経理業務のデータ分析とは?手法や重要性を詳しく解説

最終更新日時:2023/10/05

経理アウトソーシング

経理のデータ分析

これまでは、企業のお金の流れを管理するのがメインだった経理。昨今では経理のデータ分析を活用して、利益の増加・拡大に力を入れている企業が増加しているのです。本記事では経理業務のデータ分析について、重要性や代表的な手法を徹底解説していきます。

経理業務におけるデータ分析の重要性

DX化(デジタルトランスフォーメーション)が進む現代において、経理業務の課題は経費を「削減」することから「適正化」を行う方向に移行しつつあります。

これまでの経理業務では、利益増加を目的とした経費削減を重要視する傾向にありました。近年はデータ分析に基づいて経費管理を行うことが多くあります。使用目的や頻度は適切か、無駄がないかなどをデータで管理・評価しているのです。経費削減は、あくまで適正化の一環と捉えられるようになってきました。

経理業務においてデータ分析が適切に行えると、経費の適正化が可能になります。分析データは、経営に関する重要な意思決定の材料となる場合もあるでしょう。経理のデータ分析は、さまざまな改善提案の可能性を秘めているのです。

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経理業務でデータ分析を行うメリット・効果

データ分析を取り入れると、情報管理や経営において優れた効果が得られます。ここからは、経理業務でデータ分析を行うメリットや、期待できる効果を3つ紹介していきます。

スピーディーな意思決定の実現

経理業務からデータ分析を行うことで、スピーディーな意思決定が可能になります。お金の流れや適切な資金配分が見え、的確な判断ができるためです。

経理業務のデータ分析はさまざまあり、具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 資産会計データ:設備投資などに関するデータ
  • 顧客分析データ:部門・領域ごとの売上や利益のデータ
  • 財務会計データ:投資家・債権者・税務署などへの報告データ

企業にとって重要なキャッシュフローを正確・迅速に抽出することで、速やかな経営判断が叶うでしょう。

業務の効率化・ミスの防止

経理業務でデータ分析を行うと、業務の大幅な効率化や人為的ミス防止も実現可能です。

取引の仕訳や会計ソフトへの入力など、経理には多くの手作業が発生します。紙ベースの業務フローが必要なことも多いため、作業効率が悪くミスも発生しがちです。

業務のデータ化と分析により、経理の流れや作業内容が可視化され、不要な業務の削除も促せるので作業時間が短縮できるでしょう。また、年末調整や決算など、手間のかかる業務の早期化や正確性の向上にも役立ちます。

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データの蓄積・活用の促進

データ分析の導入により、経理から得た情報の蓄積や活用を促せます。データの蓄積が進むほど参考情報が増え、より一層の活用化にもつながるのです。

経費のデータを例にしてみましょう。データを見れば経費の増減は一目瞭然であるほか、急激な変化にも素早く気づけます。過去のデータの積み重ねがあることで、原因の究明や対策が即座にできるのです。

蓄積したデータをもとに現状を比較・分析することで、的確な対処が行えます。精度の高い未来の仮説も立てられるようになるでしょう。

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データ分析に用いられる代表的な手法

データ分析は手法ごとに特徴が異なり、それぞれに応じた使い分けがポイントです。データ分析によく使われている代表的な手法5つと、各特徴を紹介します。

ロジスティック回帰分析

さまざまなデータをYES・NOの2択で集計する手法は、ロジスティック回帰分析の特徴になります。ロジスティック回帰分析を使えば、事象の発生確率の割り出しが可能です。

顧客行動を分析する場合、「DMを開封したか」「来店したか」「商品を購入したか」などの問いを集計していきます。集計データをもとに、各行動の発生率を算出可能です。

事象の発生確率から、今後のアプローチ方法や改善点などを検討できます。マーケティング精度の向上にもつながるでしょう。

クロス集計分析

世論やマーケティングの情報収集には、クロス集積分析がよく用いられます。収集したデータを性別・年齢・地域などに分類する分析手法です。

縦軸に「年齢」「性別」、横軸に「満足している」「どちらともいえない」「満足していない」と設定して集計すると、属性ごとのおおまかな傾向を可視化できるでしょう。

エクセルなどの表形式ソフトであれば、クロス集積分析を容易に行えます。身近なソフトで実行できるため、導入も簡単です。属性や設問をさまざまに組み合わせると、多様な傾向を把握できるでしょう。

アソシエーション分析

アソシエーション分析とは、多彩なビッグデータから相関性を見つける分析手法です。顧客の購買行動の分析を中心に活用されています。商品購入における関連割合、同時に買われる傾向などをまとめあげることが可能です。

アソシエーション分析のデータを検索履歴に紐づければ、商品のアプローチ方法を具体的に検討できます。「エアコン」「省エネ」で検索した人が商品ページを訪問している場合、電気代の安さに言及した商品説明が効果的です。位置情報との相関性を分析したり、広告ごとの売上結果から広告デザインとの関連度合いも考察できます。

アソシエーション分析は、すでに売れている商品やサービスのアップセル(上位商品への移行)やクロスセル(併売)を狙いたい場合に有効な手法といえるでしょう。

バスケット分析

顧客がバスケット(買い物かご)に入れる商品の傾向を読み解くのが、バスケット分析です。関連性・相関性の発見に役立つ、アソシエーション分析の一種となります。

アソシエーション分析との主な違いは、分析範囲です。アソシエーション分析は「Aの場合Bだろう」という、商品販売に限定しない広範囲な相関性を見つける際にも用いられます。バスケット分析の場合は顧客の購買行動・傾向に特化しているため、購入の動機や理由をより詳細に分析できるのです。

商品Aを購入した顧客は合わせて商品Bも買う傾向がある、という関連性が見つかったとしましょう。データに基づき、商品AとBの陳列場所を近づけるなどの改善が見出せます。インターネット通販における「この商品を購入したお客様はこちらの商品も購入しています」というレコメンドも同様です。

クラスター分析

類似する特徴を持ったデータをグループ分けする分析手法にクラスター分析があります。市場調査や製品開発に活用されているデータ分析です。

クラスター分析を行えば、各グループの嗜好に合わせて戦略を立てられます。購買商品が似ている顧客グループを抽出し、DMを最適化するなどが考えられるでしょう。

クラスター分析は市場や顧客の類別を行ったり、自社のポジションを把握したりするのに有効です。マーケティングの改善や発展に役立つ手法といえるでしょう。

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経理業務でのデータ分析の活用先

データ分析を使うべき場面を理解すると、活用の幅が広がります。経理業務のデータ分析を活用できるシーンを4つ紹介しましょう。

ビジネス計画の作成

経理業務のデータ分析は、売上や経費の予算・予測を含めたビジネス計画の作成に活用できます。

年次計画の要である予算編成は、前年度の売上・経費などの会計データをもとに立案するのが一般的です。これらのデータから売上予測・現金回収予測を立て、仕入れと経費を組み込んでいきます。

的確に予算編成を行うには、前年度の分析データが必要不可欠です。蓄積されたデータ分析が大いに役立つことは、想像に難くないでしょう。

パフォーマンスの精査

進行中のビジネスにおいて、パフォーマンスの精査は重要です。パフォーマンスを見直して改善につなげるには、経理のデータ分析が役立ちます。

ビジネスの実行は、予測や計画をもとに行われる場合が多いでしょう。月次ベースでもともとの予測や計画と比較し、運営の軌道修正を行う流れが一般的です。

データ分析を活用すると、予測と現実との乖離を迅速かつ正確に把握できます。問題が大きくなる前に対策を検討・実施でき、ビジネスのパフォーマンス向上を促すでしょう。

投資先の選択

投資先の選択にも活用できる点は、経理のデータ分析における大きなメリットです。

金融機関からの融資や投資家からの出資は、もともとの計画に沿って使われます。仮に余剰が出た場合、新たな投資先の検討が必要です。参考にできるデータがあれば、情報をもとに適切な投資先を定めやすくなります。

目的達成を叶えるためにも、資金をどこに投じるかを慎重に選定しなくてはなりません。経理の分析データは、投資先を決める判断材料として大いに役立つでしょう。

業績の評価

ビジネスの業績評価を行うには、経理業務のデータ分析に基づく財務情報が不可欠です。

予算や売上データを社内計画と比較することで、ビジネスの状況を密に評価できます。業界全体や競合他社の財務データとも比べれば、より正確に業績評価が可能でしょう。

自社でデータ分析を行うことで評価の精度も上がり、ビジネスを飛躍させる重要な手がかりになります。

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経理業務にデータ分析を活用する際のポイント

データ分析を実務に取り込む際には、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。経理業務にデータ分析を活用する上で、知っておくと良いポイントを5つ解説します。

活用目的を明確にする

データ分析を導入する際は、あらかじめ活用目的を明確にしておきましょう。目的によって収集すべきデータ、選択すべき分析方法が異なるからです。

最初から詳細な目的を設定できない場合は、集客強化や利益拡大など大まかな方針でも問題ありません。実際に取り組みを進めるなかで、肉付けしていくと良いでしょう。

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最適な分析手法を選択する

データ分析にはさまざまな手法が存在するため、目的に合わせた方法を選択することが重要です。

データを分析する前にある程度の仮説を立てると、分析手法を選びやすくなります。注意すべきなのは、仮説が大量にある場合です。仮説が多い場合にすべての手法でデータ分析を行うのは現実的ではないため、優先順位を設けて重要な仮説から分析を行ってください。仮説の方向性を確認する目的で、簡単なデータ分析から始めるなどの工夫も有効でしょう。

主観的な見方は払拭する

データ分析を行う際は、極力主観的な見方は払拭すべきでしょう。客観的な事実・情報に基づいて意思決定を行えることが、データ分析のメリットであるためです。

主観が入ると、公正かつ冷静な経営判断ができません。戦略の検討や施策の評価など、データ分析を用いるあらゆる場面において客観性を優先しましょう。

PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルを回すことで、データ分析をより効果的に活用できます。PDCAは品質担保や業務効率化において、よく用いられる手法です。

一度の分析データからわかることは、現状の切り抜きに過ぎない側面があります。データが必ずしも現状にフィットしているとも限りません。

PCDAにより施策の実行・評価・修正・改善を繰り返すと、信憑性と奥行きのあるデータが蓄積されていきます。分析精度の向上につながり、ビジネスをブラッシュアップしていけるでしょう。

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BIツールを導入する

データ分析に慣れないうちは、BIツールを導入するのもひとつの方法です。BIツールとは「ビジネスインテリジェンスツール」のことで、既存システムを横断した迅速な情報収集・データ分析ができます。

データをグラフ表示できるものが多く、情報を明瞭に可視化できるのが特徴です。BIツールの使用には、特別な知識や技術を要しません。手軽にデータ分析を導入できるほか、集計業務の効率化などITソフトならではのメリットもあります。

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経理業務におけるデータ分析の重要性を押さえておこう

長きに渡って経費削減が課題だった経理業務も、DX化の推進であり方や求められるものが大きく変化しました。変化に対応するためには、経理業務のデータ分析が不可欠です。

経理業務でデータ分析が活用できると、お金やビジネスの流れが可視化でき、経営上重要な意思決定にも貢献します。

経理業務におけるデータ分析の重要性や活用シーンを押さえて、積極的に取り入れることをおすすめします。

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