経理業務はエクセルで効率化!覚えておくべき関数やスキルを紹介!

最終更新日時:2023/06/29

経理アウトソーシング

エクセルでの経理業務効率化

資料の作成や会計業務など、あらゆる経理業務を効率化するエクセル。経理にとっては必要不可欠なツールですが、どのように業務の効率化を図ればよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、経理業務の効率化で覚えておくべき関数や機能、必要なエクセルスキルについて紹介します。

経理業務はエクセルで効率化が可能!その理由とは?

エクセルを活用することで経理業務を効率化できる理由としては、以下の3つが挙げられます。

  • 初期設定が不要で業務の負担にならない
  • 自社オリジナルフォーマットで無駄のない管理を実現
  • 豊富な無料テンプレートでフォーマット作成の手間を削減

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

初期設定が不要で業務の負担にならない

エクセルは、初期設定の手間が少ないという特性から、経理業務の効率化を簡単に実現できます。とくに会計ソフトと比較すると、エクセルの導入は簡単で、業務の負担になりにくいといえるでしょう。

また、ビジネスシーンで広く使われていることもあり、基本的操作の説明が不要なケースも多いです。エクセルは互換性が高く、引き継ぎが容易であるため、新たなメンバーがチームに参加したときでも、スムーズに業務を進めることができます。

自社オリジナルフォーマットで無駄のない管理を実現

エクセルは、自社に必要な項目のみでフォーマットを作成できるカスタマイズ性の高さが魅力です。

業界や企業独自のルールにも対応しやすいため、業務内容に合わせたオリジナルのフォーマット作成が可能になります。経理業務にエクセルを活用することで、無駄のない管理の実現にもつながるでしょう。

豊富な無料テンプレートでフォーマット作成の手間を削減

エクセルは、オフィスツールとして長く利用されてきました。そのため、インターネット上で入手可能な無料のテンプレートが豊富に用意されているのが特徴です。

あらかじめ用意されたテンプレートを活用すれば、自身で一から作成するよりもミスを減らすことが可能です。また、自社の業務に合わせたカスタマイズも行えるため、フォーマット作成などの手間を大幅に削減できるでしょう。

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経理業務をする上で覚えておくべきエクセル関数

経理業務をおこなううえで覚えておくべきエクセルの関数について紹介していきます。

VLOOKUP関数

VLOOKUP関数では、あらかじめ作っておいた表を縦方向に検索し、必要な情報を抽出できます。

たとえば、商品一覧から商品名や値段だけを表示したいときに、個別に識別コードを割り振っておくことで、一覧データから欲しい情報だけを抜き出すことが可能です。また、データ入力などを行っているときなど、抜け漏れをチェックする際にも利用できます。

VLOOKUP関数を上手く利用することで、手作業の経理業務で起こりがちな入力ミスを防ぐだけでなく、データ照合作業の効率化を図れるでしょう

SUM関数

SUM関数は、指定したセルに入力されている数字の合計を導き出す関数です。

経理業務においては、売上の集計などに活用できます。複数の商品の売上を一つのセルにまとめることで、全体の売上を一目で把握することが可能です。

また、連続して入力した数値の合計値を算出したい場合は、SUM関数で合計を出したセルの右下をダブルクリックすることで、自動的に合計値を計算(オートフィル機能)してくれます。

COUNT関数

COUNT関数は、数字が入力されているセルの個数を求める関数です。

経理業務では、経費精算書や交通費精算書などの項目数をカウントする際に利用できます。これにより、項目の数を手動で数える手間を省き、業務の効率化が図れるでしょう。

IF関数

IF関数は、設定した条件をもとに値を表示させる関数です。

経理業務では、計画や実績、前年度と今年度といったように、数値を比較する場面が非常に多く存在します。

たとえば、月ごとに売上計画を立てておいた場合に、IF関数を利用すれば売上実績が計画を達成できているかを一括で確認することが可能です。

SUBTOTAL関数・AVERAGE関数

SUBTOTAL関数は、指定した範囲の合計を計算する関数です。

経理業務では、複数のデータを一括で処理する際に役立ちます。たとえば、月間の売上データがあり、その合計を簡単に算出したい場合などです。

また、特定の条件を満たすデータだけを対象にしたい場合も、SUBTOTAL関数で簡単に計算できます。

一方、AVERAGE関数は、指定した範囲の平均値を計算する関数です。経理業務では、特定の期間の売上平均や、各部門の平均経費などを計算する際に使用します。

RANK関数

RANK関数は、入力した数値からランキングを表示する関数です。

たとえば、複数の営業社員の実績を入力したうえでRANK関数を使用すれば、瞬時に誰の売り上げが一番高いのかを可視化することができます。

これにより、業績評価や目標達成度の分析など、経営判断に必要な情報を迅速に把握することが可能です。

TODAY関数

TODAY関数は、その日の日付を表す関数です。

経理が扱う書類の多くは、印刷する際に作成した日付を記載することも多いでしょう。

その際、TODAY関数を設定しておけば、前に記載した日付のまま印刷して配布するミスを防ぐことが可能です。

また、日付を自動で更新することで、手動で更新する手間が省けるため、日々の業務の効率化にもつながります。

ROUND関数・ROUNDUP関数・ROUNDDOWN関数

ROUND関数は、指定した桁数で四捨五入する際に利用されます。一方、ROUNDUP関数は、指定した桁数で切り上げる関数、ROUNDDOWN関数は、指定した桁数で切り捨てる関数です。

たとえば、45.667という数値を少数第1位まで表示したい場合の例について考えてみましょう。この際、それぞれの関数の結果は、以下のようになります。

  • ROUND関数:(45.667,1) = 45.700
  • ROUNDUP関数:(45.667,1) = 45.700
  • ROUNDDOWN関数:(45.667,1) = 45.600

経理業務では、決算書やその他の資料など、数値を切り捨て表示させるケースが多くあります。たとえば、百万円単位や千円単位で切り捨て表示する場合などです。この3つは比較的頻繁に使用される関数なので、覚えておくとよいでしょう。

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経理業務をする上で覚えておくべきエクセル機能

経理業務を行う際に覚えておくべきエクセル機能は、以下の5つです。

  • 並べ替え機能
  • フィルター機能
  • ピボットテーブル機能
  • マクロ機能
  • エクセルショートカット機能

それぞれ詳しく解説します。

並べ替え機能

並べ替え機能は、データを特定の順序で整理するために備わった便利な機能です。ホームタブから「並べ替えとフィルター」を選択し、昇順や降順でデータを整理できます。

また、「ユーザー設定の並べ替え」を利用すれば、日付順に並べた後に同じ日付のデータをアルファベット順に並べるなど、複数の基準で並べ替えることも可能です。

経理業務では、請求書や支払いデータを日付順に整理したり、取引先名のアルファベット順に並べるのに活用されています。

フィルター機能

エクセルのフィルター機能は、多数あるデータから特定の情報を抽出する際に便利な機能です。

データタブからフィルターを選択すると、各列のヘッダーにドロップダウンボタンが表示され、特定の条件を設定できます。たとえば、特定の月の売上データや特定の取引先の請求データなど、必要な情報だけを瞬時に抽出することが可能です。

経理業務では、フィルター機能を利用して期間や取引先、商品カテゴリなどによる売上分析を効率的に行えます。

ピボットテーブル機能

ピボットテーブル機能は、大量のデータを瞬時に整理して集計・分析を可能にする機能です。挿入タブからピボットテーブルを選択し、集計したいデータ範囲とレポートの出力場所を指定するだけで、自動的に集計表が作成されます。

たとえば、部門別、科目別、月別の経費分析など、複数の視点からデータを閲覧することが可能です。経理業務では、ピボットテーブル機能を利用して、財務状況の分析や予算策定、業績予測などを効率的に行えます。

マクロ機能

エクセルには、一連の操作を記録して操作を自動化するマクロと呼ばれる機能が備わっています。設定の手順は、以下の通りです。

  1. 表示タブから「マクロの記録」を選択
  2. マクロ名を入力し、その後の操作を記録
  3. 記録を終えたら、シートの左下のアイコンをクリックして記録を終了

次回同じ操作を自動で行うには、記録したマクロを実行するだけです。経理業務では、毎月の経費集計や売上報告など、定型的な作業を自動化するのに活用されています。

プログラミングの知識・スキルが求められますが、プログラミングコードを利用して、マクロの自動化処理を構築することも可能です。

エクセルショートカット機能

エクセルでの経理業務をより効率化するには、ショートカットキーの活用がおすすめです。

エクセルで使えるショートカットキーは、以下のとおりです。

ショートカットキー機能
Ctrl+Cコピー
Ctrl+X切り取り
Ctrl+Vコピー、または切り取った内容を貼り付ける
Ctrl+Z直前の状態に戻す
Ctrl+Y直前の操作の繰り返し
Ctrl+Sファイルの上書き保存
Ctrl+N新しいブックを開く
Ctrl+F検索
Ctrl+H置換
Shift+矢印セルの範囲選択
Shift+F9シートの再計算
Shift+F11新しいシートの追加
Ctrl+Shift+Lフィルター機能
Ctrl+Shift+矢印データの一括選択
Shift+Ctrl+@数式の表示
F2選択中のセルを編集状態にする
F12名前をつけて保存

すべて覚えるのは大変かもしれません。しかし、経理業務でエクセルを利用する際に意識して取り入れてみると、業務の効率化が期待できます。

経理業務を効率化する方法とは?経理業務の課題や事例・効率化させるステップ

経理業務に必要なエクセルスキル

経理業務に求められるエクセルスキルについて紹介していきます。

表計算スキル

経理業務でエクセルを活用する場合は、基本的な機能である表計算スキルは必須です。

日々の経理業務で四則演算を行ったり、煩雑な計算を自動化するには、SUM関数やCOUNT関数など基本的な関数を理解することが求められます。

表計算スキルを身につければ、エクセルによる経理業務の効率化が図れ、時間と労力を大幅に削減できるでしょう。

表・グラフ作成スキル

エクセルの表やグラフ作成スキルも、経理業務において重要なスキルのひとつです。データを視覚的に表現することで、情報を把握しやすくします。

たとえば、部署ごとの経費を科目別に分け、さらに月ごとに並べて表示して推移を分析するといったことが簡単に行えます。表・グラフ作成のスキルがあれば、経理業務の正確さや効率が向上し、経営陣への数値報告もスムーズになるでしょう。

資料作成スキル

経理では、必要なデータを抽出してわかりやすくまとめる資料作成スキルが求められます。

たとえば、経営判断に使用される資料の場合、会社の経営陣が記載してある内容を把握できるように簡潔にまとめることが重要です。要点を押さえた資料を作成できれば、経理担当者としての評価もあがるでしょう。

関数スキル

エクセルを経理で活用する際は、関数を扱うスキルは必須です。

基本的な四則演算だけでなく、経理業務を効率化できる特定の関数を理解し、適用する能力が求められるでしょう。

たとえば、「ROUND関数」は割引価格や消費税の計算に活用されています。小数点の切り上げや切り捨てを指定したり、合計値を小数点第二位までなど指定した桁数で数値を示すことが可能です。

また、「SUMIF関数」は条件に適した項目のデータ合計の集計が可能であり、大規模のデータを効率よく集計するために重要なスキルとなります。

経理と財務の違いとは?仕事内容や求められるスキルを解説

エクセルができない経理担当者におすすめの勉強法

エクセルが苦手で難しいと感じる経理担当者に向けて、おすすめの勉強方法について紹介していきます。

エクセルが学べる書籍を活用する

エクセルを学ぶのであれば、書籍を活用した学習がおすすめです。

書籍での学習は、自身のペースで学習を進められます。また、具体的な例や図解が豊富に掲載されているため、視覚的に理解しやすいのが特徴です。

書籍はインターネット環境がなくても学習できるため、場所を選ばずに学べるという利点もあります。書籍を利用してエクセルを学習する場合は、自身のレベル感に適したものを選定しましょう。

エクセルが学べるWebサイトを活用する

インターネットの普及が進む現代では、エクセルが学べるWebサイトが豊富に存在します。

エクセルの基礎から丁寧に解説されたサイトや、実務で利用できる応用的な操作方法を学べるものまで、自身の習熟度に合わせた勉強が可能です。なかには、実際にエクセル上で操作しながら学習できるサイトも存在していて、より効率的な学習が行えます。

Webサイトで学習する際は、自身に適したサイトを探すところからはじめましょう。

経理が取得すべきおすすめの資格一覧!資格の必要性や取得難易度を解説

エクセルスキルを高め経理業務の質を向上させよう

経理業務を効率化したい場合は、初期設定が不要で導入しやすいエクセルの利用がおすすめです。テンプレートが豊富にあるため、手作業で行うよりもミスが減り、処理速度も向上します。

また、経理業務でエクセルを扱う場合は、SUM関数やIF関数といった経理に役立つ関数を覚えておくことも重要です。これらをマスターすれば、経理業務の効率化を実現できます。

エクセルが苦手で難しいという方は、書籍やWebサイトを利用して学習してみましょう。

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