マニュアルと手順書の違いとは?役割や作成手順・運用ポイントを解説

最終更新日時:2022/12/02

マニュアル作成ツール

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マニュアルと手順書は混同されがちですが、目的や役割が異なります。本記事ではマニュアルと手順書との違いを詳しく解説。マニュアルの作成手順や運用する際のポイントも説明します。おすすめのマニュアル作成サービスも紹介していますので、マニュアル作成の参考にしてください。

マニュアルと手順書の違いとは?

マニュアルと手順書は、似ているようで役割が異なります。まず、手順書とマニュアルそれぞれの役割と違いについて詳しく解説します。

マニュアルの役割

マニュアルの目的は、従業員が質の高い業務を行い目的を達成することです。そのため、業務の背景にある経営や営業の目標、課題に対する理解を促す役割があります。

使用する従業員は単に手順を知るだけでなく、業務を構成する各作業や手続きの理由、求められる品質、成果目標などを理解することが可能です。

従業員の業務に対する理解度が増すことにより、業務効率が向上します。業務効率化は作業時間の短縮にもつながるため、コスト削減の役割も担います。

手順書の役割

手順書は、従業員が作業内容を理解し、誰が業務を担当しても同等の品質で成果を上げるために作成します。そのため、業務の手順を説明するのが手順書の役割です。手順書を見ながら作業すれば、誰でも同じ業務を進められるように、具体的な内容を細かく記載します。

マニュアルと手順書の違い

マニュアルは、業務の全体像を理解しながら作業の方法を確認できる手引書です。概要から作業手順まで総合的に扱うため、情報量も多くなります。手順書は業務の手順に限定して解説するため、情報量は少なめです。マニュアルの手順解説部分が手順書であるともいえます。

マニュアルと手順書の違いをまとめると以下のようになります。

マニュアル手順書
目的従業員が質の高い業務を行い目的を達成する社員が同等の品質で成果を上げる
役割手順に加えて業務全体の概要なども解説する作業手順を具体的に説明する
情報量多い少ない

マニュアルを作成して得られるメリット

マニュアルを作成して得られるメリットはさまざまです。ここでは、主なメリットを3つ紹介します。

品質・サービスの均一化ができる

企業全体の生産性の向上には、誰がいつ取り組んでも一定の品質を担保できることが重要です。マニュアルに記載された手順で業務を進めることで、担当者による知識やスキルの差に影響されず、品質やサービスを均一化できます。

また、業務のプロセスが明確になるので、トラブルが発生した際の原因を突き止める基準として利用できるのもメリットです。マニュアルで業務に必要な知識を共有し、個人の情報格差をなくすことで、業務効率と品質を向上させます。

人材育成にかかるコストを削減できる

人材育成では、指導する側のスキルや教育を受ける側の理解度に違いがあると、得られる成果にばらつきが生じます。

マニュアルを使用すれば、業務に必要な情報を均一化して教えられるので、指導者のスキルに依存せず、一定レベル以上の講習を実施可能です。教育時間の短縮にもつながるため、人材育成コストの削減が期待できます。

属人化を避ける事ができる

属人化した業務は、担当者が不在のときは仕事が進まない、サービスの質が下がるなどのリスクがあります。また、知識やノウハウが企業の財産として蓄積されないなどもデメリットといえるでしょう。

マニュアルを利用し業務に対応できる人員を増やせば、担当者が変更になった場合も、サービスの質を変えずに対応することが可能となります。

▼ビズクロ編集部おすすめのマニュアル作成ツール「COCOMITE」▼

マニュアル作成をしようと思っている方には、オンライン上で簡単にマニュアルが作れるCOCOMITEがおすすめです。

必要な情報をレイアウトに沿って入力していくだけでつくれるので、マニュアル作りに自信がない人でも安心して取り組めます。

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マニュアルを作成して起こるデメリット

多くのメリットがあるマニュアルですが、デメリットもあります。意識しておきたいデメリットを2つ解説します。

自発的な行動を起こしにくくなる

マニュアルの準拠を強調しすぎると、マニュアル頼りとなってしまい自発的な行動がしにくくなります。その結果、トラブルが発生した際に臨機応変な対応ができなくなる可能性があります。

マニュアルに書かれた内容は業務のすべてではありません。必要以上にマニュアルを重視しないことや、自主的な行動を推奨する旨を従業員に伝えておきましょう。

マニュアルに沿った動きになってしまう

マニュアルが重視されることで、マニュアルに沿った行動をしていれば仕事ができていると思い込んでしまう従業員が出てくるケースも考えられます。

そのため、マニュアルではある程度、判断や改良の余地を残していることを明記しておきましょう。また、マニュアルの内容よりも効率的で生産性の高い方法があれば、従業員が提案しやすい環境を作ることも重要です。

マニュアルの作成手順

それでは、マニュアルを作成するために必要な手順を整理していきましょう。

1.目的を明確にする

まず、対象となる業務の全体像、位置付け、達成したい目標を見極め、課題や現状の問題点を整理しておきます。そこで「誰が」「何のために」「どんな目的で」「どの業務範囲か」などを検討し、記載内容を決定していくことが大切です。

2.情報を整理する

次に、マニュアルに記載する具体的な内容を整理します。業務の流れを確認しながら、必要な情報をピックアップしていきましょう。

情報の一例として、以下のようなものがあります。

  • 業務の手順
  • 使用するツール等の利用方法
  • 作業のポイント
  • 業務における注意点

専門用語を使う場合は、誰にでも分かりやすいように解説した用語集なども整理しておくとよいでしょう。

3.目次や構成を考える

整理した情報を元に、マニュアルの構成や見出しを考えます。構成は大きい項目から決定していき、必要に応じて中項目・小項目を追加していきましょう。

大項目で全体の流れをおさえ、細かい作業は中・小項目で解説するイメージです。構成をしっかり作成しておけば、そのままマニュアルの目次としても利用できます。

4.マニュアルを作成する

目次と構成が仕上がったら、内容を作成していきます。マニュアルは、一読して理解できることが重要です。作業の手順を説明する部分では、フローチャート、図表や写真、動画を活用しましょう。

文章のみで伝えるよりも、直感的に理解・習得しやすくなります。また、なぜこの作業を行うかを明記することも大切です。初心者の場合、作業の目的を理解することで、より業務内容を理解できるようになります。

マニュアルに沿って作業して、問題なく作業が完了できるかどうかのチェックも必ず行いましょう。説明不足や手順の抜けなどを洗い出し修正します。完成するまで根気よくこの作業をくり返していきましょう。

5.実際にマニュアルを運用する

マニュアル全体を書き終えたらマニュアルを共有し、テスト運用を実施しましょう。分かりづらい説明や作業手順の漏れなどを使用者にヒアリングし、改善していきます。

業務内容の変更があれば、随時変更し最新の業務に対応していくことも重要です。

業務でマニュアルを運用する際のポイント

マニュアルを運用していくうえで、知っておくべきポイントを2つ解説します。

使用者の意見を取り入れる

実際に業務を行う人から意見をもらうことで、より現場での運用に適した形に進化し、マニュアルの完成度が高くなります。

完成版のマニュアルは、数週間運用してから使用者のヒアリングを実施しましょう。多角的な意見を集めるため、ヒアリングは複数の使用者に行います。常に現場の意見を反映した状態を保つため、ヒアリングは定期的に実施することも大切です。

定期的に更新する

マニュアルは、常に最新版にしておくことが重要です。マニュアルの管理担当者を決め、定期的に更新していくようにしましょう。その際、使用者へのヒアリングや更新フローなど、メンテナンス方法を決めておくことがポイントです。

定期メンテナンスのタイミングも定めておけば、更新忘れなどのミスの防止に役立ちます。また、過去の方法を確認できるように、古いマニュアルもできる限り残しておきましょう。最新マニュアルと混同しないように、バージョンを付けて管理しておくことをおすすめします。

クラウドサービスで管理する

従来は紙で作成していたマニュアルも、近年は電子化が進んでいます。データ化したマニュアルは、クラウドサービスを活用してオンライン上で一元管理するのがおすすめです。更新や修正があった際に、最新版をその都度個別送付する手間が省けます。

マニュアル作成に役立つツール3選

ここからは、マニュアル作成に役立つツールを3つ紹介します。自社のニーズに合ったツールを選ぶ際の参考にしてください。

1.ココミテ

ココミテは、使いやすいオンラインマニュアルをスピーディーに簡単に作成できるサービスです。社内の従業員の経験やノウハウを蓄積してマニュアルにするプロセスに高い利便性があります。

基本レイアウトに入力していくだけで画像や動画、Word、Wxcel、PowerPoint、PDF等によるマニュアルを作成可能。更新も簡単に行えます。最大5階層までフォルダを分けられそれぞれにユーザー、グループ別のアクセス権限を与えることも可能です。

提供元コニカミノルタ株式会社
料金

  • 初期登録料:71,500円(税込)
  • エントリープラン:24,200円(税込)/月、242,000円/年

編集者数3人、閲覧者数0人、データ利用料25GB、操作サポートあり

  • スタンダードプラン:66,000円(税込)/月、660,000円/年

編集者数20人、閲覧者数100人、データ利用料100GB、操作サポートあり

  • エンタープライズプラン 242,000円(税込)/月、2,420,000円/年

編集者数100人、閲覧者数500人、データ利用料500GB、操作サポートあり

※編集者数、閲覧者数、データ利用料については追加オプションあり

※大規模以上に対応するプランについては要問い合わせ

主な機能【マニュアル編集・閲覧】画像添付・編集、箇条書き設定、下書き保存、動画添付・ストリーミング再生、表作成(EXCELからの貼り付け可能)、公開・非公開設定、パブリック公開、パスワード付きパブリック公開、パブリック公開QRコード生成、本文文字装飾、章節項目次自動作成、フォルダ・マニュアルURL取得、ハイパーリンク設定、モバイルアプリ(オフライン機能)、PDF出力、ファイル添付、UI日英言語設定、閲覧ログレポート、既読管理機能、コメント機能、承認フロー等【ワークスペース管理】ユーザー・グループ管理、マニュアルバージョン管理、ワークスペース設定、フォルダ5階層ドキュメント管理、お知らせ管理、マイページ設定、フォルダアクセスコントロール、ゴミ箱管理、目次からリンクジャンプ、CSVユーザー一括登録、お知らせ機能、IPアドレス制限等
URL公式サイト

資料請求はこちら

2.NotePM

NotePMは、企業内のあらゆる書類を共有可能にする社内Wikiです。マニュアル作成支援も充実し、画像編集機能も用意された高機能エディタと豊富なテンプレートが備わっています。

強力な検索機能により、Word、Excel、PDF等のファイルの内容を全文検索可能。キーワード検索、ワンクリック絞り込みなどにより、素早く目的の文書にたどり着けます。

提供元株式会社プロジェクト・モード
料金

  • 初期費用・サポート費用:0円
  • プラン8:4,800円(税込)/月
  • ユーザー数(上限)8人まで ストレージ量(チーム全体)80GB

  • プラン15:9,000(税込)円/月
  • ユーザー数(上限)15人まで ストレージ量(チーム全体)150GB

  • プラン25:15,000(税込)円/月
  • ユーザー数(上限)25人まで ストレージ量(チーム全体)250GB

  • プラン50:30,000(税込)円/月
  • ユーザー数(上限)50人まで ストレージ量(チーム全体)500GB

  • プラン100:60,000(税込)円/月
  • ユーザー数(上限)100人まで ストレージ量(チーム全体)1TB

  • プラン200:120,000(税込)円/月
  • ユーザー数(上限)200人まで ストレージ量(チーム全体)2TB

※201人以上は100人単位で設定可能

※1,001人以上は要問い合わせ

※各プランとも、ユーザー数の3倍の人数までを、閲覧のみ可能な無料枠「みるだけユーザー」として招待することが可能

主な機能マニュアル作成、検索機能、動画共有、変更履歴を自動記録、レポート機能、アクセス制限、ページを見た人の確認、フォルダとタグによる情報整理、コメント・いいね!、ファイル共有、外部ページ共有、お知らせ機能、チャット連携・API対応、マルチデバイス対応等
URL公式サイト

3.KnowledgeSh@re

KnowledgeSh@re(ナレッジシェア)は、クラウド型マニュアル作成・共有プラットフォームです。簡単な操作で直感的にマニュアル作成できます。

動画埋め込みにも対応しているので、動画コンテンツも作成可能です。マニュアルの作成から運用まで総合的に対応する機能を搭載しています。

提供元株式会社富士通ラーニングメディア
料金【基本プラン】

  • 初期構築費用:110,000円(税込)
  • 月額費用:110,000円(税込)/月

(つくるID:10ID、みるID:100ID、容量:10GB)

【オプション】

  • ID数追加

(つくるID:1IDあたり5,500円、みるID:100IDあたり22,000円、容量増設:5GBあたり110,000円)

※導入支援は個別見積

主な機能マニュアル作成、既存マニュアルの活用、動画埋め込み、マルチデバイス対応、対話機能、コメント共有、改善コメント、アクセスログ取得、チェックリスト作成、自己チェック設問作成、更新履歴管理、レイアウト自動化、コメント集約、新旧対比表作成等
URL公式サイト

マニュアルと手順書の役割の違いを正しく理解すること

マニュアルと手順書では作成の目的が違います。手順書は、作業の均質化を目的として利用されるものです。マニュアルは従業員が業務を理解し進めることを目的としています。

双方の役割を理解したうえで、マニュアルと手順書のどちらを作るべきか検討していきましょう。マニュアルは、テンプレートやフォーマット、基本的な資料など蓄積してきた企業のノウハウやナレッジを反映するため、作成時の作業量は大きくなります。

今回解説したポイントやおすすめのマニュアル作成サービスなどを活用し、効率よくマニュアル作成を進めてみてください。

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