合も、電子化に対応できる経費精算を行うことで、申請から承認までの一連の業務が、場所を問わずに行えるようになり、移動時間や移動コストの削減が可能になります。

(5)劣化により文字が見えないといった問題がなくなる

レジでレシートや領収書が発行される際に使われる感熱紙は、保存状態によっては、経年劣化により印字が見えにくくなってしまうことがあります。そのため保管には、細心の注意を払わねばなりません。

当然ですが、電子化していれば、このような心配は一切なくなります。保管・確認の作業が、楽に、そしてスムーズになっていくのです。

経費精算に必要な領収書を紛失した時の対処法

発行から日が経っていなければ再発行できる場合もありますが、領収書の再発行は、店舗側(販売側)の義務ではないため、状況によっては再発行を断られてしまうケースもあります。その場合、クレジットカードで支払っていれば、利用明細書が証明書類として有効です。

そのほか「購入証明書」や「支払証明書」を発行してくれるケースもありますが、これらの証明書の取得が難しい場合は、以下の項目を記載した出金伝票を活用してください。

  • 支払日時
  • 支払相手の名称
  • 支払金額
  • 支払目的

上記の項目を詳細に記録し、領収書関連のファイルにまとめて保管しておきましょう。

経費精算は領収書なしでも可能?領収書がない場合の具体的な対処法

経費精算の領収書を電子化する前の注意点

メリットが多い電子化ですが、注意する箇所もあります。ただ単に、領収書を電子化して保管するだけでは、税法上、有効な書類として認められないのでご注意ください。

(1)タイムスタンプが必要

タイムスタンプとは、以下の2点を証明するものです。

  • ある時刻にその文書が存在したこと
  • その時刻以降に文書が改ざんされていないこと

画像の加工が容易にできてしまうように、電子化した書類は簡単に改ざんできてしまうというデメリットがあります。そのようなデータの不確実性を解消し、真実性を担保するのが、このタイムスタンプの役割です。

タイムスタンプは有料であり、現在5社が日本データ通信協会から認定を受けています。

  • アマノタイムスタンプサービス3161
  • セイコータイムスタンプサービス
  • TKCタイムスタンプ
  • サイバーリンクスタイムスタンプサービス
  • MINDタイムスタンプサービス

ただし、すでにお伝えしたように、法改正により「訂正や削除の履歴が残る、もしくは訂正や削除ができない」システムを使用してスキャナ保存する場合は、タイムスタンプ自体が不要とされています。

(2)社内の運用マニュアルを事前に準備しておく

経費精算は、処理を行う経理担当者だけでなく、多くの従業員にかかわる業務です。そのため、導入後、しばらくの間は、経理担当者が従業員からの手順やルールに対する質問の対応に追われることが予想されます。

基本的なシステムの使用方法や申請時の流れについては、操作画面の画像を入れて、視覚的に分かりやすいマニュアルを事前に準備しておきましょう。経費精算は、従業員全員が正しくルールを運用できていることが大切です。

(3)システム導入の初期費用や月額費用が必要

電子化が可能な経費精算システムを導入するには、初期費用や月額費用が必ずかかります。多機能な経費精算システムは、さまざまな経理業務の効率化が叶うメリットの多いシステムですが、使うことのない機能まで搭載したシステムに高額な費用をかける必要はありません。

自社がシステム化に求めるものは何なのか、目的を明確にした上で、費用対効果の高いシステムを選ぶようにしてください。

もう原本管理に悩まない!領収書を電子化できるシステム3選

最後に、簡単に領収書を電子化できるおすすめの経費精算システムを3つご紹介します。ぜひシステム選びに迷った際の参考にされてください。

(1)マネーフォワードクラウド経費

ユーザーの声をもとに、ユーザーから支持された製品を讃える「ITreview Grid Award 2021 Spring」にて、9期連続「Leader」を受賞。まさにユーザーのお墨付きともいえる経費精算システムです。

パソコンやスマートフォンから簡単にアクセスできるので、テレワーク化を進めている企業の経費精算にも最適です。無料相談も受け付けているので、興味がある方はまず相談してみるといいでしょう。

提供元 株式会社マネーフォワード
初期費用 無料
料金プラン 基本料金
スモールビジネス:2,980円/月
ビジネス:4,980円/月
上記に月額500円/名の従量課金制
※課金条件は6名以上
※30名以上の企業は要問い合わせ
機能・特徴 経費明細を自動取得、領収書画像データの自動取得、オペレーター入力・OCR入力、ICカードから交通費入力、領収書オンラインチェック、不備入力防止、振込API・総合振込対応、会計システム連携等
URL 公式サイト

(2)楽楽精算

楽楽精算は、定額料金内でのサポート体制が充実している点が特徴です。専任スタッフによる「電話」でのサポートをしてくれるシステムはそう多くないため、システム選びの条件にサポートの手厚さを求める場合は、ポイントとなるでしょう。申請の項目やレイアウトを変えられる自由度の高さも魅力です。

提供元 株式会社ラクス
初期費用 100,000円
料金プラン 月額30,000円〜
機能・特徴 領収書読み取り、交通費精算、規定違反チェック、承認ルート設定、自動仕訳、振込データ自動作成、交通系ICカード取り込み、乗換案内ソフト内蔵、定期区間の自動控除等
URL 公式サイト

(3)ジンジャー経費

ジンジャー経費の最大の魅力は、誰でも初見で簡単に作業ができるようなシンプルな画面と操作性にあります。また、不明な点は、メールのほかチャットでも質問が可能なため、スピーディーに対応してもらえるでしょう。無料トライアルも用意されているので、まずは無料で使い勝手を試してみるのもおすすめです。

提供元 jinjer株式会社
初期費用 300,000円(初回契約時)
料金プラン 月額500円/人
機能・特徴 領収書のスキャナ保存、タイムスタンプの付与、交通系ICカードの読み取り、電子帳簿保存法対応
URL 公式サイト

電子帳簿保存法改正に合わせて領収書を電子化しましょう

帳簿書類の電子化に対応するには、システムの導入や業務フローの変更など、事前に進めておくべき準備が多々あります。

担当者にとっては、これらに労力を要するのは、頭の痛い課題かもしれません。しかし、経費精算のシステム化は、実際に稼働すれば、ペーパーレス化によるコストと作業工程の削減、領収書に関するミスや不正の防止など得られるメリットも大きいものです。

時代の流れに合わせ、最適なシステムを上手く活用していくことが大切です。

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