マニュアルと手順書の違いとは?役割や作成手順・運用ポイントを解説

最終更新日時:2024/04/16

マニュアル作成ツール

マニュアルと手順書の違いとは

マニュアルと手順書は混同されがちですが、目的や役割が異なります。本記事ではマニュアルと手順書との違いを詳しく解説。マニュアルの作成手順や運用する際のポイントも説明します。おすすめのマニュアル作成サービスも紹介していますので、マニュアル作成の参考にしてください。

この記事の要約

・マニュアルは業務に関するあらゆる情報やノウハウをまとめたものであり、手順書は操作方法などを具体的に解説したもの
・マニュアルと手順書では、作成する目的や記載内容、作成方法などに違いがある

マニュアルとは?

マニュアルとは、業務に必要なあらゆる情報・ノウハウをまとめ、視覚化したものです。ルールや内容、作業の流れなどを文書や図表を使ってあらわし、業務の標準化や属人化の予防に役立てられます。

マニュアルがなければ基本の手順や業務水準がわからず、社員それぞれの独断で作業が進んでしまいかねません。品質にばらつきが生まれ、企業の発展や信用性にも悪影響です。個人に業務が偏る属人化も起こりやすくなり、ノウハウの共有や浸透が進まない恐れもあるでしょう。

マニュアルによって業務の標準化を図ることは、個人の裁量や能力に左右されず、安定した業務を実現する上で重要です。社員教育や情報共有をスムーズにし、偏りなく知識やノウハウをつむいでいく役目も担います。

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手順書とは?

業務や操作方法などの具体的な手順を解説したものが手順書です。正しい順番とやり方が細かく示されており、手順書に従えば円滑に作業が進められます。

初めて動かす機械やシステムに戸惑うことは、誰しも珍しくありません。業務で必要となると責任も重大です。手順書では具体的な作業の進め方がわかりやすく説かれているため、能力の程度に関係なく、均一に作業を遂行する上で役立ちます。

特定の作業情報をピンポイントに学習できる手順書は、業務の詳細を捉えるのに不可欠であり、教育や知識の共有にも大切な働きをするのです。

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マニュアルと手順書の違い

マニュアルと手順書はしばしば混同されがちです。両者の違いを3つの視点で紹介していきます。

目的の違い

マニュアルと手順書には、主な目的に大きな違いがあります。マニュアルは業務全体の総合的な学びのために、手順書は単一の作業手順を細かく伝えるために活用されるものです。

単なる業務説明だけではなく、関わりのあるあらゆる情報を包括的に伝えるのがマニュアル役目であるのに対し、手順書には、1人で完結するような単位作業の具体的な手順が書かれています。何から始めてどのような工程で進めていけばよいのか、手順書を見ることで学習が可能です。

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記載する内容の違い

マニュアルと手順書は主な目的が異なるため、記載する内容も違ってきます。業務に必要な情報を広く体系的に記載したのがマニュアル、特定作業に関する情報だけを網羅しているのが手順書です。

マニュアルには企業の理念や目標、組織構成といった、業務上必要な前提知識が盛り込まれています。業務全体の流れがわかるフロー図、目指すべき品質基準、必要な時間や注意点なども書くのが一般的です。

一方で、手順書に示されるのは、工程ごとに分けた説明文や具体的な方法です。作業に必要な準備物やその名称、動作の詳細、作業を行うことで得られる結果などが記載されます。

作成方法の違い

作成方法にもマニュアルと手順書の違いがあります。マニュアルの場合は網羅する範囲を決めてから作成に取り掛かりますが、手順書は対象作業に関する細かな工程や決まりごとの抽出を経て作っていくのが基本です。

マニュアルは業務を広く体系的に説明しなくてはならないので、伝えたいことを明確化した上で範囲を定めなくてはなりません。一方で、単一の作業のことだけを説明する手順書の場合、どんなに細かな情報でも作業に関わるなら洗い出しておく必要があるでしょう。

マニュアルの作成方法

それでは、マニュアルを作成するために必要な手順を整理していきましょう。基本的な作り方を体得し、実際の作成フローに活かしてください。

マニュアルを作成する目的を明確にする

まず、マニュアルを作成する目的を明確に決めます。目的が定まっていないマニュアルだと、伝えたいことがぶれてしまったり、情報の過不足が起こったりするためです。

目的を考えるときは「誰に」「なぜ」「何を」伝えたいのかをまとめることで、マニュアルを使ってほしい人や伝えるべき情報がわかりやすくなります。また、マニュアルによって得られる効果なども具体的に掲げておくのが大切です。

構成を決める

マニュアルの構成を決める工程は、極めて重要です。構成に沿って今後の作成作業が進むため、構成段階で情報の抜け漏れなどがあるとマニュアル全体の質にも影響します。

業務を大きな区切りと小さな区切りに分けて考えると、構成を組みやすくなるはずです。理念や方針に基づいて、全体の流れを構成に落とし込むよう意識しましょう。

構成に沿って内容を記載する

構成が仕上がったら、構成に沿ってマニュアルの内容を作成していきます。内容を記載していく上では、マニュアルの目的を踏まえ、利用者の目線に立って作ることが大事です。

基本的には難しい言葉遣いを避け、誰もが一読して理解できるように作りましょう。フローチャート、図表や写真、動画などをうまく活用すれば、文章のみで伝えるよりも直感的に理解・習得しやすくなります。

仮運用をする

マニュアル全体を書き終えたら仮運用を行います。いきなり本採用とすると、万が一不備や情報の過不足があった場合のリスクが大きくなるためです。

仮運用は小さな規模でスタートし、現場の利用者から率直な感想を収集しましょう。実際に使った人からの意見は具体性があり、マニュアルの改善につながります。仮運用を繰り返し行いながら内容を修正していけば、より洗練されたマニュアルの作成ができます。

改善・アップデートを行う

本格的に運用を始めた後も、定期的にマニュアルの改善・アップデートを実施しましょう。常に最新版にしておくことで、いつ誰がどんなときに使っても、有益な情報を提供できます。

改善・アップデートについては、あらかじめ決めたマニュアルの管理担当者を中心に行うのが基本です。利用者へのヒアリングや更新フローなど、メンテナンス方法も定めておきましょう。

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手順書の作成方法

手順書の作成方法を流れに沿って解説します。マニュアルとはやや異なるフローに注目し、手順書を作成できる様にしましょう。

手順を洗い出す

手順書に記載する作業の手順をすべて洗い出します。「手袋を身につける」「道具を用意する」など、細かな手順であってもその作業に必要な情報はくまなくピックアップしましょう。

詳細まで手順を洗い出すことで、読み手にとって情報の抜け漏れがない充実した手順書の作成ができます。

手順書に必要な素材を集める

次に、写真や図表など手順書に掲載する素材の収集を行います。洗い出した作業内容に合わせて用意し、文章だけでは伝えにくい動作などの説明を具体化するためです。

実際に作業を行ってみて写真を撮影する、機密性のないサンプル画像を使うなど、わかりやすさや情報の取り扱いに配慮して集めましょう。デジタルの手順書であれば、動画を活用するのもおすすめです。

構成を決めて手順を記載する

洗い出した作業内容を適切な順序に構成し、手順を記載していきます。内容はできるだけシンプルにまとめ、難解な言葉を避けて書いていくことが大切です。

手順によって書き方が違わないよう、あらかじめフォーマットやレイアウトを決めておきましょう。見出しや画像の位置、文字の配色といった要素の統一を図っておけば、集中して読める上質な手順書に仕上げられます。

仮運用してFBをもらう

手順書が仕上がったら、次は仮運用のフェーズです。小さな規模で仮運用を始め、利用者からのFB(フィードバック)をもらいます。

利用者からのFBには、作成者にはなかった客観的な視点があり、制作段階では気づけなかった要素や改善点を見つけられます。FBを参考に手順書の最終仕上げを行ってから、本格的な運用に進みましょう。

手順書の内容を改善する

マニュアルと同様に、手順書も定期的な改善が欠かせません。手順の削除や追加、手順そのものの変更など、作業内容が変わったらできるだけ早く手順書を見直す必要があります。

一度作成したまま放置しては作業の変化についていけず、手順書として機能しなくなる可能性が高いでしょう。常に最新の情報が見られるよう改善を繰り返していくことで、有益な手順書の提供が実現します。

見やすいマニュアル・手順書を作成するポイント

マニュアル・手順書を見やすく作るためには、いくつかのポイントを押さえなくてはなりません。次のポイントを踏まえ、精度の高いマニュアル・手順書を作ってください。

画像や動画を活用して視覚的にわかりやすくする

視覚的にわかりやすいマニュアル・手順書にするために、画像や動画を活用しましょう。実際の業務写真や操作している動画を用いれば、わかりやすさが飛躍的に上がります。

文字だけでは具体的な動きが伝わらないことがあるほか、ボリュームが大きいほど読むのが大変です。途中で飽きてしまう、読み疲れて理解が進まないといった、本来の役目を十分に果たせない結果になりかねません。

マニュアル・手順書には画像や動画を効果的に使い、目や耳で理解が捗るような工夫が求められます。

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読み手を意識してシンプルで簡潔な表現にする

マニュアル・手順書を作る際は、常に読み手を意識しなければなりません。どんな人が利用するのかを考え、シンプルかつ簡潔な表現で説明をするのが重要です。

簡単な言い方に変えたり、適度に注釈を入れたりなどの工夫をして、わかりやすさを向上させましょう。常にシンプルで簡潔な文章にしておくと、誰が読んでも簡単に理解することができます。

5W1Hを意識する

マニュアル・手順書の文章において、5W1Hを意識することが大切です。「いつ・誰が・どこで・何を・なぜ・どのように」を示す5W1Hは、情報を的確に伝えるときに用いられます。

5W1Hが含まれない文章は、情報の伝達が不十分になる恐れが高く、どのタイミングで操作するのか、どれをどこに持っていくのかなど、業務に不可欠な情報の抜け落ちが生じかねません。

マニュアル・手順書を作るときはもちろん、チェック時にも5W1Hを満たしているかを確認してください。

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デザインにこだわりすぎない

デザインにこだわりすぎると、マニュアル・手順書の作成でつまずきやすくなります。見た目に意識が向くあまり、肝心の内容がおろそかになったり、必要以上に時間がかかりすぎたりするためです。

マニュアル・手順書を最初から完璧に仕上げることは難しいため、後から改善する前提で作成する様にしましょう。

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マニュアル・手順書の作成に役立つツール

ここからは、マニュアル・手順書の作成に役立つツールを3つ紹介します。自社のニーズに合ったツールを選ぶ際の参考にしてください。

COCOMITE

COCOMITEは、使いやすいマニュアルや手順書をスピーディーに作成できるサービスです。基本レイアウトに入力していくだけで、さまざまな形式のマニュアル・手順書が簡単に作れます。

Word、Excel、PowerPoint、PDFなどの好きな形式から、ユーザー層や業務分野に最適なものを選択可能です。現場で使っている各種ファイルの添付もできるので、実際の業務イメージがわきやすい内容に仕上げられるでしょう。

提供元コニカミノルタ株式会社
初期費用65,000円
料金プラン■エントリープラン
  • 月額契約:28,600円/月
  • 年額契約:286,000円/年

■スタンダードプラン

  • 月額契約:78,000円/月
  • 年額契約:780,000円/年

■エンタープライズプラン

  • 月額契約:286,000円/月
  • 年額契約:2,2860,000円/年
機能・特徴画像添付・編集、動画添付・ストリーミング再生、表作成、パブリック公開(パスワード設定、QPコード生成可)、モバイルアプリ、PDF出力、ファイル添付、UI日英言語設定、閲覧ログレポート、ワークスペース管理等
URL公式サイト

\資料請求は完全無料!/

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NotePM

NotePMは、企業内のあらゆる書類を共有可能にする社内Wikiサービスです。マニュアル・手順書の作成支援も充実しており、制作や更新をスムーズに行えます。

画像編集機能が用意された高機能エディタを使って、具体性のあるマニュアルや手順書を作れるのが特徴です。豊富なテンプレートがあるおかげで、作成経験が未熟な社員でも問題なく取り組めます。

提供元株式会社プロジェクト・モード
初期費用無料
料金プラン
  • プラン8:4,800円(税込)/月
  • プラン15:9,000円(税込)/月
  • プラン25:15,000円(税込)/月
  • プラン50:30,000円(税込)/月
  • プラン100:60,000円(税込)/月

※別途人数に応じたプランあり

機能・特徴画像添付・編集、動画添付・ストリーミング再生、表作成、パブリック公開(パスワード設定、QPコード生成可)、モバイルアプリ、PDF出力、ファイル添付、UI日英言語設定、閲覧ログレポート、ワークスペース管理等
URL公式サイト

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Teachme Biz

Teachme Bizは、業務の詳細を動画で伝えられる作成ツールです。文章だけではなく、具体的な動作を説明したいマニュアルや手順書で重宝します。

作った動画はオンライン上で共有ができるので、ネット環境下であれば好きな場所から利用可能です。

提供元株式会社スタディスト
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • スタータープラン:59,800円(税込)/月
  • ベーシックプラン:119,800円(税込)/月
  • エンタープライズプラン:319,800円(税込)/月
機能・特徴ステップ構造、画像・動画編集、写真・動画の取り込み、スナップショット機能、PC画面・動画キャプチャ、スライドショー表示、共同編集、PPT、Word、PDFのインポート、PDFエクスポート、マニュアル複製、マニュアルリンク登録、クリップボード機能など
URL公式サイト

マニュアルと手順書の違いを理解して使い分けよう

マニュアルと手順書では、作成の目的や具体的な内容が違います。双方の役割を理解した上で、マニュアルと手順書のどちらを作るべきか検討しなくてはなりません。

作成方法も異なるため、それぞれの作り方を把握してから準備・制作に取り掛かることが大切です。解説したポイントやおすすめの作成サービスなどを活用し、高品質なマニュアル・手順書を効率よく仕上げましょう。

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