操作マニュアルと業務マニュアルの違いとは?役割や作成方法を解説

最終更新日時:2024/01/31

マニュアル作成ツール

操作マニュアルと業務マニュアルの違い

利用者に最適な操作マニュアルを作成するには、業務マニュアルとの違いを正しく理解しておくことが必要です。本記事では、そんな操作マニュアルについて、業務マニュアルとの違いや作成方法など詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

操作マニュアルとは?

操作マニュアルとは、機械やソフトウェアの操作手順を示したものを言います。特定の機械やソフトウェアを利用者が操作できるようにすることを目的としたものです。操作マニュアルに沿って正しい操作をすれば、利用者が求めている結果を導くことができます。

たとえば、コピー機の操作マニュアルには、機器の操作方法が記されており、そこに記されている方法で正しく操作することで、適切な結果(コピーされた用紙が出てくる)を得られます。

操作マニュアルが担う役割

操作マニュアルは、あくまでも機械やソフトウェアについて、その操作を示したものです。したがって、特定の操作をすることでその結果が得られるよう手順を示すのが操作マニュアルの役割になります。

端的に言えば、特定の機械やソフトウェアの使い方を示したものが操作マニュアルであると言えるでしょう。

他のマニュアルの種類

会社には一般に、操作マニュアル以外にも、多くのマニュアルが存在しているはずです。代表的なものとしては、業務マニュアル、運用マニュアルなどがあります。取扱説明書や教材なども広い意味ではマニュアルに含まれます。

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操作マニュアルと業務マニュアルの違い

操作マニュアルは、特定の機械やソフトウェアの操作方法を利用者に伝えるためのものです。一方で、業務マニュアルは、特定の業務についてのプロセスを示すためのものです。

操作マニュアルは、特定の操作をすることで特定の結果を得ることができますが、業務マニュアルは、特定の業務のプロセスを示したものなので、特定の結果を得られるかどうかは定かではありません。

つまり、操作マニュアルには操作の結果として得られるもの(正解)がありますが、業務マニュアルには、複数の正解が存在する場合もあるでしょう。業務マニュアルには操作マニュアルのように明瞭な回答が得られないものもあるのです。

正解のある操作マニュアル

操作マニュアルには、特定の結果(正解)を得るためにどのような手順を踏むべきかが記されています。正解を得るために必要な手順が示されているのが操作マニュアルの特徴です。

正解のない業務マニュアル

業務マニュアルには業務プロセスが記されていますが、同じようなプロセスで仕事に取り組んだとしても、従業員の熟練度や様々な環境などで結果が異なることもあるため、すべてのケースにおいて同じ結果が得られるとは限りません。

機械やソフトウェアの操作では特定の結果を得られますが、業務プロセスは人間が行うものなので、特定の結果を得ることはできません。業務マニュアルには仕事のやり方が示されていますが、必ずしも何が正解かを示したものではないのです。

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操作マニュアルの作成方法を5STEPで解説

ここからは、操作マニュアルの作成方法を5STEPで解説していきます。

STEP1:利用者像の設定

まずは、操作マニュアルを利用するのが「誰」なのかを想定しましょう。機械やソフトウェアであれば、その利用者を特定できるはずです。利用者がどんな機能を利用するのかを想定して、マニュアルを作成していきます。

STEP2:全体の構成を設計

次に操作マニュアルの「全体の構成」を考えていきます。操作マニュアルは、特定の結果を得られるように操作方法を示していくことが大切です。

利用者を想定し、利用者の利用したい機能としてどのようなものがあるかを考えて操作マニュアルを作成していきます。

利用者が利用したいのは、1つ2つの機能だけではないのが普通なので、利用者が使うことを想定した機能を網羅的に説明するようにマニュアルを作成していくのが一般的です。

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STEP3:操作説明の記載

さらに、「操作説明」を記載します。操作マニュアルは複雑にすると誰も読まなくなります。したがって、できる限り簡潔に特定の結果が得られるよう説明を記載しましょう。操作方法は、言葉だけではなく、図示するようにすると見やすい操作マニュアルを作成できます。

STEP4:Q&Aの設置

操作マニュアルを作成しても、利用者がわからない事項はどうしても出てくるものです。想定される質問と答えを示した「Q&A」を操作マニュアルの末尾に記載しておくとよいでしょう。最初から完璧な操作マニュアルを作るのは困難です。

操作マニュアルが実際に運用されるようになれば、利用者がどのような操作で躓いているのかを理解できるようになるでしょう。それを想定問答集にして、良くある問い合わせをFQAとして操作マニュアルに掲載するようにすると、操作マニュアルの利便性が向上するでしょう。

STEP5:担当者へ報告

操作マニュアルには、必ず「問い合わせ先」を明記するようにします。問い合わせ先を明記すれば、利用者自ら担当者に問い合わせをしてくれます。

利用者の利便性を向上させるために問い合わせ先を明記することはもちろん、躓きの要因を担当者に集約することで、操作マニュアルの網羅性を徐々に向上させられます。

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操作マニュアルを作成する際の8つのポイント

操作マニュアルを作成する際には守るべきポイントがあります。闇雲に作ってもよい操作マニュアルを作成できません。ここでは守るべきポイントを8つ紹介していきます。

1.操作の目的を記載する

操作マニュアルには、まず目的を記載するようにします。操作目的を記載するのは、操作マニュアル全体に何が書いてあるのかを利用者が理解できるようにするためです。

利用者は、何かに困っているからこそ、操作マニュアルを手に取ります。その操作マニュアルを使うとどんなことができるのか、あるいは、何が解決できるのかが明記されていることで、利用者は無駄な時間を過ごさないで済むようになるのです。

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2.操作説明は網羅する

特定の操作説明をするだけでは意味がありません。利用者が操作マニュアルを開いても、操作方法が書いていなければ、今後その操作マニュアルは利用されなくなってしまうでしょう。したがって、操作説明はきちんと網羅して説明しなければなりません。

3.疑問点や注意事項も記載しておく

操作マニュアルは、単に操作方法だけを記述するだけでは不十分です。誰もがつまづきやすいポイントや、疑問点については、より丁寧な記述を設けるようにしましょう。

それによって、利用者は操作マニュアルを見れば何でもわかる状態となって、今後も操作マニュアルを利用してくれるでしょう。さらに、効率的な使用方法などを明記しておけば、利用者は何度も操作マニュアルを利用したいと思うようになるでしょう。

また、禁止事項や注意事項については操作マニュアルにきちんと明記しておきます。たとえば、Google ドキュメントのようなツールを利用する際に、社外の人には公開禁止などとしておくことで、思わぬリスクを回避できるようになります。

4.図や絵を使って視覚的に説明する

文字情報だけで説明しようとすると、どうしても説明文が長くなって、利用者が操作マニュアルを利用しづらくなります。文字がびっしり書いてあるだけの操作マニュアルの利用は億劫になるものです。

実際の操作について図や絵を用いて視覚的に説明してあるだけで、利用者はその説明を直感的に理解できるでしょう。プラモデルを作るケースを想像してみてください。作る過程を文字だけで説明されてもわかりにくいと思うはずです。

しかし、図や絵で示されていれば、どこに何をはめ込んだらよいかがよくわかります。したがって、言葉で説明するだけではなく、図や絵を効果的に利用するようにしましょう。

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5.標準的な使い方だけを記載する

操作マニュアルの網羅性を高めようとすると、ページ数の多い操作マニュアルが完成してしまいます。そうなれば、誰も操作マニュアルを読んではくれないでしょう。

したがって、操作マニュアル作成時は、優先的に標準的な使い方について記載して、応用的な使い方についてはあとでまとめるようにするとよいでしょう。作成しても読まれない操作マニュアルは存在意義がありません。

まずは、標準的な操作方法だけを記載しておき、利用者が操作マニュアルを活用しはじめ、より高度な機能を使えるようになってきたら、そのときに標準的な操作方法とは別立てで、応用的な操作方法を記載するようにするよいでしょう。

その場合は、操作方法に目次などを作成して、網羅性を高めると同時に、容易に検索できるようにするとよいでしょう。

6.手順に数字をつけて把握しやすくする

機械やソフトウェアの操作には順番があるのが普通です。したがって、その順番通りに操作しなければ適切な結果を得ることはできません。

そのため、操作マニュアルには、単に説明を行うだけではなく、その手順をきちんと明示しましょう。手順に数字をつけておけば、利用者はその順番通りに操作するだけで適切な結果を得られます。

7.操作の結果を記載する

操作マニュアルから利用者が得たい情報は、端的に操作の結果です。この結果は何をすれば出力されるのか、それさえわかれば、利用者は操作マニュアルをわざわざ何度も見ることはしません。

操作マニュアルは、究極的には誰にも利用されないのが理想です。利用されないほど操作をマスターできればマニュアルが不要となるからです。

操作マニュアルには、操作の結果として得られるものは何かを説明し、次にその結果を得るためのプロセスを記述します。たとえば以下にはExcelで関数を操作する方法について記述しています。

SUM関数を利用した場合該当範囲の数字をすべて加算する
SUM関数を利用する場合の操作方法数字を入力したいセルに「=SUM」と入力する。

「=SUM」の続けて、合計したいセルの範囲を指定する

(例: =SUM (A1:A5)) =(A1からA5までのセルをすべて加算する)

8.できるだけ1枚の紙に収めるように意識する

操作マニュアルは長くなればなるほど、利用者は使いにくくなります。どこに知りたい情報が書かれているかわからなくなってしまうからです。

操作マニュアルが長くなるのを防ぐために、1つの機能を利用するための操作説明はできるだけ短くまとめるようにしましょう。可能な限り、1つの機能について1ページ以内にまとめるのが理想です。

説明文を1ページ以内にまとめて、それ以外を図で示すように工夫しましょう。長い文章は読む気にならないものですが、直感的に理解しやすい図や絵を使えば、多少長くなっても利用者の利便性は落ちません。

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操作マニュアルの作成におすすめのツール

操作マニュアルの作成には、一般にOfficeソフト(Word・Excel・PowerPoint)が利用されるケースが多いものの、近年では、操作マニュアルの作成に専用ソフトが利用されるケースも増えてきています。

officeソフト

Officeソフト(Word・Excel・PowerPoint)は、ビジネスの世界で広く普及しているため、追加的なコストを払わずにマニュアルを作成できるというメリットがあります。つまり、マニュアル作成のための導入コストは不要です。

したがって、操作マニュアルの多くはOfficeソフトを利用して作成されています。ただし、Officeソフトは、ローカル環境にデータを保存しているケースが多いため、自分の知りたい情報がどこに書いてあるのかを理解するのが難しいです。

つまり、情報共有が難しいという欠点があります。操作マニュアルの利便性の向上を目的に近年では、マニュアル作成ツールを利用する企業も増えてきています。

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マニュアル作成ツール

マニュアル作成ツールは、マニュアルの作成、管理、運用をサポートする豊富な機能を備えたツールです。

必要な情報をすべて集約でき、クラウド上に情報を集約するので、インターネット環境があれば、誰でもどこからでも操作マニュアルにアクセスできるというメリットがあります。

また、クラウド上に情報があるので、操作マニュアルの情報を担当者が更新すれば、すぐにその情報を利用者が閲覧できるというメリットもあります。

操作マニュアルと業務マニュアルの違いと目的を理解しよう

一般に、企業には多くのマニュアルが存在しています。その代表的なマニュアルとして、操作マニュアルや業務マニュアルがありますが、特定の機械やソフトウェアの操作方法について説明したのが操作マニュアルです。

操作マニュアルは、特定の機械やソフトウェアの操作方法を利用者に示すためのものである一方で、業務マニュアルは、特定の業務についてそのプロセスを利用者に示すためのものです。

操作マニュアルには正解が示されていますが、業務プロセスには正解は示されていないのが普通です。操作マニュアルは利用者が使わなければ存在する意味がありません。

操作マニュアルの作成者は利用者の利便性を高めながら必要な機能について説明をマニュアルに記載する必要があります。

従来は、Officeソフトで作成されてきた操作マニュアルも、利用者の利便性を高める目的でマニュアル作成ツールを利用して作成されるようになってきています。操作マニュアルが整備されていれば、利用者も安心して機械やソフトウェアを利用できるはずです。

業務効率化の手段の1つとして、操作マニュアルの整備をはじめてみてはいかがでしょうか。

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