動画マニュアルの作り方!メリットやおすすめの作成アプリ、事例を紹介
初めて動画マニュアルを作成する場合、何をどのように作ればよいかわからないことが多いでしょう。本記事を読めば、動画マニュアルの作り方やコツ、メリット・デメリットまでを知ることができます。活用事例や役立つソフトも紹介しているので、動画マニュアル作成で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
動画マニュアルとは?
動画マニュアルとは製品の使い方や業務内容など、さまざまな作業手順を動画で説明したマニュアルのことです。
使い方や作業手順を実際の映像で説明できるため、視覚的にわかりやすい特徴があります。文字が多い紙のマニュアルに抵抗を感じる人にもおすすめできるほか、文章では説明しにくい動作を多くともなう作業も理解しやすくなるでしょう。
なお、動画マニュアルには手順すべてをマニュアル化したもののほかに、紙のマニュアルを補完する役割を担うものもあります。
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【わかりやすい】動画マニュアルの作り方
動画マニュアルの作り方をわかりやすく解説します。効果的なマニュアルを作るためにも、基本的な流れを押さえておきましょう。
構成案・目次を作成する
動画マニュアルの骨格となる構成案を作成しましょう。マニュアルの内容を大きな区切りごとに分け、どのような順番でマニュアルに落とし込むかを決定します。
営業マニュアルを例にすると、新規顧客の選定・ターゲットリストの作成・顧客とのアポ取りといった内容が構成要素として挙げられます。マニュアルの内容に応じて構成要素を明確化し、必要な情報を流れに沿って組み込んでいきましょう。
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マニュアルに必要な情報や素材を集める
構成案をもとに、動画制作に必要な情報や素材を収集します。業務で実際に使う道具や資料などの必要な素材を洗い出し、準備しましょう。
情報や素材は、動画マニュアルの内容を具体化した上で集めることがポイントです。内容が抽象的すぎると必要な準備物が見えにくくなり、余計なものを集める手間や抜け漏れが発生しかねません。
作業をしている手元をしっかり映したい、工程を一連の流れで説明したいなど、どんな動画マニュアルにしたいかを具体化してから情報や素材を収集しましょう。
絵コンテや台本を作成する
制作内容を可視化するために、動画マニュアルの絵コンテや台本を作ります。絵コンテとは、どのような画角でどのような映像を撮影するかを絵で示し、頭の中のイメージを整理する設計図のようなものでスムーズな撮影に必要不可欠となります。
また、ナレーションや字幕、挿入画像・資料映像を入れるかといった具体的な流れを台本にまとめるのも重要です。台本作りを怠ってしまうと、伝えたい情報が抜けたり、撮影時に何を話すべきかわからなくなったりする場合があります。
構成案や目次に応じて絵コンテ・台本を作り、動画マニュアルの内容を明確に可視化しておけば、正確かつ効率的に制作が進むでしょう。
動画を撮影・録音する
絵コンテ・台本が完成したら、いよいよ撮影です。あらかじめ撮影スケジュールを組んでおき、スタッフや出演者に共有してから実施しましょう。
見やすい動画に仕上げるために、基本は明るい場所・時間帯にて撮影を行います。照明機材を効果的に使うほか、野外の場合は背景の映り込みにも気を配らなくてはなりません。後日追加撮影が発生しないように、同じシーンでもアップ・引きの画・手元など複数カット撮影しておきます。また、それぞれのカットを短く区切ることも、スムーズに撮影を進めるためのコツです。
ナレーションを入れる
わかりやすい動画マニュアルを作るためにも、映像の補足説明となるナレーションの役目は重要となります。
事前に作成した台本をもとにナレーションを入れるほか、ナレーターとの打ち合わせもあらかじめ済ませておきましょう。話し方や速度、声のトーンといった細かい要素の認識を合わせておくことで、動画マニュアルの内容に適したナレーションを収録できます。
撮影した動画・音声を編集する
マニュアルの形になるよう、撮影した動画・音声を編集していきます。構成案に従って動画を順番につなぎ並べ、不要な部分をカットし、ナレーションやテロップを挿入してさらにBGMやエフェクトなどの装飾を行います。
編集のポイントは、動画マニュアルの時間を短く簡潔にまとめることです。長すぎる動画だと途中で意識が散漫になり、マニュアルとして機能しにくくなる恐れがあります。また、周りの人にフィードバックをもらいながら編集を進めることで、動画のクオリティーを高めることが可能です。
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動画マニュアルを作成する際のポイント
ここでは見やすい動画マニュアルを作成する5つのコツについて解説します。
ターゲット・目的を明確にする
ターゲットや目的がわかっていないとマニュアルの具体的な方向性が定まらないため、動画マニュアルを作成する前に、誰にどんな目的で作るのかを明確にしましょう。
新入社員であれば業務の基礎から説明する必要があり、専門用語の多用を避けるなどの工夫も求められます。基礎は省略しても問題ない既存社員向けの動画の場合、応用や効率化の方法を組み込むといったことができるでしょう。手元を集中的に撮るべきなのか、全体が見えやすい画角にした方がよいかなど、目的によっても適切な動画は異なるのです。
解決したい課題などからターゲット・目的を明確にし、もっとも伝えたいことが伝わるような動画マニュアルを目指してください。
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動画に適した内容をマニュアル化する
動画に適した内容であれば、マニュアルの効果を最大化できます。具体的には、実際の動きを見た方がわかりやすい作業や動作が多く含まれるものです。製作の仕方や動きの大きな操作手順などが該当するでしょう。
文章の方が伝わりやすい内容の場合、動画マニュアルには向いていません。マニュアルを繰り返し読みながら学ぶ定型作業や職場のルールなどは、紙のマニュアルの方が適しています。
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動画マニュアルはなるべく短くする
動画マニュアルの尺は長くしすぎるのではなく、重要なポイントだけを短時間で端的にまとめることが大切です。情報を盛り込みすぎて長尺になってしまうと、本当に伝えたい情報が伝わらなかったり、最後まで視聴されなかったりします。
伝えたいことが複数ある場合は複数本に分けて制作するなど、1本あたりの尺を短くする工夫を行ってください。
テロップを用いてわかりやすくする
テロップがなければ、音声を出せない環境で視聴した際にわかりやすさが半減してしまいます。聞き逃した時の再確認も面倒になるため、視聴者の学習効率を考えてもテロップをつけておきましょう。
スマートフォンでの視聴を考慮し、字幕やテロップはある程度の大きさを確保するのがポイントです。また、話している内容すべてを字幕にするのではなく、必要な情報を取捨選択することで読みやすくなります。
視聴環境に配慮する
動画マニュアルのターゲット層から視聴環境を分析し、利用端末などに配慮した作りにする必要があります。スマートフォン・タブレット・パソコンのどれを使うことが多いのかにより、最適なテキストサイズや画質が変わるためです。
例えばスマートフォンでの視聴が多い場合は、小さな画面でも文字が認識しやすいように字幕やテロップを大きくします。オフィスのパソコンから視聴する動画マニュアルであれば、高画質の映像を用意することで伝わりやすさが向上するでしょう。
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動画マニュアルを作成するメリット
ここでは動画マニュアルを作成するメリットについて解説します。
視覚や聴覚を通して学べるので理解しやすい
動画マニュアルは音声や映像を用いて手順を伝えられるため、視覚や聴覚に訴えることができます。音や声にのせて内容を受け取ることで、視覚からしか情報を得られない紙のマニュアルよりもダイレクトに伝わるのです。
視覚と聴覚から学びを得られるので、視聴者が実際の手順をリアルに想像でき、紙のマニュアルに比べて理解しやすくなります。
場所や時間に縛られず学習できる
動画マニュアルはスマートフォン・タブレット・パソコンから視聴でき、ネット環境さえあれば時間や場所に縛られず学習できます。クラウド上にアップロードしておけば、格納場所にアクセスするだけで好きな時に視聴が可能です。
移動の合間などのスキマ時間を活用しやすく、自分の都合や理解度に合わせて学習できます。説明会や勉強会など、時間・場所が限られる方法にこだわる必要もありません。
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さまざまなコストを削減できる
動画マニュアルは一度制作すれば繰り返し利用可能です。研修のたびに講師を招いたり、各地から人を集めたりせずに済むため、研修費や講演料を節約できます。
データで管理する動画マニュアルは保管場所を取らず、共有も簡単です。紙のマニュアルに必須となる保管スペースや印刷にかかるインク・紙のコストも削減できます。パソコンやクラウドに保存できる動画なら、紙のマニュアルにありがちな紛失リスクも回避できるでしょう。
動画マニュアルを作成するデメリット
動画マニュアルにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットがあるのも事実です。ここでは、主なデメリットを解説していきます。
動画制作のスキルやソフトなどが必要になる
マニュアルを動画で作るとなると、専用の映像ソフトや相応の編集スキルが求められます。誰もがわかりやすい動画マニュアルを作るために、設備や人材の観点から最低限の制作環境を整えておかなくてはなりません。
動画制作に必要なスキルやソフトを心得た上で、予算・費用対効果などから慎重に検討すべきでしょう。
必要な情報を見落としやすい
長尺の動画マニュアルにありがちなデメリットが、必要な情報を見落としやすくなる点です。特に込み入った情報を一度に伝えようとすると、視聴が追い付かずに見落としやすくなります。視覚と聴覚で情報を伝えられる長所も、情報量が多すぎると短所になりかねません。
そのため、都度停止しなくても理解できる程度の情報量を意識して編集するのが重要です。
更新がしにくい
動画マニュアルを更新する時には新たな動画を撮り直すなどの大幅な修正が必要になります。変更箇所を差し替えるだけの紙マニュアルよりも圧倒的に作業量が多く、動画の撮影・編集に慣れていない場合はさらに時間がかかるでしょう。
マニュアルの更新は定期的に必要な作業ですが、動画のように更新しにくい形態だと担当者の負担が増します。通常業務と兼任する場合は一層の負担が考えられるため、更新頻度や担当作業の配分を考慮するといった工夫が不可欠です。
動画マニュアルの活用事例
動画マニュアルの導入を検討する場合、他社の活用事例を参考にするのがおすすめです。実際にあった3社の活用事例を紹介します。
ミニストップ株式会社
ミニストップ株式会社では、外国籍のスタッフを採用する店舗に向けて動画マニュアルを作成・配信しており、店舗内で作る総菜の調理手順をわかりやすく伝えるために、日本語を含む4カ国語に対応するマニュアルを整備しました。
1本の動画時間は1分前後、長くても2分以内に仕上げることを徹底しており、視聴ストレスを限りなく低減した仕様にこだわっています。母国語での動画マニュアルを視聴したスタッフからは、今まで間違っていたことに気付けたというフィードバックを得られるなど、多言語対応の動画による成果を実感しているそうです。
[出典:Photron「母国語に対応した動画マニュアルで外国籍スタッフをサポートし店舗運営をバックアップ」]
株式会社JR東日本クロスステーション フーズカンパニー
駅構内にコーヒーショップなどを展開しているJR東日本クロスステーションフーズカンパニーは、接客やサービスの手順を示した既存のマニュアルが非常に分厚く、使い勝手の悪さや更新のしにくさから形骸化が進んでいました。
そこで、期間限定メニューのレクチャーを動画化することで、従来受けていた調理プレゼンとメモなどの負担がなくなりました。その結果、「実物とメニューが違う」というクレームが減るなど、想像を超える効果も得ています。
[出典:Teachme Biz「Teachme Bizはファン獲得と企業成長のカギを握るプラットフォーム」]
株式会社フレッシュネス
フレッシュネスバーガーでおなじみの株式会社フレッシュネスは、膨大なレシピの共有を円滑化するために動画マニュアルを導入していましたが、共有にメール配信を利用しており、効率が悪いのが課題でした。
そこで、より手軽に確認できる動画でのレシピ共有に踏み切ったのです。導入後は動画を通じてタブレットからレシピを確認できるようになり、スムーズな共有が可能となりました。レシピ動画を確認しながら調理ができるため、不慣れなスタッフでも安心して作業できる環境を構築できたと評価しています。
[出典:Teachme Biz「レシピや調理の動作を動画で解りやすく!Teachme Bizを新人スタッフの初期教育に活用」]
【無料あり】おすすめの動画マニュアル作成ソフト・アプリ
ここではおすすめの動画マニュアル作成ソフト・アプリを3つ紹介します。それぞれの機能や特徴をまとめているので、比較の参考にしてください。
Teachme Biz
Teachme Bizは動画マニュアルの作成から共有・運用までを一貫してできるソフトです。マニュアルの管理業務をソフト内で完結できるため、業務効率の向上にも役立つでしょう。
各ステップに動画や見出し、説明文といった要素を設定することで、マニュアルが作成できる仕組みなので、特別なスキルがなくても簡単に動画マニュアルを構築できます。
提供元 | 株式会社スタディスト |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
|
機能・特徴 | ステップ構造、画像・動画編集、写真・動画の取り込み、スナップショット機能、PC画面・動画キャプチャ、スライドショー表示、共同編集、PPT、Word、PDFのインポート、PDFエクスポート、マニュアル複製、マニュアルリンク登録、クリップボード機能など |
URL | 公式サイト |
Videotouch
Videotouchは、OJT教育を動画マニュアルによって改善できる制作ソフトです。紙のマニュアルや口頭では教えにくい作業を動画化し、OJT教育の課題を解決に導きます。
動画の切り貼りやテロップといった基本機能はもちろん、マニュアルの理解度を分析できるレポート機能があるのも強みです。OJT教育の改善効果をレポートによって定量的に判定でき、今後のさらなる改善点などを効果的に反映していけるでしょう。
提供元 | VideoTouch株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 動画アップロード、動画編集、自動字幕、ライブラリー(フォルダ整理)、サムネイル(写真追加)、動画・個人視聴分析、多言語字幕など |
URL | 公式サイト |
tebiki
tebikiはスマートフォンで撮影するだけで簡単に動画マニュアルが制作できるソフトです。音声認識システムが自動で文字起こしをし、入力の手間なく字幕を作成できます。
また、100カ国以上の言語に対応しているので、外国人スタッフにも伝わる動画マニュアルを制作できるのもポイントです。
提供元 | Tebiki株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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機能・特徴 | 自動字幕、画面録画、映像編集、図形挿入、レポート、自動翻訳など |
URL | 公式サイト |
動画マニュアルを作成して情報を効率よく伝えよう
動画マニュアルを作成する際には、基本となる手順やメリット・デメリットを理解した上で作成を進めましょう。
現在は簡単に動画マニュアルを制作できるソフトもあり、動画編集未経験でも挑戦しやすい環境が整っています。複数のソフト・アプリを比較検討してから導入し、情報を効率よく伝えられる動画マニュアルを作成してください。
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